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2022年05月13日

【ネタバレあり】『BLEACH』の茜雫を語る

またまた夕方に、今晩は。
『BLEACH』の茜雫(せんな)ロスが落ち着きつつある、『暇人の独り言』管理人です。





前回の記事で『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』への気持ちを書き殴ったのが良かったらしく、やる前と比べると随分スッキリしています。


時間と労力がいるけど、やっぱりこうして形にするのは有用だ。










さて。
今回は『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を語る記事の完結編として、茜雫を中心にあれこれ綴って行きます。



遠慮なくネタバレしているので、気にされる方は御注意を。















ストーリー上での活躍




茜雫は、悪霊退治を担う死神代行黒崎一護(くろさき いちご)の前に突然出現した、死神らしき少女です。
初対面時には一護に「うっせーな ばーか!」と暴言を吐く一幕もありましたが、一緒に鬼ごっこをしたりあれこれ奢ってもらったりでそれなりに彼と打ち解けると、魂から抜け落ちた記憶の集合体「思念珠(しねんじゅ)」の捜索を手伝います。





しかし思念珠とは他ならぬ茜雫の事であり、その性質を利用しての世界破壊を目論む一族ダークワンに拉致される破目に。
一護や仲間達の奮闘によって救出されるも、既に間近に迫っていた世界の崩壊を防ぐべく、自分の身を犠牲にしました。





もはや目も利かなくなった消滅の寸前、かつて現世で家族と共に生きていた証を求め、墓に名前があるかを一護に確かめて貰います。
その墓に「茜雫」の名前がないのを見た一護から「ああ あるぜ」と聞かせられると、「良かった…」と涙して消えて行きました。




「元々有り得ない者」ゆえ、それから程なくして一護達の記憶からも消えてしまう運命。
ただ後日には「うっせーなー」と口にする、何処かで見たような少女が一護の前を通り過ぎていたりします…















人柄など




ふとした時に「うっせーな」と乱暴な口を利き、常識外れで突拍子のない行動も多いものの、基本は無邪気で明るい少女です。
また、街角で出会った霊の面倒を見た際は「もうすぐこの世を去って長い旅が待っているのに最後の願いが叶わないなんて寂しい」「せめて最後に良い思い出をあげたい」と語っており、優しい性分も見て取れます。


この発言から丸1日も経たずして自分が「最後の良い思い出」を貰う側になるとは、予想していなかったでしょうが…










自由奔放と言うか落ち着きがないと言うか、一瞬目を離せば無断で何処かへ移動している事も多々。
しかし、鬼ごっこを一時中断した一護から待っておくよう言われた際は、日没後に彼が戻って来るまで本当によそへ移動せず待機していました。


一護を「割と素直」「意外とカタい」と評する彼女もまた、意外に素直でカタい奴?






なおその一護からは、ダークワンに攫われた後の場面にて「自分勝手で気が強くて滅茶苦茶」と評されています。
えらい言い草だけど、何一つ間違ってないから困る。





ちなみに記憶を失った霊「欠魂(ブランク)」の集団を蹴散らした際には陽気に踊っていますが、その動きはなかなかにダサく、どうもダンスの感性はよろしくない模様です。
ついでに、短いスカートを履いているのに一護の前で寝転んで足を上げる場面があり、少々恥じらいが薄い疑いも湧きます。


そしてダークワンのボス巌龍(がんりゅう)の名前を聞いても「ガンなんとか」とうろ覚えだったなど、頭が弱い気配も漂う。





ストーリーの展開柄ほとんど一護としか絡んでおらず、それだけに彼との結び付きが非常に強固。
世界を護るべく命を張る前には一護の服を強く握り締める描写もあるのですが、その姿はさながら一護との思い出を冥途の土産に持って行くようで、悲しく寂しいけれど気高く美しい覚悟を感じます。



自分の消滅だってはっきりと怖がっていたのに、それでも「一護が死ぬのが嫌」だと叫んで散って行ったのには、魂を揺さぶられるばかりでした。














戦闘面




戦闘時は死神達の着用する死覇装(しはくしょう)そっくりの黒い和服姿に変身し、多量の紅葉を舞わせて躍動します。
ただ、死神達の死覇装が白く短い帯をしているのとは異なり、茜雫の衣装は帯が赤く、長さも段違いです。


人によってはこれ1つで、「茜雫は死神ではない」と思ったかも?





