毎年若返りたい！

学生の頃
家庭教師のバイトを何度かしました。

教えたどの子もよく覚えていますが
そのうちの一人の子、Mちゃんは
本当によく頑張ってくれました。

その子の母親から
「高校受験は
成績が悪すぎて無理かもしれない」
と言われて紹介されたMちゃんは
とても真面目そうな女の子でした。

よくよく見てあげると
小学校の分数あたりでつまずいていることが判りました。

数学だけでなく全教科を教えていて
どれも大変遅れてはいたのですが

ひょっとしてこの子は英語が伸びるかもしれないなあと
直感を持ちました。

ちょうど知り合いの知り合いのアメリカ人の中学生が
日本の同年代の女の子の文通相手を探していると聞きました
（当時はインターネットはありませんでした）。

文通の話をしてみると
「やってみる」とMちゃんは目を輝かしました。

はじめは一緒に簡単な作文をしていたのですが
次第に自分で
辞書を引きながら
書くようになり（とても簡単な内容でしたが）

私は文章を直してあげるだけで
済むようになりました。

封筒の中には
手紙以外にもきれいな千代紙などを
同封していたように記憶しています。

そして迎えた高校受験。
Mちゃんは見事合格。
受験生の中では成績が良かったので
特待生に選ばれました。

それから３年の月日が流れ
Mちゃんからお手紙が。
「先生、短大の英文科に合格したよ。」

嬉しかったです。
高校受験も諦めかけていた
Mちゃんが
自分の力で短大に合格できたことが。

Mちゃんが私から得たものは
モチベーションだったと思います。
彼女の可能性を引き出せたことは
私にとっても
かけがいのない思い出です。

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