2週間ぶりの稽古でした
電車の手すりに一回も触らないようにして電車を乗り継いで稽古場へ
防音室に入室の際は消毒とマスク着用
今日は半分以上の生徒さんが休み
みんな用心して外出を控える人が多いようです
しかし私は、発表会が中止になり、その後早く仕切り直したかったので出席しました
次に何をやりたいか聞かれると思い、
あらかじめ考えておいた「木遣りくづし」をリクエスト
弾いてみたい曲が難しくてまだ無理、という場合もありますが、
それなら大丈夫、ということで楽譜いただきました
木遣りくづしは、御家人斬九郎で蔦吉が確か踊っていた・・・(時代考証は適当)
「木遣りくづし」はとてもファジーな楽譜で、歌い手や弾き手によって間や細かい技が変化します
唄が入るタイミングと、三味線のタイミングがバラバラなので、
手はそれほど難しくないのですが、タイミングが分からなくなってしまいます
先生「けっこうやりにくいからね」
かなりやりにくい
意外に難しい曲を選んでしまった
しかも、はずんで、が付いている
・一の糸のハジキ
内側にはじくのではなく、外側にはじく
・一の糸は勢いよく強く弾かずに、やわらかく静かに弾く
・楽譜にはないが、スリを追加
・前奏で間(休み)を入れるところは、本当は歌い手によって変わるから入れても入れなくてもいい
唄の出だしが人によって違うから、タイミング見計らうためにあるらしい
しかし、知っている曲というのは嬉しいものです
木遣り歌というのは、鳶職(とびしょく)の人達によって歌い継がれた歌。
重い木材などを運んだり、土地を突き固める際に、力を込めるタイミングやペースを合わせるために
掛け声をかけていたところから、歌に変化したともいわれてます
新築の建前(上棟式)や地鎮祭など、おめでたい行事や儀式で歌われることも多く、
タイトルも『江戸木遣り』『木遣り』など、歌詞も数多くあります
くずし、とは調子を変えて陽気な感じにしたりなど、いわば編曲という意味合い。
『木遣りくづし』俗曲 本調子
格子造りに ご神燈下げて 兄きゃ家かと 姐に問えば
兄きゃ2階で木遣りの稽古 音頭取るのは アリャ 家の人
*エンヤラヤ サノヨーイサ エンヤラヤ エンヤラヤレコノセー
サノセー アレワサ エンヤラヤー
目出度 目出度の若松様よ 枝も栄えて アリャ 葉も繁る *くり返し
つねりゃ紫 食いつきゃ紅よ 色で仕上げた 私の身体 *くり返し
君は小鼓 調べの糸よ 締めつ緩めりゃ アリャ 音を出す *くり返し
この曲は、江利チエミや美空ひばりなども歌ってヒットしたようです
歌詞も、歌謡曲風に違うものがあります
(先生は美空ひばり風をやってくれました)
譜面に、鳶と火消し装束のイラストを入れてみました
ところで、今後の参考のために端唄集を買ってみました
藤本流の端唄俗曲集
三線譜で口三味線も載っているので、いつもの楽譜に見慣れていると違和感
数字の書体が違うだけでなんか見にくい
しかし、いろいろな曲が載っているので楽しいです
何でも、先生の流派(本條流)の大元の楽譜は既に絶版
版権のしがらみで、簡単に再版出来なくなってしまっているらしい
(もちろん先生は全冊持っているとのこと)
版権を買い戻すには、かなり高額になってしまうらしい
ってか、先生はもはや流派に縛られる身ではない
自分でアレンジした楽譜もいっぱい持ってるので、
流派にとらわれない、端唄(初・中・上)向けの楽譜を自分で出しちゃえばいいじゃん、と思った
先生はパソコンで自分で楽譜を作っているので、データがあるわけだし
日本中、芸者さんなどの指導に回ったので、普通知らないようなご当地ソングもいっぱい知ってる
もったいないなぁ、と思ってしまう
想像していると、本の装丁から内容まで一瞬で浮かんでしまうのであった
試しにこの次、おもむろに「先生、楽譜出しませんか?」と言ってみたらどんな顔するだろう?
そして、重大発表!!
来年の発表会がもう決定
2021年2月11日(木・祝) 建国記念日
ヨロシクです
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2020年03月05日
木遣りくづし
posted by konomezuki at 16:17
| 三味線関連&稽古日記