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2018年01月20日
「必殺仕事人X 風雲竜虎編」第12話「不倫妻、身投げからくり」
1月17日の午前9時からテレ玉(テレビ埼玉)で「時代劇 必殺アワー 必殺仕事人V 風雲竜虎編」の第12話「 不倫妻、身投げからくり」が放送されました。
ストーリーは以下の通りです。
三浦友和さん演じる「かげろうの影太郎」と、かとうかずこさん演じる「お玉」が南京玉すだれの芸を披露している場の近くで、占いと代書屋を開いている浪人夫婦と娘の3人がいました。このとき、お玉が腰を痛めて温泉療養に出ていましたので事件にかかわるのは影太郎だけだったのですが……。
浪人は辻や縁日で大道芸人などにまじって占いを行って生計を立てることに満足していて、そんなささやなな生活も楽しんでいました。娘も同様で、親子仲良く暮らしているように見えました。
ところが、浪人の妻は貧しい生活に不満を持っていまして、夫に対しても「こんな暮らしでいいのですか」「向上心はないのですか」とあからさまに不満を言い罵ります。
八名信夫さん演じる修験者の義覚とその弟子たちが前を通りがかり、浪人に対し、「水難の相」があると言います。ほとんど脅しといっていいものでした。
義覚は無理やり浪人家族を寺に呼び水難よけの祈祷をさせます。
じつは浪人の妻は義覚相手に浮気していたのです。
寺の中で、祈祷の場とは別の室で抱き合う二人。たまたま近くを通りがかった夫(浪人)が妻の不貞を知ってしまいます。激高して義覚ともみあいになります。そして騒動が起きます。
降りしきる雨の中、「男」が寺を飛び出し、川に飛び込みます。そして浪人の水死体があがるのです。
浪人が祈祷の最中に乱心して身投げした、と修験者たちはいい、義覚が言った「水難の相」が的中したのだ、として義覚の法力を宣伝し、信者を修験寺に呼びこみます。
浪人の娘はそれを疑いますが、妻は不倫の事実があるので黙っていようとしますが結局は義覚に対し強硬な態度に出て、娘とともに殺されます。
藤田まことさん演じる主水や、村上弘明さん演じる政、それに影太郎らが真相を突き止め浪人が死んだいきさつも分かります。
そしてお玉も江戸にもどり、仕事人グループが義覚たちをあの世に送ります。
時代劇ではありますが、妻が夫の稼ぎに満足せず不満を言い、お金のために不倫。そのために夫が犠牲になり妻も破滅。なんか、現代でもよくありそうな話です。
夫や娘が現状に満足して生活に喜びを見出しているのに妻は不満タラタラ。挙句の不倫。悪女の典型といえます。
このように、時代劇の中にはなにかしら現代にも通じるものがあります。人間の生き方、親子・夫婦の問題が描かれる以上、ただの昔話ではないのです。
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第44回「静よ、さらば」
1月18日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の第44回「静よ、さらば」が放送されましょた。
土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)の義経館襲撃により、頼朝(中井貴一さん演じる)・義経の対立は、もはや血をみずにはおかないものとなり、義経らの叔父・新宮十郎行家(大杉連さん演じる)は義経を訪れ、たきつけて頼朝相手の大戰を起こそうとする。ついに義経は参内し、「頼朝追討令」を後白河法皇(平幹二朗さん演じる)。
ところが、味方はろくに集まらない。鎌倉の力は圧倒的で、とうていかなわない。
鎌倉の軍勢を迎え撃つほどの武力も無く、少ない軍勢で迎え撃つとしたら京の町に呼び込んでゲリラ戦みたいに戦うしまないのだが、そうなれば京の町を荒廃させることになるのです。
京で育ち、縁者もいる義経は京を愛していました。京で戦うこともできず、人々が平和に暮らす国をつくりたいと思っていた義経は西国へ落ち延びる決意をします。
一方、法皇は頼朝の武力をおそれ、使者として鼓の判官こと平知康(草刈正雄さん演じる)を鎌倉へ派遣し、「追討令を出したのは義経に迫られたからで本意ではない」と言います。
行家は四国へ、義経は九州へ行くこととなり、義経はひそかに後白河法皇のもとへ行き、会います。法皇は義経が自分を拉致しようとしているのでは、と恐れますが、もとより、義経にそんな気はありません。ただの別れの挨拶だと知って法皇はホッと胸をなでおろします。
義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)は義経といつまでも一緒にいたい気持ちがあるものの、結局、別れて関東へ帰ります。
義経は武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)、喜三太(伊藤淳史さん演じる)ら腹心の部下と、愛妾の静(石原さとみさん演じる)とともに京の都を落ち、西国へ海路で行くため、摂津の港へ向かます。
しかし、天候がおかしい。船を出すのは危険でした。
