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2020年12月19日
【質素】平安時代の食事
平安時代は、794年に桓武天皇が平安京に都を移してから鎌倉幕府が成立するまでの約390年間を指します。
平安時代は、農業技術があまり発達しておらず、お米はあまり多くありません。そのため、食事にお米があればそれだけでご馳走となり、当時の貴族の食生活でお米を食べることは、社会的地位のひとつでした。食べ物を保存する技術がないことから、保存性を高めるために炊いたお米を乾燥させた強飯(こわいい)を食べていました。強飯に対して、わらかいご飯は姫飯(ひめいい)と呼ばれます。一方、武士や庶民の主食は、お米を食べることはあまりなく、麦やアワ、キビなどの雑穀でした。お腹を満たすために雑穀に水を加え、煮込んでお粥にして食べていました。
平安時代の食事は、主菜として魚を食べることが一般的でした。特に近海の魚やアユなどが主菜の中心となることが多かったようです。魚は遠方から運ばれてくることから、保存性を高めるため、干物や発酵などの加工がなされました。そのほかに鳩やキジなどの鳥類、熊や猪、シカなどの肉類も食卓にのぼりました。魚と同様に保存性を高めるため、乾燥させ干し肉として各地から運ばれてきました。副食となる野菜は、ウリをはじめネギ、にんにく、せり、フキ、ナス、ごぼう、うどなどを食べていたようです。
平安時代には、蒸す、煮る、焼くというような調理法があり、蒸し物、煮物、焼き物、吸い物、和え物などの料理がありました。味付けという習慣はないため、調味料は存在せず、食べる前に塩やしょうゆなどの原型となるもの、お酒、酢などを付けて食べていました。
平安時代は、794年に桓武天皇が平安京に都を移してから鎌倉幕府が成立するまでの約390年間を指し、京都におかれた平安京が、鎌倉幕府が成立するまで政治上ほぼ唯一の中心であったことから、平安時代と称されています。
平安時代といえば華やかな貴族のイメージを連想しますが、この時代お米はまだご馳走として扱われており、主に雑穀が食べられていました。貴族や武士、庶民など階級によっても、食生活は変わってきます。
平安時代は、農業技術があまり発達しておらず、お米はあまり多くありません。そのため、お米は高級品で、食事にお米があればそれだけでご馳走となり、当時の貴族の食生活でお米を食べることは、社会的地位のひとつでした。食べ物を保存する技術がないことから、保存性を高めるために炊いたお米を乾燥させた強飯(こわいい)を食べていました。強飯は、そのままでは固いため、水やお湯をかけて食べることもあります。貴族は、ご馳走である強飯などのお米を主食とし、ご飯は塗り椀に高く盛られて、箸を立てて刺すことが作法とされ、盛り付けたときの見た目の美しさを重視していたようです。なお、ご飯は茶碗にして3杯分の量があり、食べ残してもよいとされていました。また、強飯は持ち運びにも優れることから、携帯食にもなり、お腹が空けば口に入れ、唾液で柔らかくしてお腹を満たしていました。貴族の使用人は、丸めた強飯を食べる習慣もあり、おにぎりの起源とされています。強飯に対して、わらかいご飯は姫飯(ひめいい)と呼ばれます。
一方、武士や庶民の主食は、お米を食べることはあまりなく、麦やアワ、キビなどの雑穀でした。お腹を満たすために雑穀に水を加え、煮込んでお粥にして食べていました。また、大豆や黒豆、小豆などの豆類、山芋やクワイなどのいも類も、雑穀と一緒にお粥にして食べられていました。
平安時代の貴族の食事の回数は、1日2食でした。午前10時頃から正午かけて食事を取り、午後4時頃からも食事を取っていたようです。武士や庶民も、食事の回数は1日2回です。
当時は貴族が脚気になり、死亡することもありました。脚気はビタミンB1不足が引き起こす病気です。武士や庶民が食べていた雑穀は、ビタミンB1が含まれているため、貴族より健康的な生活を送っていたかもしれません。しかし、もともと質素な食事内容のため、十分に食べられることはあまりなく、栄養不足で亡くなることもたくさんありました。
平安時代の食事は、主菜として魚を食べることが一般的でした。特に近海の魚やアユなどが主菜の中心となることが多かったようです。そのほかに貝類や海藻なども広く食べられていました。
貴族が生活している平安京は海から遠く、主菜となる魚介類は遠方から運ばれてきました。その際に保存性を高めるため、干物や発酵などの加工がなされ、新鮮な魚を食べる機会はあまり多くありませんでした。
食事の主菜は主に魚でしたが、鳩やキジ、スズメなどの鳥類、熊や猪、シカ、タヌキ、キツネなどの肉類も食卓にのぼっていました。当時は仏教が盛んなため、ごく一部の敬虔な仏教徒は一切肉を食べないこともありましたが、貴族は肉も食生活に取り入れており、魚と同様に保存性を高めるため、乾燥させ干し肉として各地から運ばれてきました。当時は、狩猟よりも農業や漁業が中心であったことから、肉よりも魚介類の方が主流で、好んで肉を食べるというよりは、ご馳走としてたしなんでいたようです。また、貴族の私有地である荘園で、牛や馬を放牧することが行われ、乳を煮詰めて粥にしたものなどの乳製品が主菜として食事に取り入れられていました。なお、この時代に鶏卵は食べられていなかったようです。
また、副食となる野菜は、ウリをはじめネギ、にんにく、せり、フキ、ナス、ごぼう、うどなどを食べていたようです。
平安時代には、蒸す、煮る、焼くというような調理法があり、蒸し物、煮物、焼き物、吸い物、和え物などの料理がありました。蒸す調理は強飯、煮る調理法は姫飯や粥、焼く調理法では焼米などに用いられています。庶民ではまだ調理するという感覚がなく、新鮮な魚や肉を食べることも少なかったため、保存のある干物や漬物として取っていたようです。
味付けという習慣はないため、調味料は存在せず、食べる前に塩やしょうゆなどの原型となるもの、お酒、酢などを付けて食べていました。基本的な味は塩と酢で、塩辛いあるいは酸っぱい主菜をご飯と食べるのが、当時の貴族の食生活のようです。今では調味料としても使用されるお酒は、糖度の高いにごり酒でした。
平安時代末期に近づくと、一汁二菜や一汁三菜の食生活も普及してきますが、それでもお粥、汁物、干物、野菜の和え物、漬物などが並ぶ食事で、味付けはなされておらず、塩などをかけて食べていました。
平安時代は、794年に桓武天皇が平安京に都を移してから鎌倉幕府が成立するまでの約390年間を指します。
平安時代は、農業技術があまり発達しておらず、お米はあまり多くありません。そのため、食事にお米があればそれだけでご馳走となり、当時の貴族の食生活でお米を食べることは、社会的地位のひとつでした。食べ物を保存する技術がないことから、保存性を高めるために炊いたお米を乾燥させた強飯(こわいい)を食べていました。強飯に対して、わらかいご飯は姫飯(ひめいい)と呼ばれます。一方、武士や庶民の主食は、お米を食べることはあまりなく、麦やアワ、キビなどの雑穀でした。お腹を満たすために雑穀に水を加え、煮込んでお粥にして食べていました。
平安時代の食事は、主菜として魚を食べることが一般的でした。特に近海の魚やアユなどが主菜の中心となることが多かったようです。魚は遠方から運ばれてくることから、保存性を高めるため、干物や発酵などの加工がなされました。そのほかに鳩やキジなどの鳥類、熊や猪、シカなどの肉類も食卓にのぼりました。魚と同様に保存性を高めるため、乾燥させ干し肉として各地から運ばれてきました。副食となる野菜は、ウリをはじめネギ、にんにく、せり、フキ、ナス、ごぼう、うどなどを食べていたようです。
平安時代には、蒸す、煮る、焼くというような調理法があり、蒸し物、煮物、焼き物、吸い物、和え物などの料理がありました。味付けという習慣はないため、調味料は存在せず、食べる前に塩やしょうゆなどの原型となるもの、お酒、酢などを付けて食べていました。
2020年12月18日
【真逆】食の信頼できる情報源と消費者の信頼する情報源
食品で健康被害などに関するニュースを見聞きしたときに、その情報がどこから出たのかを気にすることは至極当然ではないでしょうか。
食品の健康に関する情報の信頼のおける情報源としては、 科学的な根拠をもとに公正な判断をしているという観点から言えば、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)など食品が関連する国際機関です。また、政府機関の公式発表も、同様に信頼性が高く、日本であれば、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁などの公式発表が該当します。専門家による公正な審査で、妥当な研究水準をクリアしていると判断された学術論文も、信頼性が高いと言えます。
マスメディアは速報という面では非常に優れており、多くの人は世の中で発生したニュースをまずマスメディアから得ることになります。しかし、マスメディアはとかく速報にこだわるが故に、内容の分析や説明が不十分になる可能性があります。また、視聴者や読者の興味を引くために話を必要以上に誇張すること、繰り返し伝えることで先入観を与え、余計な不安を煽る可能性も否定できません。
食品安全委員会が、消費者に食品についての信頼できる情報源を尋ねたところ、上位にはニュースや報道番組、新聞、ドキュメンタリー番組などのマスメディア情報がランクインしていました。一方、食品安全委員会、大学などの研究機関、農林水産省、厚生労働省は、下位に低迷していました。マスメディアの情報が上位にランクインするのは、消費者への高い影響力によるもので、食品安全委員会、大学などの研究機関、農林水産省、厚生労働省の情報は、十分に精査された内容にもかかわらず、専門用語ばかりでわかりにくく、消費者にはなかなか伝わりにくいのかもしれません。
食品で健康被害などに関するニュースを見聞きしたときに、その情報がどこから出たのかを気にすることは至極当然ではないでしょうか。誰でも何らかの噂話を聞いたとき、誰がそんなことを言い出したのだろうと疑問に感じます。誰が言い出したのかがわからなければ、ただの噂話として片づけてしまいます。
誰が言い出したのかが判明したとしても、それが誠実で信頼できる人なら真実味のある話と受け取るかもしれませんが、逆にあまり信頼できない人なら疑ってかかるかもしれません。
