2022年05月13日
【ネタバレあり】『BLEACH』の茜雫を語る
またまた夕方に、今晩は。
『BLEACH』の茜雫(せんな)ロスが落ち着きつつある、『暇人の独り言』管理人です。
前回の記事で『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』への気持ちを書き殴ったのが良かったらしく、やる前と比べると随分スッキリしています。
時間と労力がいるけど、やっぱりこうして形にするのは有用だ。
さて。
今回は『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を語る記事の完結編として、茜雫を中心にあれこれ綴って行きます。
遠慮なくネタバレしているので、気にされる方は御注意を。
茜雫は、悪霊退治を担う死神代行黒崎一護(くろさき いちご)の前に突然出現した、死神らしき少女です。
初対面時には一護に「うっせーな ばーか!」と暴言を吐く一幕もありましたが、一緒に鬼ごっこをしたりあれこれ奢ってもらったりでそれなりに彼と打ち解けると、魂から抜け落ちた記憶の集合体「思念珠(しねんじゅ)」の捜索を手伝います。
しかし思念珠とは他ならぬ茜雫の事であり、その性質を利用しての世界破壊を目論む一族ダークワンに拉致される破目に。
一護や仲間達の奮闘によって救出されるも、既に間近に迫っていた世界の崩壊を防ぐべく、自分の身を犠牲にしました。
もはや目も利かなくなった消滅の寸前、かつて現世で家族と共に生きていた証を求め、墓に名前があるかを一護に確かめて貰います。
その墓に「茜雫」の名前がないのを見た一護から「ああ あるぜ」と聞かせられると、「良かった…」と涙して消えて行きました。
「元々有り得ない者」ゆえ、それから程なくして一護達の記憶からも消えてしまう運命。
ただ後日には「うっせーなー」と口にする、何処かで見たような少女が一護の前を通り過ぎていたりします…
ふとした時に「うっせーな」と乱暴な口を利き、常識外れで突拍子のない行動も多いものの、基本は無邪気で明るい少女です。
また、街角で出会った霊の面倒を見た際は「もうすぐこの世を去って長い旅が待っているのに最後の願いが叶わないなんて寂しい」「せめて最後に良い思い出をあげたい」と語っており、優しい性分も見て取れます。
この発言から丸1日も経たずして自分が「最後の良い思い出」を貰う側になるとは、予想していなかったでしょうが…
自由奔放と言うか落ち着きがないと言うか、一瞬目を離せば無断で何処かへ移動している事も多々。
しかし、鬼ごっこを一時中断した一護から待っておくよう言われた際は、日没後に彼が戻って来るまで本当によそへ移動せず待機していました。
一護を「割と素直」「意外とカタい」と評する彼女もまた、意外に素直でカタい奴?
なおその一護からは、ダークワンに攫われた後の場面にて「自分勝手で気が強くて滅茶苦茶」と評されています。
えらい言い草だけど、何一つ間違ってないから困る。
ちなみに記憶を失った霊「欠魂(ブランク)」の集団を蹴散らした際には陽気に踊っていますが、その動きはなかなかにダサく、どうもダンスの感性はよろしくない模様です。
ついでに、短いスカートを履いているのに一護の前で寝転んで足を上げる場面があり、少々恥じらいが薄い疑いも湧きます。
そしてダークワンのボス巌龍(がんりゅう)の名前を聞いても「ガンなんとか」とうろ覚えだったなど、頭が弱い気配も漂う。
ストーリーの展開柄ほとんど一護としか絡んでおらず、それだけに彼との結び付きが非常に強固。
世界を護るべく命を張る前には一護の服を強く握り締める描写もあるのですが、その姿はさながら一護との思い出を冥途の土産に持って行くようで、悲しく寂しいけれど気高く美しい覚悟を感じます。
自分の消滅だってはっきりと怖がっていたのに、それでも「一護が死ぬのが嫌」だと叫んで散って行ったのには、魂を揺さぶられるばかりでした。
戦闘時は死神達の着用する死覇装(しはくしょう)そっくりの黒い和服姿に変身し、多量の紅葉を舞わせて躍動します。
ただ、死神達の死覇装が白く短い帯をしているのとは異なり、茜雫の衣装は帯が赤く、長さも段違いです。
人によってはこれ1つで、「茜雫は死神ではない」と思ったかも?
