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2021年11月01日

【ネタバレあり】『絶対博士コーリッシュ』を語る・ベルマーチノート編

久し振りに、昼間から今日は。
よくよく見てみれば2021年10月は丸々更新していなかった、『暇人の独り言』管理人です。





相変わらずメルマガという奴をやってはいるもののいまだ成果はなく、続行するために経費をケチる計画を練っています。
何せ、財布の中身が危ないので。



金持ちになる自分なんて昔から想像できなかったけれど、ここまで困窮する自分というのはもっと予想できなかった…










…さて、本題です。
今回は『絶対博士コーリッシュ』の第2部であるベルマーチノート編のキャラクターについて語ります。



あろうことか、コーリッシュの記事としては前回の「『絶対博士コーリッシュ』を語る・全能科学(オールマイティ)編」から半年以上間が空いてしまいましたが、ともあれ久し振りの更新が少しでも楽しんで貰えますように。





もちろんネタバレ全開なので、閲覧の際は御注意下さい。















ベルマーチ



自らの英知を記したメモ帳「ベルマーチノート」を世界一のラボに託すとして、後継者を決める大会を開催した老人です。
フルネームはラビット・ベルマーチだそうな。



「ありとあらゆる科学を網羅し極めた超天才」「科学者の頂点に立つ男」との評判も伊達ではなく、限りなく天然物に近い人工ダイヤや、元の部屋とは別物の世界が広がる亜空間を作り出すなど高度な技術の持ち主で、若いながらに博識な主人公のコーリッシュをも度々驚かせています。
亜空間って「科学」かいな





…と、科学者としては超一流であるものの、助手から幾度か「大人げない」と言われる通り、精神面は幼稚。
自らのノートを「くだらん」「そんなモノなくても答えに辿り着く」と断じたコーリッシュには、「ワシに敵わぬと思ったか それともみみっちいプライドか」等と、結構に低劣な絡みようをしています。


(コーリッシュの助手であり、日頃温厚な嵐野まどか(あらしの まどか)から「コーリッシュは自分に自信があるんです! 恐れとか安いプライドなんかじゃない!バカにしないで!」と怒られた)





さらに、11人いる娘の内、自身と喧嘩別れした後に事故死した末娘だけは子供を産んでいた…
つまり、大会を開くまでも無く最初から後継者が決まっていたのを知らなかったという、間抜けな部分もありました。



でもこの辺は、生身の人間に似つかわしい隙と言うべきか。










大会においては、南極横断巨大な新種の食虫植物退治人工太陽停止実験といった危険な課題を数々出しており、コーリッシュから何度も「イカれてる」と言われる事に。



しかし一方、南極で参加者が行方不明になった際は「みんな覚悟の上 万が一も含めての争奪戦…とはいえ責任はワシにある」と重く受け止め捜索をさせたり、「アザラシと友達になる」という課題で強引な捕獲とムチでの調教に及んでいたチームには躊躇なく失格を言い渡すなど、根っから良識を失ってはいないようです。





また、コーリッシュに「神の御加護を(ハレルヤ)!」、自らの孫の窮地に「神よ…!!」といった台詞を発している場面もあり、コテコテの科学者ながら唯物主義者ではない可能性が見て取れます。


結構珍しいかも?










初登場時から病で余命僅かと語られており、実際物語が進むにつれて吐血したり点滴をしたりと今にも死にそうになっていましたが、最終話では16時間に及ぶ手術が奇跡的に成功し生き延びたことが描かれました。
しぶとい野郎だ










ちなみにベルマーチノートの正体は単なるメモ帳ではなく、人類史上初の「時空間を渡る装置」。
周囲の物質を際限なく粒子化する事で「時」という次元を渡り過去への移動をも可能にする、ベルマーチの発明品でした。



「時空間侵食聖書」とも表記されるこのベルマーチノートは、紆余曲折あって後述のとある人物に奪われ、劇中最後にして最大の危険を引き起こしたのですが…





…本当、科学って何だろう。















ルート



√+a(ルートプラスアルファ)として、ベルマーチノート争奪戦に参加した科学者です。
コーリッシュから「オレと同じくらいか」と見立てられる程の若さながら、南極で局地的に低気圧を起こしたり、特殊な油と電圧を合わせて激流を弾き返すバリアーを作ったりと、周囲を仰天させる技を幾つも見せています。
ただし前者は手段不明





口数が少ない上、ベルマーチノートについて「…欲しくない… 欲しくないからノートが欲しいだけだ…」と語るなど、たまに喋れば不可解な台詞が飛び出すばかり。



他の科学者達の噂を数多く耳に入れていたシャルカンからも「薄気味悪いガキ」としか言われなかったり、最終試験直前になって不穏な動きを見せる科学者が助手であったと分かるなど、素性を掴ませない人物でした。





しかしその正体も、人工太陽を停止してベルマーチノートを手にするという決勝試験にて、ついに判明。



人工オゾン層を作り出しても危険な状況で、尚ノートを手中に収めようとするルートの口からは、「おじいさんの大事なノートは… ぼくが守る…!」という台詞が発されました。





このルートこそ、ベルマーチの孫だったわけです。





「欲しくないからノートが欲しい」というのは、「悪人の手に渡って欲しくないから 自分が手に入れたい」といった意味合いだったのでしょう。


内容に興味があったか否かは、明確にはされませんでしたが。










人工太陽停止実験での勝利はコーリッシュに奪われたものの、「ベルマーチに勝って絶対科学が世界一のラボだと証明する」が出場の動機だった彼の意向により、祖父のノートは自らが貰いました。



ところが、涙ぐみながらコーリッシュに謝意を述べていたところ、背後にいた助手から空気砲をぶち込まれて気絶する羽目に。
不憫な…










その後は最終話にて少し登場し、長時間の手術の末に回復したベルマーチに寄り添う様子が描かれました。
しかし、付きっ切りで看病していたらしく、報道陣から祖父の後継者になった気持ちについて問われると「…とても…眠い…」としか答えられず。



ベルマーチから現場で「心配な後継者じゃのう…」と評されたほか、ニュースを見ていたコーリッシュからも「相変わらずだな」とコメントされているように、その先行きには期待と不安が交錯します。



まあ、マイペースなのも悪くないよね。








余談ですが、コーリッシュに全く気付かれぬ内に彼の所有する漫画をくすねていた描写があります。
案外手癖は悪い模様。





また、第8巻のキャラクターファイルによるとイギリスの学校の寄宿舎におり、教室の隅が定位置で、ウサギ飼育係でもあるそうな。
作者も「描きたかった」と記していますが、読者としても見てみたかった気がします。















マリー・ヴィエルジュ



祖母のバルバラ・ヴィエルジュと組み、ラボ・デルタウィッチとしてベルマーチノート争奪戦に参加した少女です。



扱う科学は、中世ヨーロッパから続く「バロック科学」。
絶対科学チームのリタ・ロザの台詞から、魔女や魔法使いといったオカルトのイメージが強いものの、天文学や薬学・数理学に優れている科学と見受けられます。


事実、マリーは13歳という若さにして薬の調合の手際が見事であり、大学や研究所からのオファーも絶えないのだとか。





先祖代々続く「魔女」の家系に生まれただけあり、バロック科学を「真の科学」と声高に主張する程誇りに思っているものの、世間からは科学者と認められてはおらず、祖母曰く「嫌な目にあいすぎた」経験があるようです。

(母親もバロック科学を認められなかった事から気を病み、自ら命を絶ったらしい)





そんな来歴が影響しているのか、口も悪ければ態度もよろしくなく、周囲への不信感も強いという困った人物に。
絶対科学チームや、巨漢の医者アルクマイオン2(通称アルク)と徒歩で南極を移動している最中には、コーリッシュと口論しまくりました。





しかし、コーリッシュやアルクがエサを取っていないアザラシを保護するべく吹雪の中へ出掛けると同行したり、アルクが行方を眩ませた際は「あたしがちゃんと見ていれば…」と悔やんだり、事後は絶望的だと分かっていながらアルクの帰還を前提とした話をするなど、根底には優しさも持ち合わせています。


要するにひねくれ者なだけか。










長らくベルマーチノート争奪戦で生き残っていたものの、最終試験を前にしてルートと彼の助手に敗れ、脱落。
その後は最終回にて、絶対科学ラボへの近況報告で1コマだけ登場し、祖母の猛特訓を受けていると明かされました。
「今度対決する時は負けないからな コーリッシュ!」と、雪辱戦への想いを語っています。





作者が御存命であったなら、絶対科学チームとの再会や直接対決も描いてほしかったかも…




















バルバラ・ヴィエルジュ



ラボ・デルタウィッチの構成員で、マリーの祖母です。
孫からは「グランマ(おばあちゃん)」と呼ばれています。



落ち着いていて渋さもあるなかなか格好良い老婆ですが、マリーの付添人的な色合いが強め。
孫についての解説を多く話した一方、自身がどんな科学者なのかは本人も周囲も余り喋っておらず、ルートとその助手に敗れた場面でもマリーと異なり姿が描かれていないといった影の薄さもあって、実は語り所に困るキャラクターであったりします。



シャルカンによれば「白銀の銃の魔女」と呼ばれているらしく、実際巨大食虫植物の退治では手持ちの銃を巧みに扱っていたものの、こちらも詳細は不明です。










劇中明確に描写されたところだと、目を引かれるのはその体力。
66歳という年齢に加え、マリーから「少しは控えろよ」と言われる量のタバコまで嗜んでいながら肉体は頑丈なようで、絶対科学チームの人造人間アーニャが少し疲れた程の長距離ですら、息ひとつ切らしていませんでした。


コーリッシュから「怪物」呼ばわりされるのも頷ける。





また、どういう訳かホウキで空を飛ぶことが可能で、7巻の番外4コマでは争奪戦の会場である東京行きのチケットが取れなかったと騒ぐマリーを乗せて離陸したり、最終話ではそのマリーにも「バロック科学の基本」としてホウキでの飛行を叩き込んでいたりします。



あんた本当に科学者か…?















