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2020年12月29日
【強烈】実際に食べた「におい」の凄まじい発酵食品3選
シュールストレミングは、ニシンを塩漬けして発酵させ、発酵途中のまま殺菌することなく缶に入れることでできるスウェーデンの保存食です。あまりに進みすぎた発酵によって、凄まじいにおいを発生させます。強烈な刺激を伴うにおいの強さにおいて、世界の食べ物の頂点に君臨しています。基本的にはニシンの塩漬けであり、缶の中には8〜10cm程度の切り身が20枚ほど入っています。缶を開けて最初に見えてくるのは、ニシンの切り身がどろどろした液体に浮かんでいる様で、放置された生ゴミのような明らかに汚物と同様の激臭です。これは、ュールストレミングから発生しているガスの中に、生物が腐敗する際に出る成分が普通に含まれているためです。具体的には、腐った卵のにおいでもある硫化水素、腐敗臭である酪酸などが該当します。つまり、れっきとした食品でありながら、腐敗臭と同じにおいを発しています。そもそもなぜこんな臭いがするものが食品として流通しているのかというと、スウェーデンは製塩に適した環境ではなく、多量の塩を得ることは困難なため、比較的濃度が低い塩水に漬ける方法が取られていました。この方法では、塩分濃度の低さから、漬けておいたニシンの発酵を止められず、強烈なにおいを放ち始めることになります。それでも貴重なたんぱく源として食べられていました。
中国や台湾の街を歩いていると突然、強烈なにおいが鼻を襲うことがあります。その正体は、臭豆腐です。豆腐を植物性のある液体で発酵させることで、このにおいが生じます。臭豆腐のにおいの元となる発酵液は野菜や塩などからつくりますが、魚介類や動物性たんぱく質を加えることもあります。この発酵液がおいしさを決める最大のポイントで、お店によってさまざまなレシピが存在します。おおよそ半年ほど寝かせて発酵液が完成したら、豆腐を入れ、発酵させます。発酵液につける時間が長ければ長いほど、においの強い臭豆腐になります。臭豆腐のにおいは、インドールという物質に由来し、哺乳類の排泄物やおならと同様の成分です。
くさやのその独特なにおいと味は、好きな人にとっては癖になる美味しさです。一方、なれない人にとってはなかなか馴染めない個性あふれる食材でもあります。くさやは、くさや液なるものにトビウオなどの新鮮な魚を8〜20時間漬け込み、干して完成させる干物です。そのにおいは動物園の汚水のような強烈さがあります。くさや液は古いものほど良いとされ、二百年以上前から保存されているものもあります。発酵食品のくさやは、良質のたんぱく質、カルシウムなどが一般的な干物に比べて豊富です。発酵の効果もあり、ビタミンB 群も豊富で、疲労回復などの効果が期待されます。
ニシンを塩漬けして発酵させ、発酵途中のまま殺菌することなく缶に入れることでできるスウェーデンの保存食です。発酵と腐敗は紙一重であることから、あまりに進みすぎた発酵によって、凄まじいにおいを発生させます。強烈な刺激を伴うにおいの強さにおいて、世界の食べ物の頂点に君臨しています。
基本的にはニシンの塩漬けであり、缶の中には8〜10cm程度の切り身が20枚ほど入っています。缶を開けて最初に見えてくるのは、ニシンの切り身がどろどろした液体に浮かんでいる様で、においの問題を差し置いても、なぜか食欲が沸いてきません。食品として、本来は食欲を誘うはずのにおいが、極端に強くなっているという様子はなく、放置された生ゴミのような明らかに汚物と同様の激臭です。
これは、ュールストレミングから発生しているガスの中に、生物が腐敗する際に出る成分が普通に含まれているためです。具体的には、腐った卵のにおいでもある硫化水素、腐敗臭である酪酸などが該当します。つまり、れっきとした食品でありながら、腐敗臭と同じにおいを発しています。
シュールストレミングは、パンにタマネギやトマトなどと共に挟んで食べるのが一般的です。塩分が高く、鼻から抜けるにおいが強烈で、食品を味わっているとは到底考えられません。その強烈な臭いと塩味を活かし、スウェーデンでは酒の肴として食べることもあるようです。口直しとしては牛乳が最適で、食べる前にあまりにもにおいがきつ過ぎる場合は、牛乳やウォッカで洗うこともあります。
殺菌することなく缶に詰められていることから、発酵を止める工程がなされず、ずっと発酵が進んでいます。放置しておくと、発酵で発生したガスによって缶が膨らんできます。この状態のシュールストレミングの缶を開けると、強烈なにおいを伴った液体が噴出するという結果を招きます。なお、これはかなり発酵が進み内部の圧が高くなった缶のみの現象で、基本的に飛び出すことはありません。そもそもシュールストレミングに限らず、缶詰やレトルト食品が膨らむということは、中身が腐敗していること示しています。
さらに密封容器の缶の中で発酵するという性質上、気圧の変化で爆発する可能性があるため、一般に空輸が禁止されており、海路からの輸入が中心となります。このため、日本で扱う会社は、今のところ1社しか存在していません。日本国内では、食品衛生法などで缶詰が定義されおり、密封後に加熱殺菌をしなければならないため、殺菌されていないシュールストレミングは缶詰と表記できません。
そもそもなぜこんな臭いがするものが食品として流通しているのかというと、スウェーデンの気候に関係があります。国土の2/3が農業に適さない極寒のスウェーデンでは、漁獲したニシンなどを、樽の中で塩漬けにして長い冬季に備えることが常態化していました。しかしながら、スウェーデンは製塩に適した環境ではなく、多量の塩を得ることは困難なため、比較的濃度が低い塩水に漬ける方法が取られていました。この方法では、塩分濃度の低さから、漬けておいたニシンの発酵を止められず、強烈なにおいを放ち始めることになります。それでも貴重な冬のたんぱく源として食べられていました。
かくしてシュールストレミングは、スウェーデンでは保存食、あるいは伝統食品として今なお食されています。
中国や台湾の街を歩いていると突然、強烈なにおいが鼻を襲うことがあります。その正体は、臭豆腐です。豆腐を植物性のある液体で発酵させることで、このにおいが生じます。地元の人でも、このにおいは好き嫌いが分かれます。
臭豆腐は、植物性の発酵液につけた豆腐を揚げたり蒸したりしたもので、もともとは中国湖南省が発祥とされています。現在は主に中国南部や、台湾で食べられています。
臭豆腐のにおいの元となる発酵液は野菜や塩などからつくりますが、魚介類や動物性たんぱく質を加えることもあります。この発酵液がおいしさを決める最大のポイントで、お店によってさまざまなレシピが存在します。おおよそ半年ほど寝かせて発酵液が完成したら、豆腐を入れ、発酵させます。発酵液につける時間が長ければ長いほど、においの強い臭豆腐になります。臭豆腐をつくるのには、かなりの時間と手間を要するため、家庭でつくることはまれで、地元の人も専門の屋台やレストランで食べることが多いようです。
臭豆腐のにおいは、インドールという物質に由来し、哺乳類の排泄物やおならと同様の成分です。生ゴミのような強烈なにおいの臭豆腐は、食べられなくはないけれども、敢えて食べる必要はないと考えてしまうこともあります。もしかしたら、強烈なにおいを有する健康にいい発酵食品なのかもしれません。
くさやのその独特なにおいと味は、好きな人にとっては癖になる美味しさです。一方、なれない人にとってはなかなか馴染めない個性あふれる食材でもあります。くさやは、くさや液なるものにトビウオなどの新鮮な魚を8〜20時間漬け込み、干して完成させる干物です。そのにおいは動物園の汚水のような強烈さがあります。焼く前に油断していると、焼いたときに悶絶することもあります。
くさやは、離島の厳しい日々の暮らしの中から生まれました。大切な食材であった魚をより長く保存するために、桶の中の塩水に漬け込んで干し、干物にしていました。塩や水はとても貴重であったため、一度使った塩水に塩を足しつつ何度も漬け込みを繰り返すうち、魚由来の微生物が作用し、発酵することで、ついには独特なにおいを有したくさや液ができ上がりました。くさや液の手入れは、主に女性が日々培ってきた感覚で維持されてきました。くさや液は古いものほど良いとされ、二百年以上前から保存されているものもあります。
発酵食品のくさやは、良質のたんぱく質、カルシウムなどが一般的な干物に比べて豊富です。特にカルシウムはあじの開きの20倍以上あり、骨や歯の形成、皮膚炎にも良いとされています。発酵の効果もあり、ビタミンB 群も豊富で、疲労回復などの効果が期待されます。
くさやを製造している業者は、伊豆大島の南部、波浮港地区に集中しています。波浮港で水揚げされたトビウオやムロアジなどの新鮮な魚を原材料とし、さばいた後は井戸水でよく洗い、魚が重ならないように注意しながら、手で一枚一枚秘伝のくさや液に漬込みます。漬け込んだ後は、水洗いし、乾燥させて完成です。特に10月から春先にかけての天日干しは、品質に優れています。
シュールストレミングは、ニシンを塩漬けして発酵させ、発酵途中のまま殺菌することなく缶に入れることでできるスウェーデンの保存食です。あまりに進みすぎた発酵によって、凄まじいにおいを発生させます。強烈な刺激を伴うにおいの強さにおいて、世界の食べ物の頂点に君臨しています。基本的にはニシンの塩漬けであり、缶の中には8〜10cm程度の切り身が20枚ほど入っています。缶を開けて最初に見えてくるのは、ニシンの切り身がどろどろした液体に浮かんでいる様で、放置された生ゴミのような明らかに汚物と同様の激臭です。これは、ュールストレミングから発生しているガスの中に、生物が腐敗する際に出る成分が普通に含まれているためです。具体的には、腐った卵のにおいでもある硫化水素、腐敗臭である酪酸などが該当します。つまり、れっきとした食品でありながら、腐敗臭と同じにおいを発しています。そもそもなぜこんな臭いがするものが食品として流通しているのかというと、スウェーデンは製塩に適した環境ではなく、多量の塩を得ることは困難なため、比較的濃度が低い塩水に漬ける方法が取られていました。この方法では、塩分濃度の低さから、漬けておいたニシンの発酵を止められず、強烈なにおいを放ち始めることになります。それでも貴重なたんぱく源として食べられていました。
中国や台湾の街を歩いていると突然、強烈なにおいが鼻を襲うことがあります。その正体は、臭豆腐です。豆腐を植物性のある液体で発酵させることで、このにおいが生じます。臭豆腐のにおいの元となる発酵液は野菜や塩などからつくりますが、魚介類や動物性たんぱく質を加えることもあります。この発酵液がおいしさを決める最大のポイントで、お店によってさまざまなレシピが存在します。おおよそ半年ほど寝かせて発酵液が完成したら、豆腐を入れ、発酵させます。発酵液につける時間が長ければ長いほど、においの強い臭豆腐になります。臭豆腐のにおいは、インドールという物質に由来し、哺乳類の排泄物やおならと同様の成分です。
くさやのその独特なにおいと味は、好きな人にとっては癖になる美味しさです。一方、なれない人にとってはなかなか馴染めない個性あふれる食材でもあります。くさやは、くさや液なるものにトビウオなどの新鮮な魚を8〜20時間漬け込み、干して完成させる干物です。そのにおいは動物園の汚水のような強烈さがあります。くさや液は古いものほど良いとされ、二百年以上前から保存されているものもあります。発酵食品のくさやは、良質のたんぱく質、カルシウムなどが一般的な干物に比べて豊富です。発酵の効果もあり、ビタミンB 群も豊富で、疲労回復などの効果が期待されます。
機会があれば、食べてみてはいかがでしょうか。
2020年12月28日
【乾燥対策】食生活で乾燥肌を防ぐ方法
冬になると気になるのが乾燥肌です。空気が乾燥することで、いくら保湿しても、肌がカサカサになってしまいます。この乾燥肌は、日々の食生活から対策を講じることができます。
肌が乾燥するのは、肌の水分を保つ組織の働きが低下しているからです。この組織は、肌の表面の角質層にあります。皮脂膜は、毛穴から分泌された皮脂で、肌の表面を覆い、肌から水分の蒸発を防ぐ役割があります。天然保湿因子のNMF( Natural Moisturizing Factor)は、肌の水分を保ち、柔軟性と弾力性を保ちます。細胞間脂質のセラミドは、肌細胞同士の隙間を埋める役割を持ち、水分の過剰な蒸発を防ぎます。
