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2018年01月15日
NHK大河ドラマ「西郷どん」第2回「立派なお侍」
1月14日、NHK大河ドラマ「西郷どん」の第2回が放送されました。
西郷吉之助は成長し、年貢の取り立てを担当する役人のはしくれとなりました。もちろん、まだまだ身分は低いです。
ある時、貧しさの為に親が借金をつくり、その返済ができないために身売りされそうになる農民の娘と出会います。
その娘を救うために奔走する吉之助。作物の出来が悪く収穫が少ないのに、納めなくてはならない年貢の額が決まっていることと、年貢取り立てを担当する役人の上役が不正を行っていることが原因で農民たちが苦しんでいることは明らかでした。
不正と言うのは、たとえばこういうことです。年貢のコメを納めさせるとき、枡で量を計るのですが、わざと山盛りにしておいて、山盛りぶん全てを農民から取り上げ、枡で計る正確な量だけ藩に報告する。盛ったぶんは落とし、もちろん農民には返さず、自分の懐に入れるぶんとするのです。そうすれば「公」には損がなく、役人は役得で甘い汁を吸えるのです。
だから、農民がいくら苦しんでいても役人は知らん顔。むしろそういう悪しき慣習が続いていたほうがいいと考えるのです。
吉之助は上役に農民の窮状を訴えたいが聞き入れてもらえるはずがありません。
そこで、藩政を大きく動かしている家老・調所広郷(ずしょひろさと)に直接訴えるという、思い切った行動をとります。調所は宮アあおいさん主演の大河ドラマ「篤姫」でも登場した人物で、薩摩藩の財政を立て直した人物でもありますが、かなり強引な政治手法をとったというように描かれています。
吉之助は領民あっての藩である、といい、庶民の立場で考え庶民の生活がたちゆくようにするのは本当の忠義だと、敏腕家老・調所の前でも思い切ったことを言います。そして、徴税のしくみを変えるように提案するのです。
年ごとに、豊作不作の違いがあり、天候不順では凶作となるので、収穫高に関係なくあらかじめ納税額が決まっていては凶作の時に農民が苦しみます。決められた額を納められなければ借金をせざるを得なくなり、返せなければ娘を売るようになります。しかし年貢率を決めて収穫量に応じた額を納めるようにすれば豊作凶作関係なく、農民は苦しまなくていいにではないか、と吉之助は考えたのです。
調所は吉之助の提案を了承します。喜び勇む吉之助ですが、調所は吉之助が去ったあと、「どうせうまくいくまい」と言います。
なぜうまくいかないと考えるのか、そこにどんな障害があるというのか。それは、歴史にちょっとばかり関心がある者や政治にちょっとでも関心がある者だったら想像がつく事なのですが、この時点での吉之助には分かりません。
西郷の税システム改革にたちはだかる障害の一部はすぐにスートーリー上で明らかになります。
それに対して吉之助はどういう行動をとるのか、身売りされそうだった娘はどうなるのか。それも物語(第2回の)終盤であきらかになります。
苦しむもの、弱い立場の為に汗をながし涙を流す。その姿がやがて多くの薩摩人に尊敬される「西郷どん」を生むのでしょう。