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2018年01月20日

滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第43回「堀川夜討」







 1月17日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の43回放送「堀川夜討」が放送されました。
 堀川とは、源義経(滝沢秀明さん演じる)の屋敷があった場所の地名です。
 兄・頼朝(中井貴一さん演じる)との関係が修復不可能となり、訣別宣言をした義経(もうそのころには頼朝のことを「兄上」ではなく「頼朝」と呼び捨てにしている)の身に危険が迫ります。土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)という豪のものが討手として選ばれたのです。
 土佐坊昌俊は義経の屋敷の周りをうかがいます。昌俊のことを以前から知っている武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)は、昌俊に会います。昌俊が密命を弁慶に明かすはずもなく、無難な会話で終わりますが、弁慶は昌俊が怪しいとにらみます。
 そして或る夜、昌俊とその配下が義経の屋敷を襲撃します。夜討です。
 弁慶、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)ら家来たちが奮戦し、義経も自ら戦います。
 そこへ義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)も駆けつけ、薙刀を持って戦います。萌は梶原景時と会ったことで義経の家来たちから疑われでいました。家来たちが自分の様子をうかがって、ちょっとした動きにも注目し言葉にも耳を傾けていると感じた萌は義経に相談していたのです。義経は萌のことを全く疑っていませんでしたが。
 義経主従は昌俊らを返り討ちにし、昌俊を生け捕りにします。
 誰の差し金かと問う義経に、昌は不敵な笑みを浮かべますが、結局は語り始めます。鎌倉で、誰が義経を討つか、となったとき、有力な御家人は誰も名乗りをあげなかった。自分が討手に名乗り出たのは領地が欲しかったからだ。領地が欲しいのは老いた母の為だ、と。
 御家人たちは頼朝から領地をもらったり、自分の領地を安堵(保証といってもいい)されたりしてそれを「御恩」として忠誠を誓い、幕府の為に命懸けで働きます(奉公)。「御恩と奉公」です。
 御家人たちのほとんどは義経の討手となることをハッキリ拒まなかったとしても、どうしても乗り気にならなかったようです。なぜかというと義経を敵視していなかったからです。
 義経の宇治川、一の谷、屋島、壇ノ浦などでの戦場での功績を認め、野心がない(ドラマではそう描かれる)、欲のない人柄を認めていたのです。
 「判官びいき」という言葉があります。「ほうがんびいき」とも「はんがんびいき」ともいいます。ここでいう「判官」とは源九郎判官義経のことです。義経が朝廷から「判官」という官位を与えられたために義経は「判官どの」とも呼ばれました。
 頼朝に追われてからの義経の悲劇的なあゆみが、それまでの華々しい活躍とはあまりにも対照的であり、権力者・頼朝に対してあまりにも力がなかったために、庶民の同情が集まり、弱い立場の者に同情を寄せる気持ちを「判官びいき」というようになったのです。
 義経の物語ができて人々の間に浸透し、日本人の心をうつようになった背景には、義経の生き方だけでなくその後の時代の、足利尊氏と直義の争いや徳川家光と忠長の争いなどがあって、兄弟間の権力闘争をみた庶民が権力者に反感をもちながら義経に同情を寄せる気持ちを強めた、ともいえます。
 が、それでも義経の人生の「平家滅亡」までの華々しさとその後の落日の対比がたいへん悲劇的で、ドラマチックなのです。
 次の第44回放送では、その義経の悲劇の中でも代表的なエピソードが描かれます。





 
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