十文字静(じゅうもんじ せい)


十文字科学研としてベルマーチノート争奪戦に参加した、IQ200の少年です。
構えるラボは小さな町工場ながら、それを世界一大きな工場にしようと夢見て、従兄弟でありチームメイトでもある十文字走太郎(じゅうもんじ そうたろう)と努力を重ねています。





絵に描いたような美形の上、専門であるメカの設計・開発以外の知識も豊富というニクい奴。
ところが性格は好戦的で、コーリッシュに何かと絡んでは彼を苛立たせています。


爽やかそうに見えて、チンピラ気質?










絶対科学チームとは、復元恐竜が住まう亜空間にて、彼らを制御する信号受信機の壊れた「はぐれ恐竜」を元通り制御可能にするというお題で対決。
走りながら僅か数分にして改造した携帯電話で骨に違和感を与えてはぐれ恐竜を一時追い払ってのけ、絶対科学チームを上回る技術力を見せつけました。





しかし骨伝導が効いた経験から、他の復元恐竜の受信機で確認した正しい周波数を、これまた骨伝導で送ろうとしたのが失敗。
10個の装置で同時に送ったはぐれ恐竜への信号はノイズと化し、壊れた受信機を直すには至りませんでした。





結局、はぐれ恐竜を制御する受信機を新たに自作し、それをはぐれ恐竜に呑み込ませた絶対科学チームの創造力に敗れると、「たいした創造力だよ ブッ飛びすぎだけど」と、苦笑交じりに敗北を認めます。



退場する前に「握手は勝利のあかつきにってコトにするか」とコーリッシュに語ったものの、実際やったかどうかは不明。










最終話では絶対科学ラボへの近況報告で1コマだけ登場し、アメリカでの短期留学がもうすぐ終わる頃だと語られました。
走太郎と一緒の留学だったようですが、「宇宙飛行士になったらモテっかな!?」と口にする相棒を「アホ」と呆れた様子で一刀両断しているのが、実に平和で面白い光景です。










なお、妙な方向に真面目であり、7巻の番外4コマでは彼女が欲しいとこぼす走太郎に「『作ろう』ぜ」と応じ、「ポケットに彼女」なる製品を爆誕させました。





オタ…





…もとい、凝った趣味の人種には、大いにウケる商品かもしれません。
















十文字走太郎


従兄弟の静と組んだ十文字科学研のメンバーで、「操れないメカはこの世にはない」と言われる機械操作の天才です。
静とは「2人で1人の超天才」であり、NASAとCERNから年中お呼びがかかっているとのこと。





惚れっぽい性分であり、絶対科学チームのまどかに対して間々声を掛けています。


ただし、話題になっていた人工ダイヤに絡めて「嵐野さんの輝きはフローレンス級(ダイヤモンドの最高透明度)さ」といまいちな台詞を喋っているほか、7巻の番外4コマでは静に「お前みたくおモテになりませんので」とも口にしており、恋愛事には縁が薄い模様です。
よう同士





顔つきや服装や口調には喧嘩早そうな印象を受け、惚れっぽい点からは女尊男卑なクチかと先入観を持ちますが、実際はコーリッシュに突っかかる静を止めようとしたり、絶対科学チームの天才ハッカー嶽山朝陽(たけやま あさひ)にも親し気に挨拶するなど、結構に良識的な所を見せています。



絶対科学チームに敗れると「世界一の工場になる道はまだまだ険しいや」と謙虚に受け止めていたのもそうした爽やかで清々しい印象を強めており、美形ながら中身に難ありの相方とは好対照です。


友達になるなら、こっちが良さげ。










最終回では絶対科学ラボへの近況報告で1コマだけ登場し、アメリカでの短期留学がもうすぐ終わると語っていました。
ただ、メールの文章はまどか宛てとなっており、「色々と新しい発明をしたので 隣の黒い博士に勝負しようと伝えておいて」と刻まれている事から、コーリッシュの名は覚えていないようです。


それにしたって、「隣の黒い博士」ってアンタ…










ちなみにキャラクターファイルでは、静共々「朝陽とは良い友達になれそう」とされていました。
同世代だし、自身の高度な技術のせいで敗北した共通点もあるので、頷ける見解です。















シャルカン


相棒のキル・ハーと共に、ラボトリー・Mとして争奪戦に参加した男です。
5つのちょんまげの様に束ねた髪と、ゴーグル型の催眠装置を着けた異様な姿が特徴的。



チーム名のラボトリー・Mは「ラボトリー・マインド」の意で、人間のみならず動物にまで催眠術をかけるのを可能としています。





なかなか驚かせられる技の持ち主ながら、性格は外道そのもの。
「アザラシと友達になる」という課題では捕獲の過程で何匹かを殺めていたり、超音波を弱点とする巨大食虫植物の退治は多数のアザラシに喉が潰れるまで唄わせて達成するなど、作者が「悪一色」と評する振る舞いが尽きませんでした。



普段の催眠術の用途も、マインドコントロールをかけた科学者から知識を盗み取っては政府や大会社や大富豪等に売りつけて金を得るという、下種なもの。
そのショックから自殺者が出る事さえも「商売だ 仕方ないだろォ」の一言で済ませており、リタ・ロザから「本物のカス」と断じられています。









「最も嫌いな熱血タイプの科学者」とするコーリッシュとは、スーパーコンピューターの故障を直して亜空間の天候不順を収めるという課題で対決しました。



人の脳と同じに作られているスーパーコンピューターに催眠術を掛けてクリアしようとしたものの、動きたくとも動けない状態になっていたところを無理矢理動かそうとしたため、拒絶反応として落雷を喰らい、撃沈。



その間に、奇策を以ってスーパーコンピューターの予備の管理システムを作動させたコーリッシュに敗北します。





それでも尚、高値が付くと見込まれるベルマーチノートの入手に執心していましたが、壊れた催眠装置を動かしたせいで自爆して倒れ、物語から退場しました。


生死は明言されていないけれど、息絶えていた方が世間的にありがたい。










一応、「お偉い科学者達」が作った爆弾で両目を吹き飛ばされたという暗い過去を持っているのに、自身もそうした下劣な連中の同類に成り果てたとは、虚しいものがあります。



そういう意味では、全能科学(オールマイティ)にいた生物科学者ビゴーよりも、更に悪質かもしれません。










ちなみに作者にとっては、「台詞がスルスル出てくる」キャラクターだったそうです。
「悪態の方が良く思いつく作者の人格に問題があるという事なのでしょ以下略」ともありましたが、正誤の程は不明。















キル・ハー


ラボトリー・Mのメンバーで、シャルカンの相棒です。
シャルカンによれば「地上に現存する7千種の言語 全ての言葉を熟知したエキスパート」であり、それにはコンピューター言語も含まれています。





…しかし、何故か周囲の人間と同じ言語では一切喋っておらず、常に数式らしき言葉を呟いているのみ。
何を言っているのかは、ルート以上に謎です。


正真正銘、数式を読み上げているだけなのだろうか。





こちらも、「お偉い科学者達」が作った爆弾で頭半分を吹き飛ばされたという暗い過去があるものの、その犯人達にだけ復讐するでもなく、シャルカンとつるんで他人の英知を盗んでは高値で売り飛ばす「商売」に手を染めています。


相方共々、コーリッシュから「胸の中まで喰われたクズ」「ただのチンケな悪党」と酷評の嵐を受けるのも当然である。










上述の経緯でシャルカンと同時に雷を浴びると、彼より一足先に沈み、以後は生死不明となりました。
やった事がやった事なので、こちらもどうか二度と目覚めませんように…










ちなみに第7巻の4コマ漫画では、自身の発言が相棒のシャルカンにも理解されていなかった疑惑が浮上しました。



素直に周りと同じ言葉で喋れば良かったのに…















アルクマイオン2



ベルマーチノート争奪戦の参加者であり、南極横断テストにおいて絶対科学チームやラボ・デルタウィッチと一時期行動を共にした巨漢の医者です。
通称はアルク。



古代の医者「アルクマイオン」の名を冠しているのは伊達ではなく、切り傷の手当て位はお手の物。
また、アザラシを殺めて笑っていたシャルカンに憤ったり、「ベルマーチノートは欲しいけど目の前の命を見殺しにしてまで欲しいとは思わない」と語るなど、正義感も持ち合わせています。




しかし、吹雪の中でアザラシを保護する作業にて、我が身をコーリッシュやマリーの風除けとしている最中に、何時の間にか行方知れずとなりました。















…その後は最終決戦を前にして復帰し、正体の見えないルートの助手だった事を明らかにします。
実は、1つのラボとして参戦すると同時に、ルートが率いる√+a(ルートプラスアルファ)の助手としても登録していたのでした。


