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2018年01月24日

滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第46回放送「しずやしず」







 1月22日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で、滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の第46回「しずやしず」が放送されました。
 鎌倉の頼朝による追討から逃れ、各地をさまよう義経主従。もはや、日本国中には、かつて身を寄せていた奥州平泉しかなくなった。藤原秀衡ならば、かくまってくれる、と、義経主従は決意する。
 その前に、捕らわれの身となった静(石原さとみさん演じる)を救い出そう、と、鎌倉へ護送される静の輿を狙うのだが、それこそ、鎌倉による罠だった。
 そうとも知らず、静が捕まったことに責任を感じて行方をくらまして単身、奪還の機会を伺っていた佐藤忠信(海東健さん演じる)が護送者たちを襲う。すぐに捕まってしまった忠信を救おうと焦る義経たちだが、姿を現せば義経主従みな捕まってしまう。
 義経の身の上に同情する朱雀の翁(梅津栄さん演じる)らの機転で鎌倉方の目をそらし、義経・弁慶(松平健さん演じる)らは捕まらずに済んだが、静といい、忠信といい、犠牲者が出たことを義経は深く悲しむ。
 一方、鎌倉ではすでに静相手に詮議が行われる。そのあとで、歴史上有名な鶴岡八幡宮での静の舞が行われることになる。

 この鎌倉の鶴岡八幡宮での、義経の愛妾であり白拍子である静御前の舞の故事は、多くの歴史書に書かれていることで、史実と言って間違いないことです。この時代を描いたドラマも、その史実をもとに脚色しつつ描きます。
 この故事で、静御前の人間性だけでなく、源頼朝や北条政子の人間性も分かります。
 義経にとってはもはや「敵地」である鎌倉で、捕らわれの身でありながら恋しい義経のことを思いながら舞を舞い、謡う静の心情と、ひるまず恐れず愛を貫く姿。
 それに対して怒る頼朝。そんな夫に対して女の気持ちはどういうものか、と堂々と伝える政子。
 昔の女は立場が弱かったといわれがちですが、そんな女性でも、いや、女性だからこそ、愛を貫きたい気持ちを堂々と表明したかったのでしょう。
 また、静に対して怒ったとされる頼朝は、いかにも女の気持ちが分からぬ冷たい人間のようですが、彼自身がかつて、少年の日に平家に捕らわれ時に「反抗心」を押し隠し、秘めた心のまま平家に対し従順な姿勢を示したからこそ、静もそうあるべきだと考えたのかもしれません。
 とうぜん、大勢の御家人たちの前で恥をかかされた、という気持ちもあったのでしょうが。




2018年01月23日

妻夫木聡主演NHK大河ドラマ「天地人」総集編 第三回






 1月21日の午後9時30分から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、妻夫木聡主演のNHK大河ドラマの「天地人」の総集編の第3回が放送されました。
 秀吉に臣従を誓った上杉家は、臣従するまではさまざまな葛藤がありました。戦国最強ともいわれた上杉謙信の後継者(御館の乱で景虎に勝ったからであるが)であり、日本有数の大大名としての誇りを持っていたからですが、臣下の礼をとってからはよく仕えました。
 小栗旬さん演じる石田三成と、妻夫木聡さん演じる直江兼続との絆を深まる様子が描かれています。
 その豊臣政権の動きの中での名場面だと私が思ったのは、武将同士のやりとりではなく、女同士のやりとりでした。
 秀吉の側室・茶々(深田恭子さん演じる)の産んだ鶴松が亡くなり、悲しみに沈む豊臣家。もちろん、いちばん深く悲しんだのは茶々自身だった。その茶々のもとへ、上杉景勝の正室・菊姫(比嘉愛未さん演じる)が訪れて慰める。
 茶々は織田信長によって滅ぼされた浅井長政の長女であり、信長の姪でもあります。一方、菊姫は武田信玄の娘であり、信長に滅ぼされた武田勝頼の妹です。
 戦国の世で、高貴な身分とされながら、生家が滅んだ悲しみを背負い、かたや茶々は産んだ子が夭折し、かたや菊姫は子が産めない悩みをもつ。そんな姫どうし、「どう生きていくか?」で悩み、意気投合して仲良くなっていくのです。
 仲良くといっても現代のお友達同士のような関係・つきあいかたではありませんが、心が通じ合ったことをお互いが感じていくのです。

