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2018年01月24日
松本幸四郎主演「父子鷹」第11話(最終話)「薄れいく光の中で」
1月23日の午後8時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、松本幸四郎(現在は改名して松本白鴎)・市川染五郎(現在は改名して松本幸四郎)共演の「父子鷹」の第11話が放送されました。全11話なのでこれが最終話でした。
ラストシーンは勝海舟の父・小吉の死でした。
病の床で妻・息子・娘・甥など身内の者に囲まれて、勝小吉が思うのは息子・麟太郎の立身出世。息子が大きく成長して、器の大きな人物になったと確信した小吉が、安心して死ねると、息子の将来をたのもしく思いながら死んでゆきます。
武士として、大きく立派な人物になるよう、厳しくも愛情深く、あたたかく育てた父親の姿、生き方がそこにありました。
まさに、勝海舟という「鷹」を育てた「鷹」としての勝小吉の活躍する姿と、勝一家のあたたかい家庭を描いた作品でした。
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第47回放送「安宅の関」
1月23日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の第47回「安宅の関」が放送されました。
藤原秀衡を頼るため、山伏の姿となって奥州平泉を目指す義経主従は、雪の降りしきる厳しい気候の中、北陸道を行きます。
武士の姿のままだと、義経主従だとすぐに判ってしまうが、山伏の集団だということにすれば追手の目をくらませることもできるからです。武蔵坊弁慶はもともと僧侶ですし、義経もかつては鞍馬寺で修業していた身なので、お経を唱えることもできます。仏教・修験道についての知識も明るいわけです。
北陸道を行くのは、その方が東山道や東海道に比べて近道だし、比較的、鎌倉方の監視の目も厳しくなかろうと思ったからです。
寒さ厳しい加賀国に入った一行は、ある農家の世話になります。そこの農家の女房をみて義経は驚きました(弁慶らは気づかなかったようですが)。木曾義仲(小澤征悦さん演じる)の妻・巴御前(小池栄子さん演じる)だったのです。
巴は木曾義仲や兄の樋口兼光・今井兼平の死後、京で義経に会い、敵意をむき出しにしましたが、義経に諭され、生きる目的を失ったまま彷徨い、加賀国に辿り着き、行き倒れとなっていたところを農家の主人に助けられ、女房となったというのです。
農家の男と結ばれ、子どもを産んで、新たに生きる目的をもった巴の姿をみて、義経も前に進む力を得て、奥州で新しき国を造ろうという気持ちを新たにするのです。
そこから平泉をさして行くには、道は二つしかありませんでした。雪の中、険しい山道を行くか、平地だが役人のいる安宅関を通るか。
関守の富樫泰家(石橋蓮司さん演じる)が信仰心あつい男だという噂を聞いた義経たちは、富樫が山伏一行をすんなり通してくれる可能性にかけて、安宅関を目指します。
そこで起こった出来事は有名な歌舞伎の「勧進帳」の通りですが、ここでは心で泣いて主君・義経を討ち据える弁慶(松平健さん演じる)の姿が視聴者のこころを打ちます。
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第46回放送「しずやしず」
1月22日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で、滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の第46回「しずやしず」が放送されました。
鎌倉の頼朝による追討から逃れ、各地をさまよう義経主従。もはや、日本国中には、かつて身を寄せていた奥州平泉しかなくなった。藤原秀衡ならば、かくまってくれる、と、義経主従は決意する。
その前に、捕らわれの身となった静(石原さとみさん演じる)を救い出そう、と、鎌倉へ護送される静の輿を狙うのだが、それこそ、鎌倉による罠だった。
そうとも知らず、静が捕まったことに責任を感じて行方をくらまして単身、奪還の機会を伺っていた佐藤忠信(海東健さん演じる)が護送者たちを襲う。すぐに捕まってしまった忠信を救おうと焦る義経たちだが、姿を現せば義経主従みな捕まってしまう。
義経の身の上に同情する朱雀の翁(梅津栄さん演じる)らの機転で鎌倉方の目をそらし、義経・弁慶(松平健さん演じる)らは捕まらずに済んだが、静といい、忠信といい、犠牲者が出たことを義経は深く悲しむ。
一方、鎌倉ではすでに静相手に詮議が行われる。そのあとで、歴史上有名な鶴岡八幡宮での静の舞が行われることになる。
この鎌倉の鶴岡八幡宮での、義経の愛妾であり白拍子である静御前の舞の故事は、多くの歴史書に書かれていることで、史実と言って間違いないことです。この時代を描いたドラマも、その史実をもとに脚色しつつ描きます。
この故事で、静御前の人間性だけでなく、源頼朝や北条政子の人間性も分かります。
義経にとってはもはや「敵地」である鎌倉で、捕らわれの身でありながら恋しい義経のことを思いながら舞を舞い、謡う静の心情と、ひるまず恐れず愛を貫く姿。
それに対して怒る頼朝。そんな夫に対して女の気持ちはどういうものか、と堂々と伝える政子。
昔の女は立場が弱かったといわれがちですが、そんな女性でも、いや、女性だからこそ、愛を貫きたい気持ちを堂々と表明したかったのでしょう。
また、静に対して怒ったとされる頼朝は、いかにも女の気持ちが分からぬ冷たい人間のようですが、彼自身がかつて、少年の日に平家に捕らわれ時に「反抗心」を押し隠し、秘めた心のまま平家に対し従順な姿勢を示したからこそ、静もそうあるべきだと考えたのかもしれません。
とうぜん、大勢の御家人たちの前で恥をかかされた、という気持ちもあったのでしょうが。