(南極で姿をくらませたのも「正体を嗅ぎ付けられると面倒」と、都合の良い頃合いで消えていただけ)





二重登録を違反とするルールは無かったためお咎めもありませんでしたが、この戦法にはベルマーチも「勝ち残る確率は高くなるが 互いの戦力が半分になるぶん共倒れの危険のほうが大きい」として、「こんな手を使う奴がおったとは…!」と驚いています。










迎えた最終決戦では、√+a(ルートプラスアルクマイオン)として、絶対科学チームと対決。
コーリッシュ達と共に歩いていた頃とは異なり、「クスクスクス」と嫌な感じの笑い声を上げ、他人を嘲る言動が見られるようになりました。










そして人工太陽停止実験に決着が付くと、ルートを背後から空気砲で撃ち、彼が譲り受けたベルマーチノートを奪ってしまいます。





その時、アルクマイオン2としての姿は着ぐるみを被っていた物に過ぎず…










中に入っていたのが、かつて全能科学(オールマイティ)にいた、軍医シュトラッサーであったことを見せました。















アルバート(シュトラッサー)



過去の世界に渡り、絶対科学の創始者にしてコーリッシュの師でもあるマス博士を殺め、絶対科学が生まれる前にその存在自体を抹消しようとした、軍医シュトラッサー。



本名をアルバートという彼の正体は、マス博士の助手でした。





子供の頃はひどく病弱で、どんな医者も科学者も音を上げる難病を複数患っており、何処かの研究所の「研究材料」として余生を過ごしていた身。
それを、大学を出たばかりの若い研修生であったマス博士により、救われました。


(その際に認可されない薬を使い、危険な手術を幾度も行ったため、博士は研究所を追放されたらしい)





成長して医師になったアルバートは、マス博士の助手を務めた後、「マス博士の様に誰彼構わず助ける人間になりたい」「絶対科学ならきっとそれができる」と軍医に。



しかしアルバートは戦場で、「絶対科学は無意味だった」「誰も助けられない…… これが真実……」との答えに辿り着きます。



そして、マス博士に絶対科学という壮絶な苦しみを背負わせまいと、絶対科学を生み出す前に彼を殺めることを「唯一 絶対科学を救える方法」と言い張り、恩人に凶器を向けました。










これを阻止しようとしたコーリッシュと交戦。
日本刀並みの切れ味を持つというメスでコーリッシュを追い立てた末、彼を刺し貫いて殺めた…










…かに見えたものの、コーリッシュが数ミリ体をずらしていたと気付かず、彼から反撃を喰らって敗北します。





そして、元の時代に帰るのに必須のベルマーチノートをコーリッシュに譲り、自分は歪み出した空間の中に残って、消滅して行きました。





「オレには難しすぎたのかな…」と呟いていたところ、自らが重傷を負わせたマス博士から「行くんじゃない アルバート…!」と涙ながらに止められる中で訪れた永遠の別離は、悲しいものがあります。





コーリッシュから叩き付けられた「『想い』はどんな難題だってクリアできる…!」という言葉を反芻しながら、最後の最後に幼き日と同じ笑顔を遺して散っていったその胸中は如何なるものであったのか。



全能科学(オールマイティ)の創始者ローゼンタールのように、想像をかき立てられるところです。




笑みに屈託がなかった点を見ると、「『想いはどんな難題だってクリアできる』のなら マス博士は大丈夫」「絶対科学は無意味じゃない」と信じて眠れたのかもしれない。


(作者もキャラクターファイルにて「最期の笑顔で彼自身『救われた』んだな、と思いました」と述べている)










それにしても、全能科学(オールマイティ)にいた頃、古巣の絶対科学の強みを「しつこさ」と評していたアルバートが、実は「諦め」を知ってしまっており、その末に上記のような最期を迎えるとは、皮肉な話だったと感じます。



もしもアルバートが「しつこさ」を無くさずにいたなら、あるいはコーリッシュの仲間になっていたのではなかろうか…










「諦めなければ何でもできる」などと容易く言えはしませんが、それでも人は諦めを知った時、このアルバートやローゼンタールのように踏み外してしまうのかもしれません。





そう考えると、人生の反面教師とするべきキャラクターと言えるかも?















導け 絶対科学




『絶対博士コーリッシュ』を語る記事は、今回でひとまずお終いとしておきます。
同作を御存知の方には勿論、御存知ない方にも楽しんで頂ければ嬉しいところです。





魅力的なキャラクターが数々描かれた作品ながら、作者の小林ゆき先生が2020年1月に逝去されていたというので、最早続編や番外編の発表は望めません。



しかし、遺された作品を大切に楽しませてもらうことはできるので、ファンとして何度も繰り返し物語を味わわせて貰うつもりでいます。
願わくば、それが亡き小林ゆき先生への、せめてもの手向けになりますように。










それでは締めとして、絶対科学の決め台詞(?)を拝借しましょう。










真実を量る天秤の 左に危険と死を 右に無限の夢を 誰も知らぬ暗黒の領域へ 導け 絶対科学










物語が進むと、「導け 絶対科学」と略して言われる場面が多くなりましたが、良い響きの台詞だと感じます。



天秤に危険や死や無限の夢を乗せて誰も知らない世界を量るというのは、人生の生き方にも相応しいかもしれません。

2021年04月06日

【ネタバレあり】『絶対博士コーリッシュ』を語る・全能科学(オールマイティ)編

昼間から今日は。
春を迎えて嬉しかったり、コロナウイルスが憎たらしかったりの、『暇人の独り言』管理人です。





全力で深呼吸したくなる程に空気の綺麗な日があっても、病原菌のせいでマスクをしないと危ない日々に、うんざりしています。
噂では、現在調子に乗り放題のコロナもいずれただの風邪になるとの予想もあるそうですが、的中する瞬間が僅かでも早く来て欲しいものです。



でも、人類の有様を見る限り、あまり期待できないかも…










…さて、のっけから暗くしてしまいましたが、本題は軽い話題です。
今回は、漫画『絶対博士コーリッシュ』の敵組織である全能科学(オールマイティ)関連のキャラクターについて、好き勝手に語って行きます。





毎回ながらネタバレ全開でやるので、閲覧には御注意を。















ローゼンタール



親友でもあった科学者のマス博士と共に「絶対科学」を目指していながら、そのマス博士を殺めた張本人。
よって、マス博士の弟子であった主人公のコーリッシュや、彼の先輩アジョイ・ラカにとっての仇敵です。





かつては親友共々「科学は人の為にあれ」の理念を掲げ、溺愛していた一人娘のアーニャを自らのミスによる事故で亡くしてもなお、科学を発展させることが娘の弔いになると信じて歩み続けていました。



しかし、科学が悪用されているというニュースの数々を前に、「これが科学の 永遠に変わらぬ腐った現実だ!」「私が変えてやる!私の科学でねじふせてやる! そして いつかきっとアーニャを…!」と振り切れると、自分に共鳴しなかったマス博士を殺害。



それから本編開始までの2年の間に、「科学は神に等しく全能なり」という信念の下、武器開発だけを専門とする科学者集団の全能科学(オールマイティ)を旗揚げしたようです。





「科学は夢も希望も生み出さない」との結論に達した身ゆえ、「科学を『夢』や『楽しいもの』と説く」絶対科学に対しては、きっぱり「嫌い」と言い切っています。


ただし、その継承者たるコーリッシュについては「生意気だが天才」「良い眼だ マスが選んだ絶対科学の後継者だけある」といった具合で度々高く評価しており、登場初期などは彼を全能科学(オールマイティ)に勧誘したことさえありました。


見るべきところは見ているタイプ?










本編中ではほとんど車椅子に腰掛けているものの、コーリッシュとの直接対決を前にすると、自らの足で起立。
さらに、クローン研究をベースに数万種の生命体のDNAを操作して右腕に作り上げた人造生命体レッドドラゴンをお披露目し、絶対科学を噛み潰しにかかります。
科学とは何ぞや



レッドドラゴンの強力さに加え、ガス工学者ジョン・ゼルキンの開発したガスで電器や火器を無効化する肉体の持ち主とあって、コーリッシュを大苦戦させます。





ところが、「ガスが処理し切れない程の負荷がかかる」可能性を想定していなかったのが、唯一の弱点。
コーリッシュが空にレーザーを照射して呼び寄せた雷を浴びると、レッドドラゴンを打ち砕かれ、自らも砂塵のようになって散って行きました。










消える間際にはコーリッシュに対し、「私のこの姿は未来のお前だ」「科学の未来には夢も希望もないと分かり 私のようになる日が…」という旨の台詞を残したものの、当のコーリッシュからは「その日が来ても オレは『路地裏のなんでも博士』 コーリッシュだ」と返されます。



そこで無言のままに笑みを浮かべ、亡き愛娘の名前を呼びつつ古巣の決め台詞(?)である「導け 絶対科学」を口にして消えたのが、何とも想像を膨らませられる描かれようでした。





コーリッシュの返事を戯言だと嘲っていたのか、それとも古巣の未来に微かな夢や希望を見出していたのか…










ちなみに性格の方は、戦いに敗れた全能科学(オールマイティ)のメンバーに対して「真の科学者になれぬ愚かな脱落者」と吐き捨てるなど、血も涙も感じさせない非情な男。





ですが、在りし日のマス博士に言わせれば「無愛想だけど本当は虫も殺せない優しい男」だったそうです。





マス博士の評価通りなら、科学が悪用される現実に心を痛め、それを変えようとした余り、自らも「腐った」側に行ってしまったのかも…?















