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2018年01月09日
「鬼平犯科帳 THE FINAL 前編 五年目の客」
正月7日の日曜日の夜、CS放送の時代劇専門チャンネルで「鬼平犯科帳 THE FINAL 前編」が放送されました。
若村麻由美さん演じる旅籠屋の女房・「お吉」は、以前、遊郭で働く女郎だったが、ある客の持っていた大金を持ち逃げして女郎の身分でなくなり、過去を弟以外の誰にも分らぬように隠して旅籠屋の女房におさまっていたのだ。
ところがある日、お吉が持ち逃げした商人(谷原章介さん演じる)がお吉の旅籠屋の客となる。男の顔をみて愕然となるお吉。
男はお吉のことに気付いているのか、いないのか、お吉と二人っきりになると彼女を抱き寄せ肉体関係を迫る。男は自分に気づいているんだ、と恐れおののいたお吉は、昔のことをばらされたくないあまりに、男のいいなりになり、外での逢引きを重ねる。
その男こそ、江戸に狙いをつけた凶悪な盗賊の一味だった。
お吉は悩んだ挙句、ある決断をする。
主人に明かせない自分の過去に苦悩する女を若村麻由美さんが好演しています。
そしてお吉の苦悩を知った鬼平の「超法規的な人情裁き?」が心を打ちます。
NHK大河ドラマ「西郷どん」の配役について
インターネットの記事などを見ていますと、今年のNHK大河ドラマの主役・鈴木亮平さんについて、「西郷隆盛のイメージではない」とか「ミスキャストだ」というような意見があるようですが、そういうことは一年を通してみないと分からないと思います。
ドラマの冒頭で、明治になって西郷吉之助が死んでから、西郷像の除幕式があり、西郷の妻が西郷像の顔をみて「違う」と言ったシーンがあります。このエピソードは歴史的事実のようで、ほんとうに西郷自身の顔と違っていたようです。
にもかかわらず、西郷像の顔が広く世間に知られているため、西郷像のような顔の役者さんが西郷を演じなくてはならない、という固定観念みたいなものが人々の心に植え付けられてしまったようです。だから西郷像と違う顔の人が演じたら「西郷のイメージではない」と?
しかし西郷像の顔と本物の西郷の顔とが違う、と西郷の妻自身が言っている以上、西郷像とはかけ離れた姿の役者さんが演じても構わない、ということになるのではないでしょうか。
問題は主役の鈴木亮平さんが一年通じて西郷吉之助という人物の生き方と、多くの人をひきつけた薩摩のカリスマ的人物としての魅力をどう演じるか、にかかっています。だから我々視聴者はずっと見守らなくてはならないのだと思います。
それと、第一回放送はほとんどが子役たちのシーンだったので、西郷役がほさわしいか、大久保役がふさわしいか、なんて判断などまったくできません。
ちなみに、昭和43年の大河ドラマ「竜馬がゆく」では、西郷吉之助役は小林桂樹さん、昭和49年の「勝海舟」では中村富十郎さん、昭和55年の「獅子の時代」でも中村富十郎さん、平成2年の「翔ぶが如く」では西田敏行さん、平成20年の「篤姫」では小澤征悦さんが演じました。
「翔ぶが如く」で西郷吉之助役を演じた西田敏行さんが、今回ではナレーションを担当しているので「おもしろいなあ」と感じました。
また、「翔ぶが如く」で大久保利通役を演じた鹿賀丈史さんが今回は島津斉彬の父の島津斉興を演じています。「翔ぶが如く」のオマージュだということが伝わってきます。
大河ドラマで或る時代の人物を演じた役者さんが、また別の大河作品で以前のと同じ時代の作品を演じるにあたって、以前とは違う人物、とくに関係の深い人物を演じたりするのは、作品のストーリーそのものとは関係ないにしても、面白いものです。「翔ぶが如く」で島津斉彬の弟の久光を演じた高橋英樹さんが「篤姫」では島津斉彬を演じていました。
ただ、その思いとは矛盾するようですが、今回大久保利通を演じる瑛太さんには、個人的な思いとしては小松帯刀を演じてほしかったです。
唐沢寿明さんが「利家とまつ」だけでなく「功名が辻」でも前田利家を演じたり、古くは緒形拳さんが「太閤記」だけでなく
「黄金の日々」でも豊臣秀吉を演じ、高橋幸治さんが「太閤記」だけでなく「黄金の日々」でも織田信長を演じたように。