 武将の描き方や時代考証では、戦国史好きの者にとっては「残念」な点が幾つもある本作ですが、このシーンは気に入りました。

 また、場面としての面白みとは違いますが、伊達政宗の正室・愛姫(めごひめ)の役を杏さんが演じたのは「絶妙」とはいわないまでも「いいキャスティング」だなと思いました。かつて昭和62年に放送されたNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」で伊達政宗を演じたのが渡辺謙さん。その渡辺謙さんの実の娘の杏さんが伊達家の人を演じること自体がおもしろく感じます。



 

2018年01月21日

NHK大河ドラマ「西郷どん」第3回 子どもは国の宝







 1月21日、午後8時から、NHK総合1で大河ドラマ「西郷どん」の第3回が放送されました。
 このドラマ、1回目からそうですが、島津斉彬を演じる渡辺謙さんと、西郷吉之助を演じる鈴木亮平さんの演技が熱いです。暑苦しいのではなく「熱い」のです。
 そして島津斉興を演じる鹿賀丈史さんや、調所広郷を演じる竜雷太さんがベテラン俳優らしい「いい味」を出しています。
 この第3回放送では、少年・中村半次郎が登場したり、薩摩藩の御家騒動として有名な「お由羅騒動」が描かれたりで、幕末史に興味がある者には大変面白く視聴できる展開になってきました。


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福山雅治主演NHK大河ドラマ「龍馬伝」 総集編 第3部







 1月21日、朝6時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで福山雅治さんが主演で話題を呼んだ「龍馬伝」の総集編の第3部が放送されました。
 平成22年にNHK大河ドラマとして放送されたものの総集編ですが、6年前の作品という気がしないほど、色あせていない作品です。
 総集編というものはだいたい、出来事を駆け足で追うような傾向がありますが、この龍馬伝についてはあまりそのようなことは感じませんでした。
 龍馬が薩長同盟のために奔走するシーンや、龍馬の妻となる「おりょう」(真木よう子さん演じる)が寺田屋襲撃のときに薩摩藩邸へ懸命に走るシーンは名場面です。





2018年01月20日

「必殺仕事人X 風雲竜虎編」第12話「不倫妻、身投げからくり」







 1月17日の午前9時からテレ玉(テレビ埼玉)で「時代劇 必殺アワー 必殺仕事人V 風雲竜虎編」の第12話「 不倫妻、身投げからくり」が放送されました。
 ストーリーは以下の通りです。
 三浦友和さん演じる「かげろうの影太郎」と、かとうかずこさん演じる「お玉」が南京玉すだれの芸を披露している場の近くで、占いと代書屋を開いている浪人夫婦と娘の3人がいました。このとき、お玉が腰を痛めて温泉療養に出ていましたので事件にかかわるのは影太郎だけだったのですが……。
 浪人は辻や縁日で大道芸人などにまじって占いを行って生計を立てることに満足していて、そんなささやなな生活も楽しんでいました。娘も同様で、親子仲良く暮らしているように見えました。
 ところが、浪人の妻は貧しい生活に不満を持っていまして、夫に対しても「こんな暮らしでいいのですか」「向上心はないのですか」とあからさまに不満を言い罵ります。
 八名信夫さん演じる修験者の義覚とその弟子たちが前を通りがかり、浪人に対し、「水難の相」があると言います。ほとんど脅しといっていいものでした。
 義覚は無理やり浪人家族を寺に呼び水難よけの祈祷をさせます。
 じつは浪人の妻は義覚相手に浮気していたのです。
 寺の中で、祈祷の場とは別の室で抱き合う二人。たまたま近くを通りがかった夫(浪人)が妻の不貞を知ってしまいます。激高して義覚ともみあいになります。そして騒動が起きます。
 降りしきる雨の中、「男」が寺を飛び出し、川に飛び込みます。そして浪人の水死体があがるのです。
 浪人が祈祷の最中に乱心して身投げした、と修験者たちはいい、義覚が言った「水難の相」が的中したのだ、として義覚の法力を宣伝し、信者を修験寺に呼びこみます。
 浪人の娘はそれを疑いますが、妻は不倫の事実があるので黙っていようとしますが結局は義覚に対し強硬な態度に出て、娘とともに殺されます。
 藤田まことさん演じる主水や、村上弘明さん演じる政、それに影太郎らが真相を突き止め浪人が死んだいきさつも分かります。
 そしてお玉も江戸にもどり、仕事人グループが義覚たちをあの世に送ります。