身のこなしは軽快かつ俊敏で、流れるように欠魂(ブランク)達を斬り捨てていたほか、劇中二度食らいかけた不意打ちをいずれも自力でかわしています(二度目に至っては一護を助けている)。



扱う斬魄刀(ざんぱくとう)の名は「弥勒丸(みろくまる)」。
夕闇に誘え 弥勒丸」と唱えて解放すると、錫杖と槍を合わせたような武器に変形し、稲妻混じりの強烈な風を起こして標的を蹴散らします。





ただし巌龍に一撃で敗れたほか、その手下ジャイにも一方的に追い詰められていたため、あまり強くはないようです。
今一つ白星に恵まれない原作キャラの朽木ルキア(くちき ルキア)はジャイとそれなりに戦えていたので、ルキアより劣る(=護廷十三隊席官以下)位の力量か。















語録





・「うっせーな ばーか!



悪霊ではない欠魂(ブランク)への攻撃を咎められた際の反応にして、茜雫が一護へ向けた初めての言葉です。
この時点では「何だコイツ」としか思えないけれど、ほんの少ししたら大切な仲間になったのだから、人と人の関わりってフシギ。










・「もう しつこーい



話を聞こうと追って来る一護から楽しそうに逃げ出しての一言。
一護はこのまま鬼ごっこに付き合わせられました。



なお、茜雫は非戦闘時の動きもなかなか素早く、一護に追い付かれた描写はありませんでした。
鬼ごっこでは強者?










・「最初から言ってよ 奢ってくれるなら何でも答えちゃうって



質問に真面目に応じなかった茜雫も、一護から食事を奢られるとこうして随分気前よく答えるようになりました。
なんて現金な奴だ。



しかしやっと答えたら答えたで、一護が問うた欠魂(ブランク)や思念珠については「知らない 初めて聞いた」というオチ。
一護の財布が哀れです…











・「だって高いところから見ると それまでゴチャゴチャしていてよく分かんないものがはっきりするもの




パフォーマンス紛いの綱渡りをしたり観覧車に乗りたがったりで、一護から「お前 高い所好きだな」と言われての返事。
傍からは単なるバ…





…もとい、お調子者にしか思えない高所好きも、茜雫にしてみれば理由があったようです。





一護は終盤、この発言をヒントにダークワンが居座る空間「叫谷(きょうごく)」を発見しており、何気に重要な伏線となりました。










・「わざわざ払いに行くかな 意外とカタイ



試着したまま持ち出した紅いリボンの代金を、一護に肩代わりされての一言です。



なかなかな言い草ですが、すぐに「ありがと」と率直な感謝も示しており、改めてリボンを身に着ける際は「いいとこあんじゃん」と呟くなど、内心結構喜んでいたのが窺えます。





ちなみに茜雫が乗りたがった観覧車は、「絶対乗せねえ」と却下されました。
食事代とリボン代を奢った一護にもはや余力がなかったらしいので仕方ないけれど、何気なくも大切な思い出になっただろうと思うと、実現できなかったのが寂しい。





そして茜雫に関する記憶が消えた後、一護が所持金の減り具合に仰天しなかっただろうかとそこそこ真剣に心配な場面でもあります。
「全然覚えてねえ… 俺 何にこんなに金使ったっけ…」とか、ならなかった?










それにしても流れでこうなっただけとは言え、一護に色々と貢がせた茜雫、恐るべしです。










・「あの子 もうすぐこの世を去らなきゃならないんだよ? そして長い旅が待っている その最後の願いなのに 叶わないなんて寂しいよ



街角で少年の霊と出会い、父親捜しを手伝っている最中の一言です。
「あげたいんだ せめて最後に 良い思い出」と結ぶ姿には、茜雫の確かな優しさが溢れていました。



終盤にて一護が温かい嘘を吐いたのは、きっと茜雫の考えに影響を受けたのだろうと思えます。






余談ながら、映画4作目『地獄篇』では、一護が霊の最後の願いを尊重している場面がありました。
これについてTwitter上では、「茜雫の影響があったからかも」と言われていたりします。



いくら何でもとっくに忘れているだろう…とも思いますが、映画3作目『Fade to Black 君の名を呼ぶ』では一護に関する記憶を失っても魂で彼を覚えているキャラもいたので、Twitter上の意見に頷いておくのもありかもしれません。










・「うっせーな...