ジョン・ゼルキン



全能科学(オールマイティ)所属の、ガス工学者です。
かつては発展途上国の政府や企業にガス田開発の技術を無償で提供し、利得が出れば全額を病院や孤児院への寄付に回したということで、「科学者の鑑」とまで言われたといいます。



劇中最高峰の科学者ベルマーチを知らなかったなど、他の科学者に無関心な節のあるコーリッシュからも「学会で顔を見た程度」ながらに記憶されているという、何気に凄い人物です。





しかし、自身の科学力を武器へと変貌させられ、しゃぼん玉で一緒に遊んだ子供達までも消されると、「腐りきった世界の科学を変えるのだ」というローゼンタールの誘いに乗り、全能科学(オールマイティ)に与していたのでした。





兄弟子アジョイに助力を求めようとしたコーリッシュの前に現れ、交戦。
自作のガス「エンジェルゼファー」の効力で電器と火器が使用できない戦場を作り出していながら、自らは幾度も爆発を起こし、コーリッシュを痛めつけます。





ところが、火種を可燃性ガスで包んだしゃぼん玉のような爆弾をばらまいており、それにワイヤーで衝撃を与えることで「エンジェルゼファー」の効力を受けずに爆発させていたと知られると、しゃぼん玉状態の爆弾を次々に始末され、一転して不利に。





それでもなお「悪魔の科学者を倒すんだ……! みんなの笑顔を取り戻すんだ!」としてコーリッシュに詰め寄ったものの、彼から「今のおまえを見て 子供たちが笑うと思ってるのか!?」との叱責と共に電撃を喰らい、倒れました。





この場面を最後に登場せず、生死は不明のままとなりましたが…
いずれにせよ、子供達と遊んだしゃぼん玉を人を傷つける手段に利用している変貌ぶりには、得も言われぬ悲しさと虚しさがあります。










もしも生き延びているのなら、今度こそ真っ当な科学で子供達の笑顔を取り戻してほしいものです。















ビゴー


全能科学(オールマイティ)のメンバーで、太ったピエロのような姿の男。
自らが発見した新種の古細菌(アーキア)を動物達に叩き込み、生物兵器へと変えるのが得意技です。





「愛の科学者」を自称し、駒とした動物達を「我が子」と呼んでいるものの、愛情という意識は皆無。
シャチに乗って地下水路を逃走していた場面では、コーリッシュの攻撃を凌ぐためにそのシャチを無理矢理盾にした挙句、「このコはもうダメ」として止めを刺すという悪辣さを見せています。





何かしら悲劇的な過去を持つ悪役が多い作中にあって珍しく、この男はただただ最低な奴。
コーリッシュから「貴様はただのクサレ外道だ 科学者なんかじゃない!」と、青筋を立てた表情で断じられる程でした。










自身を「下っ端の雑魚」と評したアジョイに立腹すると、自らが人間型の生物兵器となって、攻撃を仕掛けます。



一見アジョイを圧倒したかと思いきや、気付かぬ間に彼の攻撃で足を貫かれており、出血多量で戦闘不能に。
止めは刺されなかったものの、「肺も強化されてるから長時間息つぎ無しで存分に苦しめるだろう?」というアジョイの判断で海中に沈められ、物語から退場しました。





全能科学(オールマイティ)が壊滅した後は名前すら出ないまま、物語は終了。
ただし、4巻のキャラクターファイルでは「死んでませんよ in海の中」と記されており、しぶとく長らえているようです。



憎まれっ子世に憚る。





本人は「『ちょっと』動物実験の量が多かったという理由だけで 学会の連中は私を闇に追放した」と言っていますが、アジョイからは「今まで一体何万匹を実験で殺して来たんだ?」と問われており、こいつの犠牲にされた命は計り知れなさそうです。



ゼルキンとは逆に、こいつには息絶えていてもらいたい。















アーニャ(09)


ローゼンタールの亡き娘の細胞を用いて生み出された人造人間です。
与えられた番号は「09(ゼロナイン)」。



ファザコンの気配があった本物のアーニャ同様、こちらもローゼンタール一筋であり、その忠実な駒として働きます。





ありふれた少女の外見をしてはいても、やはり中身が中身。
超重力弾丸を生み出す52.1kgの重力銃(グラビティガン)を軽々と操ったり、遥か上空のヘリコプターにジャンプで辿り着くなど、凄まじい身体能力を見せています。





絶対科学チームとは、ローゼンタールが住み込んだ異常磁場地帯の島にて直接対決。
グラビティガンと、現実世界で活動し電磁嵐を巻き起こすプログラム「4つの心(ゴーストガレット)」との連携攻撃で、コーリッシュと天才ハッカー嶽山朝陽(たけやま あさひ)のコンビを追い詰めつつありました。





しかし、朝陽にゴーストガレットをハッキングされた上、自身もグラビティガンの反動を受け続けた肉体がボロボロになり、敗北。





その場を去ってローゼンタールの元へ舞い戻り、「もう1度だけ戦わせて」「今度こそコーリッシュを倒してみせる」と懇願したものの、ローゼンタールには「出来損ない」「失敗作」として捨てられてしまいました。










その後、全能科学(オールマイティ)が壊滅した直後の第16話からは、絶対科学チームに加入します。
しかし細かい経緯がほとんど描かれておらず、ローゼンタールの仇であるコーリッシュ達の側に付いた動機は、判然としていません。


彼女のことなので、「絶対科学の側にいればお父様と関わりのあった人に出会って話を聞くこともできる」といった理由だろうか。





第4巻のキャラクターファイルにて作者が「ずっとお父様命」と語っている通り、捨てられようと居場所が変わろうとローゼンタールへの気持ちは変化していませんが、絶対科学チームとも何だかんだで馴染めており、そこには少なからぬ幸いを感じます。










なお、絶対科学チームに加入してからのアーニャについては、以前に投稿した「『絶対博士コーリッシュ』を語る・絶対科学チーム編」の記事にて語っているので、そちらを御覧頂けると幸いです。
手抜きとか言わないで















シュトラッサー



ローゼンタールの側近の軍医です。
囚われたヒロインの嵐野まどか(あらしの まどか)を「まどか姫」とキザに呼びつつ紳士的に接しているかと思えば脱出の余地は残さないなど、軽そうに見えて隙がない立ち振る舞いを見せます。






本人が「ニガテなんだよなァ 戦闘なんて面倒事」と言えば、ビゴーからは「イヤミですね」「貴方がローゼンタール様のお側付きなのは 私たちの中で一番『強い』からだ」と不快感を示されるなど、戦いの腕については未知数のまま、ローゼンタールの敗死と全能科学(オールマイティ)の壊滅を迎えました。





密かに立ち去る際、ローゼンタールに向けて「楽しかったですよ アンタとの茶番劇は」と呟いたのが、かなりの不穏さを醸し出しています。










…その正体や目的は最終盤になって判明したため、それらを語るのも後の記事に回す形とします。
次回投稿予定の「ベルマーチノート」についての記事をお待ちください。















次回はベルマーチノート編




全能科学(オールマイティ)についての語りは、この辺で終了と致します。
ここまで御覧くださり、ありがとうございました。





次回の『絶対博士コーリッシュ』についての記事では、第2部である「ベルマーチノート編」のキャラクターに触れる予定です。
御興味があれば、そちらも宜しくお願い致します。










それでは、また。

2021年02月14日

【ネタバレあり】『絶対博士コーリッシュ』を語る・絶対科学チーム編

昼間から今日は。
世間で騒がれるバレンタインデーにもホワイトデーにも何ら関わりのない、『暇人の独り言』管理人です。





大昔には、義理で貰った好意に義理で恩返ししたこともあったりしましたが、今やそれすら無縁でいます。
もっとも、おかげで煩雑さも重圧も一切ないので、助かる話ですが。





そう言えば近年のバレンタインデーは、女子から男子に贈り物というより、チョコを切欠に感謝を伝えるイベントになっている模様。



以前、2月14日を題材に拙作の番外編を書こうかと思いつつ、恋愛系の描写がてんで作れないからと頓挫したことがありましたが、この変化を考えると、最早色恋にこだわらなくても良いのかもしれません。



引き出しの限られている素人物書きには、それなりに嬉しい時代です。










さて、本記事では、『絶対博士コーリッシュ』のキャラクターについて語ってみます。
今回は主人公のコーリッシュをはじめ、絶対科学チームの人物についての感想です。




ネタバレ全開でやるので、閲覧には御注意願います。















コーリッシュ




銀髪赤眼と『黒い白衣』(ややこしいので以後は『黒衣』と表記)が特徴的な、とかく科学愛に溢れる科学者の少年です。
絶対科学」なる科学者集団に属していた身で、先輩のアジョイ・ラカリタ・ロザに時折「末っ子」と呼ばれているため、ラボでは一番の新参者であった模様。



しかし、アジョイから「一番優秀だった」と言われ、リタ・ロザからも度々頼られているほか、不倶戴天の敵であるローゼンタールにも「生意気だが天才」、劇中最高峰の科学者ベルマーチからも「頭に来るが面白い奴」と言われており、それらの高評価に違わぬ頭脳と閃きを幾度も見せています。





絶対科学の創設者かつ師匠であったマス博士がローゼンタールに殺害されてからは、「科学は人の為にあれ」という博士の理念とラボを受け継ぎ、日本の路地裏でどんな難問も解決する「路地裏のなんでも博士」に。



そして第1話にて、不可思議な電磁系のトラブルに悩まされていた嵐野まどか(あらしの まどか)を手助けし、成り行きで彼女を助手に迎えると、以後は仇敵ローゼンタールとの決戦や、ベルマーチの発明品である「ベルマーチノート」と科学の未来を巡る戦いに赴き、仲間達と共に勝利を収めました。





…それ以外の来歴や、実年齢・血液型・出身地といった情報は、本編どころか単行本のおまけページ等でも明かされぬまま、物語は終了しています。


作者も語っている通り、「謎多き主人公」です。





ただ、顔を赤らめつつまどかの手を握った場面では、その場に居合わせたリタ・ロザから「色々辛い事あった」「ラボでもあんな普通の男の子の顔見た事なかった」と言われており、詮索しない方が良い過去があるものと思われます。










自分に何か改造でも施しているのやら、倒れて来た棚を左手一本で受け止めても平然としているほか、高層ビルをローラースケートで垂直に上るのも朝メシ前と、意味が分からない位の高い身体能力を発揮しています。


あんた本当に人間か?