 時代劇ではありますが、妻が夫の稼ぎに満足せず不満を言い、お金のために不倫。そのために夫が犠牲になり妻も破滅。なんか、現代でもよくありそうな話です。
 夫や娘が現状に満足して生活に喜びを見出しているのに妻は不満タラタラ。挙句の不倫。悪女の典型といえます。
 このように、時代劇の中にはなにかしら現代にも通じるものがあります。人間の生き方、親子・夫婦の問題が描かれる以上、ただの昔話ではないのです。




滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第44回「静よ、さらば」







 1月18日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の第44回「静よ、さらば」が放送されましょた。
 土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)の義経館襲撃により、頼朝(中井貴一さん演じる)・義経の対立は、もはや血をみずにはおかないものとなり、義経らの叔父・新宮十郎行家(大杉連さん演じる)は義経を訪れ、たきつけて頼朝相手の大戰を起こそうとする。ついに義経は参内し、「頼朝追討令」を後白河法皇(平幹二朗さん演じる)。
 ところが、味方はろくに集まらない。鎌倉の力は圧倒的で、とうていかなわない。
 鎌倉の軍勢を迎え撃つほどの武力も無く、少ない軍勢で迎え撃つとしたら京の町に呼び込んでゲリラ戦みたいに戦うしまないのだが、そうなれば京の町を荒廃させることになるのです。
 京で育ち、縁者もいる義経は京を愛していました。京で戦うこともできず、人々が平和に暮らす国をつくりたいと思っていた義経は西国へ落ち延びる決意をします。
 一方、法皇は頼朝の武力をおそれ、使者として鼓の判官こと平知康(草刈正雄さん演じる)を鎌倉へ派遣し、「追討令を出したのは義経に迫られたからで本意ではない」と言います。
 行家は四国へ、義経は九州へ行くこととなり、義経はひそかに後白河法皇のもとへ行き、会います。法皇は義経が自分を拉致しようとしているのでは、と恐れますが、もとより、義経にそんな気はありません。ただの別れの挨拶だと知って法皇はホッと胸をなでおろします。
 義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)は義経といつまでも一緒にいたい気持ちがあるものの、結局、別れて関東へ帰ります。
 義経は武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)、喜三太(伊藤淳史さん演じる)ら腹心の部下と、愛妾の静(石原さとみさん演じる)とともに京の都を落ち、西国へ海路で行くため、摂津の港へ向かます。
 しかし、天候がおかしい。船を出すのは危険でした。
 とはいえ、陸路では敵に追い詰められる危険もあり、結局は船に乗ります。
 荒れる海に漕ぎ出してからしばらく経つと、波の向こうに何か異様なものがみえました。平知盛(阿部寛さん演じる)の亡霊だったのです。
 西国は平家の地。きさまには行かせん。と立ちはだかった知盛の怨霊の、大音量の声とともに嵐がひどくなり、船は難破してしまいます。
 浜に打ち上げられた義経や静に討手がかかります。鎌倉の圧力によって「義経追討令」が出されていたのです。
 義経主従と静は大和国吉野の金峯山寺へ向かいます。
 そこに落ち着いたのも束の間、僧兵たちが義経たちを捕えようとします。「追討令」を出したのは法皇。法皇の真意を知りたくて義経は京へ戻ろうとしますが、里に出るわけにはいきません。
 吉野からも逃れて、山伝いに大峯山、熊野へと寒さ厳しい中を落ち延びようとするのでした。
 そこで静は、義経様の足手まといになりたくない、と、別れを決意します。自分のために義経が捕まってはいけない、理想を実現させることはできない、そのためには別れなくてはならないのだ、と。
 また、大峯山は女人禁制の地でもありました。静が大峯山へ行くことはできなかったのです。
 これは義経と静の永遠の別れとなりました。





 

滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第43回「堀川夜討」







 1月17日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の43回放送「堀川夜討」が放送されました。
 堀川とは、源義経(滝沢秀明さん演じる)の屋敷があった場所の地名です。
 兄・頼朝(中井貴一さん演じる)との関係が修復不可能となり、訣別宣言をした義経(もうそのころには頼朝のことを「兄上」ではなく「頼朝」と呼び捨てにしている)の身に危険が迫ります。土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)という豪のものが討手として選ばれたのです。
 土佐坊昌俊は義経の屋敷の周りをうかがいます。昌俊のことを以前から知っている武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)は、昌俊に会います。昌俊が密命を弁慶に明かすはずもなく、無難な会話で終わりますが、弁慶は昌俊が怪しいとにらみます。
 そして或る夜、昌俊とその配下が義経の屋敷を襲撃します。夜討です。
 弁慶、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)ら家来たちが奮戦し、義経も自ら戦います。
 そこへ義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)も駆けつけ、薙刀を持って戦います。萌は梶原景時と会ったことで義経の家来たちから疑われでいました。家来たちが自分の様子をうかがって、ちょっとした動きにも注目し言葉にも耳を傾けていると感じた萌は義経に相談していたのです。義経は萌のことを全く疑っていませんでしたが。
 義経主従は昌俊らを返り討ちにし、昌俊を生け捕りにします。
 誰の差し金かと問う義経に、昌は不敵な笑みを浮かべますが、結局は語り始めます。鎌倉で、誰が義経を討つか、となったとき、有力な御家人は誰も名乗りをあげなかった。自分が討手に名乗り出たのは領地が欲しかったからだ。領地が欲しいのは老いた母の為だ、と。
 御家人たちは頼朝から領地をもらったり、自分の領地を安堵(保証といってもいい)されたりしてそれを「御恩」として忠誠を誓い、幕府の為に命懸けで働きます(奉公)。「御恩と奉公」です。
 御家人たちのほとんどは義経の討手となることをハッキリ拒まなかったとしても、どうしても乗り気にならなかったようです。なぜかというと義経を敵視していなかったからです。
 義経の宇治川、一の谷、屋島、壇ノ浦などでの戦場での功績を認め、野心がない(ドラマではそう描かれる)、欲のない人柄を認めていたのです。
 「判官びいき」という言葉があります。「ほうがんびいき」とも「はんがんびいき」ともいいます。ここでいう「判官」とは源九郎判官義経のことです。義経が朝廷から「判官」という官位を与えられたために義経は「判官どの」とも呼ばれました。
 頼朝に追われてからの義経の悲劇的なあゆみが、それまでの華々しい活躍とはあまりにも対照的であり、権力者・頼朝に対してあまりにも力がなかったために、庶民の同情が集まり、弱い立場の者に同情を寄せる気持ちを「判官びいき」というようになったのです。
 義経の物語ができて人々の間に浸透し、日本人の心をうつようになった背景には、義経の生き方だけでなくその後の時代の、足利尊氏と直義の争いや徳川家光と忠長の争いなどがあって、兄弟間の権力闘争をみた庶民が権力者に反感をもちながら義経に同情を寄せる気持ちを強めた、ともいえます。
 が、それでも義経の人生の「平家滅亡」までの華々しさとその後の落日の対比がたいへん悲劇的で、ドラマチックなのです。
 次の第44回放送では、その義経の悲劇の中でも代表的なエピソードが描かれます。





 

2018年01月17日

滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第42回「鎌倉の陰謀」







 1月16日、午後2時から、CS放送の「チャンネル銀河」で、滝沢秀明さん主演の「義経」(平成17年のNHK大河ドラマ)の第42回「鎌倉の陰謀」が放送されました。
 鎌倉入りを許されなかった義経主従は、京の都に戻っていました。
 義経は兄・頼朝(中井貴一さん演じる)と分かりあうことを諦め、別の道を行くと、弁慶(松平健さん演じる)ら家来たちにも言って冷戦状態が続きました。鎌倉の頼朝や重臣たちはいよいよ義経を敵視し、義経の領地を取り上げます。
 平家滅亡後は、全国の武士の頂点に立つのが頼朝による政権となり、その頼朝の意向を無視して官位や領地を受けることはできないのです。しかし、領地を取り上げられ、収入がなくなった義経を「かわいそうだ」といって後白河法皇(平幹二朗さん演じる)は義経を伊予守に任じ伊予の領地を与えます。
 平家との戦いで勝手に(頼朝の許しなく)官位を受けた義経に対して頼朝は怒っているのに、ここでまた勝手に官位を受けたら頼朝の怒りはますばかりです。兄弟の対立はもう修復不能なものとなりました。
 頼朝は御家人の梶原景時(中尾彬さん演じる)を「わが父・義朝を供養するための仏具を探してこい」と、そのような名目で京の都に派遣します。
 景時は義経に面会します。景時の讒言で義経さまはこのような憂き目にあったのだと思っている弁慶らは色めき立ち、景時に言いたいことを言おうとしますが、義経は止め、冷静に応対します。
 また、景時は義経の正室(尾野真千子さん演じる)に会い、それとなく、関東に戻るよう伝えます。義経の正室は鎌倉の有力御家人・河越氏の娘です。
 義経を討つことになれば、鎌倉の府と河越氏との間もギクシャクしてしまいますが、河越氏の娘が実家に戻れば遠慮なく義経を討てる、と、そのような企みもあるのです。
 しかし、義経の正室はあくまでも義経の妻として、義経とともにいることを選びます。
 ずっと京にとどまり、義経や朝廷の様子を探り続ける景時。そうしているうちに、土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)という男が義経暗殺に動き出します。
 
