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2021年04月30日
【ナンセンス劇場】 空中浮遊
お尻の下に手を突っ込んで自分で自分の体を持ち上げる。
子供の頃、誰しもが一度は考え実行したことがあるであろう空中への浮き方。
しかしこれは端から無理な話なのである。
なぜなら子供の腕力では力が足りなさ過ぎるからだ。
私は成長するとともに腕を鍛えに鍛えた。
その結果ベンチプレスを120kg上げられるようになった。
そんな私が70kgの自分の体を上げられないはずがない。
私は胡坐をかきお尻の下に手を入れ、指をしっかりと坐骨に当てた。
そして息を一つ吐き、渾身の力を込めて腕を引き上げた。
「うりゃー!!」
“メキッ”
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2021年04月29日
【ナンセンス劇場】 抱き枕
昼休み、マサシが弁当を食べていると女子の会話が聞こえてきた。
「最近肩が凝って辛いんだよねぇ」
「枕合ってないんじゃない?」
「多分そうだと思う。もう少し低めの枕にしてみようかな」
「私は抱き枕で寝てるよ」
「あ〜、それもいいかも」
(シオリちゃん、抱き枕で寝てるのか〜)
聞き耳を立てていたマサシはシオリの寝姿を想像して鼻の下を伸ばした。
その夜、女子プロレスラーを目指しているシオリは人型の抱き枕を相手に胴締めチョークスリーパーやステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック、腕ひしぎ逆十字固め、キャメルクラッチ、グラウンド・コブラツイストなどの寝技を反復練習していた。
「おりゃ〜!!」
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2021年04月27日
【ナンセンス劇場】 伝説の剣
勇者は魔王討伐へ行く前にある山へ向かった。
そこには選ばれた者しか使うことができないという伝説の剣があるのだ。
勇者が山へやって来ると1本の剣が地面に深く突き刺さっていた。
今まで何千、何万という者達が引き抜こうとし、失敗に終わった伝説の剣だ。
勇者は柄を握り渾身の力を込めて引っ張ると剣は大地を揺るがしながらその姿を現した。
5日程回り道をしてしまったが伝説の剣を手に入れ準備が整った勇者は魔王討伐へと向かった。
しばらく歩いていると、1人のきこりが木を切り倒しているのが見えた。
しかし斧が古く切れ味が落ち、なかなか作業が進まない様子だった。
そこで勇者が伝説の剣を一振りすると大木が豆腐のように切れ、瞬く間に10本の木を切り倒した。
さらに歩いていると、子供たちが野球をやっていたので仲間に入れてもらった。
勇者はバッターボックスに立ちバットの代わりに伝説の剣でボールを打つと、ボールは遥か彼方へと飛んでいき見えなくなってしまった。
その他にもリンゴの皮を剥いたり髭を剃ったり遠くの物を引っ掛けて取ったりと伝説の剣は様々な力を発揮した。
数日後、勇者は魔王が暴れている国に到着した。
3日前に現れた魔王のせいで町は壊滅状態だった。
“一刻も早く魔王を倒さなければ”
勇者が魔王を探し街中を走り回っていると子供の悲鳴が聞こえてきた。
すぐに悲鳴がする場所へ向かうと今まさに魔王が子供を殺そうとしているところだった。
「やめろー!!」
勇者は叫び、即座に意識を集中し手のひらに生体エネルギーを集めた。
そしてその集めた生体エネルギーを魔王に向かって放出すると魔王は一瞬にして蒸発しこの世から姿を消した。
泣いている子供に近寄り勇者は優しく声をかける。
「さぁ、この伝説の剣をあげるからもう泣くのはおやめ」
こうして勇者の活躍により世界は魔王の手から救われたのであった。
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2021年04月25日
【ナンセンス劇場】 ポイ捨て禁止
2021年04月23日
【ナンセンス劇場】 友達とは
「ああ・・・頭痛が痛てぇ・・・」
「おいおい、マジかよ、いまだにそんな古典的な間違いを言うやつがいるのかよ。
頭痛が痛いなんて今どき小学生でも言わないぞ。
お前ならタクシーに乗ったとき、そこの角、右に右折してなんて言っちゃうんじゃないの?
もうちょっと国語の勉強しろよ。
ちょっと見た目がいいからってそんなんじゃ・・・」
「村田君!
竹内君がこんなに具合悪そうにしてるっていうのに、何1人でベラベラ喋ってるのよ!
竹内君、こんな薄情な人ほっといて私と保健室いきましょう」
「あ、いや、その・・・」
村田は悲しそうな目で教室を出て行く2人の後姿を見つめていた。
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2021年04月22日
【雑文】 ミントガム恐るべし
ドラッグストアに行ったら見慣れぬガムが売っていたので買ってみた。
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レモンミント味のガム。
色は黒。
炭が入っておるのか。
一粒がでかい。
噛み応えがありそうでええやないの。
”パクリ”
”モグモグ”
全然すっぱくないじゃん。
よく見るとボトルにすっぱさ控え目って書いてあった。
それにしても全然すっぱくない。
ミントのスース―感しかしない。
(なんでい)と思いつつ冷蔵庫からお茶を取り出しゴクゴクと飲んだ次の瞬間
グボォホッ!
私はお茶とガムを流しに吐き出していた。
何故なら口の中が一瞬にして絶対零度になったからだ。
何やこれは!
ガムをあまり食べる方ではなかったので今まで気づかなかった。
ミントガムと冷たい飲み物はヤバいじゃん!
眠気スッキリでお馴染のブラックブラックガムでやったらどうなってしまうんだ。
早速だれかで試してみよう・・・フフフ。
タグ:ミントガム
2021年04月21日
【ナンセンス劇場】 めそめそすんな
「いつまでもめそめそしてないで早くお風呂に入っちゃいなさい」
「はーい」
「まだめそめそしてたのか。もういいかげん寝ろ。電気消すぞ」
「はーい」
「そんなにめそめそすんなって。明日めそめそ買って来てやるから」
「ホントに!? やったー!」
今子供達の間でゲームソフト『めそめそ』が大流行している。
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2021年04月20日
【ナンセンス劇場】 緊張の一瞬
どこからかパトカーのサイレンが聞こえてくる。
「おい、お前なんかやらかしたんじゃないのか? ハハハ」
「・・・・・・」
「うん? どうした?」
「銀行強盗・・・」
「え?」
「銀行強盗・・・」
「はぁ? 何だそれ」
「・・・・・・」
「ジョーダンだろ?」
パトカーが姿を現し、2人の前で停まる。
「マジかよ、お前・・・」
中から出てきた警察官は2人の前を素通りし、ビルの中へ入って行った。
「ビビった〜! 変な嘘付くのやめろよ〜」
「俺もビビった〜!」
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2021年04月18日
【ナンセンス劇場】 悪夢
男は大学の合格発表をネットで検索した。
もう二浪している男は、今年絶対に落ちるわけにはいかなかった。
男は恐る恐る自分の番号を探す。
しかし番号は無かった。
目の前が真っ暗になる。
夢にまで見たキャンパスライフ。
大学に入学したらやりたいことが一杯あったのに。
全てが水の泡と消える。
(俺の人生はもうお終いだ)
男は絶望し膝から床に崩れ落ちた・・・
という所で夢から覚めた。
「なんだ、夢か・・・」
男は安堵しほっと一息つく。
男が胸をなでおろしていると部屋の外から大きな声が聞こえてきた。
「てめぇらいつまで寝てるんだ!
さっさと持ち場につかんかー!
ぶっ殺すぞー!」
男はゴザから飛び起きると重い足枷を引きずりながら急いで作業場へ向かった。
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