小山市がふるさと納税の返礼として初めて採用した「ヤクルト配達」が話題になっています。
この返礼品の内容を簡単に紹介すると、要するに市外の方がふるさと納税(寄付)を行うと、小山に住む家族などに一定期間、ヤクルトが届けられるというものです。
2023年現在の寄付額などの内容としては、寄付額2万7000円で、2週に1回、半年間の配達。5万3000円の場合は週1回を半年間。10万5000円を寄付すると週1回、1年間の配達が行われます。
この「ヤクルト」返礼品の対象は小山市内に高齢の家族が暮らしている人。実際に小山の営業所から配達されるわけですから、市内に限定されているわけです。
配達ビジネスの新たな役割
さて、このヤクルト返礼品の画期的なところは何か
ここで、ヤクルトの配達のイメージはどのようなものでしょうか。
配達員、いわゆるヤクルトおばさまたちが、顔なじみの町の人たちに、あいさつしながら飲み物などを届けているイメージですよね。
これ、単に飲料を届けるだけではなくて、高齢者らの「見回り」としての効果があります。
高齢化、過疎化などの問題に直面する日本社会において、地域に密着した配達を伴う事業は、配達先の方の様子をチェックしてくれるという副産物があることから再評価されています
特に飲食物は新聞などとは異なり、配達は基本的に手渡しで行われ、会話が行われることも多いので、より安否確認としての効果が高いのです。
ヤクルトは飲み物も健康志向ですしね
このふるさと納税は、故郷の両親と離れて暮らす家族に好評で、返礼品では商品を届けるとともに、寄付した方に、受け取りの有無やその際の様子などを報告するサービスもあるそうです。
ふるさと納税の本来の姿?
これ、ふるさと納税の本来の姿としても模範になるものだと思いませんか?
返礼品競争など、寄付の側面が軽視される傾向があり、ふるさと納税には批判もたえません。
自分の居住地以外のゆかりある市町村に寄付をして、その自治体の行政サービスを充実させ、さらにその商品も、その町の社会を活性化するために使われる。
これなら「返礼品の過当競争になる」ということもありません。その地域に住んでいる人に対してだけしかできないサービスですからね。
地方の高齢化対策にも一石を投じるこの返礼品。ヤクルトの営業所のある地域で同様のサービスを行う自治体は増えています
同じような発想でヤクルトだけではなく、ハウスクリーニングとかといっしょにしたり、見回りサービスだけを返礼品にすることもできるでしょう。
これから、各地でさらに増えそうな気がします。
というか、良いアイデアは遠慮なくパクッて、どんどん採用してほしいところです。
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