救出に来た一護から「随分大人しくしてるじゃねえか いつもの元気はどうした」と言われて、微笑みながら返した一言。



相変わらずの荒い言葉ながら、「お前はそれで良い」と心底思えるシーンです。










・「一護…怖いよ… でも… でもね… させないよ こんなに楽しい世界なのに こんなに… たくさんの人が住んでいるのに こんなに… 一護が… 生きているのに



世界を護るため、自分の命を投げ打つ直前の台詞です。
一護からは「止めろ! お前はこれから...」と言われたものの...










・「私より 一護が死ぬのが嫌なんだよ!!



一護に向けた、目を潤ませながらの叫び。
茜雫を覚えている限り、決して脳裏から零れ落ちる事のない言葉です。










・「良かった...



一護から「墓に名前がある」と嘘を聞かせられての一言です。
流した涙は優しい空事を信じての安堵か、あるいは無情な真実を察した悲しさと「最後の願い」を汲んだ一護の心意気に打たれた感激が混ざってのものか...


どちらにせよ、少しでも茜雫の心が救われていてくれと願わずにはいられません。










・「あったかい… また… 会えるよね…?


散り行く茜雫の、最後の台詞です。
一護の「何言ってんだ 当たり前だろ…」という返事で会話は終わり、茜雫は静かに消えて行きました。



ここから程なくして茜雫についての全ては一護達の記憶から消えるらしく、視聴者は悲しさや虚しさを一層強められますが…










・「うっせーなー いいっしょそんなの どっちでも



茜雫…によく似た、高校生と見える少女の一言です。
周囲の女子に「怒られるって」と言われても「あー パスパース」と何処吹く風で、一護の前を走り抜けて行きました。



僅かな会話から想像するに、授業ないし学校そのものをサボるとでも言い出したのでしょうか。
中身があの茜雫なのか、色々な点が酷似しているだけの別人なのかは断定できませんが、何となくサボりの常習犯なんだろうなと思ってしまいます。





…それは流石に、失礼な話?















・「だってあたしがヒロインじゃん! やっぱあたしのDVDだよ!



『MEMORIES OF NOBODY』のDVDの宣伝における一言です。
場所が場所ゆえメタ発言に遠慮がありませんでした





なお、このCM内では茜雫曰く「久しぶり」の対面ながら、一護も茜雫もお互いをしっかりと覚えています。
映画本編の幕引きを知っていると、「どちらのDVDか」で平和な口論を繰り広げる2人の声は、涙ならぬ笑いなしには聴けません。



ごく特殊な場での一瞬の再会に過ぎないけれど、たまらなく愛しい時間です。















茜雫への感想まとめ



茜雫への感想をまとめると「映画のゲストキャラではなく原作のレギュラーキャラであって欲しかった位の良きヒロイン」といったところです。
もっとも、ゲーム作品等では忘れられる事なくお呼びがかかっているので、これで良しと納得しなくてはならないか。




『BLEACH』ファンとして主人公の一護を全力で応援する管理人ゆえ、その一護を死なせない為に正真正銘命を懸けてくれた茜雫には、感謝と敬意しかありません。



とうに完結した原作にて一護の伴侶は決定されましたが、管理人は今なお「一護の嫁には茜雫しか認めない」と揺らぎなく思う程の一護×茜雫好きでいます。
おめでたい奴とか言わないで






ところで、今年こと2022年10月には原作最終章の「千年血戦篇」がアニメ化されるようですが、「それだけの費用と時間と人材があるなら茜雫復活&一護×茜雫エンドのアニメオリジナルストーリーでも作ってくれ」と訴えたい気分です。



…勿論、そんな企画が生み出される訳もないと理解はしつつ。















余談その1 劇場版以外での出番(?)