常に新しい細胞が生まれ、古い細胞と入れ替わり続けています。この入れ替わりは、ターンオーバーと呼ばれます。ターンオーバーが活発に行われていれば、肌の機能が正しく働き、乾燥を防ぐことができます。細胞の再生を促す栄養素としては、たんぱく質、オメガ3系、オメガ6系の必須脂肪酸、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEなどです。さらに肌内部の保湿成分となる天然保湿因子やセラミドの量を増やすことが、乾燥肌や乾燥性脂性肌を改善するポイントとなります。オメガ3系のα-リノレン酸は、体内でセラミドを作る原材料となります。
いつまでもきれいな肌を維持したいと願うのであれば、バランスの良い食事を心がけるのことはもちろんのこと、体の内側から肌のコンディションを整えてくれる栄養素を摂取することです。乾燥肌を防ぐため、これらの栄養素をバランス良くとる食生活としては、たんぱく質の供給源で主菜となる肉、魚、大豆製品をローテーションで日々の食事に取り入れることです。ビタミン類が豊富な野菜は、茹でるなど調理することでカサが減るため、たくさんの野菜を食べることができます。食材は、少量を多品目食べることで、さまざまな栄養素を摂取することができます。ひとつの食材を食べ過ぎることなく、多くの品目を少量ずつ食べることを心がけます。
冬になると気になるのが乾燥肌です。空気が乾燥することで、いくら保湿しても、肌がカサカサになってしまいます。この乾燥肌は、日々の食生活から対策を講じることができます。乾燥肌が起こるメカニズムと肌の再生を活性化する食べ物を理解することで、乾燥肌の悩みから解放されます。
肌が乾燥するのは、肌の水分を保つ組織の働きが低下しているからです。この組織は、肌の表面の角質層にあります。皮脂膜は、毛穴から分泌された皮脂で、肌の表面を覆い、肌から水分の蒸発を防ぐ役割があります。天然保湿因子のNMF( Natural Moisturizing Factor)は、肌の水分を保ち、柔軟性と弾力性を保ちます。細胞間脂質のセラミドは、肌細胞同士の隙間を埋める役割を持ち、水分の過剰な蒸発を防ぎます。
これらの組織を形成する細胞は、紫外線や乾燥した空気で損傷すること、細胞自体が古くなり、衰えて機能が低下していきます。そのため、常に新しい細胞が生まれ、古い細胞と入れ替わり続けています。この入れ替わりは、ターンオーバーと呼ばれます。ターンオーバーが活発に行われていれば、肌の機能が正しく働き、乾燥を防ぐことができます。
ターンオーバーを活発にするためには、新しい細胞を作る栄養素が必要となります。肌の再生を促すために必要な栄養素を含む食材を紹介します。
細胞の再生を促す栄養素として、まずはたんぱく質です。細胞の原材料となり、肉や魚、大豆製品などに豊富に含まれます。オメガ3系、オメガ6系の必須脂肪酸は、肌細胞の細胞膜の原材料で、サバやイワシなどの青魚、コーン油や大豆油など植物性油脂に豊富に含まれています。亜鉛は、肌や髪の毛、爪などの健康を維持する働きがあり、牡蠣やレバー、牛肉、卵、チーズなどに豊富に含まれています。ビタミンAは、天然保湿因子(NMF)の生成を促し、皮膚や粘膜を正常な状態に保ちます。レバーやうなぎ、緑黄色野菜、卵黄などに豊富に含まれています。ビタミンB2とビタミンB6は、肌の再生を促し、細胞の原材料となるアミノ酸などの成分の吸収を助ける働きがあります。ビタミンB2は、牛レバーや豚肉、納豆に含まれ、ビタミンB6は、にんにくやマグロ、鶏レバーなどに豊富に含まれています。ビタミンEは、肌の血行を促進し、新陳代謝を促してくれます。アーモンドなどのナッツ類、アボカド、イワシなどの魚介類に豊富に含まれています。
これらの栄養素の中でも、優先して摂取したい栄養素は、細胞の原材料となるたんぱく質です。必須脂肪酸、亜鉛、ビタミンなどは、肌の健康を維持し、再生を促してくれますが、新しい細胞の原材料となるたんぱく質が不足していては、役割を十分に発揮できません。1日に必要なたんぱく質は、成人女性でおよそ50gです。肌の乾燥を防ぐために、毎日摂取する必要があります。食べ物に含まれるたんぱく質として、イワシであれば、100gあたり19.2gのたんぱく質が含んでいます。必須脂肪酸は、オメガ3系とオメガ6系の両方をバランス良くとることが大切です。イワシなどの青魚や植物性油脂を使った料理からとることができます。亜鉛は、基本的に不足することはほとんどありませんが、気になる場合レバーや卵などからとることができます。ビタミン類は野菜に多く含まれており、厚生労働省によると具体的な1日の摂取量の目安は、350g以上です。
さらに肌内部の保湿成分となる天然保湿因子やセラミドの量を増やすことが、乾燥肌や乾燥性脂性肌を改善するポイントとなります。セラミドが豊富に含まれている食材は、こんにゃくや大豆、黒豆、ひじき、わかめなどです。セラミドは、肌の潤いを保つことができることから、保湿において重要な成分です。オメガ3系のα-リノレン酸は、体内でセラミドを作る原材料となります。そのため、α-リノレン酸を摂取することによって、セラミドを生成することができるようになり、保湿への手助けとなります。α-リノレン酸が含まれている食材は、青魚のほかアマニ油、エゴマ油などです。
毎日肌のケアはしっかり頑張っているのに、食生活がおざなりになっているかもしれません。体は食べものからつくられています。肌にトラブルがあるときこそ、食事を見直して、体の内側から肌のコンディションを整えましょう。いつまでもきれいな肌を維持したい、若々しくありたいと願うのであれば、バランスの良い食事を心がけることはもちろんのこと、体の内側から肌のコンディションを整えてくれる栄養素を摂取することです。
乾燥肌を防ぐため、これらの栄養素をバランス良くとる食生活としては、たんぱく質の供給源で主菜となる肉、魚、大豆製品をローテーションで日々の食事に取り入れることです。肉、魚、大豆製品に豊富に含まれているたんぱく質は、ひとつの食材だけを食べていると栄養が偏ることになります。たんぱく質を含む食材は、たんぱく質を構成するアミノ酸の種類が異なるため、さまざまなものをとり入れることが大切です。サバやイワシの缶詰、大豆製品、卵などたんぱく質をとれる食品は、手軽に手に入れることができます。
ビタミン類が豊富な野菜は、茹でるなど調理することでカサが減るため、たくさんの野菜を食べることができます。スープ、味噌汁、鍋、あるいはミキサーでジュースにすれば、一度にたくさんの野菜をとることができます。
食材は、少量を多品目食べることで、さまざまな栄養素を摂取することができます。ひとつの食材を食べ過ぎることなく、多くの品目を少量ずつ食べることを心がけます。
冬になると気になるのが乾燥肌です。空気が乾燥することで、いくら保湿しても、肌がカサカサになってしまいます。この乾燥肌は、日々の食生活から対策を講じることができます。
肌が乾燥するのは、肌の水分を保つ組織の働きが低下しているからです。この組織は、肌の表面の角質層にあります。皮脂膜は、毛穴から分泌された皮脂で、肌の表面を覆い、肌から水分の蒸発を防ぐ役割があります。天然保湿因子のNMF( Natural Moisturizing Factor)は、肌の水分を保ち、柔軟性と弾力性を保ちます。細胞間脂質のセラミドは、肌細胞同士の隙間を埋める役割を持ち、水分の過剰な蒸発を防ぎます。
常に新しい細胞が生まれ、古い細胞と入れ替わり続けています。この入れ替わりは、ターンオーバーと呼ばれます。ターンオーバーが活発に行われていれば、肌の機能が正しく働き、乾燥を防ぐことができます。細胞の再生を促す栄養素としては、たんぱく質、オメガ3系、オメガ6系の必須脂肪酸、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEなどです。さらに肌内部の保湿成分となる天然保湿因子やセラミドの量を増やすことが、乾燥肌や乾燥性脂性肌を改善するポイントとなります。オメガ3系のα-リノレン酸は、体内でセラミドを作る原材料となります。
いつまでもきれいな肌を維持したいと願うのであれば、バランスの良い食事を心がけることはもちろんのこと、体の内側から肌のコンディションを整えてくれる栄養素を摂取することです。乾燥肌を防ぐため、これらの栄養素をバランス良くとる食生活としては、たんぱく質の供給源で主菜となる肉、魚、大豆製品をローテーションで日々の食事に取り入れることです。ビタミン類が豊富な野菜は、茹でるなど調理することでカサが減るため、たくさんの野菜を食べることができます。食材は、少量を多品目食べることで、さまざまな栄養素を摂取することができます。ひとつの食材を食べ過ぎることなく、多くの品目を少量ずつ食べることを心がけます。
2020年12月27日
【酢酸発酵】酢の機能性
黒酢は、発酵熟成期間は1〜3年と通常より長い時間をかけてつくられた酢で、原材料は各種ありますが、日本では米や玄米を原材料としたものが一般的です。特に鹿児島県のつぼ酢は日本の代表的な黒酢で、江戸時代からの伝統的な製法でつくられており、高い健康効果が認められています。
つぼ酢はアマンつぼと呼ばれる冬季のつぼに7分づきの米と米麴、天然水を入れて仕込み、半年ほどかけて発酵させ、半年間熟成させてつくります。その後、さらに1〜2年の熟成期間を経て製品化されるものもあります。
中国の黒酢、イタリアのバルサミコ酢なども黒酢の仲間です。
黒酢は熟成期間をかけるほど色が濃くなり、うま味や香りを増すとともに、酢酸やクエン酸、コハク酸などの有機酸や水溶性ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの有効成分が増加します。これらの成分の働きで、黒酢には疲労回復、食欲増進、カルシウムの補給、自律神経の安定、血圧降下、血糖値低下、コレステロール低下、肝機能の強化、肥満や便秘の解消などの効果が期待されています。
黒酢は、酢の物やサラダ、マリネ、甘酢あんかけなど酢を使う料理一般に使用されています。また、健康飲料やカプセル状の製品もあります。なお、酢は刺激が強いので、薄めずに飲んだりすると胃の粘膜を傷めることがあります。
米を原材料として醸造した酢には、米酢や純米酢があります。JAS法では、水1Lに対して米を40g以上使用しているものは米酢、なかでも原材料100%米であるものには、純米酢と表示することが認められています。
玄米酢も米を原材料にした酢ですが、精白した白米ではなく、未精白の玄米からつくられています。玄米は白米と比べてたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルが豊富で、普通の米酢や純米酢よりも多くの有効成分を含んでいます。熟成期間も長く、コクのある複雑な味わいです。
酢は有機酸や糖質、アミノ酸などの成分を含み、これらには食欲増進、疲労回復、自律神経の安定、血液浄化、血糖値低下、コレステロール低下、肝機能の強化、肥満や便秘の解消などの効果が期待されています。
食品に含まれるカルシウムやマグネシウムは、そのままではあまり吸収されませんが、酢を加えることで吸収率が高まります。ちりめんじゃこの酢漬けや小魚の酢漬けなどは、優れたカルシウムの補給方法です。
玄米酢は、日本料理や中華料理と相性が良く、酢自体の味わいが深いので、淡泊な味の食材よりも、個性の強い食材と合います。酢大豆や酢卵など、酢の特性を生かした食品にも最適です。
また、食材を酢に浸すことで、酢の殺菌効果で食材が長持ちします。なお、酢は胃の粘膜を刺激するので、空腹時に酢を飲むと胃を傷めることがあります。
リンゴの果汁に酵母を加えて発酵させると、アップルワインができます。これに酢酸菌を加えて発酵、熟成させたものがリンゴ酢で、甘くてさわやかな香りとすっきりとした酸味が特徴です。生産及び消費ともにアメリカが最も多く、自然食療法のひとつとしても親しまれています。
原材料のリンゴの持つ成分に酢酸などの成分が加わり、体に働きかけます。穀物からつくられる酢よりも少ないものの酢酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸が豊富で、そのほかに発酵過程で生成するアミノ酸も含まれます。ミネラルとしては、カリウムが多く含まれます。有機酸は、疲労回復とともに唾液や胃液などの分泌を盛んにし、食欲を増進させます。カリウムには余分な塩分を排泄する作用があり、血圧を下げる効果がみられます。アミノ酸には代謝をコントロールすることや神経を安定させる作用があります。
リンゴ酢はどちらかというと洋風の料理に使われることが多い酢ですが、ドレッシング、マヨネーズ、ピクルス、酢の物、甘酢あんかけなどに幅広く使用されます。季節の果物を漬け込むサワードリンクにも使用されます。