食品の健康に関する情報の信頼のおける情報源とは、いったいどこになるのでしょうか。 科学的な根拠をもとに公正な判断をしているという観点から言えば、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)など食品が関連する国際機関です。消費者の健康の保護や食品の公正な貿易の確保などを目的として、1963年にFAO/WHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格の策定などを行っているコーデックス委員会、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)、FAO/WHO合同残留農薬専門会議(JMPR)などの国際的な専門委員会などです。
また、政府機関の公式発表も、同様に信頼性が高く、日本であれば、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁などの公式発表が該当します。専門家による公正な審査で、妥当な研究水準をクリアしていると判断された学術論文も、信頼性が高いと言えます。
一方、学会発表や専門家のコメントや本の記述は、場合にもよりますが、学術論文よりも信頼性は低いかもしれません。学会発表は研究段階の内容が含まれることもあり、専門家のコメントや本には査読のような確認機能がないため、憶測や偏ったものの見方、ただの自己主張の可能性があるからです。消費者団体についても、おおかたは自らの主張に適った情報のみを取り上げており、提供している情報が偏っていること、主観的な解釈に沿って内容を誇張していることがあります。
マスメディアは速報という面では非常に優れており、多くの人は世の中で発生したニュースをまずマスメディアから得ることになります。しかし、マスメディアはとかく速報にこだわるが故に、内容の分析や説明が不十分になる可能性があります。また、視聴者や読者の興味を引くために話を必要以上に誇張すること、繰り返し伝えることで先入観を与え、余計な不安を煽る可能性も否定できません。
食品安全委員会が、社会を取り巻くリスクに関する正確な情報を、行政、専門家、企業、市民などのステークホルダーで共有し、相互に意思疎通を図るリスクコミュニケーションをより効果的に行うため、食品に関する消費者のリスク認知を調査しました。
その調査で、消費者に食品についての信頼できる情報源を尋ねたところ、上位にはニュースや報道番組、新聞、ドキュメンタリー番組などのマスメディア情報がランクインしていました。一方、食品安全委員会、大学などの研究機関、農林水産省、厚生労働省は、下位に低迷しています。マスメディアの情報が上位にランクインするのは、消費者への高い影響力によるもので、食品安全委員会、大学などの研究機関、農林水産省、厚生労働省の情報は、十分に精査された内容にもかかわらず、専門用語ばかりでわかりにくく、消費者にはなかなか伝わりにくいのかもしれません。
しかし、影響が大きいマスメディアの情報も、もともとの情報源があります。情報源が示されていれば、情報の信ぴょう性は当然高くなります。一方、情報源が明確に示されていないとき、あるいは示されていても十分に信頼のおける情報源でないときは、その話をそのまま鵜呑みにせず、ひとつの見解として受け止めた方がいいのかもしれません。もっとも、紙面などにぎわすニュースは情報源を明かさないことが、業界の鉄則でもあり、やむを得ないこともあります。ただし、食品の健康に関するニュースは、情報源を示さない限り、信ぴょう性は低いと考えられます。
また、テレビや新聞などから見聞きしたニュースで疑問に感じることは、政府機関の発表をインターネットなどで確認することで、理解できることがあります。さらに日常生活で知っておきたい情報も政府機関のホームページなどに掲載されています。
食品で健康被害などに関するニュースを見聞きしたときに、その情報がどこから出たのかを気にすることは至極当然ではないでしょうか。
食品の健康に関する情報の信頼のおける情報源としては、 科学的な根拠をもとに公正な判断をしているという観点から言えば、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)など食品が関連する国際機関です。また、政府機関の公式発表も、同様に信頼性が高く、日本であれば、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁などの公式発表が該当します。専門家による公正な審査で、妥当な研究水準をクリアしていると判断された学術論文も、信頼性が高いと言えます。
マスメディアは速報という面では非常に優れており、多くの人は世の中で発生したニュースをまずマスメディアから得ることになります。しかし、マスメディアはとかく速報にこだわるが故に、内容の分析や説明が不十分になる可能性があります。また、視聴者や読者の興味を引くために話を必要以上に誇張すること、繰り返し伝えることで先入観を与え、余計な不安を煽る可能性も否定できません。
食品安全委員会が、消費者に食品についての信頼できる情報源を尋ねたところ、上位にはニュースや報道番組、新聞、ドキュメンタリー番組などのマスメディア情報がランクインしていました。一方、食品安全委員会、大学などの研究機関、農林水産省、厚生労働省は、下位に低迷していました。マスメディアの情報が上位にランクインするのは、消費者への高い影響力によるもので、食品安全委員会、大学などの研究機関、農林水産省、厚生労働省の情報は、十分に精査された内容にもかかわらず、専門用語ばかりでわかりにくく、消費者にはなかなか伝わりにくいのかもしれません。
2020年12月17日
【日本の神話】古事記に描かれた食の神と食べ物の始まり
「古事記」は、日本に現存する最古の書物です。世界のはじまりから神々の出現、そして天皇家の皇位継承の様子が描かれています。
古事記に記された「食」に関わる神が、トヨウケという女神です。古事記によると、国土や自然に関わる神々を生みだしたイザナミは、最後に火の神を産みます。その出産で大やけどを負って苦しんでいるときに、排泄物からワクムスヒという神が生まれました。ムスヒとは生み出す力を意味します。そのワクムスヒの子がトヨウケです。トヨは豊かであること、ウケは食物を意味します。アマテラスの孫のホノニニギとともに地上に下り、伊勢神宮の外宮に祀られたとあります。
穀物の起源神話は、穀物のはじまりとともに、おもてなしの概念が当時からあったことを示唆しています。日頃何気なく口にしている食べ物の起源は、古事記に神話として描かれています。天上界の神々がオオゲツヒメという女神に食べ物を所望したとき、その女神は自分の鼻と口と尻から、さまざまな美味なものを取り出し、それを調理し盛りつけて神々に差し上げました。その様子を見ていたスサノオは、汚い方法で料理を出す女神だと思ってその女神を殺し、殺された女神の目から稲、耳から粟、鼻から小豆、尻から大豆が生じました。これが地上界に穀物がもたらされた起源と考えられています。
「古事記」は、日本に現存する最古の書物です。序文と上中下の3巻からなり、世界のはじまりから神々の出現、そして天皇家の皇位継承の様子が描かれています。序文には、古事記の成立過程が記されています。古事記は、まず天武天皇によって作成がはじまり、おおよそ30年後の元明天皇在世中の712年に、太安万侶によって完成したといわれています。古事記は、日本の古語を書き記すために、崩れた漢文体を用い、国内向けの文章で書かれています。内容は、神々の世界から各天皇の時代の出来事について、登場する神々や人々が個性豊かに描かれ、それぞれの物語がドラマチックに描かれています。完成後に広く読まれた形跡がなく、宮中内部の私的な文書とも言われ、一方では天皇家と各氏族との関係性を明示し、天皇中心の国家体制を確立するために作られたという見方もあります。
「日本書紀」は、中国の歴史書に倣って、日本でも本格的な歴史書を作ろうという動きの中で作られました。そのため、中国でも読めるものを意図しており、漢文体で、時系列順に記録されています。国の正史と位置づけられる日本書紀と比較すると、古事記は成立の意図や性格など謎に包まれた部分が多くあり、それが逆に魅力となって読み継がれています。
日本最古の書物である古事記には、今日でも解明されることのない不思議がたくさん潜んでいます。
古事記に記された「食」に関わる神が、トヨウケという女神です。食べることは、人が生きていく上でもっとも重要なことのひとつです。古事記によると、国土や自然に関わる神々を生みだしたイザナミは、最後に火の神を産みます。その出産で大やけどを負って苦しんでいるときに、排泄物からワクムスヒという神が生まれました。ムスヒとは生み出す力を意味します。そのワクムスヒの子がトヨウケです。トヨは豊かであること、ウケは食物を意味します。アマテラスの孫のホノニニギとともに地上に下り、伊勢神宮の外宮に祀られたとあります。古事記がトヨウケについて語っているのは、これだけです。
後世の資料によると、伊勢神宮に祀られているアマテラスが、一人で食事を十分にとることができないので、食事の神であるトヨウケが必要だと伝えます。そこで、それまで丹波国にいたトヨウケを伊勢の外宮にお祀りするようになったといわれています。
伊勢神宮では、今も日別朝夕大御饌祭という儀式が行われています。この儀式は、アマテラスをはじめとする神々に朝と夕の食事をお供えするもので、その神饌はトヨウケの祀られる外宮で用意されています。
トヨウケの親であるワクムスヒは、火の神の誕生がきっかけで生まれました。ワクムスヒと同じときにミツハノメという水の神も生まれています。火と水の神、そして生み出す力の神が登場した後に生まれていることから、トヨウケは食物のなかでもとくに米をはじめとする穀物と関わりが深い神だと考えられています。伊勢神宮で神々に供えられる食事もお米が中心です。
