すぐ近くにある「元楽」。いわゆる「背脂チャッチャ系」と呼ばれるラーメンの老舗です。
連日多くのお客さんが訪れ、品切れや時間前の閉店が多いことでも知られています。
外国人のお客さんが多いのも特徴。決して分かりやすい場所にあるわけではないのですが、おそらく外国のガイドブックなどで紹介されているのでしょう。
店内はいかにも昔のラーメン屋さんの佇まい。厨房はたいがいの時間は、年輩の男性が二人できりもりしています。
主な麺メニューは店名が由来の「元らーめん」と「楽らーめん」。簡単に言うと「元」が醤油ラーメン、「楽」が塩ラーメンということになるのですがこれがそれぞれ大変な個性
これが元らーめん。醤油の色が濃く、これが麺に絡むというよりも、麺にしっかりしみているかんじ。ところどころ、まだらに茶色に染まって焼きそばのような色になっている部分も。
ちなみにこちらが「隠れ名物」の豚めし(小)とのセット
ラーメンでも使われるとろとろのチャーシューの御飯。ごま油とたれを好みでかけていただきます。のりの風味がいいんです。
スープはとんこつがベース。拳骨の部分を使って、じっくり三日三晩煮込んだもの。そのほか鶏がら、椎茸などの野菜の味も感じられます。
色に似合わず、複雑で強度のあるだしにより、塩味を強く感じません。
そしてもちろん、網に載せた背脂をちゃっちゃと切ってたっぷりと。この甘みのある脂がたまらないんです。臭みがないのでしつこさを感じません。
とはいえ、らーめんの注文時は「(普通でも)こってりですがよろしいですか」と確認されるほどのこってり感。苦手な方は「あっさり目」と頼んだ方が良さそうです。
スープの個性をみるならこちら塩味の「楽らーめん」。見た目がいかにもクリーミーでインパクト十分ですよね。甲乙つけがたいけど、やはり総合的に味が充実している醤油味の「元」がおすすめです。
ところで、いわゆる「背油チャッチャ」の代表格であり、お店自身も「チャッチャ系」を自称していたりもするのですが
ただ
このお店、その「系」でくくってよいものか、という気もします。「●●系」で表される流行の味は似てしまうものだけど、どうもこの言葉で表すのは気が引けるほど唯一無二の物だからです。
多くの「チャッチャ系」は、むしろスープは味気なく、抜けた感じがするお店もあります。それをたっぷりの背脂で覆ってごまかすような、どこか力技な感じがすることがあります。
しかしこのお店、背脂はあくまでハーモニーの一角。数十年にわたり作り上げてきたスープに調和しています。
元楽の伝統の味、ぜひ味わってみてください。
注意点としては、早めにしまってしまうことが多い、臨時休業もあるようです。また、チャーシューめんなど一部のメニューや大盛りなどができなくなるなどもあります。なるべく早めにいくことがおすすめです
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