上述の通りまともな出番は劇場版1作目限りの茜雫でしたが、その存在を思い出させる機会は他のメディアでもちらほらあります。



例えばアニメの204話では、後ろ姿だけのモブキャラクターが茜雫そっくりだと、ネット上で有名。
実際そのモブキャラは、背中だけなら「似ている」というより、茜雫そのものです。


顔は不明なので赤の他人の可能性もあるし、万一あの茜雫本人だとしても一護と全く絡まないため、残念ながら価値は微妙ですが。


一護をチラ見でもしていたなら、一護×茜雫ファンにとって嬉しいシーンになったかも?










また原作最終章「千年血戦篇」では、一護が「俺は一度叫谷に入ったことがある」と発言している場面もありました。
茜雫の救出を賭して戦った舞台を覚えているという事で、ネット上では「少なくとも一護は茜雫の事を覚えている」との見方が出ているようです。





もっとも、肝心の茜雫については匂わせる程度の言及もないので、一護が彼女を覚えているかどうかは読み取れませんが。
ついでに一護だけが覚えている理由も不明なので素直に喜べないし称えられない










ちなみにゲーム作品には、紛れもない茜雫本人が登場している物も幾らかあります。



管理人の所有物で該当するのは、PSPソフトの『ヒートザソウル6』。
卍解状態の一護とタッグを組むと、茜雫が弥勒丸で敵を打ち上げ、一護が連続斬りで追撃する特別な奥義を発動できます。



短い演出ながら「行くよ 一護!」「任せろ!」という仲の良さげなやり取りから連繋攻撃を決める様は、一護×茜雫ファン必見です。















余談その2 茜雫と結び付けたくなる物あれこれ




テレビシリーズで使われた主題歌や他のBLEACH映画から、本来茜雫と関わりはないけれど結び付けて考えたくなる物を幾つか記してみました。










・『千の夜をこえて



『MEMORIES OF NOBODY』の主題歌という意味では公式に茜雫と関係しまくっていますが、ここで触れます。
歌い手のAqua Timezファンの方には申し訳ない話、「コテコテのラブソングでBLEACHに似合っていない」「格好良くない」と思っていたのですが…





もしもこの歌詞が、一護に対する茜雫の気持ちだとしたら…





…そんな想像をしただけで、好感度が少々変わりました。





正誤はどうあれ、「千の夜をこえて 今あなたに会いに行こう」と歌われる通り、茜雫が何時の日か一護に再会する世界があってくれれば感動物だなと、とうに原作が終わった今でも切に考えています。





ちなみに、BLEACHの声優陣が主題歌をカバーしたアルバム「ブリコン〜BLEACH CONCEPT COVERS〜」では、朽木白哉(くちき びゃくや)役の置鮎龍太郎さんと、阿散井恋次(あばらい れんじ)役の伊藤健太郎さんが、この曲を担当されていました。
サビは全部白哉が出しゃばった





…上述の解釈が浮かんだ今頃になって、茜雫役の斎藤千和さんに歌って貰いたかったと思ったり。















・『一輪の花



テレビシリーズのソウルソサエティ編の時期に使われた歌です。
歌詞の「枯れないで 一輪の花」は、自分の消滅と引き換えにしても一護の命を救った茜雫に、「たとえ君以外の全ての人を敵に回す時が来ても 君のこと守り抜くから」は、茜雫を引き渡さないためなら護廷十三隊とも激突しそうだった一護に重ねたくなります。





管理人自身、本来ならルキアの処刑阻止のため戦う一護を思い浮かべるところだろうと考えてはいますが…















・『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ



名前を持たない姉弟の手によってルキアの存在が死神達の記憶から消し飛ばされ、そのルキアとの関わりで死神代行となった一護も忘れ去られてしまったという筋書きの、劇場版BLEACH第3弾です。





この映画内で一護が「一度繋がった絆は消えねえんじゃねえかって… それなら全て忘れたとしても またきっとどこかで繋がる」と語った場面は、『MEMORIES OF NOBODY』の後に見ると最高に救われる心地がします。