外用としては、ハチミツとリンゴ酢各大さじ1杯を洗面器半分の水に溶かして洗顔すると、肌がなめらかになります。
黒酢は、発酵熟成期間は1〜3年と通常より長い時間をかけてつくられた酢で、原材料は各種ありますが、日本では米や玄米を原材料としたものが一般的です。特に鹿児島県のつぼ酢は日本の代表的な黒酢で、江戸時代からの伝統的な製法でつくられており、高い健康効果が認められています。黒酢は、熟成期間をかけるほど色が濃くなり、うま味や香りを増すとともに、酢酸やクエン酸、コハク酸などの有機酸や水溶性ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの有効成分が増加します。これらの成分の働きで、黒酢には疲労回復、食欲増進、カルシウムの補給、自律神経の安定、血圧降下、血糖値低下、コレステロール低下、肝機能の強化、肥満や便秘の解消などの効果が期待されています。
玄米酢は米を原材料にした酢ですが、精白した白米ではなく、未精白の玄米からつくられています。玄米は白米と比べてたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルが豊富で、普通の米酢や純米酢よりも多くの有効成分を含んでいます。熟成期間も長く、コクのある複雑な味わいです。玄米酢は有機酸や糖質、アミノ酸などの成分を含み、これらには食欲増進、疲労回復、自律神経の安定、血液浄化、血糖値低下、コレステロール低下、肝機能の強化、肥満や便秘の解消などの効果が期待されています。食品に含まれるカルシウムやマグネシウムは、そのままではあまり吸収されませんが、酢を加えることで吸収率が高まります
リンゴの果汁に酵母を加えて発酵させると、アップルワインができます。これに酢酸菌を加えて発酵、熟成させたものがリンゴ酢で、甘くてさわやかな香りとすっきりとした酸味が特徴です。酢酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸が豊富で、そのほかに発酵過程で生成するアミノ酸、ミネラル分としてカリウムが多く含まれます。
2020年12月26日
【圧搾と抽出】植物由来の油の機能性
アボカドはアフリカ原産で、中米から北米にかけて栽培されている常緑高木です。果実を食用とし、「森のバター」などの別名をもっています。栄養豊富なスタミナ食として知られ、日本でもメキシコ、アメリカからの輸入品が1年を通して入手でき、価格も手ごろです。触ってみて弾力がある程度に熟したものが美味しいとされています。
アボカドの果肉には、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています。また、脂肪分の含有量が27%前後と高く、アボカド油この脂肪分を抽出したものです。
アボカドの脂質のうち約90%は、コレステロール低下作用をもつ不飽和脂肪酸で、オレイン酸が79%、リノール酸10%、ほかにリノレン酸も含まれます。オレイン酸は、オリーブオイルに多い成分で、酸化されにくいため、体内で有害な過酸化脂質となりにくい性質があります。ビタミンは、脂溶性のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、水溶性のビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸などが含まれています。ミネラルは、マグネシウムやカリウムなどです。
アボカド油は、生のまま食用にされることが多いですが、加熱しても酸化されにくいので、加熱調理にも最適です。また、皮膚の細胞を湿潤させることから、化粧品などにも配合されています。なお、アボカド油はもちろん、生のアボカドも脂肪分を多く含むため、100gあたり191kcalと高カロリーです。
オリーブは、地中海沿岸地方原産の植物で、主に果実を塩漬けにして、食用とします。果実は品種によってさまざまで、1個1〜15g程度のものまであり、未熟な果実は緑色ですが熟すと黒くなります。
オリーブ油は、生の果実や核を圧搾してつくられ、ゴマ油と並んで世界最古の油と言われ、イタリア、スペイン、ギリシャ、ポルトガルなどで古くから生産され、出荷されています。日本でも少量ですが、地中海と気候の似ている香川県の小豆島で生産されています。
品質の高い順にエクストラヴァージン、ヴァージン、ファイン、ピュアと呼称が定められています。日本で市販されているものは、エクストラヴァージンとピュアです。エクストラヴァージンに有効成分が多く含まれています。
オリーブ油には不飽和脂肪酸となるオレイン酸が80%、ほかにリノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、スクワレンなどが含まれています。オレイン酸には、コレステロールの低下をはじめ、動脈硬化や心臓病の予防、胃酸分泌を調整するなどの効果が報告されています。スクワレンは、不飽和脂肪酸の一種で、細胞や皮膚の成長を促進する作用が期待されています。ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンEを含有しています。
特有の香りがあるオリーブ油は、サラダなどの生食用、揚げ物や炒め物などの加熱調理などに幅広く使用されます。生食用には薄い緑色で香り高いエクストラヴァージンが、加熱調理にはピュアが向いています。髪や肌に塗る用法もあり、化粧品の原材料としても利用されています。
ゴマは、中国やインドなどアジア地域で古くから栽培されていました。食用とされる種子に油分を多く含むため、油の原材料としても長い歴史をもっており、中国料理や韓国料理には欠かせない油です。日本でも古くから使われていた油で、精進料理や江戸前の天ぷらなどに用いられ、特有の香りと風味が喜ばれてきました。
ゴマ油の脂肪酸組成は、リノール酸45%、オレイン酸39%など不飽和脂肪酸が中心となります。不飽和脂肪酸は、血管に付着して動脈硬化の原因になるLDLコレステロールを減少させ、高血圧や心臓病を防ぐのに役立ちます。また、細胞や組織の代謝に関与するレシチンのほかにビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンを含みます。さらにゴマ油には、油の変質を防ぐセサミノールという抗酸化成分が豊富に含まれています。
シソ油は、シソの実を圧搾して取り出した油で、シソ特有の香りがあります。同じシソ科の植物であるエゴマも古くから油の原材料として用いられており、風味や成分は似ています。
シソ油は、不飽和脂肪酸のリノレン酸を多く含んでいます。リノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の原材料となります。
リノレン酸を多く含む油は酸化しやすく、加熱調理には向きません。サラダやマリネなどの油として使用します。保存は高温や光の当たる場所を避け、早めに使い切ります。
アボカドの果肉は、脂肪分の含有量が27%前後と高く、アボカド油この脂肪分を抽出したものです。アボカド油は、生のまま食用にされることが多いですが、加熱しても酸化されにくいので、加熱調理にも最適です。アボカドの脂質のうち約90%は、コレステロール低下作用をもつ不飽和脂肪酸で、オレイン酸が79%、リノール酸10%、ほかにリノレン酸も含まれます。オレイン酸は、オリーブオイルに多い成分で、酸化されにくいため、体内で有害な過酸化脂質となりにくい性質があります。
オリーブ油は、生の果実や核を圧搾してつくられ、ゴマ油と並んで世界最古の油と言われています。品質の高い順にエクストラヴァージン、ヴァージン、ファイン、ピュアと呼称が定められています。オリーブ油には不飽和脂肪酸となるオレイン酸が80%、ほかにリノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、スクワレンなどが含まれています。オレイン酸には、コレステロールの低下をはじめ、動脈硬化や心臓病の予防、胃酸分泌を調整するなどの効果が報告されています。
ゴマ油は、中国料理や韓国料理には欠かせない油で、日本でも古くから精進料理や江戸前の天ぷらなどに用いられ、特有の香りと風味が喜ばれてきました。ゴマ油の脂肪酸組成は、リノール酸45%、オレイン酸39%など不飽和脂肪酸が中心となります。不飽和脂肪酸は、血管に付着して動脈硬化の原因になるLDLコレステロールを減少させ、高血圧や心臓病を防ぐのに役立ちます。ゴマ油には、油の変質を防ぐセサミノールという抗酸化成分が豊富に含まれています。
シソ油は、シソの実を圧搾して取り出した油で、シソ特有の香りがあります。不飽和脂肪酸のリノレン酸を多く含んでいます。リノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の原材料となります。
2020年12月25日
【細胞死】アポトーシスとネクローシスに関与する食材
細胞死には、アポトーシス(予定されている能動的な細胞死)とネクローシス(細胞壊死)との2種類があります。アポトーシスは、多細胞生物の細胞で増殖制御機構として管理、調節された細胞死です。ほとんどの場合、DNAの断片化を伴い、遺伝子によって制御されています。一方、ネクローシスは栄養不足、毒、外傷などの外的環境要因により起こる受動的細胞死です。
アポトーシスにおいて、細胞はサイズの急速な縮小に続き、隣接細胞から離れ、DNAの断片化、細胞の断片化が起こります。細胞膜の機能は保たれたまま、白血球の一種であるマクロファージなどがこの細胞を貪食し、細胞内容物の流出は起こりません。このため、内容物の流出が起こるネクローシスと異なり、炎症を伴いません。ネクローシスの場合は、通常外部からの作用で細胞が破壊されますので、細胞の内容物が周囲に拡散し、この状態を炎症と言います。
体内ではさまざまな細胞が常に分裂し、次々と新たな細胞を産み出しています。その一方で、役目を終えた細胞や寿命を迎えた細胞は、アポトーシスを起こします。このようなアポトーシス細胞は、マクロファージなどにより貪食、除去されることによって体内に蓄積されないように制御されています。アポトーシス細胞が体に悪影響を及ぼすことなく処理されるメカニズムは、生体の恒常性の維持に欠かせない重要なシステムのひとつです。一方、このシステムに破綻が生じると、アポトーシス細胞は体内に残存することになり、残存したアポトーシス細胞は、やがてネクローシスに陥いります。ある研究によると、年をとった動物のマクロファージは、アポトーシス細胞を貪食する能力が低くなっていること、老化した動物は多くのアポトーシス細胞が生体内に残存し、ネクローシス細胞へと変化していることが明らかとなりつつあることから、年をとるとアポトーシス細胞に対する脅威に晒されやすいことになります。
食品の成分のうち、エビやカニの甲羅、サケなどの赤い部分の色素であるアスタキサンチンには、神経細胞のアポトーシスを抑制する効果があることが分かってきました。また、動物実験の結果から、アポトーシス制御機構に異常が生じ、制御できない細胞を死滅させる可能性のある食材として、ショウガ、ウコン、にんにく、ブロッコリー、大豆、お茶などが報告されています。これら食材は、アポトーシス作用に加え、抗酸化作用、免疫機能向上、抗炎症作用、エストロゲン作用などを併せ持っています。
バランスの優れた食生活に加え、これらの食材を取り入れることで、いつまでも健康的な日々を過ごすことができるかもしれません。
細胞死には、アポトーシス(予定されている能動的な細胞死)とネクローシス(細胞壊死)との2種類があります。アポトーシスは、多細胞生物の細胞で増殖制御機構として管理、調節された細胞死です。ほとんどの場合、DNAの断片化を伴い、遺伝子によって制御されています。一方、ネクローシスは栄養不足、毒、外傷などの外的環境要因により起こる受動的細胞死です。
アポトーシスにおいて、細胞はサイズの急速な縮小に続き、隣接細胞から離れ、DNAの断片化、細胞の断片化が起こります。細胞膜の機能は保たれたまま、白血球の一種であるマクロファージなどがこの細胞を貪食し、細胞内容物の流出は起こりません。このため、内容物の流出が起こるネクローシスと異なり、炎症を伴いません。アポトーシスは、おおよそ2〜3時間で生じ、処理されることになります。
体内では、さまざまな臓器あるいは組織の余分な細胞の除去、がん化した細胞や内部に異常を起こした細胞の除去、自己抗原に反応する細胞の除去などに重要な役割を果たしています。人体の細胞において作用しているアポトーシスの具体的な例としては、胎児における手足の指の形成、胎児における尾の部分の消失、目の水晶体における透過性の確保、脳内における効率的な中枢神経システムの形成、ウイルスに感染した細胞の除去、がん細胞化などの重大な遺伝子異常をきたした細胞の除去、外敵のみを撃退する適切な免疫システムの構築などです。また、オタマジャクシからカエルに変態するときに尻尾がなくなりますが、これは尻尾の細胞がアポトーシスを起こして分解されるからです。