作者に言わせれば、「性格は『王様』。超ワガママ」。
また、「他人を平気で実験台にするヒネクレ冷血男」「悪魔」と言われるように、爆発するのが分かっている掃除機をまどかに使わせる、戦いでアバラを折った仲間の嶽山朝陽(たけやま あさひ)への痛み止めに毒エキスやトカゲやバッタを加えるなどの人でなしぶりも見せています。



ついでに怒りの沸点がかなり低く、些細な悪口を言われただけでも容赦無い仕返しを浴びせること多々。
身長が低いのを気にしているため、「チビ」呼ばわりは禁句中の禁句です。
でも平気で言っちゃう奴も結構いたりして




一方、他人を救うのに労を惜しまず、しかも相手に対して恩着せがましさが全くないという美点も。
そのおかげか、リタ・ロザが「ドSでわがままな凶暴黒白衣に友情が生まれている」と感動する位には、何だかんだで仲間達に慕われています。





第1巻おまけでは「ポーカーフェイスな超天才(変人)」「何がおきても冷静沈着無表情ゴーイングマイウェイ」とされるように感情の起伏が乏しかったものの、全能科学(オールマイティ)との戦いが始まると怒りや焦りといった表情が多く見られるようになり、ベルマーチノート争奪戦の段階にもなると、下種なライバルから「熱血タイプ」と言い切られる位になりました。


少年漫画の主役には、やっぱり熱血漢が王道である。










固めの言葉遣いに似合わず、漫画やアニメを幅広く見ており、特に『猫リーガー』なる作品が大好き。
単行本未収録特別編では、その主人公の猫リーガーがとある理由で目の前に現れ、まさかの対決に臨みました。


さぞや一生ものの記念になったことであろう。















嵐野まどか(あらしの まどか)



亡父の思念によって生まれた電気物質「アンバーゴースト」から救われて以来、コーリッシュの助手になった女子高生です。





超お嬢様学校に通える位の富裕層ながら、金持ちを鼻にかけることは全くなく、むしろ第2話以降は言われなければセレブ出身なのを忘れてしまう位、どこにでもいそうな少女。
そして、コーリッシュから「笑ってたかと思えばすぐ泣くな お前は」と言われている通り、辛い時も悲しい時も嬉しい時もしょっちゅう落涙する、かなりの泣き虫です。





しかし、軟弱者とは程遠く、コーリッシュが電流を喰らって危うくなった際には素手で電気を浴びながら彼を救うなど、いざという時の思い切りは鮮やかなものがあります。



コーリッシュから「根性だけは人一倍ある」、絶対科学を根本的に滅ぼそうとする軍医のシュトラッサーから「一介の女子高生(スクールガール)とは思えんね」と言われるのも納得。









初期はコーリッシュからかなり手酷く扱われていましたが、それも徐々にソフトな暴言くらいにまで緩められ、シュトラッサーが過去の世界に移動し絶対科学を消そうとした最終局面に至っては、コーリッシュから「師匠もみんなもお前も 絶対科学はオレが守る」と、面と向かって言われるように。










ベルマーチノート争奪戦では、コーリッシュでさえ突破口を見出せなかった課題を他の誰にも真似できない方法でクリアしてみせたり、コーリッシュとシュトラッサーが交戦している際には大の男であるマス博士を運んで避難するなど、頼れる味方に成長しました。








…ちなみにまどかがクリアした課題とは、「大量のコピーの中から本物の博士1人を助手が見つける」というもの。
温度の変化に反応して銀色が浮かび上がるスプレーを吹き付けてから、まどかは下記の台詞を口にしました。










大好き コーリッシュ… あたし一生 あなたの助手でいたい……!










ドキドキするようなコトを言えば本物はそれで体温が上がるかなァって…」という考えからの一手で、スプレーの利用以外は科学とかけ離れたやり口でしたが、狙い通り本物のコーリッシュだけが言葉を失うまでに赤面したため、彼の発見に成功したのです。





同じ女性でも、コーリッシュとの親密さが全く異なるアーニャやリタ・ロザでは、模倣したところで確実に意味を成さない技。



それが通じる位には、まどかはコーリッシュを射止めてしまっているようです。






なおコーリッシュの方は、見事にしてやられた直後は「こんなくだらん実験方法を思いつくなんてバカだ!低能だ!サイアクだ!」と顔を真っ赤にしながら騒ぎ立てたものの、最終話では「………いいぞ まどかなら………」と返答しました。





最初の頃は自身を実験台や雑用係にしか見ていなかった節さえあるコーリッシュをここまで陥落させたとは、恐ろしさすら覚える魅力の持ち主です。





容姿と人格の両面に隙の無い女は、野郎に対して最強である。
フィクションならではと言えばそれまでですが









…それにしても、あれだけ散々に自分を扱っていたコーリッシュに対して「大好き」と言ってしまえるとは、このヒロインにはドMの素質を感じます。










まどかについての余談




全8巻の単行本の背表紙は、実に7冊分をコーリッシュが単独で飾っている中、唯一第2巻だけは、このまどかが描かれています。
最初は色々なキャラクターを描こうとしたけど、やっぱりコーリッシュに統一した…とかだろうか。



真偽の程は今更分かりませんが、何にせよ特別扱いされた形となっているので、ヒロインとしては面目躍如かもしれません。





さらに別の余談ですが、シュトラッサーについて「すごくカッコいい人だよなぁ…」と独り言ちたり、ベルマーチノート争奪戦のライバルとなった美男子の十文字静(じゅうもんじ せい)に顔を赤らめるところを見ると、少々面食いの気配がします。
コーリッシュ「何デレデレしてんだか」(7巻より)















嶽山朝陽(たけやま あさひ)



高校2年生にして、魔法使い(ウィザード)と呼ばれる程の凄腕ハッカーです。
本編開始の半年前から、情報理工学の教授である父親が行方不明になっており、彼の捜索に東奔西走しています。





組織に協力すれば父親の居場所を教えるとする全能科学(オールマイティ)への入会試験として、コーリッシュを消そうとしたのが初登場のシーン。
現実世界で活動できる蜂の姿のコンピューターウイルス「イエローキラーズ」で街を支配したり、そのキラーズで人工衛星を乗っ取っての狙い撃ちをかまします。



しかし、キラーズに蜂の習性を完全にコピーさせたため、蜂の巣を探す「スガレ追い」の要領でコーリッシュに居場所を掴まれ、敗北。
その後は父の情報を引き出せるまでつきまとうとして絶対科学のラボに居候するようになり、気付けばそのまま名実共に彼らの仲間となっていました。





絶対科学チームに加入してからもスーパーハッカーの腕前は当然健在であり、パソコンが使用不能となっても脳波で命令を送れる機械ひとつで人工衛星をハッキングしてみせるなど、度々活躍しています。


自ら「根暗ハッカーじゃねえんだ 『野戦の準備』くらいしてあるんだよ!」と語るのも、伊達じゃない。










初登場時はいけ好かない感じであり、コーリッシュから「サル山朝陽」、まどかからも「嶽山サル陽」呼ばわりされたものでしたが、本性は熱血漢かつ仲間思いです。



まどかがローゼンタールに攫われた時には救出に全霊を賭したり、ベルマーチノート争奪戦ではベルマーチの挑発に便乗して絶対科学を「腰抜け」などと小声で愚弄する参加者達に「陰でコソコソ吐(ぬ)かしてるほうが腰抜けじゃねェのか?」と不快感を露わに突き刺す姿から、それが窺えます。





コーリッシュとの交戦時には、「絶対に足が付かないように 今までの経歴・個人情報 思い出まで 末端に至る全てから 自分の情報を全部消去しておいた」との台詞がありましたが、上記の様子を見る限り、絶対科学チームに流れ着く前にも良い友達は大勢いたのではないかと思えてなりません。





その全てを自ら捨てたのだとすると、勿体ない気がしますが…
あるいは朝陽の人柄なら、そうした繋がりを地道に築き直すのも難しくないかもしれない。





肝心の父親はと言えば、全能科学(オールマイティ)にさらわれたかと思えばメキシコに放り込まれていたりでなかなか見つけ出せなかったものの、最終話にてイタリアに逃れていた彼から連絡が来たとの台詞があり、事は平和裡に終わった模様です。