その考えが正解なら、一護と茜雫も、またきっと…















・『Save The One, Save The All



『劇場版BLEACH 地獄篇』の主題歌です。
護る想いは一人じゃない」という歌詞があるのですが、この「護る想い」が、一護と茜雫にも似合っていると感じます。



恋愛というやつ的にどうかはともかく、「護る想い」は文句なく両想いな2人なので。















余談その3 二次創作の茜雫




映画本編では切なさを残すキャラクターだった茜雫も、ファンの二次創作では散り際に少し手が加えられたり、何がしかで復活したりと、幅広いifストーリーを与えられています。





そしてそれらの中では稀に、一護以外に対して当たりがキツい人物となった茜雫も。




しかしそれも、なかなかしっくり来てしまったりします。
映画でも一護には割と懐いた一方、彼の家族に対しては一晩厄介になるにも拘わらず無愛想な描写があったせいか?





余談の中の余談ですが、もし管理人が茜雫で二次創作をやるとしたら、一護を騙した野朗共に激怒してぶちのめしにかかる彼女を描きたいと思っています。
命を懸けるほど一護を大切に想っている茜雫なら、彼を酷い目に遭わせる奴等を許さないだろうから。















茜雫語り これにて完結




気合いを入れてお送りした茜雫を語る記事も、これにて終了です。
書いた管理人自身が驚くやらドン引くやらの長さと暑苦しさになりましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました!





茜雫のイラストを描いてみるのは今の所あっさり挫折していますが、やる気と機会を得れば、再び挑もうと思います。










それでは、また。
posted by 暇人 at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2022年05月09日

【ネタバレあり】『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を語る

夕方に現れて、今晩は。
『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を見返して案の定茜雫(せんな)熱と茜雫ロスが同時に悪化した、『暇人の独り言』管理人です。


こうなる事は分かっていたけれど、それでもあのヒロインをまた見たかったから、これで良いんだ…










さて。
今回は千々に乱れそうな我が心の平穏のため、『MEMORIES OF NOBODY』のストーリーとそれへの感想をネタバレ全開でぶちまけておきます。



感想については最早管理人の愚痴やら願望やらが多いですが、それでも良ければお付き合い下さい。















『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』のストーリー






死神代行と死神(?)少女



高校生活の傍ら死神代行として悪霊退治に奔走する、黒崎一護(くろさき いちご)。
彼はある日、霊から記憶が剥がれ落ちてエネルギーだけとなった存在「欠魂(ブランク)」を発見しました。



悪霊という訳でもないものの、通常の霊を成仏させる方法も通じず対処に苦慮していたところ、死神らしき少女の茜雫が登場。
自分の攻撃を止めに来た一護を「うっせーな ばーか!」と押しのけた茜雫は、欠魂(ブランク)達を遠慮なく蹴散らして行きます。





茜雫から話を聞こうとするも、鬼ごっこに付き合わせられたり、何だかんだで食事や彼女好みの紅いリボンを奢らせられたりと振り回され放題な一護。
ついでに顔馴染みの死神達からは、良からぬ企みを抱いている者がおり、欠魂(ブランク)から抜け落ちて現世に戻った記憶の集合体「思念珠(しねんじゅ)」を狙っているかもしれないと、物騒な話も聞かせられました。





一護はそれなりに打ち解けた茜雫と共に、町の見張りと思念珠の捜索を行います。















思念珠の正体


手掛かりとなる欠魂(ブランク)の次なる登場を狙いつつ、調査に出向く一護と茜雫。
ところが、開始早々に父親とはぐれた少年の霊を見つけた茜雫は「もうすぐこの世を去って長い旅が待っているのに最後の願いが叶わないなんて寂しい」「せめて最後に良い思い出をあげたい」と、横道に逸れてしまいます。



やむなく一護も付き合ったところ、霊の父子を引き合わせる事に成功。
しかしそれと入れ替わるように、魂の世界ソウルソサエティから死神集団の護廷十三隊(ごていじゅうさんたい)がやって来ました。





十三隊の隊士にして一護と縁深い死神の朽木ルキア(くちき ルキア)によれば、死神に関わる組織や機関全ての名簿を調べたが「茜雫」という名前はなく、彼女が扱っている刀も100年前に持ち主の死神共々消えた物だった。