がん細胞では、正常細胞と異なりアポトーシス制御機構に異常が生じ、細胞は無限に分裂増殖します。多くの抗がん剤の作用機構は、がん細胞のアポトーシス誘導によるものとされています。
アポトーシスを起こす共通経路は、活性部位にシステインを持つカスパーゼという酵素が関与しています。
ネクローシスは、壊死(えし)とも呼ばれます。例えば、外傷などの怪我で細胞膜が破損、ウイルスの感染、脳梗塞や心筋梗塞などのように血管が詰まって、生存に必要な酸素の供給がストップすることで、細胞が突然死んでしまう現象を指します。
ネクローシスの場合は、通常外部からの作用で細胞が破壊されますので、細胞の内容物が周囲に拡散します。この状態を炎症と言い、周囲の細胞が炎症性の生理活性物質などを放出して、異常事態が発生したことを体に伝えます。
原因や周囲の状況により、ネクローシスは凝固壊死(組織が凝固した状態で壊死)、融解壊死(組織が液状になった状態で壊死)、壊死した組織が外界と接して変色する壊疽(えそ)があります。植物は部分的にネクローシスを起こして、他の健全な部分への病原体の侵入を防ぐことがあります。
体内ではさまざまな細胞が常に分裂し、次々と新たな細胞を産み出しています。その一方で、役目を終えた細胞や寿命を迎えた細胞は、アポトーシスを起こします。このようなアポトーシス細胞は、マクロファージなどにより貪食、除去されることによって体内に蓄積されないように制御されています。貪食はアポトーシス細胞が体内に出現するとすみやかに行われ、アポトーシス細胞は直ちに除去されます。アポトーシス細胞が体に悪影響を及ぼすことなく処理されるメカニズムは、生体の恒常性の維持に欠かせない重要なシステムのひとつです。
一方、このシステムに破綻が生じると、アポトーシス細胞は体内に残存することになり、残存したアポトーシス細胞は、やがてネクローシスに陥いります。ネクローシスに陥った細胞は、細胞膜の破壊に伴い、細胞内容物を放出します。細胞内容物の一部は、さまざまな細胞に働きかけ、炎症を引き起こすきっかけとなります。この炎症が、多くの疾病の治癒遅延や悪化、自己免疫疾患の原因になると考えられています。
ある研究によると、年をとった動物のマクロファージは、若い動物に比べてアポトーシス細胞を貪食する能力が低くなっていること、老化した動物は多くのアポトーシス細胞が生体内に残存し、ネクローシス細胞へと変化していることが明らかとなりつつあります。この結果は、年をとるとアポトーシス細胞に対する脅威に晒されやすいことを意味します。
エビやカニの甲羅、サケなどの赤い部分の色素であるアスタキサンチンには、神経細胞のアポトーシスを抑制する効果があることが分かってきました。また、神経細胞のアポトーシスをもたらすDHAヒドロペルオキシドという物質は、その過程で活性酸素を生成します。アスタキサンチンは、発生する活性酸素も除去します。
また、動物実験の結果から、アポトーシス制御機構に異常が生じ、制御できない細胞を死滅させる可能性のある食材が報告されています。これらの食材は、アポトーシス作用に加え、抗酸化作用、免疫機能向上、抗炎症作用、エストロゲン作用などを併せ持っています。具体的には、ショウガに含まれるジンゲロールやショウガオール、ウコンに含まれるクルクミン、にんにくのアリシンやジアリルジスルフィド、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、ケールなどのアブラナ科の野菜に含まれるスルフォラファン、きな粉などの大豆製品に含まれる大豆イソフラボン、お茶のエピガロカテキンガレート、トマトのリコピン、オリーブオイルのオレウロペインやチロソールなどです。
バランスの優れた食生活に加え、これらの食材を取り入れることで、健康的な日々を過ごすことができるかもしれません。
細胞死には、アポトーシス(予定されている能動的な細胞死)とネクローシス(細胞壊死)との2種類があります。アポトーシスは、多細胞生物の細胞で増殖制御機構として管理、調節された細胞死です。ほとんどの場合、DNAの断片化を伴い、遺伝子によって制御されています。一方、ネクローシスは栄養不足、毒、外傷などの外的環境要因により起こる受動的細胞死です。
アポトーシスにおいて、細胞はサイズの急速な縮小に続き、隣接細胞から離れ、DNAの断片化、細胞の断片化が起こります。細胞膜の機能は保たれたまま、白血球の一種であるマクロファージなどがこの細胞を貪食し、細胞内容物の流出は起こりません。このため、内容物の流出が起こるネクローシスと異なり、炎症を伴いません。ネクローシスの場合は、通常外部からの作用で細胞が破壊されますので、細胞の内容物が周囲に拡散し、この状態を炎症と言います。
体内ではさまざまな細胞が常に分裂し、次々と新たな細胞を産み出しています。その一方で、役目を終えた細胞や寿命を迎えた細胞は、アポトーシスを起こします。このようなアポトーシス細胞は、マクロファージなどにより貪食、除去されることによって体内に蓄積されないように制御されています。アポトーシス細胞が体に悪影響を及ぼすことなく処理されるメカニズムは、生体の恒常性の維持に欠かせない重要なシステムのひとつです。一方、このシステムに破綻が生じると、アポトーシス細胞は体内に残存することになり、残存したアポトーシス細胞は、やがてネクローシスに陥いります。ある研究によると、年をとった動物のマクロファージは、アポトーシス細胞を貪食する能力が低くなっていること、老化した動物は多くのアポトーシス細胞が生体内に残存し、ネクローシス細胞へと変化していることが明らかとなりつつあることから、年をとるとアポトーシス細胞に対する脅威に晒されやすいことになります。
食品の成分のうち、エビやカニの甲羅、サケなどの赤い部分の色素であるアスタキサンチンには、神経細胞のアポトーシスを抑制する効果があることが分かってきました。また、動物実験の結果から、アポトーシス制御機構に異常が生じ、制御できない細胞を死滅させる可能性のある食材として、ショウガ、ウコン、にんにく、ブロッコリー、大豆、お茶などが報告されています。これら食材は、アポトーシス作用に加え、抗酸化作用、免疫機能向上、抗炎症作用、エストロゲン作用などを併せ持っています。
バランスの優れた食生活に加え、これらの食材を取り入れることで、いつまでも健康的な日々を過ごすことができるかもしれません。
2020年12月24日
【言語道断】はびこる食品詐欺とその対処
いわゆる健康食品などを勝手に送り付け、代金を請求する送りつけ商法が大問題になっています。送りつけ商法の一般的な手口としては、申し込んだ記憶がない健康食品が届き、業者は電話で脅すような口調で代金を請求するので、断りにくいということがあげられます。
送りつけ商法で有効な対処方法は、代金を支払わないことです。代引きの場合は、受け取りを拒否します。仮に製品を受け取ってしまった場合は、製品を絶対に使用せず、代金を支払わないという姿勢を貫きます。製品が一方的に送り付けられてくるだけでは、売買契約は成立していません。製品を受け取っただけでは、代金を支払う義務は全くありません。
また、特定商取引法第59条に規定するいわゆるネガティブオプションによって、製品の送付があった日から14日間(業者に商品の引取りの請求をした場合は7日間)経過すれば、自由に処分することが可能です。14日間経過した後は、業者も製品の返還を請求する権利がなくなるので、製品を処分しても問題ありません。なお、この期間が経過する以前に使用してしまうと、承諾したとみなされ、代金を支払わなければならないので、注意が必要です。
いわゆる健康食品などを勝手に送り付け、代金を請求する送りつけ商法が大問題になっています。以前では、東京都内の健康食品会社の従業員が逮捕されましたが、この事件で被害者は約1万人、総被害額は2億円以上とのことです。多額の被害が出ている送りつけ商法は、健康食品などが取り扱われるケースが多くなっています。
国民生活センターには、健康食品送りつけ商法のトラブルに関する相談が相次いでいます。まず、健康食品の購入を勧誘する電話があり、強引に契約を迫られ、断ったにも関わらず製品が届きます。このような送り付け商法の被害件数は、年間5,000件前後で推移しています。
実際の事例としては、注文を受けた健康食品を送ると電話がかかってきて、購入するつもりがないのでキャンセルの旨を伝えると、「キャンセルできない。1カ月分は受け取ってもらう。電話のやり取りを録音している。裁判にかける。」と言われたため、仕方なく承諾し、届いた製品を受け取ったとのことです。送り主は全く知らない業者で、包材の中には現金書留の封筒が一緒に入っており、代金が明記されていました。数日後に業者から電話があり、「すぐに商品代金を支払え。」と言われ、心配で夜も眠れない日々が続いたそうです。
ほかの事例としては、数週間前にとある業者から製品が届き、一緒に請求書が入っていたことから、電話をかけたところ、「以前に注文は受けています。代金と送料を支払ってもらわなければ困ります。」と一方的に言われたようです。
送りつけ商法の一般的な手口としては、申し込んだ記憶がない健康食品が届き、業者は電話で脅すような口調で代金を請求するので、断りにくいということがあげられます。
このような食品詐欺に対して、実際にどのような対処が考えられるでしょうか。
業者は一方的に都合良く言いくるめてきますが、そもそも業者が製品を販売して代金を受け取るためには、売買契約が成立しなければなりません。売買契約が成立するためには、販売者側と購入者側の意思表示が合致する必要があります。そのため、製品が一方的に送られてきても、法的な効果は一切認められません。
送りつけ商法で有効な対処方法は、代金を支払わないことです。代引きの場合は、受け取りを拒否します。仮に製品を受け取ってしまった場合は、製品を絶対に使用せず、代金を支払わないという姿勢を貫きます。製品が一方的に送り付けられてくるだけでは、売買契約は成立していません。製品を受け取っただけでは、代金を支払う義務は全くありません。
また、特定商取引法第59条に規定するいわゆるネガティブオプションによって、製品の送付があった日から14日間(業者に商品の引取りの請求をした場合は7日間)経過すれば、自由に処分することが可能です。14日間経過した後は、業者も製品の返還を請求する権利がなくなるので、製品を処分しても問題ありません。
繰り返しとなりますが、勝手に送られてきた製品の代金は、支払う必要はありません。また、製品を返送する必要もありません。しかし、すぐ捨てることはできません。適当な場所に保管してください。14日(販売業者に引取りの請求をした場合には、その日から7日)を経過すれば、自由に処分できます。
この期間が経過する以前に使用してしまうと、承諾したとみなされ、代金を支払わなければなりません。また、一度代金を支払うと承諾したとみなされますので、注文したかどうかはっきりしない代金引換の郵便や宅配便の場合は、家族などにきちんと確認するまで引取りを待ってもらうぐらいの注意が必要です。
送り付け商法は、認知症などを抱えている高齢者が狙われやすい傾向にあります。そのため、このような高齢者が身内にいる場合は、家族による見守りが肝心です。
万が一トラブルに巻き込まれた場合は、1人で悩まずに国民生活センターや消費者生活センターに相談します。
いわゆる健康食品などを勝手に送り付け、代金を請求する送りつけ商法が大問題になっています。送りつけ商法の一般的な手口としては、申し込んだ記憶がない健康食品が届き、業者は電話で脅すような口調で代金を請求するので、断りにくいということがあげられます。
送りつけ商法で有効な対処方法は、代金を支払わないことです。代引きの場合は、受け取りを拒否します。仮に製品を受け取ってしまった場合は、製品を絶対に使用せず、代金を支払わないという姿勢を貫きます。製品が一方的に送り付けられてくるだけでは、売買契約は成立していません。製品を受け取っただけでは、代金を支払う義務は全くありません。
また、特定商取引法第59条に規定するいわゆるネガティブオプションによって、製品の送付があった日から14日間(業者に商品の引取りの請求をした場合は7日間)経過すれば、自由に処分することが可能です。14日間経過した後は、業者も製品の返還を請求する権利がなくなるので、製品を処分しても問題ありません。なお、この期間が経過する以前に使用してしまうと、承諾したとみなされ、代金を支払わなければならないので、注意が必要です。
