ジョーク・ユーモア・笑いの館

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「今日は最近評判のラーメン屋さんに来ています。

　それじゃ中に入ってみましょう」

「へい、らっしゃい」

「こんにちはご主人。うわ〜綺麗なお店ですね〜」

「まぁ飲食店なんでね、衛生面に関しては特に気を使ってますよ」

「これはラーメンの方も期待できそうですね〜」

「ええ、必ず満足していただけると思いますよ」



「うん、美味しい！　さすがは評判になるだけのことはありますね〜」

「ありがとうございます」

「ところでご主人は休みの日なんかは、どう過ごされているんですか？」

「いや、実は俺、中卒なんですよ。

　せめて高校の学力位は身に着けておこうと思って休みの日なんかに勉強してるんです」

「それは偉いですね〜。今はどんな勉強をしてるんですか？」

「今ですか・・・」

　そう言って店主はメモ帳に何かを書き始めた。

「今はこんな勉強をしています」

　メモ帳には行列の計算式が書かれていた。

「今日は行列のできるラーメン屋さんに来ています。

　それじゃ中へ入ってみましょう」

「へい、らっしゃい」

「こんにちはご主人。今日はけっこう空いていますね」

「そうなんですよ。

　まぁ取り敢えずこの自信作のラーメンを食べてください」

「うわ、美味しそう。それでは早速」

　“ズズズ〜”

「うん、これは魚介の出汁が利いていてとても美味しいです」

「そうでしょ？　テレビも来てくれたしこりゃ明日から大忙しだな」

「ということで今日は完全に名前負けしている『行列のできるラーメン屋』さんからの中継でした」

「手話の勉強始めてからどの位になるんだっけ？」

「１年ちょっとかな」

「結構使えるようになった？」

「日常会話位なら大丈夫だと思うよ」

「アケミって色々挑戦するよねぇ。

　あ、そうだ、頂き物のクッキーあるんだけど食べる？」

「今ダイエットしてるんだけど食べちゃおうかなぁ」

　２人でクッキーを食べていると隣の部屋から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。

「ナオキが起きたみたい」

　そう言ってサトコは隣の部屋へ行き赤ちゃんを抱っこしてきた。

「おはよう、ナオちゃん」

　アケミが赤ちゃんに話しかけると赤ちゃんは「あ〜あ〜」と言って手をパタパタさせた。

「え！？」

　アケミの表情が変わる。

「どうしたのアケミ？」

「今ナオちゃんが話しかけてきた」

「話す訳ないじゃない。この子まだ６ヶ月よ」

　赤ちゃんは忙しなく手を動かし続ける。

「ほら、今も話してる。

　・・・いつも、お母さんと、仲良くしてくれて、ありがとう」

「まさか・・・手話！？」

「あ、また違うことを話し始めた。

　・・・ダイエットするなら、糖質は、控えたほうがいいよ」

「じゃあ、ここらへんでサイコロトークでもしてみましょうかね。

　お〜い、サイコロ持ってきて〜」



「それじゃヨウコちゃんからこの大きなサイコロを振ってもらおうかな」

「分かりました。えい！」

「１が出るかな♪　４が出るかな♪　ふふふふんふん、ふふふふん♪

　どうでした？」

「ええ、とっても軽くて投げやすかったです。

　転がり方も滑らかでびっくりしました」

「そうでしょ？　僕もこのサイコロとっても好きなんです。

　山形の職人さんがすべて手作業で作ってるんですよ。

　それじゃ次のサイコロ持ってきて〜」

「これが脳年齢を測定できる機械か。よし、まずは俺から測ってみるぞ」

　＝計測中＝

「え〜どれどれ、俺の脳年齢は・・・６８歳！？」

「お前、全然ダメじゃん。じゃあ次俺な」

　＝計測中＝

「さぁ、俺の脳年齢は何歳かな〜・・・よっしゃ２歳！

　実年齢よりかなり若いぞ！」

「あの、よかったらここ座ってください」

　そう言って女子高生が席を立った。

「俺はまだ席を譲られるような年じゃない」

「あ、そうですか。すみませんでした・・・」

　女子高生は俯いてその場を離れていった。

「せっかく勇気を出して声をかけたっていうのに・・・」

「これだから最近の年寄りは老害って言われんだよ」



　男は家に帰ると冷蔵庫から缶ビールを取り出しグビグビと飲み干した。

「どいつもこいつも人を年寄り扱いしやがって・・・。

　俺はまだ２３歳だっつーの！」

「今度の週末、みんなで温泉に行こうぜ」

「ごめん、俺入れ墨してて温泉には入れないんだ」

「え、お前入れ墨してんの！？

　意外だなぁ。ちょっと見せてもらってもいいか？」

「ああ」

「うん？　どこに入れ墨あるんだ？」

「この乳首とヘソが入れ墨なんだよ」

「え！？」

「ていうか俺、人間じゃなくてカエル男なんだ」

「ええ〜！？」

「数々の罪を犯した罰としてお前をラッパ飲みの刑と処す」

「ラッパ飲みの刑？　一体俺に何を飲ませようってんだ！」

「ラッパに決まってるだろうが。ラッパを持って来い！」

「俺って不幸の星の下に生まれたのかなぁ」

「何言ってるのよ、手のひらと手のひらを合わせてみて」

「こうか」

「そう、手のひらのシワとシワを合わせてシワ合わせ。

　あれ？　幸せじゃない」

「バカだな、それを言うならこうだろ」

　”ボコ”　”ボコ”

　男は近くにいた２人を撲殺した。

「死と死を合わせて幸せぇ〜！」

「鬼畜の所業なのに縁起はいいわ！」

　前の車に『青ちゃんが乗っています』というステッカーが貼ってあった。

　青ちゃんって何だ！？

　俺は車線を変更してその車の隣に並ぼうとしたがその車は凄いスピードで走り続け追いつけない。

　そんなに飛ばして青ちゃんは大丈夫なのか！？

　結局俺は赤信号につかまり中を覗くことができなかった。

　青ちゃんとは一体何だったのだろう・・・