しかし、朝陽は散々手を焼かせられている内に父親へかなり立腹しており、「帰って来たら殴る!」とも発言しているため、朝陽の父の安否が危ぶまれます…



苦労をかけられまくりの朝陽の立場を思えば、朝陽の父はちょっとやそっと叩きのめされても仕方が無いかもしれませんが。










なお、さらわれたまどかの行方を追うため放ったイエローキラーズが彼女の胸に付着した際には「たまたまそこに付いたんだよ!!」と真っ赤になったり、自分の洗濯物の中に誤って混ざった女物の下着に赤面して動転するなど、年頃の割にはかなり初心な御様子です。


紳士やのう。










朝陽についての余談




本人の台詞によると、母親を亡くして以来、父に家事全般を押し付けられている模様。
間違いなくそのためと思われますが料理が上手であり、絶対科学のラボでは強制的に炊事担当にさせられています。




第6巻おまけでは、絶対科学ラボにおける彼の日常生活も明らかとなりました。
物置だった場所を居室にあてがわれているためにコーリッシュからいらない本をぶちこまれていたり、買い出し当番として出かけていたりと、平和な時間の中でも苦労人キャラが定着しているようです。


朝陽…頑張れ…





ちなみにこのおまけは、読者からの依頼に応える形で描かれたもの。
上述の人物像からすれば十分納得できる話ですが、結構に人気を得ていたようです。




この分なら、本格的な人気投票をしていたとしても、高順位に入れた予感がします。















アジョイ・ラカ




コーリッシュの先輩で、絶対科学のロボット工学者です。
太陽が苦手で、地下に住み着く習性があります。



なかなかの美形ながら、コーリッシュをからかって遊びまくるのを好む困った男。
ただし科学に関してはコーリッシュと同等、ないし彼以上に真剣そのもので、亡き師匠との約束でもある永久機関の完成を目指して日々奮闘しています。





はっきり言って現実には不可能な発明なのですが、アジョイはそんな永久機関の3歩手前までは達しているようです。



ブッ飛んだことをやりまくっている絶対科学チームの中でも、殊更すごいかもしれない。





全能科学(オールマイティ)と戦うため、コーリッシュから助力を求められた場面にて初登場。
コーリッシュがラボを継いだことに納得していないと明かしたものの、科学者であり続ける理由を問うたところ「科学が大好きだから死ぬまで科学者であり続けてやる」と答えた彼を認め、協力するようになりました。














自身とコーリッシュの発言をまとめると、後輩に負けなかったのはトランプとUNOと牛乳の一気飲みと物理計算競争位のものなのだとか。



事実アジョイは、全能科学(オールマイティ)の生物科学者ビゴーを倒した一方、自身も重傷を負った際に「やっぱカラダ動かすのは向いてないなァ」「コーリッシュならこれくらい平気なんだろうけど」とこぼしており、戦いの腕では後輩よりも劣っているようです。


それでも、ローゼンタールとの戦いでは自身の作ったレーザーがコーリッシュを勝利に導くなど、先輩を名乗るに相応しい威厳は保持していました。





コーリッシュも劇中で初めて知ったようですが、左腕は義腕であり、そこから第5元素のエーテルの光剣(ダガー)を放ち、細胞の核組織から破壊するのを戦術としています。
絵面はバトル物でよく見るエネルギー波の類そのもの














コーリッシュから「ラボの中で一番師匠を慕っていた」と言われている通り、マス博士への敬愛ぶりは弟弟子やリタ・ロザと比べてもより顕著であり、最終話では「コーリッシュだけ先生に会えたなんてずるい」と、学会で訪れていたインドから師の墓があるオーストリアへの移動を宣言していました。



ふざけた遊び人臭のつきまとうアジョイがこうも真面目に尊敬しているとは、マス博士には余程の恩義か何かがあったのかもしれません。


そうした過去が描かれた場面は、劇中ありませんでしたが…










ちなみに第7巻のおまけで明かされたところによると、実家は山奥の小さな部族の王様
しかしアジョイ自身は科学者志望で家を飛び出したと言い、実家については「継がない」と言明しています。





曰く「僕には僕の道がある」の一言。





絶対科学に関係した人間は、善悪問わず我が道を行くタイプが多い気がします。















アーニャ



全能科学(オールマイティ)の創設者にしてリーダーであった、ローゼンタールの娘。





…と言っても、本物のアーニャは父のミスによる事故で帰らぬ人となっています。
劇中登場しているこちらの「アーニャ」は、本物の細胞を使って作られた人造人間に過ぎません。


ゆえに、与えられた番号09(ゼロナイン)が本名となるのでしょう。





ただし本人は自らが人造人間であると理解していながらも、09(ゼロナイン)の名については「そんな番号私の名前じゃない!!」と必死で、「自分がローゼンタールの一人娘のアーニャ」だという意識が強固です。





本物のアーニャは生前「ずっとお父様の助手でいたい」と言っており、親バ…ゲフンゴフン





…娘思いであった父に劣らず、それなりにファザコンの気が見られました。





そんな彼女のクローンである、この人造人間のアーニャもまた、ローゼンタール一筋の少女。
『お父様』の命令に従い、コーリッシュを倒そうと襲い掛かります。



しかし、コーリッシュと朝陽のコンビに敗れると、父と慕ったローゼンタールからは「出来損ない」「失敗作」と呼ばれた挙句、自身が忌み嫌う09(ゼロナイン)の名で呼ばれながら捨てられてしまいました。










ローゼンタールが倒されてからは、絶対科学チームに加入。
大きな心の傷ができ、しばらくは食事も取れなかったというものの、「コーリッシュの容赦ない仕打ち(マイペースぶり)が効いたのか元気になった」模様です。





全能科学(オールマイティ)所属だった頃はローゼンタールの忠実な駒であり、大人びた雰囲気がありましたが、絶対科学チームに加わってからは、マイペースで世間知らずなあどけない天然怪力娘属性が爆発。



まどかに向けては「友達」「何かあったら助けてあげる」と発言する一方、コーリッシュには「助けてもらったけどやっぱりあなたが嫌い」「あなたにだけは負けたくないの」といった台詞を送っており、敵対していた頃と変わらない不仲ぶりが描かれています。





しかし、コーリッシュをリーダーとする絶対科学チームの一員であることには、拒否や否定は示していません。



むしろ、コーリッシュがまどか共々危機に陥ると「まどかのついで」ながらに助けようとしたり、科学勝負でライバルに遅れを取って落ち込んでいるかと思いきや逆転勝利への気合満々であった彼を見て穏やかに微笑むなど、一応仲間と認識しているらしき描写が、少数ながら確認できます。


(このほか単行本未収録特別編でも、「まどかに手伝ってって頼まれて」とは言え、コーリッシュを喜ばせるとある作戦に協力していた)





自分を「アーニャ」の名で呼んでくれるのが、かつて敵対していた絶対科学チームの顔ぶればかりで、『父親』のローゼンタールや、遊び相手として親しみを持っていたシュトラッサーからは揃って「出来損ないの人造人間」「09(ゼロナイン)」と吐き捨てられているのは、悲劇的に感じます。





しかし、絶対科学チームでそれなりに楽しくやれているようなので、決して不幸ばかりでもないでしょう。
良き仲間がいるとは、つくづく幸福極まる話です。










どうか最終話以後も、アーニャを含む絶対科学チームの仲間達に、明るい未来が続きますように。















リタ・ロザ


コーリッシュとアジョイの先輩に当たる絶対科学の考古学者で、胸の大きなまどかをして「スタイルが良い美人」と言わしめる女性です。
フルネームはリタ・ロザ・カルネイロというらしい。





コーリッシュから「お祭り女」「絶対科学一のトラブルメーカー」と呼ばれる通り、元気一杯の賑わしい性格で、自ら動き回る超硬度のハニワとの戦いやベルマーチノート争奪戦にコーリッシュ達を問答無用で巻き込むなど、面倒事を数々起こしています。





そしてアジョイと同じくコーリッシュを頻繁にからかっており、王様キャラな後輩を振り回しに振り回す強者でもあります。






ただ、ラボを継いだコーリッシュを密かにずっと心配していたり、彼が窮地に陥った際には冷静さを失い血相を変えて救助に向かおうとするなど、後輩を思う気持ちは真剣そのものでした。


結構良いヒト?