身のこなしは軽快かつ俊敏で、流れるように欠魂(ブランク)達を斬り捨てていたほか、劇中二度食らいかけた不意打ちをいずれも自力でかわしています(二度目に至っては一護を助けている)。
扱う斬魄刀(ざんぱくとう)の名は「弥勒丸(みろくまる)」。
「夕闇に誘え 弥勒丸」と唱えて解放すると、錫杖と槍を合わせたような武器に変形し、稲妻混じりの強烈な風を起こして標的を蹴散らします。
ただし巌龍に一撃で敗れたほか、その手下ジャイにも一方的に追い詰められていたため、あまり強くはないようです。
今一つ白星に恵まれない原作キャラの朽木ルキア(くちき ルキア)はジャイとそれなりに戦えていたので、ルキアより劣る(=護廷十三隊席官以下)位の力量か。
・「うっせーな ばーか!」
悪霊ではない欠魂(ブランク)への攻撃を咎められた際の反応にして、茜雫が一護へ向けた初めての言葉です。
この時点では「何だコイツ」としか思えないけれど、ほんの少ししたら大切な仲間になったのだから、人と人の関わりってフシギ。
・「もう しつこーい」
話を聞こうと追って来る一護から楽しそうに逃げ出しての一言。
一護はこのまま鬼ごっこに付き合わせられました。
なお、茜雫は非戦闘時の動きもなかなか素早く、一護に追い付かれた描写はありませんでした。
鬼ごっこでは強者?
・「最初から言ってよ 奢ってくれるなら何でも答えちゃうって」
質問に真面目に応じなかった茜雫も、一護から食事を奢られるとこうして随分気前よく答えるようになりました。
なんて現金な奴だ。
しかしやっと答えたら答えたで、一護が問うた欠魂(ブランク)や思念珠については「知らない 初めて聞いた」というオチ。
一護の財布が哀れです…
・「だって高いところから見ると それまでゴチャゴチャしていてよく分かんないものがはっきりするもの」
パフォーマンス紛いの綱渡りをしたり観覧車に乗りたがったりで、一護から「お前 高い所好きだな」と言われての返事。
傍からは単なるバ…
…もとい、お調子者にしか思えない高所好きも、茜雫にしてみれば理由があったようです。
一護は終盤、この発言をヒントにダークワンが居座る空間「叫谷(きょうごく)」を発見しており、何気に重要な伏線となりました。
・「わざわざ払いに行くかな 意外とカタイ」
試着したまま持ち出した紅いリボンの代金を、一護に肩代わりされての一言です。
なかなかな言い草ですが、すぐに「ありがと」と率直な感謝も示しており、改めてリボンを身に着ける際は「いいとこあんじゃん」と呟くなど、内心結構喜んでいたのが窺えます。
ちなみに茜雫が乗りたがった観覧車は、「絶対乗せねえ」と却下されました。
食事代とリボン代を奢った一護にもはや余力がなかったらしいので仕方ないけれど、何気なくも大切な思い出になっただろうと思うと、実現できなかったのが寂しい。
そして茜雫に関する記憶が消えた後、一護が所持金の減り具合に仰天しなかっただろうかとそこそこ真剣に心配な場面でもあります。
「全然覚えてねえ… 俺 何にこんなに金使ったっけ…」とか、ならなかった?
それにしても流れでこうなっただけとは言え、一護に色々と貢がせた茜雫、恐るべしです。
・「あの子 もうすぐこの世を去らなきゃならないんだよ? そして長い旅が待っている その最後の願いなのに 叶わないなんて寂しいよ」
街角で少年の霊と出会い、父親捜しを手伝っている最中の一言です。
「あげたいんだ せめて最後に 良い思い出」と結ぶ姿には、茜雫の確かな優しさが溢れていました。
終盤にて一護が温かい嘘を吐いたのは、きっと茜雫の考えに影響を受けたのだろうと思えます。
余談ながら、映画4作目『地獄篇』では、一護が霊の最後の願いを尊重している場面がありました。
これについてTwitter上では、「茜雫の影響があったからかも」と言われていたりします。
いくら何でもとっくに忘れているだろう…とも思いますが、映画3作目『Fade to Black 君の名を呼ぶ』では一護に関する記憶を失っても魂で彼を覚えているキャラもいたので、Twitter上の意見に頷いておくのもありかもしれません。
・「うっせーな...」
救出に来た一護から「随分大人しくしてるじゃねえか いつもの元気はどうした」と言われて、微笑みながら返した一言。
相変わらずの荒い言葉ながら、「お前はそれで良い」と心底思えるシーンです。
・「一護…怖いよ… でも… でもね… させないよ こんなに楽しい世界なのに こんなに… たくさんの人が住んでいるのに こんなに… 一護が… 生きているのに」
世界を護るため、自分の命を投げ打つ直前の台詞です。
一護からは「止めろ! お前はこれから...」と言われたものの...