万が一トラブルに巻き込まれた場合は、1人で悩まずに国民生活センターや消費者生活センターに相談します。
2020年12月23日
【作用が穏やか】化粧品にも利用される食品の原材料
生鮮食品、加工食品、食品添加物、健康に関係する食品、薬膳など食品に使用される原材料は、 化粧品、日用雑貨、香料などにも広く利用されています。
化粧品は、人の体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つ ために体に塗擦、散布、その他これに類似する方法で使用されることが目的とされています。体に対する作用が緩和なものを指し、薬機法 に記載されています。以前より化粧品には、天然志向などを反映し、化粧品原材料として食品に使用される原材料などが使用されています。昨今化粧品の有用性や生理的作用の研究が進み、その効用が解明されつつある中、食品に使用される原材料が、その一端を担っています。
化粧品で用いられる食品に使用される原材料は、水溶性抽出物と脂溶性抽出物があり、有効成分を精製した製品も使用されています。植物由来の原材料の成分は、タンニン、フラボノ イド、サポニン、カロテノイド、精油、アルカロ イド、糖類、アミノ酸などです。 主な機能としては、糖類やアミノ酸による保湿作用、 カンゾウに含まれるグリチルリチン酸に代表される抗炎症作用、カモミラなどに含まれる成分の美白作用、フラボ ノイドやポリフェノールを有する茶、ローズマリーなどのしわ防止を含めた抗酸化作用、アロエなどの有効成分による細胞賦活作用、イチョウなどの成分による血管拡張及び血流促進作用などがあります。
近年では、環境負荷が少なく、再生可能な資源として、食品の原材料となる植物由来の成分が注目され、広範囲の化粧品に配合されています。今後は、消費者からも要望の多い機能性化粧品の上市が、ますます期待されています。
生鮮食品、加工食品、食品添加物、健康に関係する食品、薬膳など食品に使用される原材料は、 化粧品、日用雑貨、香料などにも広く利用されています。マメ科植物カンゾウは、甘味を呈することから九州地方のしょう油や各種調味料に使用されるほか、含有成分のグリチルリチン酸には抗炎症作用や抗アレルギー作用があることから、化粧品では、にきびや肌荒れ用の化粧品に配合されています。また、医薬部外品の有効成分として、肌あれ、あせも、しもやけ、ひび、あかぎれ、にきびを防ぐ、日やけのほてりを防ぐ、かみそりまけを防ぐといった効能をもつことから、薬用化粧品(医薬部外品)としても汎用されます。さらに日用雑貨となる薬用シャンプーやリンスでは、ふけ、かゆみを防ぐ効能を発揮する成分として利用されます。ところ変わってア メリカでは、タバコ用香料として多量使用されています。
健康に関係する食品、いわゆる健康食品は、法律上の定義はなく、食品衛生法によって規制される一般食品に含まれ、広く健康の保持増進に資 する食品として販売されるもの全般を指しており、特定保健食品や栄養機能食品、機能性表示食品と異なり、効果効能については表示できません。健康食品市場は、1兆4500億円の市場規模で、少子高齢化と予防意識の高まりにより底堅い市場を形成しています。
以前は、健康食品というと怪しい製品が多くありましたが、近年では安全性および 一定の作用が確認されたものが増えつつあります。なお、保健機能食品制度の見直しによ り、いわゆる健康食品のうち、 国が定めた安全性や有効性の基準を満たした食品を特定保健用食品及び栄養機能食品として、機能表示食品も含め、一 定の効能効果を表示することが可能となっています。特定保健用食品には、茶カテキンなどの有効成分によるコレステ ロールが高めの方に、食後に中性脂肪が上昇しにくいといった表示がなされています。栄養機能食品に使用できる成分は、ビタミン類やミネラル類などです。使用できる原材料は、厚生労働省のホームページに掲載されている医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない原材料リストに具体的な 内容が公開されています。掲載されていない新たな原材料については、基準に基づいた判断を求め、リストに収載される必要 があります。
健康食品の公的な情報源として、独立行政法人国立健康栄養研究所が公開している健康食品 の安全性有効性情報には、おおよそ1000種類の原材料に関する情報が記載されており、非常に参考となります。また、いわゆる健康食品に関与する法律として、薬機法、 食品衛生法、健康増進法、JAS 法、景品表示法、 特定商取引法などがあります。
日本の漢方に処方される生薬は、大部分が専ら医薬品として 指定され、カンゾウ、オタネニンジン、 タイソウなど一部の生薬が、いわゆる健康食品の原材料として使用されていいます。また、杜仲の樹皮は医薬品となりますが、杜仲の葉は食品として利用できるように、 生薬として使用される部位と異なった部位は、食品の原材料として利用できるものもあります。インドのアーユルヴェーダをはじめとした伝統医療に使用される原材料も、日本で認定を受けた上で、利用する必要があります。
医薬部外品は医薬品と化粧品の間に位置し、有効成分の配合量などについて規制されています。医薬部外品とは日本独自の区分で、吐き気などの不 快感、口臭、体臭防止、あせも防止、脱毛防止、育毛、除毛など体に対する作用が緩和なものを指し、薬用化粧品や入浴剤の多くが該当します。使用で きる有効成分リスト及び添加物リストが公表されており、製造販売においては、個別品目毎に厚生労働大臣の承認が必要とされます。安全性や効能についての資料が要求され、製品への効能表示が可能となります。
化粧品は、人の体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つ ために体に塗擦、散布、その他これに類似する方法で使用されることが目的とされています。体に対する作用が緩和なものを指し、薬機法 に記載されています。以前より化粧品には、天然志向などを反映し、化粧品原材料として食品に使用される原材料などが使用されています。昨今化粧品の有用性や生理的作用の研究が進み、その効用が解明されつつある中、食品に使用される原材料が、その一端を担っています。
化粧品で用いられる食品に使用される原材料は、水溶性抽出物と脂溶性抽出物があり、有効成分を精製した製品も使用されています。植物由来の原材料の使用部位は、花、葉、実、種子、根など全てにわたっており、同じ原材料か使用されても、抽出条件や使用部位の違いで、効能は全く異なります。 植物由来の含有成分は、タンニン、フラボノ イド、サポニン、カロテノイド、精油、アルカロ イド、糖類、アミノ酸などです。 主な機能としては、糖類やアミノ酸による保湿作用、 カンゾウに含まれるグリチルリチン酸に代表される抗炎症作用、カモミラなどに含まれる成分の美白作用、フラボ ノイドやポリフェノールを有する茶、ローズマリーなどのしわ防止を含めた抗酸化作用、アロエなどの有効成分による細胞賦活作用、イチョウなどの成分による血管拡張及び血流促進作用などがあります。
近年では、環境負荷が少なく、再生可能な資源として、食品の原材料となる植物由来の成分が注目され、広範囲の化粧品に配合されています。長い歴史の中で得られた多くの使用経験から、効果や安全性などが確認されています。今後は、消費者からも要望の多い機能性化粧品の上市が、ますます期待されています。一方、一般的に植物などの天然物が好まれる 傾向にありますが、使用経験の長い植物といえども、 使用方法や使用量を間違えると副作用が生じる こともあるので、充分な配慮の上、使用する必要があります。
生鮮食品、加工食品、食品添加物、健康に関係する食品、薬膳など食品に使用される原材料は、 化粧品、日用雑貨、香料などにも広く利用されています。
化粧品は、人の体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つ ために体に塗擦、散布、その他これに類似する方法で使用されることが目的とされています。体に対する作用が緩和なものを指し、薬機法 に記載されています。以前より化粧品には、天然志向などを反映し、化粧品原材料として食品に使用される原材料などが使用されています。昨今化粧品の有用性や生理的作用の研究が進み、その効用が解明されつつある中、食品に使用される原材料が、その一端を担っています。
化粧品で用いられる食品に使用される原材料は、水溶性抽出物と脂溶性抽出物があり、有効成分を精製した製品も使用されています。植物由来の原材料の成分は、タンニン、フラボノ イド、サポニン、カロテノイド、精油、アルカロ イド、糖類、アミノ酸などです。 主な機能としては、糖類やアミノ酸による保湿作用、 カンゾウに含まれるグリチルリチン酸に代表される抗炎症作用、カモミラなどに含まれる成分の美白作用、フラボ ノイドやポリフェノールを有する茶、ローズマリーなどのしわ防止を含めた抗酸化作用、アロエなどの有効成分による細胞賦活作用、イチョウなどの成分による血管拡張及び血流促進作用などがあります。
近年では、環境負荷が少なく、再生可能な資源として、食品の原材料となる植物由来の成分が注目され、広範囲の化粧品に配合されています。今後は、消費者からも要望の多い機能性化粧品の上市が、ますます期待されています。
2020年12月22日
【局面打開】更年期とその症状をやわらげる方法
40代になると、女性は体調面でも今までとは違った悩みが出てきます。これは、女性ホルモンの減少や出産などを経ることで、体質が変化するためです。40代の女性に多い体の不調としては、更年期症状、肩こり、腰痛、疲れがとれない、体力が落ちる、朝起きるのがつらく気分が落ち込んでいる、体の冷え、寝付きが悪くなる、イライラや焦燥感が強まるといったことがあげられ、今まではなかった体の不調に戸惑いを覚えることも少なくありません。
個人差はありますが、50歳前後の閉経の時期をはさんだ前後10年間を更年期といいます。年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少することで、ホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調が現れることがあります。
エストロゲンは、脳の視床下部からの指令により卵巣から分泌されます。卵巣から分泌されるエストロゲンは、生殖に関わっているだけではなく、女性の体のさまざまな臓器に働きかけ多くの役割を果たしています。まず、エストロゲンの低下あるいは欠乏に伴い、のぼせやほてりなどのホットフラッシュや発汗が早期に現れます。このような自律神経の調整を上手にコントロールできない症状が出た後に、倦怠感、うつ、不眠などの精神症状が現れます。一方、エストロゲンの働きかけを失った臓器は、骨量減少、脂質異常症、動脈硬化が徐々に進行することになります。
更年期による女性ホルモンの減少を食い止めることはできませんが、適切な対策を上手に行うことで、その症状をやわらげることができます。そのひとつは、大豆イソフラボンです。大豆イソフラボンは、植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモンのエストロゲンと類似し、エストロゲン受容体に結合することから、体内でさまざまな作用を発揮することが、動物実験などで示されています。これらの効果が人においても発揮されることが期待され、骨粗しょう症や乳がんなどの予防効果が望まれる一方、乳がん再発のリスクなどを高める可能性も考えられ、いまだ多くの研究が行われている段階にあります。
また、女性ホルモンに似た働きをする成分のエクオールを摂取するという方法が注目されています。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝物です。大豆イソフラボンは、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインの3種類に分類され、ダイゼインは、腸内細菌によって代謝されるとエクオールに変化して体内に吸収されます。現在ではエクオールを1日10r摂取することで、更年期症状の改善、骨粗しょう症予防、抗酸化作用、皮膚の老化予防、脂質代謝改善、LDLコレステロールを減らすことによるメタボリックシンドローム改善などさまざまな効果が期待されています。
ただし、日々バランスのとれた食生活を送ることが大前提です。その上で、このような成分を上手に活用していくことが好ましいかもしれません。