つまり茜雫とは、今存在しているはずがない者だと言います。







死神にありながら生前の記憶を有しているものの、その中身は家族構成も生活環境も全く異なる映像だらけであった茜雫。
本人も気付いていなかった話ながら、一護の思念珠探しを手伝っていた茜雫こそが、その思念珠だったのです。





悪巧みの首謀者巌龍(がんりゅう)の目的が世界破壊であり、その最重要要素が思念珠だとして茜雫を拘束しようとする護廷十三隊と、彼らの問答無用の姿勢に反発する一護。



両者が激突するかに思われた時、噂の巌龍とその手下達…
かつてソウルソサエティの覇権争いに敗れ追放された一族ダークワンが襲来し、茜雫を攫ってしまいました。





思念珠である茜雫に、自らの記憶を求め彷徨う欠魂(ブランク)達を近付けた時、本来離れている現世とソウルソサエティを衝突させる程の凄まじい力が発生し、良くてどちらか一方が、酷ければ世界そのものが消えます。



一護は茜雫を助け出すべく、ダークワンの潜伏先へと乗り込みました。















命を懸けて



一護に続いて護廷十三隊の死神達も幾人かダークワンとの戦いに参加し、瞬く間に残る敵は巌龍のみとなります。





「思念珠などただの記憶の集合体 生き終えた残骸に過ぎぬものを」と吐き捨てる巌龍に、一護は「そんなことはねえ…! 茜雫は… 茜雫は今 ここにいる!!」と切り返すと、全力の激突の末に勝利。





助け出した茜雫を連れ、無事に現世へ帰還しました。



















しかし、めでたく一件落着…とはならず。
現世とソウルソサエティは既に衝突間近まで接近しており、世界崩壊も時間の問題となっていました。





この事態に動いた茜雫は、2つの世界を安定局面へ戻すため、自分の近くにいる欠魂(ブランク)のエネルギーを放出しにかかります。





それは自分の消滅を招く行為であり、一護からも「止めろ!お前はこれから…」と制止されますが、茜雫は「私より一護が死ぬのが嫌なんだよ!!」と断行したのでした。










捨て身の一手によって現世とソウルソサエティは衝突を免れ、世界は救われたものの…















名も無き人の思い出



一護は余命幾許もなくなった茜雫を背負い、とある墓地を訪れていました。
現世で家族と共に生きていた証を求める茜雫から、墓に名前があるのを確かめてほしいと乞われたのです。





目が霞んでしまった茜雫に代わり、彼女の心当たりの墓を確認する一護。
しかし、そこに「茜雫」という名は刻まれていませんでした。





茜雫「ある…?」





一護「…ああ あるぜ お前はこの町で生きて来た 家族もちゃんといた」





一護の答えに「良かった…」と涙する茜雫。
そして、「また会えるよね…?」「何言ってんだ 当たり前だろ…」とのやり取りを最後に、彼女の身体は消えて行きました。










膝を突いた一護の元へルキアが現れ、もうすぐ欠魂(ブランク)のエネルギーが尽き、茜雫についての全ては我々の記憶から消えるだろうと告げます。
「元々有り得ない者の記憶が残る事はない」という訳です。





一護はそこで立ち上がると、「あと僅かでも 今はまだあいつの声が聴こえる…」と応じました。















エピローグ



後日の朝。
一護は強風に流れて来た紅いリボンを掴みました。



傍からは何とも言い難い表情でリボンを見詰める一護の前を…










「うっせーなー いいっしょそんなの どっちでも」










何処かで聞いたような喋り方の少女が、周囲から「怒られるって」と言われてもまるで気にかけず、快活に楽しげに走って行きます。





一護は何事か考え込むようにしてから微妙な面持ちで微笑むと、また歩き出したのでした。















映画全体への感想




久し振りに観ても、悲しさに加えて複雑な気持ちを植え付けられる映画でした。



大団円になってほしかったけれど、こういう苦い幕引きだからこそ良かった点があるのも受け入れざるを得ないか…と。





管理人は御都合主義であろうが安直であろうが、余計な物を残さず爽やかに物語の世界とお別れできるシンプルなハッピーエンドを好んでいます。
ゆえに一護の命懸けの戦いで助けられ、また彼を命懸けで救った茜雫にも無事に生き延び、一護と共に「これから」を過ごしてほしかった。



