2015年06月10日
金剛界 供養会 尊像パーツ描き7(第二重3)
第二重の尊像パーツ描き 3回目
今回から供養会のB 賢劫十六尊を東南西北の四回に分けてあげていきます。
今回は賢劫十六尊のうち東側の四尊(9〜12)です。
時間を過去・現在・未来に分け、現在に現れる千仏を賢劫千仏といい、その上位十六尊を賢劫十六尊と言います。
第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊東(黄色番号:9〜12)
9)慈氏菩薩
蓮華を両手で持つ形がほとんど同じなので、供養会は描きやすいと思ったのだけれど、小さな三昧耶形を詳しく描くのはそれなりに手間がかかる。
慈氏菩薩は別名で弥勒菩薩といい、賢劫十六尊の筆頭菩薩。
軍持(ぐんじ=水差し、梵語のクンディの音訳)を載せた蓮華を両手で捧げ持つ。軍持は慈徳をあらわし、衆生に智慧の水を注ぐ働きの象徴。
10)不空見菩薩
前々回や前回描いた尊像パーツの外四供養菩薩や四摂菩薩はそれぞれのグループで光背や着衣の色が共通になっていた。しかし、ここでは光背の色は同じでも、9,10,11,12と北から南に向けて並ぶのにもかかわらず上衣と下衣の色が交互に変化する。
「見逃さない」の意を名にする不空見菩薩は仏眼(五眼)を開き遍く衆生を観察、済度する菩薩。
仏眼独鈷杵(独鈷杵の左右に仏眼)を載せた蓮華を両手で捧げ持つ。仏眼独鈷杵は衆生をよく見、煩悩を砕破する働きの象徴。
11)滅悪趣菩薩
東方に位置する賢劫四尊の捧げ持つ三昧耶形蓮華は9,10,11,12と左手側、右手側、左手側、右手側と交互に向きを変えている。これにより絵にリズム感や動きが現れ、かつ、全体のバランスを取っているのだと思う。細部まで意識が向いていることがわかる。
滅悪趣菩薩は衆生を地獄道・餓鬼道・畜生道の三悪趣から離れさせることを誓願した菩薩。
梵篋(経典の入った箱または経典)を載せた蓮華を両手で捧げ持つ。梵篋は法門(仏の教え)を象徴し、三悪趣に堕ちた衆生を法門により救済する働きの象徴。
12)除憂闇菩薩
これは蓮華に載る三昧耶形がほとんど見えない。
除憂闇菩薩は衆生の一切の憂悩と心の闇(迷妄・暗愚)を砕破する智慧を象徴する菩薩。
無憂樹の五葉を載せた蓮華を両手で捧げ持つ。無憂樹五葉は衆生の憂悩や煩悩を払う働きの象徴。
ここでは、仏の智慧と煩悩砕破の働きにより、遍く衆生救済の誓願をする菩薩が見られる。
以上、東方の賢劫四尊でした。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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