40代になると、女性は体調面でも今までとは違った悩みが出てきます。これは、女性ホルモンの減少や出産などを経ることで、体質が変化するためです。
40代の女性に多い体の不調としては、更年期症状、肩こり、腰痛、疲れがとれない、体力が落ちる、朝起きるのがつらく気分が落ち込んでいる、体の冷え、寝付きが悪くなる、イライラや焦燥感が強まるといったことがあげられ、今まではなかった体の不調に戸惑いを覚えることも少なくありません。自分の顔や体型を見て、老けたと落ち込むこともあるかもしれません。しかし、これは自然なことであって、悲しむ必要はありません。
確かに体の不調が続くとしんどいですが、当たり前のこととして受け入れ、どのように乗り切るかというように考え方を変えていくのが、賢明ではないでしょうか。
女性は年齢とともに 思春期、性成熟期、更年期、老年期の4つのライフステージを経験します。個人差はありますが、50歳前後の年齢で閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ前後10年間を更年期といいます。年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少することで、ホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調が現れることがあります。ただし、更年期の症状はエストロゲンの減少だけでなく、仕事や家庭環境など心理的な要因も複雑に関与することから、個人差が大きくなります。
更年期に起こる女性の体の変化のひとつとして、卵巣組織の変化があげられます。卵胞が消失し、排卵が停止するので、ホルモンの産生が低下あるいは消失します。こうして、ホルモンの産生が適切に機能しなくなり、ホルモンのエストロゲンが欠乏すると、体にさまざまな変調をきたします。
エストロゲンは、脳の視床下部からの指令により卵巣から分泌されます。視床下部はさまざまなホルモンの分泌をコントロールするとともに、体温調節や呼吸、消化機能の調節、精神活動などを司る自律機能の中枢です。しかし、卵巣の機能が衰えると、視床下部から指令を出しても分泌されず、脳自体が混乱し通常の何倍もの指令を出すことで、異常な発汗、イライラ、めまいなどの症状が現れます。
卵巣から分泌されるエストロゲンは、生殖に関わっているだけではなく、女性の体のさまざまな臓器に働きかけ多くの役割を果たしています。まず、エストロゲンの低下あるいは欠乏に伴い、のぼせやほてりなどのホットフラッシュや発汗が早期に現れます。このような自律神経の調整を上手にコントロールできない症状が出た後に、倦怠感、うつ、不眠などの精神症状が現れます。一方、エストロゲンの働きかけを失った臓器は、骨量減少、脂質異常症、動脈硬化が徐々に進行することになります。
更年期の症状としては、頭痛、めまい、不眠、不安感、イライラ感、うつなど、動悸、発汗、むくみ、喉の渇き、ドライアイ、吐き気、下痢、便秘、胃もたれ、胸やけ、肩こり、腰痛、背中の痛み、関節痛、しびれ、手指の痛みなどさまざまです。
日本人の更年期女性にみられる症状として、肩こりや疲れやすさが多く報告されています。これは更年期女性が、エストロゲンの急激な低下の影響を受け、何らかの形で症状が出ていることを示しています。なお、この症状が日常生活に支障が出る人は、更年期障害となります。更年期障害は、一種のストレス性疾患とも考えられています。
更年期による女性ホルモンの減少を食い止めることはできませんが、適切な対策を上手に行うことで、その症状をやわらげることができます。そのひとつは、大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンは、植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモンのエストロゲンと類似し、エストロゲン受容体に結合することから、体内でさまざまな作用を発揮することが、動物実験などで示されています。これらの効果が人においても発揮されることが期待され、骨粗しょう症や乳がんなどの予防効果が望まれる一方、乳がん再発のリスクなどを高める可能性も考えられ、いまだ多くの研究が行われている段階にあります。
内閣府に設置された食品安全委員会は、大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方の中で、1日摂取目安量の上限値70〜75 mg/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに健康被害に結びつくというものではないという考え方を示しています。
なお、本来は大豆の芽となる部分に多く含まれる抗酸化物質で、細胞を損傷させる活性酸素を除去する作用があります。
また、女性ホルモンに似た働きをする成分のエクオールを摂取するという方法が注目されています。
エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝物です。大豆に含まれるポリフェノールの大豆イソフラボンは、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインの3種類に分類されます。そのうちダイゼインは、腸内細菌によって代謝されると、エクオールに変化して体内に吸収されます。
大豆イソフラボンの女性ホルモンに似た作用は、エクオールの働きであることが研究により明らかとなりつつあります。現在ではエクオールを1日10r摂取することで、更年期症状の改善、骨粗しょう症予防、抗酸化作用、皮膚の老化予防、脂質代謝改善、LDLコレステロールを減らすことによるメタボリックシンドローム改善などさまざまな効果が期待されています。
ただし、日々バランスのとれた食生活を送ることが大前提です。その上で、このような成分を上手に活用していくことが好ましいかもしれません。
40代になると、女性は体調面でも今までとは違った悩みが出てきます。これは、女性ホルモンの減少や出産などを経ることで、体質が変化するためです。40代の女性に多い体の不調としては、更年期症状、肩こり、腰痛、疲れがとれない、体力が落ちる、朝起きるのがつらく気分が落ち込んでいる、体の冷え、寝付きが悪くなる、イライラや焦燥感が強まるといったことがあげられ、今まではなかった体の不調に戸惑いを覚えることも少なくありません。
個人差はありますが、50歳前後の閉経の時期をはさんだ前後10年間を更年期といいます。年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少することで、ホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調が現れることがあります。
エストロゲンは、脳の視床下部からの指令により卵巣から分泌されます。卵巣から分泌されるエストロゲンは、生殖に関わっているだけではなく、女性の体のさまざまな臓器に働きかけ多くの役割を果たしています。まず、エストロゲンの低下あるいは欠乏に伴い、のぼせやほてりなどのホットフラッシュや発汗が早期に現れます。このような自律神経の調整を上手にコントロールできない症状が出た後に、倦怠感、うつ、不眠などの精神症状が現れます。一方、エストロゲンの働きかけを失った臓器は、骨量減少、脂質異常症、動脈硬化が徐々に進行することになります。
更年期による女性ホルモンの減少を食い止めることはできませんが、適切な対策を上手に行うことで、その症状をやわらげることができます。そのひとつは、大豆イソフラボンです。大豆イソフラボンは、植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモンのエストロゲンと類似し、エストロゲン受容体に結合することから、体内でさまざまな作用を発揮することが、動物実験などで示されています。これらの効果が人においても発揮されることが期待され、骨粗しょう症や乳がんなどの予防効果が望まれる一方、乳がん再発のリスクなどを高める可能性も考えられ、いまだ多くの研究が行われている段階にあります。
また、女性ホルモンに似た働きをする成分のエクオールを摂取するという方法が注目されています。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝物です。大豆イソフラボンは、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインの3種類に分類され、ダイゼインは、腸内細菌によって代謝されるとエクオールに変化して体内に吸収されます。現在ではエクオールを1日10r摂取することで、更年期症状の改善、骨粗しょう症予防、抗酸化作用、皮膚の老化予防、脂質代謝改善、LDLコレステロールを減らすことによるメタボリックシンドローム改善などさまざまな効果が期待されています。
ただし、日々バランスのとれた食生活を送ることが大前提です。その上で、このような成分を上手に活用していくことが好ましいかもしれません。
2020年12月21日
【1日350g以上】野菜不足で生じる問題と改善方法
毎日の食生活の中で、十分な量の野菜を摂取できていないと感じている人は多いのではないでしょうか。野菜を食べる量が少ないと、体にさまざまな悪影響が生じる恐れがあります。
野菜に多く含まれているビタミンや食物繊維は、人の体内でつくることができません。そのため、野菜を食べて摂取する必要があります。ビタミンや食物繊維が不足すると腸内環境が悪化し、便秘になると老廃物が排出されず蓄積するため、肌の正常なターンオーバーを妨げてしまいます。さらに栄養素が腸内で吸収されにくくなるため、肌にも栄養が行き届かなくなります。肌の健康を保つビタミンC、ビタミンA、ビタミンB群が不足すると肌荒れを起こしやすくなります。
野菜から摂取できるビタミンB群は、円滑な代謝を促し、エネルギーの産生に欠かすことができません。ビタミンB群が不足すると、エネルギーの原材料となる糖質、脂質、たんぱく質が適切に代謝されません。そのため、体を動かすのに必要なエネルギーが不足している状態になり、疲れやすくなります。
体内では、酸素を利用してエネルギーを生み出す際に活性酸素が生じます。活性酸素は細胞を傷つけ、老化やがんをはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こします。野菜に含まれるビタミンには、抗酸化作用があるため、体内の活性酸素の除去、さらには免疫機能を高める働きがあります。また、加齢臭などの体臭の原因のひとつは、活性酸素です。
厚生労働省では、成人が1日あたりに摂取したい野菜の目標量を350g以上と定めています。目標量である350gを満たしている人は、成人の男女共にすべての年代で30%程度にとどまっています。特に若い女性に野菜不足の人が多い傾向です。野菜を食べなければならないと意識しつつも、実際は必要量を食べられていない人のほうが多くなっています。
野菜を毎日350g食べることは簡単ではありません。野菜不足を改善するために毎日の食事でどのように野菜をとれば良いのでしょうか。
平日は仕事や子育てで忙しく、食事をゆっくりつくっている時間がない場合は、週末などを利用して作り置きをすると良いかもしれません。野菜は使いやすい大きさに切り分け、下ゆでしてから冷凍すれば、料理にそのまま使え、時短にもなります。まスープ、ポトフ、みそ汁などは、生で食べるよりもたくさん野菜を摂取することができ、冷蔵庫で保存しておくことも可能です。野菜を副菜として食べるだけではなく、野菜をメインにした料理をつくることでも、食べる野菜の量を増やすことができます。野菜ジュース、スムージー、青汁などで不足している野菜を補う方法もあります。機能性食品は、不足している栄養素を補ってくれる食品です。野菜不足に起因し、体のどこに不調を感じているかで選ぶ機能性食品は変わってきます。ただし、機能性食品はあくまでも普段の食生活で不足した栄養素を補うことを目的としています。
ビタミン、ミネラルは、体を健康に保つために不可欠な栄養素です。ビタミン、ミネラルは野菜に多く含まれているため、野菜不足になると、体にさまざまな不調が現れます。毎日を健康に過ごすためには、普段の食生活の中に野菜を上手く取り入れることが大切です。基本的にバランスの良い食事を心がけ、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを野菜から摂取するようにします。