・「私より 一護が死ぬのが嫌なんだよ!!」
一護に向けた、目を潤ませながらの叫び。
茜雫を覚えている限り、決して脳裏から零れ落ちる事のない言葉です。
・「良かった...」
一護から「墓に名前がある」と嘘を聞かせられての一言です。
流した涙は優しい空事を信じての安堵か、あるいは無情な真実を察した悲しさと「最後の願い」を汲んだ一護の心意気に打たれた感激が混ざってのものか...
どちらにせよ、少しでも茜雫の心が救われていてくれと願わずにはいられません。
・「あったかい… また… 会えるよね…?」
散り行く茜雫の、最後の台詞です。
一護の「何言ってんだ 当たり前だろ…」という返事で会話は終わり、茜雫は静かに消えて行きました。
ここから程なくして茜雫についての全ては一護達の記憶から消えるらしく、視聴者は悲しさや虚しさを一層強められますが…
・「うっせーなー いいっしょそんなの どっちでも」
茜雫…によく似た、高校生と見える少女の一言です。
周囲の女子に「怒られるって」と言われても「あー パスパース」と何処吹く風で、一護の前を走り抜けて行きました。
僅かな会話から想像するに、授業ないし学校そのものをサボるとでも言い出したのでしょうか。
中身があの茜雫なのか、色々な点が酷似しているだけの別人なのかは断定できませんが、何となくサボりの常習犯なんだろうなと思ってしまいます。
…それは流石に、失礼な話?
・「だってあたしがヒロインじゃん! やっぱあたしのDVDだよ!」
『MEMORIES OF NOBODY』のDVDの宣伝における一言です。
場所が場所ゆえメタ発言に遠慮がありませんでした。
なお、このCM内では茜雫曰く「久しぶり」の対面ながら、一護も茜雫もお互いをしっかりと覚えています。
映画本編の幕引きを知っていると、「どちらのDVDか」で平和な口論を繰り広げる2人の声は、涙ならぬ笑いなしには聴けません。
ごく特殊な場での一瞬の再会に過ぎないけれど、たまらなく愛しい時間です。
茜雫への感想をまとめると「映画のゲストキャラではなく原作のレギュラーキャラであって欲しかった位の良きヒロイン」といったところです。
もっとも、ゲーム作品等では忘れられる事なくお呼びがかかっているので、これで良しと納得しなくてはならないか。
『BLEACH』ファンとして主人公の一護を全力で応援する管理人ゆえ、その一護を死なせない為に正真正銘命を懸けてくれた茜雫には、感謝と敬意しかありません。
とうに完結した原作にて一護の伴侶は決定されましたが、管理人は今なお「一護の嫁には茜雫しか認めない」と揺らぎなく思う程の一護×茜雫好きでいます。
おめでたい奴とか言わないで
ところで、今年こと2022年10月には原作最終章の「千年血戦篇」がアニメ化されるようですが、「それだけの費用と時間と人材があるなら茜雫復活&一護×茜雫エンドのアニメオリジナルストーリーでも作ってくれ」と訴えたい気分です。
…勿論、そんな企画が生み出される訳もないと理解はしつつ。
上述の通りまともな出番は劇場版1作目限りの茜雫でしたが、その存在を思い出させる機会は他のメディアでもちらほらあります。
例えばアニメの204話では、後ろ姿だけのモブキャラクターが茜雫そっくりだと、ネット上で有名。
実際そのモブキャラは、背中だけなら「似ている」というより、茜雫そのものです。
顔は不明なので赤の他人の可能性もあるし、万一あの茜雫本人だとしても一護と全く絡まないため、残念ながら価値は微妙ですが。
一護をチラ見でもしていたなら、一護×茜雫ファンにとって嬉しいシーンになったかも?
