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2020年03月20日

「むしろ読むべきなのは時代劇ファン以外かも」時代劇はなぜ滅びるのか 著:春日太一

今回からタイトル構成を少し変えます。

おすすめ、むしろ時代劇ファン以外にこそ読んでほしい、そもそも私自体が時代劇(時代物)ファンではない(歴ヲタでは有るが、良くも悪くも隣人の感覚での付き合い)。
この本は、時代劇を通して日本戦後映像文化史とでも言うべき内容で、映画からテレビへ、俳優の変化、映画監督の変化、テレビ環境の変化など、ありとあらゆるものが時代劇への逆風と言う考察。

時代劇の危機について色々書いてある

60年代に一度危機を迎えた時代劇が、96年になって別の危機を迎える、これらはメディアを取り巻く環境が大きく変わったことを著者は伝えている。
まずは映画時代劇の衰退、それからのテレビ時代劇の隆盛、そして90年代に入って再び隆盛する時代劇、しかし視聴率が世帯から個人へと移行した96年以降高齢者しか見ない事が判明した時代劇はスポンサー離れのせいで一気に壊滅する事が書かれている。

そして時代劇を作るための環境も失われたと説く。まず俳優が居ない、昔と違って今の俳優は芝居が出来ない(これは別ジャンルでも散々言われている事)、事務所が売り出したい人間にろくに稽古も付けないまま出すもんだから全然、現代劇であれば自然体扱いで許されるも、ファンタジーである時代劇であれば芝居がかった感じが出せないとダメ、という内容。かと言って歌舞伎役者もそれはそれで歌舞伎過ぎ、わざとらしすぎてダメで、演技指導できる監督が居ないと説く。またプロデューサーもサラリーマンプロデューサーばっかり。

また時代劇は高齢者向けと言われるが、それにも理由があり、水戸黄門が意図的に高齢者向けに演出した結果それがハマったために、安定を良しとする他のTV局も水戸黄門風にしてしまったせいで高齢者っぽくなってしまった、結果新規開拓出来ずにジリ貧になる原因に。

水戸黄門はパナソニックがある程度の利益度外視で逸見稔と言う辣腕プロデューサーによって作られた、彼はスポンサーでありながら製作者側でも有ると言う特殊なポジションで長生きできた…のだがやはり逸見の死とともに迷走していく。

とこんな感じで時代劇が抱えている問題を詳細に渡って語っていくものです。


女性について

「著者の女性観」について、まあ概ね同意なんですが、個人的に付け足したい事が有るので。要は著者は女性は殺伐とした事が嫌いで細かい話が理解できず、また歴史にも興味がない女性視聴者が大河ドラマをホームドラマにしてしまったと主張している。
著者は大河ドラマを殺したのは女性目線、つまり「働く男性の物語」だった大河を無理やり「ホームドラマ」にしてしまった。非日常の話なのに日常系のゆるい話にしてしまった。
理想主義ばかり語って何もしない主人公が氾濫している、ホームドラマに成り果ててしまっている、利家とまつのヒットによって主婦受けするノリにする、ホームドラマ風にすれば受けてしまうのでホームドラマになってしまった的なことを主張している。
これに関しては特にまあそうなんでしょうとしかいいようがない。

が私的に男性側も疲れ切っててストレスの有る話が嫌になっていると言う指摘が近年多いのを補足したい。この本は08年に書かれているのでこの内容になっているが、20年に読むと補足する分がでてくる。
後私的に「時代小説読むのはほぼ全員男」「時代劇はむしろ女より」な印象。なんで層が似てるようで違う、ただし年齢は似たりよったり。後大河ファンはやや若い傾向、歴ヲタが一定数居るので。


気になる「時代小説と時代劇」の関係

著者はこの本で一切この要素については触れず、原作として触れる程度にとどめてある。私的に時代小説って好きなジャンルではないですが気になるジャンル、特に定義論が結構考えると頭が痛くなってくる(時代系ファンタジーや非江戸もの非歴史小説系の小説等をどこに入れるかと言う話等、ただし時代系ファンタジーは技術的には時代劇なので、映像作品として見ればこの本を読む限り一応時代劇?状態)。

手にとった理由

私はこの本を読むきっかけがメインブログの方でやっている「ガンダムSF論争」についての考察の参考資料として選んだから。ガンダムともSFとも無関係な時代劇を選んだ理由は、時代劇とSFが有る意味同期生、光と闇、表と裏の関係と言う考え方から。
本作で著者は「時代劇とはファンタジーだ」と言っている、時代劇は現代を描く話ではない。SFも同じだ、未来、宇宙、異次元、過去、普通と違う現代、これらが描かれている。そもそもファンタジーはSFから分離したジャンル、どちらも非日常世界を描くという点で似ている、というか層が違うけど有る意味競合と言えるジャンル、お互い無関心なジャンルだけど実は有る意味近いポジション。
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