野菜不足が気になっていても、具体的にどうすればいいのかわからないことも少なくありません。そんなときに管理栄養士が監修した野菜スープのプログラムがあります。野菜スープのプログラムの特徴としては、レンジでチンするだけで簡単にできること、1食で1日に必要な野菜の半分を摂ることができること、1食で15種類以上の野菜を摂ることができること、塩分にも配慮がなされ2g以下となっていること、さらに気分や好みに合わせて選べる8つの味をセットにしていることです。
成人の1日の野菜摂取量の目安は350g以上です。普段の食生活にこのプログラムを活用することで、健康のために野菜を摂る習慣を身につけられます。この野菜スープの野菜使用量は、1食あたり175g以上です。また、たくさんの種類の野菜を1回の食事で摂るのは難しいですが、野菜スープのプログラムであれば、1食15種類以上、8食セットで30種類以上の野菜に出会うことができます。まずは1回試してみてはいかがでしょうか。
毎日の食生活の中で、十分な量の野菜を摂取できていないと感じている人は多いのではないでしょうか。野菜を食べる量が少ないと、体にさまざまな悪影響が生じる恐れがあります。野菜が不足するとどのような影響が出るのでしょうか。
野菜が不足することで、腸内環境が悪化します。人の腸内に生息している腸内細菌は、500〜1,000種類にも及び、100兆個以上と言われています。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類され、日和見菌が悪玉菌側になると、腸内環境が悪化して下痢や便秘になります。
善玉菌を増やすためには、善玉菌の餌となる食物繊維を摂取する必要があります。食物繊維が不足すると便が固くなり、便秘の原因になります。また、食物繊維と並んで野菜に多く含まれるビタミンも腸の健康を維持する上で、欠かせない栄養素です。ビタミンEは自律神経を整え、腸の動きを良くする働きがあり、ビタミンB群は腸のぜん動運動を活発にする働きがあります。食物繊維やビタミンを効果的に摂取できる野菜が不足すると、慢性的な便秘や下痢になりやすくなることから、お腹の健康を保つのために野菜が必要です。
野菜に多く含まれているビタミンや食物繊維は、人の体内でつくることができません。そのため、野菜を食べて摂取する必要があります。ビタミンや食物繊維が不足すると腸内環境が悪化し、便秘になると老廃物が排出されず蓄積するため、肌の正常なターンオーバーを妨げてしまいます。さらに栄養素が腸内で吸収されにくくなるため、肌にも栄養が行き届かなくなります。肌の健康を保つビタミンC、ビタミンA、ビタミンB群が不足すると肌荒れを起こしやすくなります。特にビタミンCは、コラーゲンの生成や皮膚の健康を維持するために欠かせないため、不足すると肌荒れが起こりやすくなります。肌荒れは、ニキビや湿疹だけではなく、頭皮のかゆみやフケなどの原因にもなります。
野菜から摂取できるビタミンB群は、円滑な代謝を促し、エネルギーの産生に欠かすことができません。ビタミンB群が不足すると、エネルギーの原材料となる糖質、脂質、たんぱく質が適切に代謝されません。そのため、体を動かすのに必要なエネルギーが不足している状態になり、疲れやすくなります。ビタミンB群は、疲労回復にも効果があるため、不足すると疲れがなかなか取れない、体がだるいなどの症状が出てしまうことも少なくありません。なんとなく体に不調を感じたときは、野菜不足が原因の可能性があります。
体内では、酸素を利用してエネルギーを生み出す際に活性酸素が生じます。活性酸素は、紫外線、喫煙、ストレスなど多くの原因で増えることが明らかになっています。活性酸素は細胞を傷つけ、老化やがんをはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こします。野菜に含まれるビタミンには、抗酸化作用があるため、体内の活性酸素の除去、さらには免疫機能を高める働きがあります。また、ビタミンには、血行を良くし、体の不調を修復する働きがあります。さらに、野菜に含まれているミネラルは、免疫細胞をつくり出すために欠かすことができません。そのため、野菜が不足してしまうと免疫機能が低下し、風邪などを引きやすくなるとともに治りにくくなります。
糖尿病、心臓病、脳卒中などの生活習慣病は、加齢だけが原因で起こるわけではありません。食生活、運動、喫煙、飲酒、ストレスなど普段の生活習慣が、病気の大きな要因となっています。特に食生活の乱れによって、成人型糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、循環器病などが発症しやすくなります。高血圧になると動脈硬化が進行し、これが引き金となって生活習慣病を発症する可能性が高まります。野菜に多く含まれるミネラルのカリウムは血圧を下げ、食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きがあるため、生活習慣病予防にとても効果的です。また、緑黄色野菜に含まれている色素成分は、抗酸化作用を持ち、悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎ、動脈硬化の予防につながります。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールは活性酸素を除去してくれます。
加齢臭などの体臭は、年齢を重ねたという理由だけで出るわけではありません。体臭がきつくなる原因のひとつに食生活があります。加齢臭に限らず、おなら、汗、便、わきがなどの気になるにおいの原因のひとつは、活性酸素です。野菜が不足することで、活性酸素が除去しきれず、体内の脂質が活性酸素で酸化し、ノネナールというにおいを発生させる物質を増加させます。体臭を抑えたいのであれば、抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを摂取することです。これらの成分は、緑黄色野菜に多く含まれています。
厚生労働省では、成人が1日あたりに摂取したい野菜の目標量を350g以上と定めています。目安として、ほうれん草のお浸し、野菜サラダ、かぼちゃの煮物などの副菜の場合、小鉢1皿に含まれている野菜の量は、おおよそ70gです。目標摂取量を満たすためには、1日に小鉢5皿以上を食べる必要があります。
平成29年の国民健康栄養調査結果によると、野菜の摂取量の平均は男性295.4g、女性281.9g、全体平均288.2gとなっており、目標値の350gには達していません。目標量である350gを満たしている人は、成人の男女共にすべての年代で30%程度にとどまっています。特に20歳代の女性が14.6%、30歳代の女性が17.4%と若い女性に野菜不足の人が多い傾向です。20歳代女性の平均値は218.4gで、目標量まで130g程度届かない状況になっています。野菜を食べなければならないと意識しつつも、実際は必要量を食べられていない人のほうが多くなっています。日本人のライフスタイルが変化し、ファストフードやコンビニ弁当などで手軽に済ませることも多くなりました。1人暮らしで忙しい場合は、料理をつくるのが面倒で外食するケースも少なくありません。こうした食事は手軽で便利ですが、どうしても野菜が不足しがちとなります。
野菜を毎日350g食べることは簡単ではありません。野菜不足を改善するために毎日の食事でどのように野菜をとれば良いのでしょうか。
平日は仕事や子育てで忙しく、食事をゆっくりつくっている時間がない場合は、週末などを利用して作り置きをすると良いかもしれません。切り干し大根の煮物、きんぴらごぼうなどは冷凍保存もでき、たくさんつくって小分けし、冷凍しておけば、平日の食事づくりも楽になります。野菜は使いやすい大きさに切り分け、下ゆでしてから冷凍すれば、料理にそのまま使え、時短にもなります。また、そのまま置いておくよりも、野菜の美味しい状態を維持することができます。
スープ、ポトフ、みそ汁などは、生で食べるよりもたくさん野菜を摂取することができ、冷蔵庫で保存しておくことも可能です。野菜を副菜として食べるだけではなく、野菜をメインにした料理をつくることでも、食べる野菜の量を増やすことができます。野菜炒めであれば、冷蔵庫に余っている野菜が使え、生で食べるのと比べてかさが減るため、無理なく野菜をたくさん食べられます。
野菜ジュース、スムージー、青汁などで不足している野菜を補う方法もあります。食欲がないとき、食べるだけでは必要量の野菜を摂取することが難しいときに、これらを利用することで、野菜不足を補えます。野菜ジュースの中には塩分を添加しているものもあるため、塩分無添加のものを選ぶこともポイントです。生野菜をミキサーにかけてつくるスムージーは、野菜の栄養成分を丸ごと取り入れることができます。大麦若葉やケールなど絞ってつくられている青汁は、野菜不足を手軽に解消できる飲み物です。苦くて飲みにくいイメージがありますが、誰でも飲みやすいように改良されたもの市販されており、手軽に野菜を摂取できます。
機能性食品は、不足している栄養素を補ってくれる食品です。野菜不足に起因し、体のどこに不調を感じているかで選ぶ機能性食品は変わってきます。気になる症状に合わせて、ビタミン、ミネラルなどが含まれている機能性食品を選びます。機能性食品の種類は豊富なため、どれを選べばいいのか迷うこともあります。迷ったときは、ビタミン、ミネラルを満遍なく含んでいる製品を選ぶと良いかもしれません。ただし、機能性食品はあくまでも普段の食生活で不足した栄養素を補うことを目的としています。
ビタミン、ミネラルは、体を健康に保つために不可欠な栄養素です。ビタミン、ミネラルは野菜に多く含まれているため、野菜不足になると、体にさまざまな不調が現れます。毎日を健康に過ごすためには、普段の食生活の中に野菜を上手く取り入れることが大切です。基本的にバランスの良い食事を心がけ、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを野菜から摂取するようにします。
野菜不足が気になっていても、具体的にどうすればいいのかわからないことも少なくありません。
そんなときに管理栄養士が監修した野菜スープのプログラムがあります。
野菜スープのプログラムの特徴としては、レンジでチンするだけで簡単にできること、1食で1日に必要な野菜の半分を摂ることができること、1食で15種類以上の野菜を摂ることができること、塩分にも配慮がなされ2g以下となっていること、さらに気分や好みに合わせて選べる8つの味をセットにしていることです。
特に普段からサプリメントだけに依存している人、病気がちで健康に気を使っている人、美容や栄養面を気にしている1人暮らしの人、共働きでどうしても料理に時間を割けない人に最適です。朝食はいつもトーストだけで済ませてしまう、サラダまで用意する余裕はない、帰宅してから料理をするのは大変で食欲も出ないなど心あたりはありませんか。
厚生労働省によると、成人の1日の野菜摂取量の目安は350g以上です。普段の食生活にこのプログラムを活用することで、健康のために野菜を摂る習慣を身につけられます。この野菜スープの野菜使用量は、1食あたり175g以上です。また、たくさんの種類の野菜を1回の食事で摂るのは難しいですが、野菜スープのプログラムであれば、1食15種類以上、8食セットで30種類以上の野菜に出会うことができます。
この野菜スープを実際に食べてみると、塩分が2g以下に制限されているにもかかわらず、野菜の甘味やうま味が引き立ち、美味しく飽きのこない味に仕上がっています。どのメニューも電子レンジで温めれば、きちんと解凍されて、味付けもしっかりしており、健康への効果も実感できます。つまり、栄養バランスの良い食事なので、簡単に健康の維持管理ができることになります。
また、野菜を摂取できているという安心感にもつながります。
まずは1回試してみてはいかがでしょうか。
毎日の食生活の中で、十分な量の野菜を摂取できていないと感じている人は多いのではないでしょうか。野菜を食べる量が少ないと、体にさまざまな悪影響が生じる恐れがあります。
野菜に多く含まれているビタミンや食物繊維は、人の体内でつくることができません。そのため、野菜を食べて摂取する必要があります。ビタミンや食物繊維が不足すると腸内環境が悪化し、便秘になると老廃物が排出されず蓄積するため、肌の正常なターンオーバーを妨げてしまいます。さらに栄養素が腸内で吸収されにくくなるため、肌にも栄養が行き届かなくなります。肌の健康を保つビタミンC、ビタミンA、ビタミンB群が不足すると肌荒れを起こしやすくなります。