また原作最終章「千年血戦篇」では、一護が「俺は一度叫谷に入ったことがある」と発言している場面もありました。
茜雫の救出を賭して戦った舞台を覚えているという事で、ネット上では「少なくとも一護は茜雫の事を覚えている」との見方が出ているようです。
もっとも、肝心の茜雫については匂わせる程度の言及もないので、一護が彼女を覚えているかどうかは読み取れませんが。
ついでに一護だけが覚えている理由も不明なので素直に喜べないし称えられない
ちなみにゲーム作品には、紛れもない茜雫本人が登場している物も幾らかあります。
管理人の所有物で該当するのは、PSPソフトの『ヒートザソウル6』。
卍解状態の一護とタッグを組むと、茜雫が弥勒丸で敵を打ち上げ、一護が連続斬りで追撃する特別な奥義を発動できます。
短い演出ながら「行くよ 一護!」「任せろ!」という仲の良さげなやり取りから連繋攻撃を決める様は、一護×茜雫ファン必見です。
テレビシリーズで使われた主題歌や他のBLEACH映画から、本来茜雫と関わりはないけれど結び付けて考えたくなる物を幾つか記してみました。
・『千の夜をこえて』
『MEMORIES OF NOBODY』の主題歌という意味では公式に茜雫と関係しまくっていますが、ここで触れます。
歌い手のAqua Timezファンの方には申し訳ない話、「コテコテのラブソングでBLEACHに似合っていない」「格好良くない」と思っていたのですが…
「もしもこの歌詞が、一護に対する茜雫の気持ちだとしたら…」
…そんな想像をしただけで、好感度が少々変わりました。
正誤はどうあれ、「千の夜をこえて 今あなたに会いに行こう」と歌われる通り、茜雫が何時の日か一護に再会する世界があってくれれば感動物だなと、とうに原作が終わった今でも切に考えています。
ちなみに、BLEACHの声優陣が主題歌をカバーしたアルバム「ブリコン〜BLEACH CONCEPT COVERS〜」では、朽木白哉(くちき びゃくや)役の置鮎龍太郎さんと、阿散井恋次(あばらい れんじ)役の伊藤健太郎さんが、この曲を担当されていました。
サビは全部白哉が出しゃばった
…上述の解釈が浮かんだ今頃になって、茜雫役の斎藤千和さんに歌って貰いたかったと思ったり。
・『一輪の花』
テレビシリーズのソウルソサエティ編の時期に使われた歌です。
歌詞の「枯れないで 一輪の花」は、自分の消滅と引き換えにしても一護の命を救った茜雫に、「たとえ君以外の全ての人を敵に回す時が来ても 君のこと守り抜くから」は、茜雫を引き渡さないためなら護廷十三隊とも激突しそうだった一護に重ねたくなります。
管理人自身、本来ならルキアの処刑阻止のため戦う一護を思い浮かべるところだろうと考えてはいますが…
・『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』
名前を持たない姉弟の手によってルキアの存在が死神達の記憶から消し飛ばされ、そのルキアとの関わりで死神代行となった一護も忘れ去られてしまったという筋書きの、劇場版BLEACH第3弾です。
この映画内で一護が「一度繋がった絆は消えねえんじゃねえかって… それなら全て忘れたとしても またきっとどこかで繋がる」と語った場面は、『MEMORIES OF NOBODY』の後に見ると最高に救われる心地がします。
その考えが正解なら、一護と茜雫も、またきっと…
・『Save The One, Save The All』
『劇場版BLEACH 地獄篇』の主題歌です。
「護る想いは一人じゃない」という歌詞があるのですが、この「護る想い」が、一護と茜雫にも似合っていると感じます。
恋愛というやつ的にどうかはともかく、「護る想い」は文句なく両想いな2人なので。
映画本編では切なさを残すキャラクターだった茜雫も、ファンの二次創作では散り際に少し手が加えられたり、何がしかで復活したりと、幅広いifストーリーを与えられています。
そしてそれらの中では稀に、一護以外に対して当たりがキツい人物となった茜雫も。
しかしそれも、なかなかしっくり来てしまったりします。
映画でも一護には割と懐いた一方、彼の家族に対しては一晩厄介になるにも拘わらず無愛想な描写があったせいか?
