2021年05月03日
【夜空に部屋を浮かべて】 01
今日は蒸し暑い夜だった。
でもハシリイカは涼しげな顔をして僕の前を通り過ぎて行く。
夜空がいつもより濃くて深い感じがする。
星の輝き方もいつもよりちょっと強い感じがするし、耳を澄ますと星がパチパチと鳴る音も聞こえる。
眺めていると吸い込まれそうになって僕はちょっとふらついた。
前を見るとマモルが歩いているのが見えた。
僕はハシリイカの頭をピョンピョンと跳び越しマモルの横に並ぶ。
「やあ、マモル」
「やあ、ユキオ」
僕はちょっと緊張していたけど、いつも通り何でもないふりをしてマモルに話しかけた。
「なぁマモル、先生の家に行く前に提灯ガエル捕まえないか?」
「ああ、いいよ」
僕たちは草むらに入り、地面のいろんな場所をドンドンと強く蹴った。
しばらくそんな感じで地面を蹴っていると光が漏れてくる場所を発見した。
「マモル、見つけたぞ」
僕は光が漏れてくる地面の穴に手を突っ込んで、提灯ガエルを捕まえた。
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