穀物の起源神話は、穀物のはじまりとともに、おもてなしの概念が当時からあったことを示唆しています。日頃何気なく口にしている食べ物の起源は、古事記に神話として描かれています。天上界の神々が「オオゲツヒメ」という女神に食べ物を所望したとき、その女神は自分の鼻と口と尻から、さまざまな美味なものを取り出し、それを調理し盛りつけて神々に差し上げました。その様子を見ていたスサノオは、汚い方法で料理を出す女神だと思ってその女神を殺してしまいます。その殺された女神の目から稲、耳から粟、鼻から小豆、尻から大豆が生じました。その時、女神の身体に生じた種を天上界の神であるカミムスヒが、スサノオに取らせたという話です。これが地上界に穀物がもたらされた起源と考えられています。
この話は、スサノオが乱暴を働いたことにより追放され、出雲に降りてヤマタノオロチを退治する話の直前の場面に挟み込まれるようにして記されています。スサノオの乱暴な姿を示しつつも、穀物起源神話はその暴力性が影響した話として位置付けられ、次のヤマタノオロチ退治神話に繋がります。
日本書紀でも同様の神話があります。こちらは月の神ツクヨミがウケモチという女神を殺すことで、穀物を生み出されたことを描いています。ツクヨミはアマテラスに命じられてウケモチのところに派遣されており、アマテラスはツクヨミがこの女神殺したことに激怒し、ツクヨミとはもう同じ天空には居たくないことから、これが太陽と月が交互に出現することの起源であると説いています。穀物起源の神話に日月の分離の起源も重ねられています。
「古事記」は、日本に現存する最古の書物です。序文と上中下の3巻からなり、世界のはじまりから神々の出現、そして天皇家の皇位継承の様子が描かれています。序文には、古事記の成立過程が記されています。古事記は、まず天武天皇によって作成がはじまり、おおよそ30年後の元明天皇在世中の712年に、太安万侶によって完成したといわれています。古事記は、日本の古語を書き記すために、崩れた漢文体を用い、国内向けの文章で書かれています。内容は、神々の世界から各天皇の時代の出来事について、登場する神々や人々が個性豊かに描かれ、それぞれの物語がドラマチックに描かれています。
古事記に記された「食」に関わる神が、トヨウケという女神です。古事記によると、国土や自然に関わる神々を生みだしたイザナミは、最後に火の神を産みます。その出産で大やけどを負って苦しんでいるときに、排泄物からワクムスヒという神が生まれました。ムスヒとは生み出す力を意味します。そのワクムスヒの子がトヨウケです。トヨは豊かであること、ウケは食物を意味します。アマテラスの孫のホノニニギとともに地上に下り、伊勢神宮の外宮に祀られたとあります。
伊勢神宮では、今も日別朝夕大御饌祭という儀式が行われています。この儀式は、アマテラスをはじめとする神々に朝と夕の食事をお供えするもので、その神饌はトヨウケの祀られる外宮で用意されています。
穀物の起源神話は、穀物のはじまりとともに、おもてなしの概念が当時からあったことを示唆しています。日頃何気なく口にしている食べ物の起源は、古事記に神話として描かれています。天上界の神々がオオゲツヒメという女神に食べ物を所望したとき、その女神は自分の鼻と口と尻から、さまざまな美味なものを取り出し、それを調理し盛りつけて神々に差し上げました。その様子を見ていたスサノオは、汚い方法で料理を出す女神だと思ってその女神を殺してしまいます。その殺された女神の目から稲、耳から粟、鼻から小豆、尻から大豆が生じました。その時、女神の身体に生じた種を天上界の神であるカミムスヒが、スサノオに取らせたという話です。これが地上界に穀物がもたらされた起源と考えられています。
2020年12月16日
【本能が関係】野菜嫌いの原因と克服方法
特に子どもを持つ家庭の悩みとしてよくあげられるのが、野菜嫌いの問題です。野菜をどうやって食べさせればいいのかと悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
大昔には、人は野や山にあるものを何でも食べていました。毒があるもの、腐っているものは、酸味や苦味を呈すことが多かったため、人は本能的にこれらの味が、苦手な傾向にあります。食べ続けているうちに、これらの味に毒があるわけでもなく、腐っているわけでもないと脳で理解し、舌が経験することで食べられるようになっていきます。だからこそ、はじめは野菜が苦手で問題ありませんが、大切なことは、それからどうやって野菜を好きになるかを考えることです。
野菜を食べない食生活を送ると、健康上さまざまな問題が生じます。野菜に含まれる栄養素のビタミン、ミネラルなどは、人に必要な成分です。栄養素が体に入ってこないと、風邪を引きやすくなること、体の不調につながることは当たり前です。正しく栄養を摂らないと、成長はもちろん、肌や髪の毛にも栄養が行き渡りません。体だけではなく、脳へも栄養素が届かないと、記憶力や集中力などに弊害が出てきます。野菜を食べないと体力だけでなく、集中力も続かない傾向になります。逆に野菜をよく食べると、集中できる力があるので、仕事が捗り、勉強する習慣もつきやすくなります。このような意味からも、野菜を食べるというのは大事なことです。
野菜嫌いは簡単に克服できることではありません。野菜が苦手な場合、野菜を食べられるようにするには、どのようなことから始めればいいのでしょうか。まずは、野菜を単体で食べない、食べさせないことです。重要になってくるのが組み合わせです。サラダに卵やツナが入っているだけで、一気に美味しくなります。たんぱく質と野菜はとても相性がいいので、野菜だけで食べよう、食べさせようとせず、たんぱく質と組み合わせて食べるようにすることが大切です。また、食べやすい大きさに切ること、野菜が甘くて美味しいなどとイメージすることで、食事の準備をすることも効果的です。
もちろん、野菜嫌いは、子どもだけの問題ではありません。大人の場合、長年の好き嫌いで頑固になってしまっていると思われがちですが、実は大人の野菜嫌いは直しやすいと言われています。子どもの頃と比べて、新鮮なものを見る目や舌のレベルが上がっているので、食わず嫌いをせずに食べるだけです。新鮮な野菜は、苦味や酸味がありません。苦手な野菜こそ新鮮なものを食べてみると、これまでの意識が変わります。また、その野菜が入っているからこそおいしい料理を食べることで、段階を踏みながら、少しずつ苦手な野菜を克服していきます。子どもにも大人にも共通するのは、食事を楽しむことが野菜嫌い克服の近道ということです。
野菜不足が気になっていても、具体的にどうすればいいのかわからないことも少なくありません。そんなときに管理栄養士が監修した野菜スープのプログラムがあります。野菜スープのプログラムの特徴としては、レンジでチンするだけで簡単にできること、1食で1日に必要な野菜の半分を摂ることができること、1食で15種類以上の野菜を摂ることができること、塩分にも配慮がなされ2g以下となっていること、さらに気分や好みに合わせて選べる8つの味をセットにしていることです。
厚生労働省によると、成人の1日の野菜摂取量の目安は350g以上です。普段の食生活にこのプログラムを活用することで、健康のために野菜を摂る習慣を身につけられます。この野菜スープの野菜使用量は、1食あたり175g以上です。また、たくさんの種類の野菜を1回の食事で摂るのは難しいですが、野菜スープのプログラムであれば、1食15種類以上、8食セットで30種類以上の野菜に出会うことができます。まずは1回試してみてはいかがでしょうか。
特に子どもを持つ家庭の悩みとしてよくあげられるのが、野菜嫌いの問題です。野菜をどうやって食べさせればいいのかと悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
子どもの頃の給食を振り返えると、野菜嫌いの子どももいれば、野菜が食べられる子どももいます。なぜ、野菜が食べられない子どもと野菜が食べられる子どもに分かれてしまうのでしょうか。
大昔には、人は野や山にあるものを何でも食べていました。毒があるもの、腐っているものは、酸味や苦味を呈すことが多かったため、人は本能的にこれらの味が、苦手な傾向にあります。そのため、基本的にはじめから野菜を好き嫌いせずに食べられる子どもは、珍しいです。食べ続けているうちに、これらの味に毒があるわけでもなく、腐っているわけでもないと脳で理解し、舌が経験することで食べられるようになっていきます。すなわち、子どもが野菜を苦手なのは当たり前ということです。いろいろな味を知って、舌が経験値を積み重ねることで、野菜を食べられるようになるということです。
だからこそ、はじめは野菜が苦手で問題ありませんが、大切なことは、それからどうやって野菜を好きになるかを考えることです。
野菜を食べない食生活を送ると、健康上さまざまな問題が生じます。
野菜に含まれる栄養素のビタミン、ミネラルなどは、人に必要な成分です。人の体は、食べたもので構成されています。栄養素が体に入ってこないと、風邪を引きやすくなること、体の不調につながることは当たり前です。正しく栄養を摂らないと、成長はもちろん、肌や髪の毛にも栄養が行き渡りません。
体だけではなく、脳へも栄養素が届かないと、記憶力や集中力などに弊害が出てきます。野菜を食べないと体力だけでなく、集中力も続かない傾向になります。栄養素が足りていないからこそ、体が疲れやすく、すぐに眠くなります。逆に野菜をよく食べると、集中できる力があるので、仕事が捗り、勉強する習慣もつきやすくなります。このような意味からも、野菜を食べるというのは大事なことです。
食事が、集中力や記憶力にも関係していることまで意識できている人はあまりいません。健康を維持するために野菜が栄養源であるということを、理解する必要があります。
野菜を食べないことは、健康だけでなく集中力や記憶力にも影響があります。だからといって、野菜嫌いは簡単に克服できることではありません。野菜が苦手な場合、野菜を食べられるようにするには、どのようなことから始めればいいのでしょうか。
まずは、野菜を単体で食べない、食べさせないことです。サラダを食べられる人でも、いきなりレタスやキュウリだけを食べることになったら、美味しく感じない人が多いです。そこで、重要になってくるのが組み合わせです。サラダに卵やツナが入っているだけで、一気に美味しくなります。たんぱく質と野菜はとても相性がいいので、野菜だけで食べよう、食べさせようとせず、たんぱく質と組み合わせて食べるようにすることが大切です。
野菜を美味しく食べる組み合わせにするためには、野菜の切り方も関係しています。どんなに組み合わせが良くても、食べにくい大きさでは意味がありません。
