ジョーク・ユーモア・笑いの館

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「築４０年以上で駅からも遠くて日当たりも悪いのに１Ｋで１０万円って高くないですか？」

「それがですね、この部屋出るんですよ」

「出るって何がですか？」

「幽霊です」

「幽霊！？　それじゃなおさら高いじゃないですか」

「普通はそう思いますよね。

　ところがですね、その幽霊ときたら掃除やら洗濯やら食事の支度やら家の中の事を全てやってくれるんですよ。

　さらに話し上手に聞き上手で悩みごとの相談なんかも親身に聞いてくれて・・・」

　“ゴソゴソゴソ”

　不動産屋は鞄から１枚の写真を取り出した。

「これがその幽霊の心霊写真なんですけどね」

「うわ、凄く可愛いじゃないですか」

「そうなんですよ」

「俺、この部屋に決めます」

「ありがとうございます」



「いや〜風間社長、訳アリ物件を逆に利用するというアイデア、お見事としか言いようがありません。

　初め幽霊を説得すると言い出した時には耳を疑ってしまいましたよ」

「人の行く裏に道あり花の山。これが私のモットーなんでね」

　風間が今、不動産業界に新たなビッグウェーヴを巻き起こそうとしていた。

「おい、泥だらけになって何やってんだ？」

「いや、『鳥人間コンテスト』もそろそろ潮時かと思って新しい企画を考えてたんだよ。

　その名も『モグラ人間コンテスト』だ。

　誰が一番深く潜れるか競うんだ」

「そうか。俺これからハワイ旅行なんだ。頑張ってな」

　今日、仕事でミスをしてしまった。

　私はなかなか気持ちを切り替えることができない方なので、そんな時は瞑想をして心をリセットすることにしている。

　目を瞑り、無の境地へと心を誘う。

　嫌な事も忘れ胸の辺りがポカポカしてくる。

　そんな時だった。

　はるか遠くの方から微かに音が聞こえてきた。

　何だろう？

　私は音に神経を集中させてみた。

　“ズン、ズンズン、ズンドコ”

　きよし・・・？

「おい、次の仕事決まったか？」

「いや、まだなんだけどさ、やっとやりたいものが見つかったよ」

「なんだ？」

「小説読んでて思ったんだけど殺し屋がいいんじゃないかと思って。

　漫画とか映画にも沢山出てくるだろ？

　結構人気商売なんだよ、殺し屋って。

　魔法使いや勇者なんてのは架空の世界の話だけど殺し屋は現実世界のちゃんとした職業だからな」

「そうか・・・」

「うまくいけば俺も映画の主人公になれるかもしれないし。

　ちょっと職安に行ってくるわ」

「そうか・・・」

　前の車に『赤ちゃんが乗っています』っていうステッカーが貼ってあったんです。

　車線を変更して赤信号で止まったら丁度その車が隣に来たので中を覗いてみました。

　すると小さな生き物がモゾモゾと動いていたんです。

　これが赤ちゃんなんだ！

　とても可愛らしくて運転手さんが自慢したくなる気持ちがよく分かりました。

　前の車に『青ちゃんが乗っています』というステッカーが貼ってあった。

　青ちゃんって何だ！？

　俺は車線を変更してその車の隣に並ぼうとしたがその車は凄いスピードで走り続け追いつけない。

　そんなに飛ばして青ちゃんは大丈夫なのか！？

　結局俺は赤信号につかまり中を覗くことができなかった。

　青ちゃんとは一体何だったのだろう・・・

「俺って不幸の星の下に生まれたのかなぁ」

「何言ってるのよ、手のひらと手のひらを合わせてみて」

「こうか」

「そう、手のひらのシワとシワを合わせてシワ合わせ。

　あれ？　幸せじゃない」

「バカだな、それを言うならこうだろ」

　”ボコ”　”ボコ”

　男は近くにいた２人を撲殺した。

「死と死を合わせて幸せぇ〜！」

「鬼畜の所業なのに縁起はいいわ！」

「数々の罪を犯した罰としてお前をラッパ飲みの刑と処す」

「ラッパ飲みの刑？　一体俺に何を飲ませようってんだ！」

「ラッパに決まってるだろうが。ラッパを持って来い！」

「今度の週末、みんなで温泉に行こうぜ」

「ごめん、俺入れ墨してて温泉には入れないんだ」

「え、お前入れ墨してんの！？

　意外だなぁ。ちょっと見せてもらってもいいか？」

「ああ」

「うん？　どこに入れ墨あるんだ？」

「この乳首とヘソが入れ墨なんだよ」

「え！？」

「ていうか俺、人間じゃなくてカエル男なんだ」

「ええ〜！？」

「あの、よかったらここ座ってください」

　そう言って女子高生が席を立った。

「俺はまだ席を譲られるような年じゃない」

「あ、そうですか。すみませんでした・・・」

　女子高生は俯いてその場を離れていった。

「せっかく勇気を出して声をかけたっていうのに・・・」

「これだから最近の年寄りは老害って言われんだよ」



　男は家に帰ると冷蔵庫から缶ビールを取り出しグビグビと飲み干した。

「どいつもこいつも人を年寄り扱いしやがって・・・。

　俺はまだ２３歳だっつーの！」