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2021年10月07日

夜の音福

本日の三味線は時間を変更しての稽古でした
暗くなって灯りの点る音福さん
この道の人通りはまだまばらだそうです
この辺りは割と酒場街なので、通年だったら夜になるとゾロゾロ人が歩いているそう
私は昼間しか行ったことがないので夜の風景が新鮮です
三味線路上ライブできそうじゃん!

20211007-1.jpg

半端になっていた「館山節」の稽古をしました
半端シリーズが何曲かあります
やったけど難しいので、また追々やりましょうという曲
・祇園小唄
・敦盛さん
・館山節
その中の館山節

・出だしのジャンは浮かしバチ
バチを少し立て気味にして、二の糸をメインに弾く感じ
二の糸弾いたら、ついでに三の糸に当たっちゃいました的な
・全体的に、ぼや〜っと、だら〜っと、気だるく、もの悲しい雰囲気に
主に一番と四番を唄います
一番は、館山の山深い奥まった風景の唄で、鹿が鳴いたりします
四番は、京都の鳥辺山心中の唄で、歌舞伎などのBGMに用いられたりします
最後の方に、弾き語り的なところが出てきます
そこのテンポが難しいのです
「歌い手につられないように」弾くというのが難しい
しかも、歌詞が変わると入り方間違える
最後は何とか出来るようになりました
「難しいよね〜、これ。こういうのは逆に言うと弾き唄いするのが一番いいんだよね」
「唄はダメなのかい〜?」
「唄を少しずつ覚えた方がいい」
「引き唄いって言うのが三味線の醍醐味じゃない?」

「もしかしたら才能が眠っているかも知れないよ、新しい才能が」
「意外と自分で分かんないところで、こんなこと自分で出来るんだ、みたいなこと今までずいぶんあったから」
「・・・はぁ、そうですかぁ・・・」
先生は、昔は唄は大嫌いだったそうだ
何故か、自分の番になると嫌いな曲ばかり回ってくるのだという
最初は嫌だ嫌だと思っていたけど、そのうちにだんだん
「音だけでなく唄をやると気持ちが通うというか、ハートで感じるものがある」
と思うようになったらしい
今日の先生はやけに唄を勧めてくる・・・と言うのも、
来年は発表会を予定しているので、端唄クラスの構成を考えている段階
二曲並べて(繋げてやるようにしたい、とのこと
(一昨年の発表会で並木駒形と深川節を繋げてやったみたいに)
ただし、その時に
「なんせ唄を唄える人が少ないので、唄える人のおんぶに抱っこになってしまう」ので
それを避けたいという気持ちがあるらしい
「唄えそうな曲があったら、一曲でもあったら挑戦してみない?」
しかし、歌はすこぶる苦手なんですけど・・・

カラオケも殆ど行ったことないし、子供の頃から歌は苦手だった
「声が小さい」「もっと大きく口を開けなさい」「口は縦に開けること」
「ニコニコしながら楽しそうに歌いなさい」
よく叱られた
歌いたくもない歌を、みんな同じように楽しそうに体揺らして歌うなんて、やってられるか!
子どもながらに音楽の歌の時間なんて嫌いだった
全員が同じようにやらされることが嫌だったのか、
歌の内容や曲が好きでなかったのか
その代わり、演奏はどんな楽器でも得意だった
リコーダー、ピアニカ、アコーディオン、ドラム、鉄琴、木琴・・・
歌や演奏で張り合わなくても、私にはもっと別の自己表現の場があったし
しかし、三味線の端唄はハッキリ言って唄が主役
だから端唄、っていうジャンルなんだ
私が今までやっていた唄とは全く違う価値観でいいのかも知れないなぁ

20211007-2.jpg

いつも行き来する風景も、夜は新鮮



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