 肉親の情を求めながら「政治」というものを理解できず、その政治の非情さのために悲劇的な道を歩んでゆく義経主従と、義経を愛する女たちの哀しい姿が描かれています。
 




2018年01月16日

「父子鷹」第5話 「春は名のみの…」








 1月15日の夜8時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで「父子鷹」の第5話「春は名のみの…」が放送されました。
 江戸の町の片隅に「垢離場」と呼ばれる場所がある。そこには貧しき人々が生活していて、夜鷹などもそこで商売していたが、「地上げ」のように人々を追い出して新たな都市計画で自分たちの思い通りになる「うまみ」のある場をつくって甘い汁を吸おうとする者たちがいた。その者たちは奢侈禁止令を利用して夜鷹たちを捕まえ、追い出そうとしていた。
 のちに出世して勝海舟となる麟太郎は、蘭学に身を入れ熱心に学んでいたが、禁止令が出て、おおっぴらに学べないでいた。そのため夜間にこっそり外出して蘭学を学んだのだが、妨害を受ける。
 麟太郎の父、小吉は気が荒いが曲がった事が大嫌いなため、垢離場を守ろうとして、垢離場の人々の生活の場をなくそうとする連中に立ち向かい大喧嘩する。連中は小吉の息子・麟太郎が禁止令を破ってひそかに蘭学を学んでいることをいいたてる。
 蘭学を学んでいる麟太郎は、牢をやぶって逃亡している高野長英の逃亡を助けようとしている。小吉は麟太郎の出世を願っているため、どうすべきか悩む。
 長英はどうなるのか? また、追い出されたら生活の場がなくなるという垢離場の人々はどうなるのか?

 高野長英を山内としおさん(必殺シリーズでの中村主水の上司の筆頭同心田中を演じた)が演じています。
 また、この回では「遠山の金さん」が登場します。「遠山の金さん」こと北町奉行・遠山景元(大出俊さんが演じている)は、実は勝小吉と旧知の仲で、若いころは剣術仲間だった、という設定です。
 背中の彫り物は「桜吹雪」ではなく「おんなの生首」だった(こっちが真実だとはよくいわれること)としながらも、そして表むきは法を守ることに厳しい人物として描きながらも、実は人情にあつい「遠山裁き」をドラマ中で描いています。





 

「龍馬伝 総集編」第2部







 1月14日の朝6時から、CS放送の時代劇専門チャンネルでNHK大河ドラマ「龍馬伝」の総集編第2部が放送されました。
 今更いうまでもないことですが、平成22年に放送されたNHK大河ドラマで主演は福山雅治さんです。ちなみにこのときの西郷吉之助役は高橋克実さんでした。
 幕末という日本史上屈指の激動の時代を生きた若者たちの志と激しい生き方が描かれていますが、総集編でも、坂本龍馬と・龍馬の妻となるおりょうの出会いのシーンや、武市半平太とその妻・富の別れのシーンは印象的でした。
 また、この総集編では、番外編的に、放送時間内にドラマで演じた役者さんが物語の舞台を訪れる映像が流れました。その中で、後藤象二郎を演じた青木崇高さんが武市半平太・富夫妻の墓を訪れて感極まってか涙を流す映像がありましたが、やはり熱演した役者さんは登場人物に深く感情移入するのだなと感じ入りました。とくに、後藤象二郎を演じた役者さんが武市半平太の生涯と思いに想いをはせて落涙するのですから感動的でした。





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