さらに野菜を食べる前や食べているときに、野菜が甘くて美味しいなどとイメージすることで、味に対する先入観のコントロールができます。
心理的側面からの野菜嫌いを克服することも可能です。食事を楽しみにするための方法として、食事の準備をすることは効果的です。
もちろん、野菜嫌いは、子どもだけの問題ではありません。大人の場合、長年の好き嫌いで頑固になってしまっていると思われがちですが、実は大人の野菜嫌いは直しやすいと言われています。子どもの頃と比べて、新鮮なものを見る目や舌のレベルが上がっているので、食わず嫌いをせずに食べるだけです。本当に新鮮で美味しい野菜は、苦味や酸味がありません。苦手な野菜こそ新鮮でいいものを食べてみると、これまでの意識が変わります。
しかし、それでも長年根付いた苦手意識は、なかなか変えるのは難しいと思うことがあるかもしれません。そういうときは、甘みが強いトマトなら食べられる、調理をされていれば食べられるから始めることです。これらを食べているうちに、ピーマンならチンジャオロース、ナスならマーボーナスなどその野菜が入っているからこそおいしい料理を食べてみます。このように段階を踏みながら、少しずつ苦手な野菜を克服していきます。
子どもにも大人にも共通するのは、食事を楽しむことが野菜嫌い克服の近道ということです。どんなに嫌いな野菜でも、好きになる機会はあります。
食事は、肉や魚、野菜、お米などバランスよくとることが大切です。野菜をしっかり食べることはもちろんですが、野菜であれば何でもいいというわけではありません。野菜に含まれている栄養素はそれぞれ違いますので、できるだけいろいろな種類の野菜を食べることに気をつけます。
野菜不足が気になっていても、具体的にどうすればいいのかわからないことも少なくありません。
そんなときに管理栄養士が監修した野菜スープのプログラムがあります。
野菜スープのプログラムの特徴としては、レンジでチンするだけで簡単にできること、1食で1日に必要な野菜の半分を摂ることができること、1食で15種類以上の野菜を摂ることができること、塩分にも配慮がなされ2g以下となっていること、さらに気分や好みに合わせて選べる8つの味をセットにしていることです。
特に普段からサプリメントだけに依存している人、病気がちで健康に気を使っている人、美容や栄養面を気にしている1人暮らしの人、共働きでどうしても料理に時間を割けない人に最適です。朝食はいつもトーストだけで済ませてしまう、サラダまで用意する余裕はない、帰宅してから料理をするのは大変で食欲も出ないなど心あたりはありませんか。
厚生労働省によると、成人の1日の野菜摂取量の目安は350g以上です。普段の食生活にこのプログラムを活用することで、健康のために野菜を摂る習慣を身につけられます。この野菜スープの野菜使用量は、1食あたり175g以上です。また、たくさんの種類の野菜を1回の食事で摂るのは難しいですが、野菜スープのプログラムであれば、1食15種類以上、8食セットで30種類以上の野菜に出会うことができます。
この野菜スープを実際に食べてみると、塩分が2g以下に制限されているにもかかわらず、野菜の甘味やうま味が引き立ち、美味しく飽きのこない味に仕上がっています。どのメニューも電子レンジで温めれば、きちんと解凍されて、味付けもしっかりしており、健康への効果も実感できます。つまり、栄養バランスの良い食事なので、簡単に健康の維持管理ができることになります。
また、野菜を摂取できているという安心感にもつながります。
まずは1回試してみてはいかがでしょうか。
特に子どもを持つ家庭の悩みとしてよくあげられるのが、野菜嫌いの問題です。野菜をどうやって食べさせればいいのかと悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
大昔には、人は野や山にあるものを何でも食べていました。毒があるもの、腐っているものは、酸味や苦味を呈すことが多かったため、人は本能的にこれらの味が、苦手な傾向にあります。食べ続けているうちに、これらの味に毒があるわけでもなく、腐っているわけでもないと脳で理解し、舌が経験することで食べられるようになっていきます。だからこそ、はじめは野菜が苦手で問題ありませんが、大切なことは、それからどうやって野菜を好きになるかを考えることです。
野菜を食べない食生活を送ると、健康上さまざまな問題が生じます。野菜に含まれる栄養素のビタミン、ミネラルなどは、人に必要な成分です。栄養素が体に入ってこないと、風邪を引きやすくなること、体の不調につながることは当たり前です。正しく栄養を摂らないと、成長はもちろん、肌や髪の毛にも栄養が行き渡りません。体だけではなく、脳へも栄養素が届かないと、記憶力や集中力などに弊害が出てきます。野菜を食べないと体力だけでなく、集中力も続かない傾向になります。逆に野菜をよく食べると、集中できる力があるので、仕事が捗り、勉強する習慣もつきやすくなります。このような意味からも、野菜を食べるというのは大事なことです。
野菜嫌いは簡単に克服できることではありません。野菜が苦手な場合、野菜を食べられるようにするには、どのようなことから始めればいいのでしょうか。まずは、野菜を単体で食べない、食べさせないことです。重要になってくるのが組み合わせです。サラダに卵やツナが入っているだけで、一気に美味しくなります。たんぱく質と野菜はとても相性がいいので、野菜だけで食べよう、食べさせようとせず、たんぱく質と組み合わせて食べるようにすることが大切です。また、食べやすい大きさに切ること、野菜が甘くて美味しいなどとイメージすることで、食事の準備をすることも効果的です。
もちろん、野菜嫌いは、子どもだけの問題ではありません。大人の場合、長年の好き嫌いで頑固になってしまっていると思われがちですが、実は大人の野菜嫌いは直しやすいと言われています。子どもの頃と比べて、新鮮なものを見る目や舌のレベルが上がっているので、食わず嫌いをせずに食べるだけです。新鮮な野菜は、苦味や酸味がありません。苦手な野菜こそ新鮮なものを食べてみると、これまでの意識が変わります。また、その野菜が入っているからこそおいしい料理を食べることで、段階を踏みながら、少しずつ苦手な野菜を克服していきます。子どもにも大人にも共通するのは、食事を楽しむことが野菜嫌い克服の近道ということです。
野菜不足が気になっていても、具体的にどうすればいいのかわからないことも少なくありません。そんなときに管理栄養士が監修した野菜スープのプログラムがあります。野菜スープのプログラムの特徴としては、レンジでチンするだけで簡単にできること、1食で1日に必要な野菜の半分を摂ることができること、1食で15種類以上の野菜を摂ることができること、塩分にも配慮がなされ2g以下となっていること、さらに気分や好みに合わせて選べる8つの味をセットにしていることです。
厚生労働省によると、成人の1日の野菜摂取量の目安は350g以上です。普段の食生活にこのプログラムを活用することで、健康のために野菜を摂る習慣を身につけられます。この野菜スープの野菜使用量は、1食あたり175g以上です。また、たくさんの種類の野菜を1回の食事で摂るのは難しいですが、野菜スープのプログラムであれば、1食15種類以上、8食セットで30種類以上の野菜に出会うことができます。まずは1回試してみてはいかがでしょうか。
2020年12月15日
【薬草】古くから知られる薬用植物の機能性
医者いらずと称されるアロエには、多くの種類があり、日本薬局方の医薬品用アロエはケープ・アロエ、日本で一般に栽培されているのはキダチアロエ、アメリカでサプリメントとして人気があるのはアロエ・ベラです。ケープ・アロエは、主に南アフリカから輸入され便秘薬として販売されています。
健康に関係する食品としては、キダチアロエの粉末や抽出物を原材料とした錠剤、ドリンク剤などがあります。
生のアロエを噛むと独特の苦みがあります。この成分がアロインとアロエエモジンで、胃液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にします。アロエを切ったときに出るネバネバの粘液には、アロエウルシンが含まれており、胃の潰瘍部分を覆うことで胃潰瘍の治療にも用いられています。血液凝固作用もあり、びらん性胃炎による胃壁からの出血を止めます。注目されている成分は、免疫機能を高めるアロミチンと抗菌作用があるアロエチンで、いずれもアロエ・ベラに含まれています。
外用としては、ネバネバ成分のムチン質が肌に潤いを与え、アミノ酸や糖たんぱく質が肌を生き生きとさせます。
アロエの種々の薬効は、いずれも即効性がありますが、それはアロエの成分の分子が小さく、粘膜からすぐに吸収されるからです。
アロエは、体を冷やす作用と強い下痢の作用があるので、冷え症や体が衰弱しているときは使用を控えます。
ウコギ科のオタネニンジンの根を乾燥させたものです。朝鮮人参ともいいます。中国では古くから五臓を補い、延命長寿に効果がある生薬として、最も珍重されてきました。
日本には8世紀に渡来し、江戸時代には幕府がその栽培を奨励し、種子を諸藩に配布したことから、御種人参と敬称を付けて呼ばれました。
医薬品として、また健康に関係する食品としてさまざまな形態に加工され、根強い人気があります。
ジンセノサイドというサポニン配糖体、ビタミン、ミネラルなどを含め多数の有効成分が複合的に作用して、免疫機能を高め、肉体的及び精神的な疲労を補い、心身の活力を高めるものと考えられています。ちなみに日本薬局方に記載されている高麗人参の効能は、虚弱体質、肉体疲労、病中病後の体力回復です。また、動物実験でさまざまな有効性について、盛んに研究されています。
用法としては、煎じて飲むことです。滋養強壮には1日1.5〜5.0gが目安です。手軽なお茶や顆粒、ドリンク剤なども市販されています。なお、腎機能障害や高血圧でのめまいなどの症状があるときは、使用を控えます。
三七人参の根を乾燥させたものです。種をまいてから3〜7年経たないと収穫できないことから、三七、田七、田七人参、田三七などと呼ばれています。