余談の中の余談ですが、もし管理人が茜雫で二次創作をやるとしたら、一護を騙した野朗共に激怒してぶちのめしにかかる彼女を描きたいと思っています。
命を懸けるほど一護を大切に想っている茜雫なら、彼を酷い目に遭わせる奴等を許さないだろうから。
気合いを入れてお送りした茜雫を語る記事も、これにて終了です。
書いた管理人自身が驚くやらドン引くやらの長さと暑苦しさになりましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました!
茜雫のイラストを描いてみるのは今の所あっさり挫折していますが、やる気と機会を得れば、再び挑もうと思います。
それでは、また。
『BLEACH』の茜雫(せんな)ロスが落ち着きつつある、『暇人の独り言』管理人です。
前回の記事で『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』への気持ちを書き殴ったのが良かったらしく、やる前と比べると随分スッキリしています。
時間と労力がいるけど、やっぱりこうして形にするのは有用だ。
さて。
今回は『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を語る記事の完結編として、茜雫を中心にあれこれ綴って行きます。
遠慮なくネタバレしているので、気にされる方は御注意を。
ストーリー上での活躍
茜雫は、悪霊退治を担う死神代行黒崎一護(くろさき いちご)の前に突然出現した、死神らしき少女です。
初対面時には一護に「うっせーな ばーか!」と暴言を吐く一幕もありましたが、一緒に鬼ごっこをしたりあれこれ奢ってもらったりでそれなりに彼と打ち解けると、魂から抜け落ちた記憶の集合体「思念珠(しねんじゅ)」の捜索を手伝います。
しかし思念珠とは他ならぬ茜雫の事であり、その性質を利用しての世界破壊を目論む一族ダークワンに拉致される破目に。
一護や仲間達の奮闘によって救出されるも、既に間近に迫っていた世界の崩壊を防ぐべく、自分の身を犠牲にしました。
もはや目も利かなくなった消滅の寸前、かつて現世で家族と共に生きていた証を求め、墓に名前があるかを一護に確かめて貰います。
その墓に「茜雫」の名前がないのを見た一護から「ああ あるぜ」と聞かせられると、「良かった…」と涙して消えて行きました。
「元々有り得ない者」ゆえ、それから程なくして一護達の記憶からも消えてしまう運命。
ただ後日には「うっせーなー」と口にする、何処かで見たような少女が一護の前を通り過ぎていたりします…
人柄など
ふとした時に「うっせーな」と乱暴な口を利き、常識外れで突拍子のない行動も多いものの、基本は無邪気で明るい少女です。
また、街角で出会った霊の面倒を見た際は「もうすぐこの世を去って長い旅が待っているのに最後の願いが叶わないなんて寂しい」「せめて最後に良い思い出をあげたい」と語っており、優しい性分も見て取れます。
この発言から丸1日も経たずして自分が「最後の良い思い出」を貰う側になるとは、予想していなかったでしょうが…
自由奔放と言うか落ち着きがないと言うか、一瞬目を離せば無断で何処かへ移動している事も多々。
しかし、鬼ごっこを一時中断した一護から待っておくよう言われた際は、日没後に彼が戻って来るまで本当によそへ移動せず待機していました。
一護を「割と素直」「意外とカタい」と評する彼女もまた、意外に素直でカタい奴?
なおその一護からは、ダークワンに攫われた後の場面にて「自分勝手で気が強くて滅茶苦茶」と評されています。
えらい言い草だけど、何一つ間違ってないから困る。
ちなみに記憶を失った霊「欠魂(ブランク)」の集団を蹴散らした際には陽気に踊っていますが、その動きはなかなかにダサく、どうもダンスの感性はよろしくない模様です。
ついでに、短いスカートを履いているのに一護の前で寝転んで足を上げる場面があり、少々恥じらいが薄い疑いも湧きます。
そしてダークワンのボス巌龍(がんりゅう)の名前を聞いても「ガンなんとか」とうろ覚えだったなど、頭が弱い気配も漂う。
ストーリーの展開柄ほとんど一護としか絡んでおらず、それだけに彼との結び付きが非常に強固。
世界を護るべく命を張る前には一護の服を強く握り締める描写もあるのですが、その姿はさながら一護との思い出を冥途の土産に持って行くようで、悲しく寂しいけれど気高く美しい覚悟を感じます。
自分の消滅だってはっきりと怖がっていたのに、それでも「一護が死ぬのが嫌」だと叫んで散って行ったのには、魂を揺さぶられるばかりでした。
戦闘面
戦闘時は死神達の着用する死覇装(しはくしょう)そっくりの黒い和服姿に変身し、多量の紅葉を舞わせて躍動します。
ただ、死神達の死覇装が白く短い帯をしているのとは異なり、茜雫の衣装は帯が赤く、長さも段違いです。
人によってはこれ1つで、「茜雫は死神ではない」と思ったかも?