とはいえ、陸路では敵に追い詰められる危険もあり、結局は船に乗ります。
荒れる海に漕ぎ出してからしばらく経つと、波の向こうに何か異様なものがみえました。平知盛(阿部寛さん演じる)の亡霊だったのです。
西国は平家の地。きさまには行かせん。と立ちはだかった知盛の怨霊の、大音量の声とともに嵐がひどくなり、船は難破してしまいます。
浜に打ち上げられた義経や静に討手がかかります。鎌倉の圧力によって「義経追討令」が出されていたのです。
義経主従と静は大和国吉野の金峯山寺へ向かいます。
そこに落ち着いたのも束の間、僧兵たちが義経たちを捕えようとします。「追討令」を出したのは法皇。法皇の真意を知りたくて義経は京へ戻ろうとしますが、里に出るわけにはいきません。
吉野からも逃れて、山伝いに大峯山、熊野へと寒さ厳しい中を落ち延びようとするのでした。
そこで静は、義経様の足手まといになりたくない、と、別れを決意します。自分のために義経が捕まってはいけない、理想を実現させることはできない、そのためには別れなくてはならないのだ、と。
また、大峯山は女人禁制の地でもありました。静が大峯山へ行くことはできなかったのです。
これは義経と静の永遠の別れとなりました。
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第43回「堀川夜討」
1月17日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の43回放送「堀川夜討」が放送されました。
堀川とは、源義経(滝沢秀明さん演じる)の屋敷があった場所の地名です。
兄・頼朝(中井貴一さん演じる)との関係が修復不可能となり、訣別宣言をした義経(もうそのころには頼朝のことを「兄上」ではなく「頼朝」と呼び捨てにしている)の身に危険が迫ります。土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)という豪のものが討手として選ばれたのです。
土佐坊昌俊は義経の屋敷の周りをうかがいます。昌俊のことを以前から知っている武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)は、昌俊に会います。昌俊が密命を弁慶に明かすはずもなく、無難な会話で終わりますが、弁慶は昌俊が怪しいとにらみます。
そして或る夜、昌俊とその配下が義経の屋敷を襲撃します。夜討です。
弁慶、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)ら家来たちが奮戦し、義経も自ら戦います。
そこへ義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)も駆けつけ、薙刀を持って戦います。萌は梶原景時と会ったことで義経の家来たちから疑われでいました。家来たちが自分の様子をうかがって、ちょっとした動きにも注目し言葉にも耳を傾けていると感じた萌は義経に相談していたのです。義経は萌のことを全く疑っていませんでしたが。
義経主従は昌俊らを返り討ちにし、昌俊を生け捕りにします。
誰の差し金かと問う義経に、昌は不敵な笑みを浮かべますが、結局は語り始めます。鎌倉で、誰が義経を討つか、となったとき、有力な御家人は誰も名乗りをあげなかった。自分が討手に名乗り出たのは領地が欲しかったからだ。領地が欲しいのは老いた母の為だ、と。
御家人たちは頼朝から領地をもらったり、自分の領地を安堵(保証といってもいい)されたりしてそれを「御恩」として忠誠を誓い、幕府の為に命懸けで働きます(奉公)。「御恩と奉公」です。
御家人たちのほとんどは義経の討手となることをハッキリ拒まなかったとしても、どうしても乗り気にならなかったようです。なぜかというと義経を敵視していなかったからです。
義経の宇治川、一の谷、屋島、壇ノ浦などでの戦場での功績を認め、野心がない(ドラマではそう描かれる)、欲のない人柄を認めていたのです。
「判官びいき」という言葉があります。「ほうがんびいき」とも「はんがんびいき」ともいいます。ここでいう「判官」とは源九郎判官義経のことです。義経が朝廷から「判官」という官位を与えられたために義経は「判官どの」とも呼ばれました。
頼朝に追われてからの義経の悲劇的なあゆみが、それまでの華々しい活躍とはあまりにも対照的であり、権力者・頼朝に対してあまりにも力がなかったために、庶民の同情が集まり、弱い立場の者に同情を寄せる気持ちを「判官びいき」というようになったのです。
義経の物語ができて人々の間に浸透し、日本人の心をうつようになった背景には、義経の生き方だけでなくその後の時代の、足利尊氏と直義の争いや徳川家光と忠長の争いなどがあって、兄弟間の権力闘争をみた庶民が権力者に反感をもちながら義経に同情を寄せる気持ちを強めた、ともいえます。
が、それでも義経の人生の「平家滅亡」までの華々しさとその後の落日の対比がたいへん悲劇的で、ドラマチックなのです。
次の第44回放送では、その義経の悲劇の中でも代表的なエピソードが描かれます。