高麗人参と同じウコギ科に属し、中国雲南省でしか採取できない特産品で、中国では不老長寿の秘薬として、珍重されてきました。多くの薬効によって、日本でも健康に関係する食品に使用されています。しかし、原材料の三七人参は中国からの輸入に頼っており、価格は高価です。
数種のジンセノサイド、パナキシノール、β-シトステロール(サポニン配糖体)が血管を収縮して止血や痛み止めの作用を示します。また、中国での研究によると田七ケトンという成分が発見され、この成分が冠状動脈の血液量を増加させて心臓の負担を軽くし、コレステロールを減らす作用があることが報告されています。日本でも、その薬効についての研究が盛んに行われています。
服用するときは、一般的に粉末1.5〜3.0gをオブラートなどで包みます。煎じて飲む場合は、乾燥品3〜9gが適量です。打撲やねんざなどによる内出血や痛み止めには、粉末3gをお湯に溶かして飲みます。また、外用としても血管を収縮させる作用があり、止血などに使用します。そのほかに抗菌作用もあります。なお、肝臓障害によって起こる吐血、鼻出血への使用は控えます。
医者いらずと称されるアロエには、多くの種類があり、日本薬局方の医薬品用アロエはケープ・アロエ、日本で一般に栽培されているのはキダチアロエ、アメリカでサプリメントとして人気があるのはアロエ・ベラです。生のアロエを噛むと独特の苦みがあり、この成分がアロインとアロエエモジンで、胃液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にします。アロエを切ったときに出るネバネバの粘液には、ムチン質が含まれ、肌に潤いを与えます。アロエ・ベラには、免疫機能を高めるアロミチンと抗菌作用があるアロエチンが含まれています。アロエの種々の薬効は、いずれも即効性がありますが、それはアロエの成分の分子が小さく、粘膜からすぐに吸収されるからです。
高麗人参は、ウコギ科のオタネニンジンの根を乾燥させたものです。朝鮮人参ともいいます。ジンセノサイドというサポニン配糖体、ビタミン、ミネラルなどを含め多数の有効成分が複合的に作用して、免疫機能を高め、肉体的及び精神的な疲労を補い、心身の活力を高めるものと考えられています。ちなみに日本薬局方に記載されている高麗人参の効能は、虚弱体質、肉体疲労、病中病後の体力回復です。用法としては、煎じて飲むことです。滋養強壮には1日1.5〜5.0gが目安です。
三七人参は、種をまいてから3〜7年経たないと収穫できないことから名付けられました。市販されている三七人参は、根を乾燥させたものです。高麗人参と同じウコギ科に属し、中国雲南省でしか採取できない特産品です。数種のジンセノサイド、パナキシノール、β-シトステロール(サポニン配糖体)が血管を収縮して止血や痛み止めの作用を示します。打撲やねんざなどによる内出血や痛み止めには、粉末3gをお湯に溶かして飲みます。また、外用としても血管を収縮させる作用があり、止血などに使用します。
2020年12月14日
【酸味と甘味の調和】果実の機能性
カリブ諸島で利用されてきたアセロラは、ビタミンCが極めて豊富な果実です。アメリカでビタミンCのブームが起こると、天然のビタミンCの供給源として、脚光を浴びました。日本でも、飲料やアセロラの粉末を配合したビタミンCの錠剤などが市販されています。
アセロラの果実は、100gあたり1,000mgを超えるビタミンCを含み、その含有量の多さは、ほかの果実に比べてずば抜けており、ビタミンCによるさまざまな効果が期待されます。
ビタミンCは、メラニンの生成抑制、細胞の結合組織コラーゲンの生成、シミの防止、肌のハリに関与しています。さらに免疫機能の向上により、風邪などへの抵抗力を高め、風邪を引いた場合でも回復を早めます。そのほかに副腎皮質ホルモンの生成、ストレスへの抵抗力、ニトロソアミンなどの有害な物質の生成抑制などの効果も注目されています。
アセロラは、合成のビタミンCの代替原材料として、天然のビタミンC源として栄養補助食品などに使用されています。アセロラの飲料は、強い酸味を和らげるため、味を糖分などで調整しています。不足症状が現れることがない成人の1日あたりのビタミンCの所要量は、100mgです。風邪の引き始めやビタミンCの消耗が激しい喫煙者、ストレスの多い人などは、多めに摂る方が良いとされています。
なお、ビタミンCを過剰に摂るとお腹がゆるくなること、ほかのビタミンの不足を招くことが指摘されています。
ツツジ科の多年生低木の果実ブルーベリーは、欧州では果実を生食するほかジャムやゼリーづくりに用いられてきました。野生種に含まれる色素成分の有効性が認められ、夜盲症や脳血管障害などの医薬品にも利用されています。
日本では、ブルーベリーの色素成分が目にいいことが注目され、飲料や機能性表示食品として製品化されています。
ブルーベリーの色素アントシアニンと目の機能については、主に欧州で研究されてきました。ものが見えるということは、目の網膜にあるロドプシンという成分が分解と再合成を繰り返して、光の刺激を脳に伝えるためです。アントシアニンは、ロドプシンの再合成を活発にする働きがあります。これにより、暗闇で目が慣れる暗順応を高めるなど、目の機能を高める効果があります。糖尿病性網膜症の眼底病変にも効果があったという報告もあり、日本でも眼精疲労への改善効果が期待されています。
このほかに毛細血管の保護作用や血栓をできにくくする働き、抗酸化作用など生活習慣病への効果が報告されています。これらの効用は、北欧産の野生種からアントシアニンを抽出し、動物実験あるいは臨床試験により確認されています。
冷凍輸入されたブルーベリーの果実から抽出、精製、乾燥させた粉末成分を用いた顆粒や錠剤などが市販されています。
プルーン(西洋スモモ)は、ローマ時代から薬効のある果実として、珍重されてきました。生果よりも乾燥果の方が、栄養価が高いことから、プルーンジュースはドライプルーンを加水抽出して調整したものです。
プルーンには緩下整腸作用があり、便秘の予防や改善に用いられてきました。これは水溶性食物繊維のペクチンによるものです。また、夜盲症の民間薬としても用いられ、これは他の果実に比べ豊富に含まれるビタミンAによるものです。果実としては、カリウムのほかに鉄分を多く含み、貧血の予防などにも使用されています。
羅漢果は、中国の江西省が原産地とされるウリ科の植物です。熟した実を自然乾燥させ、火であぶるとこげ茶色になります。
中国では、甘味料や生薬として用いられてきました。日本では、せき止めののど飴のほか、乾燥させた果実、濃縮液、乾燥粉末、ティーバックなどが市販されています。乾燥果実は、1個を粗く砕き、水2Lを加えて中火で約25分煮だして灰汁をとります。咳止めには煮出した液を1日に2〜3回飲みます。
羅漢果の甘味成分は、テルペングリコシド配糖体という成分で、砂糖の300〜400倍の甘味度があり、体内に吸収されないことから糖尿病患者やカロリーを気にしている人に対して使用されています。この甘味成分は、腸内でビフィズス菌の餌となり、ビフィズス菌の整腸作用による便秘の改善にも関与しています。羅漢果を煎じた液には、活性酸素を除去する作用も認められ、活性酸素が誘発する生活習慣病への予防も期待されています。
カリブ諸島で利用されてきたアセロラは、ビタミンCが極めて豊富な果実です。アセロラの果実は、100gあたり1,000mgを超えるビタミンCを含み、その含有量の多さは、ほかの果実に比べてずば抜けており、ビタミンCによるさまざまな効果が期待されます。
ブルーベリーの色素成分が目にいいことが注目され、飲料や機能性表示食品として製品化されています。ブルーベリーの色素アントシアニンと目の機能については、主に欧州で研究されてきました。ものが見えるということは、目の網膜にあるロドプシンという成分が分解と再合成を繰り返して、光の刺激を脳に伝えるためです。アントシアニンは、ロドプシンの再合成を活発にする働きがあります。
プルーン(西洋スモモ)は、ローマ時代から薬効のある果実として、珍重されてきました。プルーンは、便秘の改善、貧血の予防などに使用されています。
中国で羅漢果は、甘味料や生薬として用いられてきました。羅漢果の甘味成分は、テルペングリコシド配糖体という成分で、砂糖の300〜400倍の甘味度があり、体内に吸収されません。
2020年12月13日
【極めて有害】体をむしばむ過酸化脂質
過酸化脂質は、中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化されたものです。酸化された脂質の総称で、老化や動脈硬化などを引き起こす体にとって有毒な物質です。
体内で中性脂肪から活性酸素により酸化した過酸化脂質は、細胞の中で新たに活性酸素などを誘発し、更なる過酸化脂質を発生させてしまいます。血管内にたまったLDL(Low Density Lipoprotein 低比重リポタンパク質)コレステロールが酸化して発生した過酸化脂質は、さまざまな疾患の原因となります。LDLコレステロールは、体内にある脂質のひとつで、一般に悪玉コレステロールと呼ばれています。
摂取した食べ物に含まれるLDLコレステロールも、活性酸素の作用で、過酸化脂質となります。活性酸素は体内で生成しても、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素や抗酸化物質により、除去されるのに対し、過酸化脂質は腎臓から排出されず、いつまでも体中にとどまり、徐々に細胞内に侵入することで、細胞を破壊します。そのため、活性酸素の体での害は、活性酸素そのものによるよりも、むしろ活性酸素が脂質と結合してできた過酸化脂質が害を及ぼしていると考えられています。
過酸化脂質を防ぐためには、高コレステロール食品や動物性脂肪の摂り過ぎに注意するとともに、食物繊維や青魚などのエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む食事でコレステロールを抑える必要があります。また、LDLコレステロールの酸化を防ぐためには、ビタミンCやビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどの抗酸化作用の強い栄養素を多く含む食品をとることが効果的です。