身のこなしは軽快かつ俊敏で、流れるように欠魂(ブランク)達を斬り捨てていたほか、劇中二度食らいかけた不意打ちをいずれも自力でかわしています(二度目に至っては一護を助けている)。
扱う斬魄刀(ざんぱくとう)の名は「弥勒丸(みろくまる)」。
「夕闇に誘え 弥勒丸」と唱えて解放すると、錫杖と槍を合わせたような武器に変形し、稲妻混じりの強烈な風を起こして標的を蹴散らします。
ただし巌龍に一撃で敗れたほか、その手下ジャイにも一方的に追い詰められていたため、あまり強くはないようです。
語録
・「うっせーな ばーか!」
悪霊ではない欠魂(ブランク)への攻撃を咎められた際の反応にして、茜雫が一護へ向けた初めての言葉です。
この時点では「何だコイツ」としか思えないけれど、ほんの少ししたら大切な仲間になったのだから、人と人の関わりってフシギ。
・「もう しつこーい」
話を聞こうと追って来る一護から楽しそうに逃げ出しての一言。
一護はこのまま鬼ごっこに付き合わせられました。
なお、茜雫は非戦闘時の動きもなかなか素早く、一護に追い付かれた描写はありませんでした。
鬼ごっこでは強者?
・「最初から言ってよ 奢ってくれるなら何でも答えちゃうって」
質問に真面目に応じなかった茜雫も、一護から食事を奢られるとこうして随分気前よく答えるようになりました。
なんて現金な奴だ。
しかしやっと答えたら答えたで、一護が問うた欠魂(ブランク)や思念珠については「知らない 初めて聞いた」というオチ。
一護の財布が哀れです…
・「だって高いところから見ると それまでゴチャゴチャしていてよく分かんないものがはっきりするもの」
パフォーマンス紛いの綱渡りをしたり観覧車に乗りたがったりで、一護から「お前 高い所好きだな」と言われての返事。
傍からは単なるバ…
…もとい、お調子者にしか思えない高所好きも、茜雫にしてみれば理由があったようです。
一護は終盤、この発言をヒントにダークワンが居座る空間「叫谷(きょうごく)」を発見しており、何気に重要な伏線となりました。
・「わざわざ払いに行くかな 意外とカタイ」
試着したまま持ち出した紅いリボンの代金を、一護に肩代わりされての一言です。
なかなかな言い草ですが、すぐに「ありがと」と率直な感謝も示しており、改めてリボンを身に着ける際は「いいとこあんじゃん」と呟くなど、内心結構喜んでいたのが窺えます。
ちなみに茜雫が乗りたがった観覧車は、「絶対乗せねえ」と却下されました。
食事代とリボン代を奢った一護にもはや余力がなかったらしいので仕方ないけれど、何気なくも大切な思い出になっただろうと思うと、実現できなかったのが寂しい。
そして茜雫に関する記憶が消えた後、一護が所持金の減り具合に仰天しなかっただろうかとそこそこ真剣に心配な場面でもあります。
「全然覚えてねえ… 俺 何にこんなに金使ったっけ…」とか、ならなかった?
それにしても流れでこうなっただけとは言え、一護に色々と貢がせた茜雫、恐るべしです。
・「あの子 もうすぐこの世を去らなきゃならないんだよ? そして長い旅が待っている その最後の願いなのに 叶わないなんて寂しいよ」
街角で少年の霊と出会い、父親捜しを手伝っている最中の一言です。
「あげたいんだ せめて最後に 良い思い出」と結ぶ姿には、茜雫の確かな優しさが溢れていました。
終盤にて一護が温かい嘘を吐いたのは、きっと茜雫の考えに影響を受けたのだろうと思えます。
余談ながら、映画4作目『地獄篇』では、一護が霊の最後の願いを尊重している場面がありました。
これについてTwitter上では、「茜雫の影響があったからかも」と言われていたりします。
いくら何でもとっくに忘れているだろう…とも思いますが、映画3作目『Fade to Black 君の名を呼ぶ』では一護に関する記憶を失っても魂で彼を覚えているキャラもいたので、Twitter上の意見に頷いておくのもありかもしれません。
・「うっせーな...」
救出に来た一護から「随分大人しくしてるじゃねえか いつもの元気はどうした」と言われて、微笑みながら返した一言。
相変わらずの荒い言葉ながら、「お前はそれで良い」と心底思えるシーンです。
・「一護…怖いよ… でも… でもね… させないよ こんなに楽しい世界なのに こんなに… たくさんの人が住んでいるのに こんなに… 一護が… 生きているのに」
世界を護るため、自分の命を投げ打つ直前の台詞です。
一護からは「止めろ! お前はこれから...」と言われたものの...