有事には「リタハート」なる爆薬を用いて戦うものの、まともに効いた例(ためし)はほぼなく、戦闘面では絶対科学出身のキャラクターの中で最も不遇な役回りを背負っています。



ついでに言うと、ストーリー上での活躍も初登場時を除くといまひとつで、その後はほとんど目立たなくなりました。



この手の、色気が売りのキャラには、ありがちな話ですが。










なお、絶対科学の3人組は血縁関係は無いものの兄弟姉妹のような距離感をしており、このリタ・ロザもコーリッシュやアジョイを「弟」、自身を「お姉様」「姉さん」と称していたりします。
コーリッシュの実姉だったら好感度が最強だったのに以下略















その他絶対科学チーム関連のキャラクター





ここからは、絶対科学チームと大なり小なり関わりがあるキャラクターを語ります。










マス博士


絶対科学の創始者であり、コーリッシュやアジョイやリタ・ロザの師匠です。
本編開始時点でローゼンタールに殺害されてから2年は経過している過去の人ながら、回想等で登場する機会が多いので、記憶に残りやすい人物でしょう。



コーリッシュに言わせれば、大酒飲みの熊オヤジであり、声が大きい上にケンカっぱやく、すぐ人を殴るクセもあるそうな。
ついでに、自分でしまった本の場所を忘れると弟子達に探させ、挙句には他の弟子達と一緒になってコーリッシュをからかって遊んでいたとのことです。


結構ひどい。





一方、「科学は人のために在れ」を信念としていたのをはじめ、「遊び心のない科学は科学じゃない」「実験はとことん遊び 楽しめ 面白さの向こうに 真実はある」「科学者だってちっぽけな人間でしかない」など、科学者としての気構えは尊敬の念を抱く域でした。



最期は「絶対科学を捨てて共に来い」と迫ったローゼンタールを拒否したことで彼に殺害されてしまうものの、コーリッシュが見事に仇を討ちます。


自身も考えていた、「弟子たちがきっと真実を導くだろう」が現実となった形です。










その後のベルマーチノート争奪戦では、過去の世界が舞台となった最終盤にて、若き日の姿で登場。
絶対科学の存在そのものを消し去ろうとした軍医シュトラッサーに命を狙われ、右目を失うなどの重傷を負うも、未来で弟子となるコーリッシュに救われ、事無きを得ました。





なおマス博士は、傷の止血にと、コーリッシュから特殊縫製の黒衣を譲られます。





8巻のキャラクターファイルによると、その黒衣にあったラボマークを見て、絶対科学を立ち上げたようです。






…となると、絶対科学のマークは一体どこから誕生したのかと疑問が湧きますが…





作者はこれについて、「この漫画最大の『科学』ということで」とだけ、語っています。





科学と言うか、謎と言うか。










ちなみに作者にとっては、マス博士はもっと描きたかった人だったそうです。
逝去されてさえいなければ、その念願を叶えられることもあったかもしれません…















(リー)



コーリッシュと腐れ縁の雑貨店店主で、「〜アル」「〜ネ」といったエセ中国語を喋る男性です。
まどかにチャラチャラした衣装を着させようとしたり、「買い出し」と言いつつネットアイドルの路上ライブを観戦しに行っていたりと、なかなかのオタク。





半分が自分の店、もう半分がコーリッシュのラボという状態で生活しているため、黒衣博士の実験の被害を受けまくるのが主な役割となっています。


「なんで いつも店が崩壊するネ…」と嘆く背中に、哀愁が漂う。





第1話ではコーリッシュの助手的なポジションだったものの、第2話以降はその座がまどかのものとなり、出番が激減。
相手が華々しい美少女なので仕方ない





朝陽が絶対科学チームに入ってからは長い間名前すら出なくなり、時折少し顔を見せるだけのチョイ役が板につきました。
その際も、コーリッシュへの依頼が溜まり続けて自分も店も崩壊寸前になっていたり、彼らがベルマーチノート争奪戦に赴いたことで「朝陽君の料理は恋しいし まどかちゃんとアーニャちゃんがいないと活力が湧かない」と嘆くなど、雑に扱われる始末。










最終回では、コーリッシュに累計6個のレア物フィギュアを破壊されたことで、自身の店をも放置して出奔してしまいます。



しかしコーリッシュからは「3日もすればまた新しいレア物手に入れて帰って来る」と、まるで問題にされずじまいでした。





…きっと、黒衣博士の意見が正解するのだろう。















レ・ガトー


「最後のお菓子」と書いて、こう読みます。
フランス王妃マリー・アントワネットが飲んだとされるただの井戸水が、人間の発する微弱な電波を長年浴び続けたことで、生物の様に変化した存在です。



第2話に登場した蒐集家(コレクター)の所有物だったものの、「コレクションの中で一番金を食ったくせに手間をかけさせる」として彼に処分されかけていたのを、コーリッシュが引き取ることになりました。



「マー☆」「マフー☆」等としか喋らないものの、コーリッシュは何故か完全に通訳できます。
…黒衣博士の頭脳どうなってんの?






ちなみにコーリッシュがこのレ・ガトーを引き取った理由について、まどかは「処分なんて その子がかわいそうだから 助けてあげたんだよね?」と見立てています。



当のコーリッシュは「……さあな」としか応じていませんが、他人の為の労を惜しまない一方、他人に情けをかけてもそれを言葉にしない彼の様子を考えれば、まどかの見解が正解だろうと想像するところです。






確かな恩義を受けた割にコーリッシュに反抗的であったりしますが、空気中にばら撒かれたシャボン玉状態の爆弾を飲み込んで無力化したり、不凍液を混ぜられてからは南極でも平気で活動できたりと、彼の実験において重要な役割を果たす場面が多々あります。






ただし、第24話にてコーリッシュが思い浮かべた仲間達の中に描かれておらず、最終回にも登場しないなど、働きぶりに比べると扱いはやや不遇です。
水であって、生物ではないからだったのだろうか。










単行本未収録特別編『死闘!猫リーガー』にも、少しばかり登場。
猫リーガーが放った炎の魔球を打ち破るためにバットとして使われ、身体が縮む破目に遭いました。



無残なり。














次回は敵勢力について




長々と語ってしまいましたが、絶対科学チームへの感想はこんなところにしておきます。
次回は、全能科学(オールマイティ)のキャラクターをネタにするつもりです。


そちらの記事を公開した際も、御興味のある方は宜しくお願い致します。










それでは、また。

2021年01月23日

【ネタバレあり】『絶対博士コーリッシュ』を語る・ストーリー編

夜分遅くに今晩は。
季節に相応しく寒いかと思えば不釣り合いに暖かい日もある1月を過ごす、『暇人の独り言』管理人です。





自分も人並みに、冷えるよりもぬくぬくしている方が好きな人種ではありますが、冬に暖房が要らない程の陽気になると嬉しい反面、地球温暖化が怖くなります。





打てる対策は、節電くらいか。















…さて、真面目な前書きをしてはみましたが、本題は軽い話題です。
今回は、漫画作品の『絶対博士コーリッシュ』をネタにします。





「誰も見たことのない超科学実験バトル」との謳い文句通り、科学をテーマにしていながら現実には絶対に不可能な芸当が数々飛び出しますが、キャラクターが好感を持てる人物揃いで、管理人にとっては今なお好きな作品です。










残念ながら、作者の小林ゆき先生は2020年1月に逝去されたとのことで、御本人にはどうあがいても見てもらえない記事ですが、せめて自分と同じくコーリッシュのファンである方には…





そして欲を言えば、本記事で初めてコーリッシュを知る方にも楽しんで貰えるよう、書いて参ります。










まず今回は、単行本全8巻分のストーリーを、要約して語ります。
勿論ネタバレ全開で行くので、閲覧の際は御注意ください。















第1部 全能科学(オールマイティ)編






博士と助手と



街の奥深い所に、黒衣(劇中では「黒い白衣」と呼ばれる)をまとった科学者のコーリッシュがいました。





絶対科学」を駆使して如何なる難問も解決するコーリッシュは、女子高生の嵐野まどかからの依頼を受けます。





自分にまとわりついた、次々に電磁系のトラブルを巻き起こす電気物質を退治してほしい。





対処法を探るのが大変な問題であったものの、「路地裏の何でも博士」の通称を持つコーリッシュはこの依頼も見事にこなし、まどかを助けてみせました。






これ以後まどかはコーリッシュの助手となり、生物のように暴れ回る水や、放火を重ねる犬の姿のガスなど、不可思議な事件に対応する生活を送るようになったのです。















対決 全能科学(オールマイティ)



絶対科学のラボで過ごしていたコーリッシュとまどかの前に、天才ハッカーの嶽山朝陽(たけやま あさひ)が現れ、「コーリッシュを消去(デリート)する」として喧嘩を仕掛けて来ました。





朝陽は現実世界で活動できる蜂の姿のコンピューターウイルスを巧みに扱うも、本物の蜂に似せ過ぎたゆえの弱点を突かれて敗北。





コーリッシュに挑んだのは失踪した父親の居場所を知る組織への「入会試験」であったと明かすと、朝陽は父の情報を引き出せるまでどこまでもつきまとうとして、コーリッシュやまどかと行動を共にするようになります。










朝陽をけしかけてコーリッシュを消そうとした組織の名は、軍事開発だけを専門にしている科学者集団の「全能科学(オールマイティ)」。
その創設者にして、「科学は神に等しく全能なり」を信念としているローゼンタールは、かつてコーリッシュと同じ絶対科学のラボにいながら、彼の師匠にして自分の親友でもあったマス博士を殺めた男でした。





その昔、最愛の一人娘であったアーニャを自らのミスで死なせてしまったものの、科学を捨てずにより一層進歩させることが彼女の弔いになると信じ、何十年も歩み続けたローゼンタール。



しかし、科学が悪用されているとの報道の数々を前に「これが科学の永遠に変わらぬ腐った現実」と結論付けたローゼンタールは、「科学を『夢』や『楽しいもの』などと戯言で説く」として古巣の絶対科学を忌み嫌い、消滅させようと襲い掛かって来たのです。





対するコーリッシュは、自らの兄弟子にして機械工学者のアジョイ・ラカを味方に付け、全能科学(オールマイティ)の面々と交戦。



電器と火器を無力化する術を編み出したガス工学者のジョン・ゼルキン、新種の古細菌(アーキア)によって動物達を兵器へと変貌させる生物科学者のビゴー、死んだ娘の細胞を利用して生み出された人造人間アーニャを退け、ついに仇敵ローゼンタールとの直接対決を迎えます。