それが、初めて『MEMORIES OF NOBODY』を見てからずっと変わらない、茜雫というキャラクターへの想いです。





とは言っても、正真正銘命を投げ打って一護を護ってくれた茜雫だからこそ気高く美しく尊いヒロインとなったのも確かだし、彼女や欠魂(ブランク)が存在している方が世界の異常事態なのも残念ながら否定できないので、やっぱりあのエンディングになるしかなかったのかな…とも考えられます。


それがまた、悔しかったり辛かったり。










…つまり映画全体への感想をまとめると、BLEACHファンには十分面白い映画だけどビターエンドに耐性がない方は要注意、という事です。



茜雫に対して好感を抱いたが最後、結末の寂しさから悪霊(ホロウ)化しかねないので。















墓場のシーンへの感想




最終盤で茜雫の名前の無い墓を見た一護が「名前がある」と嘘を吐いたのは、一度見れば記憶に焼き付いて決して離れない、この上なく印象的な光景でした。



確かネット上でも言われていたのですが、一護は隠し事はしても嘘を吐く事は滅多にない人。
それだけに、茜雫への最後の気遣いが光ります。



映画冒頭で悪霊に襲われた少女の霊をさっさと成仏させたのとはまるで異なる、茜雫の「最後の願いなのに叶わないなんて寂しい」に影響を受けたのであろうと思わせる対応でした。





…ただ、昔は茜雫の目が霞んでいたおかげで助かったと短絡的に考えていたのですが、年を食ってからこの場面を見ると、茜雫も一護の返答を優しい嘘だと察していたかも…と疑うようにもなりました。



何せ一護の「…ああ あるぜ」が聴こえるのには僅かな間があったし、声も重かったしなあ…





もっとも茜雫が気付いていたにせよ、「良かった…」と口にした以上は一護の厚意を受け取った形なので、彼女も負けず劣らず粋だったと言って良いでしょう。



正反対に見えるこの2人、実は結構似た者同士だったかも?















エピローグへの感想



茜雫そっくりの少女が現れるエピローグでは一護に台詞が一切ないため、彼の心情や茜雫に関わる記憶の状況は不明です。
視聴者が解釈するほかないのは心許ない一方、自由に受け取れるのはなかなかニクい気もします。





ちなみに管理人は、「既にほとんど忘れているけれどリボンや少女に何かを感じてはいる」と見ました。
まだ十分に覚えている、あるいは朧気にでも思い出したとするにはリボンや少女への反応が結構に鈍く、さりとてチリの粒程度の記憶も残っていないにしては思うところのありそうな表情だったためです。





言わずもがなですが、茜雫そっくりな制服姿の少女にもあれこれ想像させられます。
思念珠ではなく人間として復活した茜雫なのか、それとも容姿や口調や人柄が酷似しているだけの赤の他人なのか?


…後者では余りにつまらないし、偶然としては出来過ぎているので、管理人は前者だと受け取っていますが。





ではあの少女が茜雫だとして、一護に構わず走り去って行ったのは、単に以前の縁を微塵も覚えていないからなのでしょうか?
あるいは、一護を覚えているものの何らかの意図(もう自分は忘れられているだろうからすれ違うだけで良いなど)によって、他人の振りで通り過ぎたのでしょうか?


かつて命を懸けて護った一護を忘れているとすると非常に寂しい話なので後者であって貰いたいけれど、ここは受け取り方に迷うところです。



まあどちらにせよ、随分楽しく過ごせている様子なので「良かった 達者でな」と見送るべきか。






そして最後の最後、一護の微妙な微笑みに関しては…





「これだ」と思える想像ができないので、自然とあの顔になったという解釈にしておきます
管理人は最後の最後で力尽きて手を抜いた















次回は茜雫について



久し振りに少々長めの語りになりましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました。
この勢いに乗って(?)、次回は茜雫の人となり等について喋ってみようと思います。



今回と次回の記事がBLEACHファンや茜雫好きの方に楽しんで貰えて、ついでに管理人の茜雫熱と茜雫ロスを治してくれると良いのですが…





それでは、また。
posted by 暇人 at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ
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