日常生活で使用する調理油は、貯蔵時に空気中の酸素、湿気、熱、日光、微生物由来の酵素などの作用により、不快なにおいが発生し、変色します。このような油脂の劣化は、自動酸化と呼ばれ、過酸化脂質が生成するだけでなく、連鎖反応でそのほかの有害な成分も生成しています。
過酸化脂質は、中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化されたものです。酸化された脂質の総称で、老化や動脈硬化などを引き起こす体にとって有毒な物質です。
体内で中性脂肪から活性酸素により酸化した過酸化脂質は、細胞の中で新たに活性酸素などを誘発し、更なる過酸化脂質を発生させてしまいます。血管内にたまったLDL(Low Density Lipoprotein 低比重リポタンパク質)コレステロールが酸化して発生した過酸化脂質は、さまざまな疾患の原因となります。LDLコレステロールは、体内にある脂質のひとつで、一般に悪玉コレステロールと呼ばれています。コレステロールは脂質なので、血液中に流れるために、たんぱく質やリン脂質で覆われたリポタンパク質という粒子に変化します。このリポタンパク質のひとつがLDLで、肝臓で作られたコレステロールを身体全体へ運ぶ役割を担っています。
数値が通常の範囲であれば問題ありませんが、血液中のLDLコレステロールが増えすぎると血管壁にたまり、活性酸素の影響で酸化することで、過酸化脂質となります。蓄積していくと血管が細くなり、血栓ができて動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を誘発させます。LDLコレステロールの正常範囲は、140mg/dl未満です。140mg/dl以上の場合は高LDLコレステロール血症となります。
同様に摂取した食べ物に含まれるLDLコレステロールも、同様に活性酸素の作用で、過酸化脂質となります。活性酸素は体内で生成しても、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素や抗酸化物質により、除去されるのに対し、過酸化脂質は腎臓から排出されず、いつまでも体中にとどまり、徐々に細胞内に侵入することで、細胞を破壊します。そのため、活性酸素の体での害は、活性酸素そのものによるよりも、むしろ活性酸素が脂質と結合してできた過酸化脂質が害を及ぼしていると考えられています。
なお、食べ物から摂るコレステロール量は1日約0.3〜0.5gで、体内で合成される1日約1.0〜1.5gの約3分の1にすぎません。常に一定量のコレステロールが必要なため、体はコレステロールを合成するとともに、食事で摂り過ぎたときには、合成をコントロールしています。 また、皮脂が酸化してできた過酸化脂質は、皮膚の細胞を傷つけ、色素沈着やシワの原因をつくるといわれています。
高コレステロール食品や動物性脂肪の摂り過ぎに注意するとともに、食物繊維や青魚などのエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む食事でコレステロールを抑える必要があります。また、LDLコレステロールの酸化を防ぐためには、ビタミンCやビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどの抗酸化作用の強い栄養素を多く含む食品をとることが効果的です。
特に不飽和脂肪酸を含む油脂は、貯蔵時に空気中の酸素、湿気、熱、日光、微生物由来の酵素などの作用により、不快なにおいが発生し、変色します。このような油脂の劣化は、自動酸化と呼ばれます。
油脂の自動酸化により生じた過酸化脂質は、熱や鉄イオンなどによって、不安定で反応しやすい性質を持つフリーラジカルとなります。このフリーラジカルがさらなるフリーラジカルを生み出す連鎖反応を引き起こします。
油脂の酸化は、日常生活において天ぷらや揚げ物などに使用される調理油でも経験されている通り、高温かつ酸素存在下で使用されるため、当然酸化されやすくなります。最初は透明でさらっとしている油でも、調理時間が長くなるにつれ色が濃く、粘性が高まり、揚げ物の油切れも悪くなり、次第に泡立ちも見られるようになります。この時の油は極度に酸化されており、有害な過酸化脂質が大量に含まれているだけではなく、連鎖反応でそのほかの有害な成分も生成しています。
油脂の有害な自動酸化を防止するために、日常的に使用する調理油は、熱や光、酸素を遮断する密閉容器に入れ、発生するフリーラジカルを除去するために抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンEやローズマリー抽出物などが加えられています。
過酸化脂質は、中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化されたものです。酸化された脂質の総称で、老化や動脈硬化などを引き起こす体にとって有毒な物質です。
体内で中性脂肪から活性酸素により酸化した過酸化脂質は、細胞の中で新たに活性酸素などを誘発し、更なる過酸化脂質を発生させてしまいます。血管内にたまったLDL(Low Density Lipoprotein 低比重リポタンパク質)コレステロールが酸化して発生した過酸化脂質は、さまざまな疾患の原因となります。LDLコレステロールは、体内にある脂質のひとつで、一般に悪玉コレステロールと呼ばれています。
摂取した食べ物に含まれるLDLコレステロールも、活性酸素の作用で、過酸化脂質となります。活性酸素は体内で生成しても、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素や抗酸化物質により、除去されるのに対し、過酸化脂質は腎臓から排出されず、いつまでも体中にとどまり、徐々に細胞内に侵入することで、細胞を破壊します。そのため、活性酸素の体での害は、活性酸素そのものによるよりも、むしろ活性酸素が脂質と結合してできた過酸化脂質が害を及ぼしていると考えられています。
過酸化脂質を防ぐためには、高コレステロール食品や動物性脂肪の摂り過ぎに注意するとともに、食物繊維や青魚などのエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む食事でコレステロールを抑える必要があります。また、LDLコレステロールの酸化を防ぐためには、ビタミンCやビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどの抗酸化作用の強い栄養素を多く含む食品をとることが効果的です。
日常生活で使用する調理油は、貯蔵時に空気中の酸素、湿気、熱、日光、微生物由来の酵素などの作用により、不快なにおいが発生し、変色します。このような油脂の劣化は、自動酸化と呼ばれ、過酸化脂質が生成するだけでなく、連鎖反応でそのほかの有害な成分も生成しています。
2020年12月12日
【活性酸素を除去する】スーパーオキシドジスムターゼ
スーパーオキシドジスムターゼ (Superoxide dismutase/SOD) は、細胞内に発生したスーパーオキシド、つまり活性酸素を分解除去する酵素です。略称は SODです。酸素分子に1つの電子が加わったスーパーオキシド(O₂⁻)は、その酸化作用による殺菌作用など生体防御機構に関与していますが、一方で大量に生成すると細胞傷害の原因となります。SODはスーパーオキシドの酸素と過酸化水素への反応( 2O₂⁻ + 2H⁺→O₂+H₂O₂)を触媒します。 SODはスーパーオキシドを除去し、活性酸素による障害から細胞を保護します。
活性酸素には、スーパーオキシド(O₂⁻)のほかに過酸化水素(H₂O₂)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一酸化窒素(NO)ペルオキシニトライト(ONOO⁻)などの酸化窒素化合物があります。スーパーオキシドは、食べ物がエネルギーに変換されるときに生成します。活性酸素は、不安定で酸化作用が強く、他の分子と反応します。活性酸素が脂質を攻撃すると、連鎖的に脂質が酸化され、さまざまな疾患や老化などの原因となります。
活性酸素を除去するSODの主成分は、たんぱく質となり、活性中心にはマンガン、銅、亜鉛、鉄などのミネラルが存在します。したがって、良質なたんぱく質やミネラル分を含むバランスのとれた食事が、食生活ででき得る活性酸素対策となります。
スーパーオキシドジスムターゼ (Superoxide dismutase/SOD) は、細胞内に発生したスーパーオキシド、つまり活性酸素を分解除去する酵素です。1969年にMcCordとFridovichによって発見されました。略称は SODです。酸素分子に1つの電子が加わったスーパーオキシド(O₂⁻)は、その酸化作用による殺菌作用など生体防御機構に関与していますが、一方で大量に生成すると細胞傷害の原因となります。
SODはスーパーオキシドの酸素と過酸化水素への反応( 2O₂⁻ + 2H⁺→O₂+H₂O₂)を触媒します。 SODはスーパーオキシドを除去し、活性酸素による障害から細胞を保護します。SODは大気レベルの濃度の酸素にさらされることによって死滅する偏性嫌気性細菌や乳酸菌には存在しませんが、酸素存在下でも生育できる通性嫌気性細菌や植物を含むすべての好気性生物が有しています。なお、乳酸菌では多量に含まれるマンガン(Mn)がSOD様の作用をしています。酵素の作用を受けて化学反応を起こす物質が結合し、化学反応が進む酵素の活性中心という部位に存在する金属により、銅亜鉛SOD、鉄SOD 、マンガンSODがあり、これらは作用が同じで構成するたんぱく質の構造が異なる酵素です。
体内で使用される酸素の95%以上は、細胞中のエネルギーを産生するミトコンドリアで消費されるため、ミトコンドリアは活性酸素の生成の多い構造体です。マンガンSODは、ミトコンドリア内で生成した活性酸素の除去を行っています。
酸素消費量に対するSODの活性の強さと寿命には、相関があると言われています。体重に対して消費する酸素の量が多い動物種ほど寿命が短くなるはずのところ、SODが活性酸素を除去することで寿命を延ばしているとするものであり、動物の中でも霊長類の人は、SOD活性の高さが際立ち、人が長寿である要因のひとつとされています。