ローゼンタールがその右腕に作り上げた人造生命体レッドドラゴンに苦戦を強いられるも、コーリッシュは空から雷を呼び寄せてこれらを打ち倒すと、仲間達と共に路地裏のラボへ戻ったのでした。










…ローゼンタールの側仕えであった軍医のシュトラッサーが、その様子を見ており。










「安らかな眠りを ローゼンタール卿 楽しかったですよ アンタとの茶番劇は










…と呟いていたことは、知る由も無く。















第2部 ベルマーチノート編






大会への参加





全能科学(オールマイティ)を破り、まどかや朝陽やアジョイ、さらには新たな仲間となった人造人間のアーニャと共に、ラボで好きに過ごしていたコーリッシュ。
そんな彼の元に、絶対科学の考古学者かつ姉弟子であるリタ・ロザが、姿を見せます。





リタ・ロザに導かれ、コーリッシュ達が辿り着いたのは、世界最高の科学者ベルマーチの居場所でした。
病で死期が近いと分かったベルマーチは、自分の英知の結晶であるメモ帳「ベルマーチノート」を託す先を決めるため、最高のラボを見定める大会を開催していたのです。




コーリッシュはベルマーチノートについては「くだらん」「そんなモノ 無くても答えに辿り着く」と興味を抱かなかったものの、その発言で当のベルマーチから「大したことないラボ」と噛みつかれると、絶対科学が彼に勝っていることを証明するべく、大会への参加を表明しました。






参加者多数のため予定されていなかった予選が開かれ、動き回る上に透明の参加証を制限時間内に見つけ出すことに。
単純でありながら難度の高い問題に手こずるも、コーリッシュ率いる絶対科学チームは仲間達全員で協力し、この関門を突破します。










しかし、本戦参加を決めた7チーム中、コーリッシュ達の通過順位は最下位。
新たな戦いは決して楽ではないと突き付けられた瞬間でした。















南極にて




ベルマーチノートの継承権を賭けた大会は、舞台を南極に移して続行されます。
出された課題は、隕石を収集した上でアザラシと友達になり、それらを活用してアデリーペンギンの営巣地を荒らし回る新種の食虫植物を退治すること。





車の手配をしていなかった絶対科学チームは、魔女の老婆とその孫の2人組であるラボ・デルタウィッチ、古代の医者の名を冠するアルクマイオン2(通称アルク)と助手の看護ロボットから成るチームのアルクマイオン共々、徒歩で南極を移動します。





競い合うはずのライバル同士でありながら、道中ではクレバスに落下しかけたコーリッシュ達をアルクが助けたり、逆に隕石の収集ができず脱落しかけたアルクをコーリッシュが援助したりと、妙な協力関係を見せた3チーム。





ところが吹雪の中でアザラシを保護する共同作業の際、我が身をコーリッシュ達の風よけとしていたアルクが、忽然と姿を消してしまいました。










アルクが残した「自分を信じて進んでください」との言葉を胸に、コーリッシュ達は引き続き大会に臨んで、課題の本丸である食虫植物の撃破に成功。





ベルマーチが「世界で唯一のとっておきの舞台」と称する戦場に移り、勝ち残った5チームの競争が続きます。















亜空間の戦い



決着が近付く大会の次なる舞台は、元の部屋とは別物の世界が広がる亜空間でした。





その亜空間にて、コーリッシュ達は「復元恐竜を制御可能にする」「スーパーコンピューターが起こす悪天候を鎮める」といった課題に挑戦。





アジョイをも上回る程メカニックに長けた十文字科学研や、マインドコントロールを得意技とするラボトリー・Mとの勝負は、コーリッシュをして「神経のすり減る難問」と言わしめる対戦になったものの、いずれも絶対科学チームの勝利で幕を下ろします。










しかし、敗れてもなおベルマーチノートに執心するラボトリー・Mの口からは、妙な言葉が発されました。










ベルマーチノートはただのメモ帳ではなく ベルマーチ博士最後にして最凶の 『悪魔の発明』だ」と。















人工太陽停止実験



ラボトリー・Mの言葉に混沌や不安を感じつつ、最終決戦の土俵へ到着した絶対科学チーム。
彼等の前に立ち塞がった相手は、コーリッシュと同年代と思しき若さで高度な科学力を見せるものの素性が知れない不思議な少年ルートと…










その助手であり、吹雪の中で消息を絶っていたアルクマイオン2でした。










1つのラボとしてだけでなく、ルートのチーム√+a(ルートプラスアルファ)の助手としても参加登録していたアルク。





正体を嗅ぎつけられないようにと都合の良い頃合いで消えていた彼は、南極で共に歩んだデルタウィッチを破り、決勝の場に辿り着いたのです。










絶対科学チームと√+a(ルートプラスアルクマイオン)チームは、ベルマーチノートを賭けて人工太陽を止める実験に挑戦。
先手を打ち、人工のオゾン層を作り出したルートに軍配が上がるかと思いきや、人工太陽が強すぎてオゾンの発生が間に合っておらず、彼の身が危うくなり出します。





それでもベルマーチノートを手に入れようと必死のルートからは、「おじいさんの大事なノートはぼくが守る」との一言が飛び出しました。





ベルマーチの11人の娘は、子供を授からなかった者ばかり。
しかし、彼と喧嘩別れした後に事故死した末娘だけは、子供を産んでいました。





ルートこそが、件の子供その人。
つまりはベルマーチの孫であり、彼の後継者であったのです。










それを聞いたベルマーチは急ぎ人工太陽を止めようとするも、システム停止には時間がかかるため、コーリッシュとまどかが身体を張ってその役目を代行。





わざと人工太陽の質量を上げてその寿命を縮め、素早く停止させました。





晴れてコーリッシュは大会での優勝を飾ったものの、「トロフィーに興味はない」「絶対科学が世界一のラボだと実証されればそれでいい」として、ベルマーチノートはルートへと譲ります。










涙ながらに感謝を告げるルートでしたが、その身体に突然、「軽く息が止まる程度」という空気砲が撃ち込まれました。










空気砲を撃ち、ベルマーチノートを奪ったのは、ルートの助手のアルクマイオン2…










…もとい、着ぐるみを被って、そう名乗っていた男。















全能科学(オールマイティ)のローゼンタールに仕えていた、軍医シュトラッサーでした。















絶対科学と世界の運命



シュトラッサーが奪った、ベルマーチノート。
ただのメモ帳ではなく発明品だと言われていたそのノートの正体は、周囲の物質を際限なく粒子化することで次元を超え、過去に戻ることを可能にする道具でした。





シュトラッサーを追ったコーリッシュとまどかは、現代には残っていない絶対科学のラボに踏み入ります。
それは生前のマス博士を殺し、絶対科学が生まれる前に「その存在自体を消す」ことがシュトラッサーの目的だと意味していました。










そんな企みを抱いたシュトラッサーは何者かと言うと、マス博士の助手であった男
本名をアルバートという彼は、幼少期は酷く身体が弱かったものの、危険な手術や認可されない薬の利用も辞さなかったマス博士の尽力に救われていました。





成長して医師になると、マス博士の助手を務めた後、「マス博士のように誰彼構わず助ける人間になりたい」「絶対科学ならきっとそれができる」と考えて軍医になったと言います。










しかし戦場では誰も助けられなかったらしく、「絶対科学は無意味だった」との考えに行き着いたシュトラッサーは、その苦しみをマス博士には味わわせまいと凶行に走ったのでした。










「渦に呑まれる前に絶対科学を消すのが 唯一 絶対科学を救える方法」と語ったシュトラッサーながら、「師匠の気持ちを… 人の優しさを守り通す!!」と立ちはだかったコーリッシュに敗北。





自らが重傷を負わせたマス博士から「行くんじゃない アルバート…!」と涙ながらに止められるものの、歪む空間の中に残り、消滅して行きました。










一方、コーリッシュとまどかはベルマーチノートの力に救われ、現代に帰還。





シュトラッサーが過去を変えようとしたために現代で地震や洪水が起こるなど、絶対科学のみならず世界の運命にまで関わる事態となったベルマーチノート争奪戦も、どうにか無事に幕を下ろしたのです。















エピローグ





路地裏のラボに帰った、コーリッシュとまどか。
ベルマーチノート争奪戦で競ったライバル達や、朝陽とアーニャとリタ・ロザ、そしてアジョイの近況報告を確認すると、実験の準備に取り掛かっていました。





2人きりの静かな実験になるかと思えば、準備が整った頃合で、朝陽達が揃いも揃って騒々しく戻って来ます。





まどかが「いつも通りのいつものラボ」と評する光景が、復活したところで…










コーリッシュ「実験を始めるぞ」





まどか「はい 博士!」















路地裏のなんでも博士コーリッシュは、この日も実験に勤しんだ模様です。


















次はキャラクターについて





『絶対博士コーリッシュ』のストーリーの要点は、大体上記のようなところです。
ここまで御覧くださり、ありがとうございました。





次回からは何度かに分けて、登場人物について語ってみるつもりです。
上述しましたが、面白いキャラクターの数多い作品であったので、これについての語りは熱が入りそうな予感がします。





読んでいて楽しい記事になるか否かは、別問題ですが。










それでは、また。
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