野菜から摂取できるビタミンB群は、円滑な代謝を促し、エネルギーの産生に欠かすことができません。ビタミンB群が不足すると、エネルギーの原材料となる糖質、脂質、たんぱく質が適切に代謝されません。そのため、体を動かすのに必要なエネルギーが不足している状態になり、疲れやすくなります。
体内では、酸素を利用してエネルギーを生み出す際に活性酸素が生じます。活性酸素は細胞を傷つけ、老化やがんをはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こします。野菜に含まれるビタミンには、抗酸化作用があるため、体内の活性酸素の除去、さらには免疫機能を高める働きがあります。また、加齢臭などの体臭の原因のひとつは、活性酸素です。
厚生労働省では、成人が1日あたりに摂取したい野菜の目標量を350g以上と定めています。目標量である350gを満たしている人は、成人の男女共にすべての年代で30%程度にとどまっています。特に若い女性に野菜不足の人が多い傾向です。野菜を食べなければならないと意識しつつも、実際は必要量を食べられていない人のほうが多くなっています。
野菜を毎日350g食べることは簡単ではありません。野菜不足を改善するために毎日の食事でどのように野菜をとれば良いのでしょうか。
平日は仕事や子育てで忙しく、食事をゆっくりつくっている時間がない場合は、週末などを利用して作り置きをすると良いかもしれません。野菜は使いやすい大きさに切り分け、下ゆでしてから冷凍すれば、料理にそのまま使え、時短にもなります。まスープ、ポトフ、みそ汁などは、生で食べるよりもたくさん野菜を摂取することができ、冷蔵庫で保存しておくことも可能です。野菜を副菜として食べるだけではなく、野菜をメインにした料理をつくることでも、食べる野菜の量を増やすことができます。野菜ジュース、スムージー、青汁などで不足している野菜を補う方法もあります。機能性食品は、不足している栄養素を補ってくれる食品です。野菜不足に起因し、体のどこに不調を感じているかで選ぶ機能性食品は変わってきます。ただし、機能性食品はあくまでも普段の食生活で不足した栄養素を補うことを目的としています。
ビタミン、ミネラルは、体を健康に保つために不可欠な栄養素です。ビタミン、ミネラルは野菜に多く含まれているため、野菜不足になると、体にさまざまな不調が現れます。毎日を健康に過ごすためには、普段の食生活の中に野菜を上手く取り入れることが大切です。基本的にバランスの良い食事を心がけ、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを野菜から摂取するようにします。
野菜不足が気になっていても、具体的にどうすればいいのかわからないことも少なくありません。そんなときに管理栄養士が監修した野菜スープのプログラムがあります。野菜スープのプログラムの特徴としては、レンジでチンするだけで簡単にできること、1食で1日に必要な野菜の半分を摂ることができること、1食で15種類以上の野菜を摂ることができること、塩分にも配慮がなされ2g以下となっていること、さらに気分や好みに合わせて選べる8つの味をセットにしていることです。
成人の1日の野菜摂取量の目安は350g以上です。普段の食生活にこのプログラムを活用することで、健康のために野菜を摂る習慣を身につけられます。この野菜スープの野菜使用量は、1食あたり175g以上です。また、たくさんの種類の野菜を1回の食事で摂るのは難しいですが、野菜スープのプログラムであれば、1食15種類以上、8食セットで30種類以上の野菜に出会うことができます。まずは1回試してみてはいかがでしょうか。
2020年12月20日
【美しいものには毒がある】誤食に注意すべき有毒植物
有毒植物は、その植物の全体あるいは一部に毒を有し、人をはじめ動物などが食べたり、触れたりすると炎症や痙攣などの症状を引き起こします。毒性が強い有毒植物に至っては、死を招く場合があります。
日本に広く分布する身近な有毒植物としては、ドクセリやトリカブト、ドクウツギ、イチイ、イヌサフラン、クワズイモ、シキミ、スイセン、スズラン、ヒガンバナなどがあります。誤って摂取すると痙攣、腹痛、下痢、嘔吐、めまい、呼吸困難、麻痺などを引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
一方、これらの有毒植物の一部は、何らかの手を加えることで、薬として利用されることもあります。
有毒植物は、その植物の全体あるいは一部に毒を有し、人をはじめ動物などが食べたり、触れたりすると炎症や痙攣などの症状を引き起こします。毒性が強い有毒植物に至っては、死を招く場合があります。
一方、毒のある植物でも加工などの処理さえすれば、食用となります。身近なものではイチョウやワラビ、ジャガイモなどの植物に毒性がありますが、処理されて食されています。植物の中でも食材とならず、毒性の強い危険な植物が有毒植物と言われています。
毒のある植物は、蚊取り線香や狩猟用の道具などに使用されています。動物の種類によっても害の有無は変化します。普段口にしているネギやタマネギは、犬や猫にとっては有害となり、逆に動物が口にしているものも、人には有害という場合があります。
日本に広く分布する身近な有毒植物です。
・ドクセリ
ドクセリは大型の植物で、高さは80〜100cmほどになります。葉は長楕円形状の被針型で、長さ3〜8cm、幅0.5〜2cm、果実は長さ約2.5oほどになります。日本では九州〜北海道にかけて広く分布しています。
葉の形状が食用のセリと酷似し、生育環境も似ていることから、若葉を誤って食べてしまい、中毒となることが後を絶ちません。地下茎をワラビと間違えて食べ、亡くなった死亡例もあります。ドクセリの主な毒の成分はシクトキシンと言われ、皮膚から吸収されやすい性質があります。症状としては、痙攣、腹痛、嘔吐、めまい、呼吸困難、下痢などで最悪の場合は死に至ります。摂取量と症状との関連については、5 g 以上なら重症化する可能性があり、1 g 以下なら問題ないとされています。
・トリカブト
トリカブトは、本州中部以北に広く分布し、全長おおよそ100cmです。名前は形状が兜似ていることに由来します。
トリカブトの毒性は非常に強く、特に根に多くの毒が存在しています。時期や地域によって毒性の強さは変化しますが、強さに関係なく摂食は極めて危険です。毒はアコニチンと呼ばれ、口にすると呼吸困難や嘔吐、臓器不全を引き起こし、最悪の場合死に至ります。即効性があり、口にして数十秒で死に至ることもあります。投与した動物の半数が死亡する用量を示す半数致死量(LD50)は0.2〜1.0gです。ヨモギにも似ていることから誤って口にして、中毒になった事例もあります。
・ドクウツギ
ドクウツギは、北海道から本州にかけての山地や河川敷などに広く分布しています。高さはおおよそ100〜200cmです。実は1cmほどで熟してくると黒紫色になります。
ドクウツギが持つ主な毒は、コリアミルチンとツチンという成分で、摂取すると呼吸困難や痙攣を引き起こし、最悪の場合死に至ります。葉や茎、実などに毒が存在し、実を食べて死亡した例もあります。黒紫色に熟したドクウツギは、毒が抜けていると言われることがありますが、食べないに越したことはありません。
・イチイ
イチイは寒さに強く、主に北海道や東北地方に分布します。高さ20mほどの高い木に実をつけます。完熟したイチイの実は、食べると甘いですが、果実以外は全ての部位に毒を持っています。特に種子は猛毒となり、3〜4粒食べると死に至ります。
イチイの毒の成分はタキソール及びタキシンと呼ばれ、主な中毒症状は、めまい、腹痛、嘔吐、痙攣、呼吸困難、筋力低下などです。特に種子を食べた場合、死に至ります。
・イヌサフラン
イヌサフランは、一般的にはコルチカムという名前でも知られ、園芸用として売られています。見た目がギョウジャニンニクなどに似ていることから、間違って食べてしまい、中毒症状や死亡してしまう事例が見受けられます。
イヌサフランに含まれる毒の成分コルヒチンを摂取すると、下痢、嘔吐、中枢性の知覚麻痺、末梢性血管麻痺、呼吸困難になり、最悪の場合死に至ります。
・クワズイモ
クワズイモは、里芋と間違って食べる事例が多く、毎年1〜2件報告されています。大きさは、葉がおおよそ60cmにもなり、葉柄はおおよそ60〜100cmになる植物です。沖縄ではさまざまなところで自生しています。
クワズイモの毒の成分は、シュウ酸カルシウムです。摂取すると嘔吐、下痢、皮膚炎、麻痺などを引き起こします。シュウ酸カルシウムの結晶構造は、針のような形状をしていることから、口に入れると痛みを伴い、その結果クワズイモによる中毒を回避することができます。皮膚にシュウ酸カルシウムが付着した場合、皮膚が炎症を起こす恐れがあります。
・シキミ
シキミはお墓や仏壇の前に備えられる花で、毒性の強い種子や果実を間違って口に入れ、中毒症状を引き起こします。一番多い事例は、中華料理などでよく使われるトウシキミと呼間違えてしまうことです。トウシキミの実を乾燥させたものは、八角やスターアニスと呼ばれ、中華料理には欠かせません。香りも似通っており、食べると最悪の場合死に至るほど危険な植物です。
シキミの毒の成分はアニサチンと呼ばれ、摂取するとわずか数時間で意識障害を伴った痙攣、嘔吐、下痢などの消化器系の不全といった症状が現れます。特に実や種子の毒性が強いことから、最悪の場合死に至ることもあります。
・スイセン
スイセンは伸びた葉がニラなどに酷似していることから、間違って食べてしまうことが多い植物です。身近にある植物で誤って食べてしまうことが非常に多く、過去には死亡した事例もあります。クワズイモと同じくシュウ酸カルシウムが含まれているので、口にした瞬間に痛みを伴うことから、重篤化を回避することができます。
スイセンの毒の成分は、リコリンやガランタミンなどのアルカロイドとシュウ酸カルシウムです。摂取すると強い吐き気に襲われ、口に痛みが生じることで、あまり重篤化することはありません。
・スズラン
スズランは観賞用として人気がある反面、人を死に至らしめる大変危険な植物です。スズランと非常に似ているギョウジャニンニクと間違って食べる事例が、多く報告されています。
スズランにはコンバラトキシンやコンバロシドなどの有毒物質が含まれています。特に根や花に高い含有量を示し、摂取すると嘔吐、頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺などを引き起こします。ほとんどの症状は1時間以内に発症し、最悪の場合死に至ることもあります。致死量は、青酸カリの約15倍の強さです。
・ヒガンバナ
ヒガンバナは曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれ、道端や田んぼのあぜなどに群生し、秋の彼岸のころに強く反り返った鮮やかな赤い花を咲かせます。球根に強い毒性があり、かつては救荒作物として球根のでんぷんを毒抜きして食べていました。
ヒガンバナは、花全体にリコリンやガラタミンなど約20種の有毒成分をもっています。毒は特に球根に多く含まれ、毒抜きせずに食べると30分以内に激しい下痢、嘔吐に見舞われ、重篤化すると呼吸不全、痙攣、中枢神経麻痺といった深刻な症状を引き起こします。
誤って食べた場合、解毒剤はなく、催吐薬や下剤を投与しての対症療法を行う必要があります。球根1gあたりに約0.15mgのリコリンを含んでいるとされ、リコリンの致死量は10gであることから、球根を1個食べても重篤な症状に至ることはあまりありません。
一方、精製されたヒガンバナの球根は、消炎作用や利尿作用のある漢方薬として利用されることがあります。また、最近ではヒガンバナに含まれるガランタミンが記憶機能を回復させるとして、アルツハイマー型認知症の薬に利用されるようになりました。
有毒植物は、その植物の全体あるいは一部に毒を有し、人をはじめ動物などが食べたり、触れたりすると炎症や痙攣などの症状を引き起こします。毒性が強い有毒植物に至っては、死を招く場合があります。
日本に広く分布する身近な有毒植物としては、ドクセリやトリカブト、ドクウツギ、イチイ、イヌサフラン、クワズイモ、シキミ、スイセン、スズラン、ヒガンバナなどがあります。誤って摂取すると痙攣、腹痛、下痢、嘔吐、めまい、呼吸困難、麻痺などを引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
一方、これらの有毒植物の一部は、何らかの手を加えることで、薬として利用されることもあります。