活性酸素には、スーパーオキシド(O₂⁻)のほかに過酸化水素(H₂O₂)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一酸化窒素(NO)ペルオキシニトライト(ONOO⁻)などの酸化窒素化合物があります。スーパーオキシドは、食べ物がエネルギーに変換されるときに生成します。過酸化水素は、スーパーオキシドがSODによって除去されると生成します。過酸化水素は消毒作用があり、消毒薬のオキシドールとも呼ばれ、傷口の殺菌に使用されます。ヒドロキシラジカルは、過酸化水素と体内の鉄などの金属イオンが反応した際に生成します。ヒドロキシラジカルは、酸化力が強く、生活習慣病や老化の引き金となる可能性が高いといわれています。
活性酸素は、不安定で酸化作用が強く、他の分子と反応します。活性酸素が脂質を攻撃すると、連鎖的に脂質が酸化され、動脈硬化の原因となる過酸化脂質が増加し、動脈硬化、心筋梗塞、腎臓病などさまざまな疾患の引き金になります。活性酸素によって、核酸も損傷し、老化などの原因となる変異を起こします。同様にたんぱく質も損傷します。
紫外線やある種の化学物質、酸化した油脂、ストレスなども、体内で活性酸素を増やすことが知られています。
疲労を感じる原因として、以前は疲労物質の乳酸が蓄積することによって引き起こされるとされていましたが、昨今の研究では、乳酸ではなく活性酸素が原因であることが報告されています。
活性酸素の標的のひとつは細胞膜です。細胞のひとつひとつは細胞膜で覆われ、形状を保っています。細胞膜は、細胞に必要な酸素や栄養素を選択的に取り込む一方、不要な物質を細胞外に排出する働きもあります。
細胞膜はリン脂質で構成され、リン脂質はリン酸と脂肪酸が結合したもので、この脂肪酸の標的となります。脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があり、飽和脂肪酸は主に動物性の脂肪に多く含まれ、バターなどのように常温で固体の状態です。一方、不飽和脂肪酸は植物性の脂肪や魚に含まれる脂肪で、常温では液体の状態です。細胞膜は、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸が存在しています。不飽和脂肪酸は、炭素が2重結合で結び付いている脂質で、この2重結合の部分を活性酸素が結合し、酸化されます。
核膜も同様に酸化され、過酸化脂質となります。過酸化脂質は、連鎖的に酸化を進行させ、細胞などを破壊します。
細胞中のミトコンドリアは、エネルギーを産生するため、酸素の95%以上を消費することから、活性酸素に酸化されやすい構造体です。
酸素は、血液によって全身に運ばれます。そのため、全身で生成する活性酸素によって、あらゆる器官が酸化により破壊され、病気を引き起こすことになります。一説によると活性酸素が引き金となっている病気は、全体の90%ともいわれ、3大生活習慣病も共通して活性酸素が深く関わっていることが報告されています。
活性酸素を除去するSODの主成分は、たんぱく質となり、活性中心にはマンガン、銅、亜鉛、鉄などのミネラルが存在します。したがって、良質なたんぱく質やミネラル分を含むバランスのとれた食事が、食生活ででき得る活性酸素対策となります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなども抗酸化作用を有することから、これらを含む野菜や果物をはじめとした食材も活性酸素の働きを抑える効果が認められます。
また、紫外線をできるだけ避けること、ストレスを減らすこと、十分な睡眠をとることも、活性酸素の生成抑制、除去に寄与します。
マルチビタミン&ミネラル ビタナチュラ
スーパーオキシドジスムターゼ (Superoxide dismutase/SOD) は、細胞内に発生したスーパーオキシド、つまり活性酸素を分解除去する酵素です。略称は SODです。酸素分子に1つの電子が加わったスーパーオキシド(O₂⁻)は、その酸化作用による殺菌作用など生体防御機構に関与していますが、一方で大量に生成すると細胞傷害の原因となります。SODはスーパーオキシドの酸素と過酸化水素への反応( 2O₂⁻ + 2H⁺→O₂+H₂O₂)を触媒します。 SODはスーパーオキシドを除去し、活性酸素による障害から細胞を保護します。
活性酸素には、スーパーオキシド(O₂⁻)のほかに過酸化水素(H₂O₂)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一酸化窒素(NO)ペルオキシニトライト(ONOO⁻)などの酸化窒素化合物があります。スーパーオキシドは、食べ物がエネルギーに変換されるときに生成します。活性酸素は、不安定で酸化作用が強く、他の分子と反応します。活性酸素が脂質を攻撃すると、連鎖的に脂質が酸化され、さまざまな疾患や老化などの原因となります。
活性酸素を除去するSODの主成分は、たんぱく質となり、活性中心にはマンガン、銅、亜鉛、鉄などのミネラルが存在します。したがって、良質なたんぱく質やミネラル分を含むバランスのとれた食事が、食生活ででき得る活性酸素対策となります。
2020年12月11日
【すっきり】便秘の原因と食生活で解消する方法
どうして便秘になるのでしょうか。便秘を招く最大の原因は、不規則な食生活です。まず自身の食生活を振り返って、心あたりを洗い出し、見直すことが便秘解消の第一歩です。
便秘で悩んでいる人の中には、便秘になって当たり前という食生活を送っている人が少なくありません。食事を抜くこと、食事時間がバラバラになってしまうことは、不規則な食生活につながり、体のリズムが乱れてしまうことから、腸の働きが悪化し、便秘を招くことになります。偏った食事も便秘を招く大きな原因となります。特に食物繊維の不足、極端な少食、水分不足は便秘を促します。精神的なことが原因で便秘が起こることもあります。これは腸の働きが、自律神経に支配されているからです。女性の場合、ホルモンが腸の運動に影響を及ぼすことがあります。
便秘の場合、十分な食物繊維をとるように心がけて、便の量を多くし、朝食には時間をかけ、排便習慣をつけることが、食事療法の基本になります。そのため、少なくとも食物繊維として1日30gを摂取することが理想です。
ごぼうやイモといった根菜、ホウレンソウやモロヘイヤといった葉菜などの野菜は、食物繊維をはじめ多くの栄養素を含んでいます。食物繊維は、消化されずそのまま腸に届いて便として排出され、その際に老廃物も一緒に出してくれます。野菜を積極的に取ることで、便秘の改善が期待できます。
腸内には100兆個もの腸内細菌が棲みつき、体にいい影響をもたらす善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌の3つのタイプに分けられます。食物繊維を分解する善玉菌は、このときに酸を生成し、悪玉菌の増殖の抑制や腸のぜん動運動を促してスムーズな排泄を助け、腸内環境を整える役割があります。腸内環境を整えるには、食物繊維とともにヨーグルトなどの発酵食品を摂取することです。発酵食品に含まれる乳酸菌は、生きていなくとも、善玉菌の餌となります。
どうして便秘になるのでしょうか。便秘を招く最大の原因は、不規則な食生活です。まず自身の食生活を振り返って、心あたりを洗い出し、見直すことが便秘解消の第一歩です。
便秘で悩んでいる人の中には、便秘になって当たり前という食生活を送っている人が少なくありません。毎日忙しい、どうしてもやせたい、食事をつくるのが面倒などの理由で、食事を抜いてしまうことや食事時間がバラバラになると、どうしても不規則な食生活となり、体のリズムが乱れてしまうことから、腸の働きが悪化し、便秘を招くことになります。
朝食を抜くことは、便秘を引き起こす原因のひとつとしてあげられます。便意が最も起こりやすい時間帯は、朝食を食べた後です。寝ている間に休んでいた胃に食べ物が入ると、それが刺激となって、腸が活発に働き始め、排泄活動がはじまります。そのため、朝食を抜いてしまうと、排便を促す機能が正常に作用しないことから、腸が働かず便意が催されません。このような状態が長く続くと、次第に便意を促す自律神経の働きが鈍ってくることから、便意を感じにくい状況に陥り、便秘が慢性化してしまいます。
逆に食べすぎや飲みすぎによっても、便秘が引き起こされます。食べ過ぎて胃もたれや下痢になること、二日酔いで食欲がなく何も食べなければ、結局のところ、食生活が不規則に化し、腸の働きが乱れることになります。
偏った食事も便秘を招く大きな原因となります。特に食物繊維の不足、極端な少食、水分不足は便秘を促します。水分が不足しているところに、腸内でさらに水分が吸収されると便が硬くなり、便秘になるという悪循環を生み出されることになります。
精神的なことが原因で便秘が起こることもあります。胃腸は、わずかな感情の動きにも大きく影響されます。これは腸の働きが、自律神経に支配されているからです。自律神経は、感情と密接に結びついており、自律神経が乱れると腸の働きも同様に乱れ、便秘につながります。特に人間関係や仕事などの精神的なストレスなどが生じると、自律神経が乱れ便秘を招くことになります。 女性の場合、ホルモンが腸の運動に影響を及ぼすことがあります。黄体ホルモンは、大腸のぜん動運動を抑制する作用があります。そのため、黄体ホルモンが活発になる時期は、便秘になりやすくなります。さらに女性の場合は、一般的に男性よりも筋肉量が少ないため、胃や内臓が下垂している人が多く、大腸のぜん動運動が弱くなりがちです。また、無理な食事制限で食事量を控えることも、便秘になりやすくなります。
便秘の場合、十分な食物繊維をとるように心がけて、便の量を多くし、朝食には時間をかけ、排便習慣をつけることが、食事療法の基本になります。そのため、少なくとも食物繊維として1日30gを摂取することが理想です。
食物繊維としては、加熱調理した野菜の方が、生の野菜よりも腸管への刺激が少なく、加熱調理することで容積が小さくなるので、その分だけ多く摂取することが容易となります。
ごぼうやイモといった根菜、ホウレンソウやモロヘイヤといった葉菜などの野菜は、食物繊維をはじめ多くの栄養素を含んでいます。食物繊維は、消化されずそのまま腸に届いて便として排出されることから、過剰に摂取しても体に吸収されず、蓄積することもありません。野菜を積極的に取ることで、便秘の改善、ビタミンなどの栄養素を得ることができます。また、玄米や麦飯、おから、バナナなどの果物も食物繊維を含んでいる食材です。
そもそも食物繊維とは、人の消化酵素で分解されない多糖類で、水に溶けるものと溶けないものとがあります。水に溶けないものとして、植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分であるセルロース、植物の細胞壁でセルロースと共に複合体を形成しているヘミセルロースなどがあります。水に溶けるものとしては、リンゴやレモンの皮をはじめとした植物の細胞壁などに含まれる複合多糖類のペクチン、テングサやオゴノリなどの紅藻類の粘液質を凍結乾燥させた寒天、こんにゃくの主成分であるグルコマンナン、グアー豆から得られるグアガム、植物の細胞壁を構成するリグニン、カニやエビなどの甲殻類の殻に存在する低分子のキチンなどです。
食物繊維は保水性だけでなく、食べ物の嵩を増やす作用があります。食物繊維を適量摂取することで、食べ物の大腸通過時間は短くなります。一方、食物繊維の量が少なく、食べ物の量も少ないと、大腸内にとどまる時間は長くなり、便秘などの問題が起こる原因となります。日本人の平均的な食物繊維の摂取量は、1日約10g程度とされています。食物繊維をできるだけ多く摂取することが望まれます。
食物繊維はほかの栄養素と違い、腸で吸収されないため、そのまま便となります。すなわち、便の量を増やして排便をスムーズにし、老廃物も一緒に出してくれます。
また、腸内には100兆個もの腸内細菌が棲みつき、腸内フローラという集団を形成しています。腸内フローラを構成する細菌は、体にいい影響をもたらす善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌の3つのタイプに分けられます。食物繊維を分解する善玉菌は、このときに酸を生成し、悪玉菌の増殖の抑制や腸のぜん動運動を促してスムーズな排泄を助け、腸内環境を整える役割があります。
腸内環境を整えるには、食物繊維とともにヨーグルトなどの発酵食品を摂取することです。発酵食品に含まれる乳酸菌は、生きていなくとも、善玉菌の餌となります。
便秘を改善する食物繊維や乳酸菌を配合した食品も市販されています。
どうして便秘になるのでしょうか。便秘を招く最大の原因は、不規則な食生活です。まず自身の食生活を振り返って、心あたりを洗い出し、見直すことが便秘解消の第一歩です。
便秘で悩んでいる人の中には、便秘になって当たり前という食生活を送っている人が少なくありません。食事を抜くこと、食事時間がバラバラになってしまうことは、不規則な食生活につながり、体のリズムが乱れてしまうことから、腸の働きが悪化し、便秘を招くことになります。偏った食事も便秘を招く大きな原因となります。特に食物繊維の不足、極端な少食、水分不足は便秘を促します。精神的なことが原因で便秘が起こることもあります。これは腸の働きが、自律神経に支配されているからです。女性の場合、ホルモンが腸の運動に影響を及ぼすことがあります。
2020年12月10日
【裏切り行為】食品偽装の背景と事例
食品はほかの製品と比較して、表示が極めて重要です。アレルギーや消費期限、賞味期限はもちろんですが、食品は基本的にスーパーやコンビニで消費者が直接手にとって、この表示をもとに短時間で選択されて購入されています。食品の表示は、限られたスペースに、さまざまな情報を記載し、それでいて消費者が手に取って見たときに、すぐわかるような簡潔さも求められています。食品メーカーなどの製造業者と消費者をつなぐ重要なコミュニケーションのツールが、食品の表示です。
食品の表示の偽装を大きくわけると、ひとつは産地や銘柄の偽装です。消費者が製品を買う場合、産地や銘柄といったブランドがおおきなウェイトを占めています。もうひとつは、期限表示の偽装です。消費者が自ら製品を選択する際に必要となる基本的な情報であり、この偽装は表示そのものの信頼を揺るがしかねません。最後は、ホテルや飲食店をはじめとした外食産業の偽装です。安価な食材を高級食材として、提供していました。
表示などが偽装されるということは、起こってはならないことです。食品表示偽装は、消費者の信頼を裏切ることであり、消費者の視点からは食品メーカーなどの製造業者からの限られた情報を得られないばかりか、判断する基準を失いどうすることもできなくなってしまいます。偽装は人を意図的に騙しているということであり、食品は誰しもが必ず毎日口にするため、多くの人に影響が出ることになります。
食品はほかの製品と比較して、表示が極めて重要です。アレルギーや消費期限、賞味期限はもちろんですが、食品は基本的にスーパーやコンビニで消費者が直接手にとって、この表示をもとに短時間で選択されて購入されています。一方、耐久消費財は対面販売で、パンフレットなどの内容を十分に検討した上で購入されます。両者の差から、食品の表示の重要性は明らかです。食品の表示は、限られたスペースに、さまざまな情報を記載し、それでいて消費者が手に取って見たときに、すぐわかるような簡潔さも求められています。食品メーカーなどの製造業者と消費者をつなぐ重要なコミュニケーションのツールが、食品の表示です。
そのため、この表示が偽装されるということは、起こってはならないことです。食品表示偽装は、消費者の信頼を裏切ることであり、消費者の視点からは食品メーカーなどの製造業者からの限られた情報を得られないばかりか、判断する基準を失いどうすることもできなくなってしまいます。偽装は人を意図的に騙しているということであり、食品は誰しもが必ず毎日口にするため、多くの人に影響が出ることになります。
残念なことに食品の偽装は以前からあり、今もなお繰り返されています。ここ数十年でも、いくつかの事件が起こりました。食肉メーカーなどの牛肉偽装、菓子メーカーの消費期限偽装、穀類卸の銘柄及び産地偽装、飲食店の賞味期限切れ製品販売や料理の使いまわし、大規模小売店の輸入元改ざん、ホテルなどでの食材偽装などです。
食品の表示の偽装を大きくわけると、ひとつは産地や銘柄の偽装です。消費者が製品を買う場合、産地や銘柄といったブランドがおおきなウェイトを占めています。この偽装は、消費者だけでなく生産者の信頼をも踏みにじることになります。また、消費者は少し高い値段でも、安全でいいものを買いたいという意識があるので、偽装により安価なものを高く売り、利益を上げようとする企業の意図が垣間見えます。さらに消費者は情報を十分に持っていないことが多いことから、偽装してもバレないという考えに至ってしまうかもしれません。もうひとつは、期限表示の偽装です。消費者が自ら製品を選択する際に必要となる基本的な情報であり、この偽装は表示そのものの信頼を揺るがしかねません。最後は、ホテルや飲食店をはじめとした外食産業の偽装です。安価な食材を高級食材として、提供していました。スーパーやコンビニで買う製品の表示偽装とは異なりますが、消費者の期待を裏切ると共に今まで築き上げたブランドを大きく毀損する行為です。
ある食品メーカーの牛肉偽装は、当時、牛の病気のひとつでプリオンと呼ばれる病原体に牛が感染し、牛の脳の組織がスポンジ状になって、異常行動などを示し、死亡する牛海綿状脳症(BSE)に対し、消費者の不安解消のために、牛の全頭検査の実施やそれ以前に解体された国産の牛を国が買い取るという制度を利用したものです。非発生国であるオーストラリア産の牛肉を偽装することで国産の牛肉とし、国に買い取らせました。この事件を契機に法改正なされ、最大で50万円の罰金が、個人に対しては100万円以下、法人に対しては1億円にまで引き上げられました。
ある食肉卸による偽装は、牛肉のミンチに豚肉や内臓を混ぜたものを牛肉のミンチとして販売していたという事例です。このときは、元幹部が内部告発をしていました。
複数のホテルや飲食店の食材偽装としては、バナエイエビを高級食材である芝エビとして提供していたことなどがあげられます。このなかには有名なホテルやミシュランの1つ星を獲得している店も含まれています。
メーカーや卸のモラルが問われることが多い一方、偽装を招く要因はそれだけではありません。
スーパーやコンビニなどの小売店では、消費者からの苦情を恐れ、メーカーや卸に賞味期限を極端に短く設定させることがあります。 賞味期限が近づけば、その食品をメーカーに返品することでリスク回避を図ります。 メーカーや卸に圧力をかけて、理不尽な納入期限を設定すること、 欠品した場合はその売り上げを補償させることもあります。
また、多くの消費者は、スーパーやコンビニなどに安価で新鮮な食品を望んでいます。一消費者としては当然の要求ですが、スーパーやコンビニへの無言の圧力となっているかもしれません。
そのほかに、食品は消費者に届くまで、たくさんの業者が間に入り、複雑な流通経路となって、生産者の顔が見えないことも要因と考えられます。
食品はほかの製品と比較して、表示が極めて重要です。アレルギーや消費期限、賞味期限はもちろんですが、食品は基本的にスーパーやコンビニで消費者が直接手にとって、この表示をもとに短時間で選択されて購入されています。食品の表示は、限られたスペースに、さまざまな情報を記載し、それでいて消費者が手に取って見たときに、すぐわかるような簡潔さも求められています。食品メーカーなどの製造業者と消費者をつなぐ重要なコミュニケーションのツールが、食品の表示です。
食品の表示の偽装を大きくわけると、ひとつは産地や銘柄の偽装です。消費者が製品を買う場合、産地や銘柄といったブランドがおおきなウェイトを占めています。もうひとつは、期限表示の偽装です。消費者が自ら製品を選択する際に必要となる基本的な情報であり、この偽装は表示そのものの信頼を揺るがしかねません。最後は、ホテルや飲食店をはじめとした外食産業の偽装です。安価な食材を高級食材として、提供していました。
表示などが偽装されるということは、起こってはならないことです。食品表示偽装は、消費者の信頼を裏切ることであり、消費者の視点からは食品メーカーなどの製造業者からの限られた情報を得られないばかりか、判断する基準を失いどうすることもできなくなってしまいます。偽装は人を意図的に騙しているということであり、食品は誰しもが必ず毎日口にするため、多くの人に影響が出ることになります。