・「私より 一護が死ぬのが嫌なんだよ!!」
一護に向けた、目を潤ませながらの叫び。
茜雫を覚えている限り、決して脳裏から零れ落ちる事のない言葉です。
・「良かった...」
一護から「墓に名前がある」と嘘を聞かせられての一言です。
流した涙は優しい空事を信じての安堵か、あるいは無情な真実を察した悲しさと「最後の願い」を汲んだ一護の心意気に打たれた感激が混ざってのものか...
どちらにせよ、少しでも茜雫の心が救われていてくれと願わずにはいられません。
・「あったかい… また… 会えるよね…?」
散り行く茜雫の、最後の台詞です。
一護の「何言ってんだ 当たり前だろ…」という返事で会話は終わり、茜雫は静かに消えて行きました。
ここから程なくして茜雫についての全ては一護達の記憶から消えるらしく、視聴者は悲しさや虚しさを一層強められますが…
・「うっせーなー いいっしょそんなの どっちでも」
茜雫…によく似た、高校生と見える少女の一言です。
周囲の女子に「怒られるって」と言われても「あー パスパース」と何処吹く風で、一護の前を走り抜けて行きました。
僅かな会話から想像するに、授業ないし学校そのものをサボるとでも言い出したのでしょうか。
中身があの茜雫なのか、色々な点が酷似しているだけの別人なのかは断定できませんが、何となくサボりの常習犯なんだろうなと思ってしまいます。
…それは流石に、失礼な話?
・「だってあたしがヒロインじゃん! やっぱあたしのDVDだよ!」
『MEMORIES OF NOBODY』のDVDの宣伝における一言です。
場所が場所ゆえメタ発言に遠慮がありませんでした。
なお、このCM内では茜雫曰く「久しぶり」の対面ながら、一護も茜雫もお互いをしっかりと覚えています。
映画本編の幕引きを知っていると、「どちらのDVDか」で平和な口論を繰り広げる2人の声は、涙ならぬ笑いなしには聴けません。
ごく特殊な場での一瞬の再会に過ぎないけれど、たまらなく愛しい時間です。
茜雫への感想まとめ
茜雫への感想をまとめると「映画のゲストキャラではなく原作のレギュラーキャラであって欲しかった位の良きヒロイン」といったところです。
もっとも、ゲーム作品等では忘れられる事なくお呼びがかかっているので、これで良しと納得しなくてはならないか。
『BLEACH』ファンとして主人公の一護を全力で応援する管理人ゆえ、その一護を死なせない為に正真正銘命を懸けてくれた茜雫には、感謝と敬意しかありません。
とうに完結した原作にて一護の伴侶は決定されましたが、管理人は今なお「一護の嫁には茜雫しか認めない」と揺らぎなく思う程の一護×茜雫好きでいます。
ところで、今年こと2022年10月には原作最終章の「千年血戦篇」がアニメ化されるようですが、「それだけの費用と時間と人材があるなら茜雫復活&一護×茜雫エンドのアニメオリジナルストーリーでも作ってくれ」と訴えたい気分です。
…勿論、そんな企画が生み出される訳もないと理解はしつつ。
余談その1 劇場版以外での出番(?)
上述の通りまともな出番は劇場版1作目限りの茜雫でしたが、その存在を思い出させる機会は他のメディアでもちらほらあります。
例えばアニメの204話では、後ろ姿だけのモブキャラクターが茜雫そっくりだと、ネット上で有名。
実際そのモブキャラは、背中だけなら「似ている」というより、茜雫そのものです。
顔は不明なので赤の他人の可能性もあるし、万一あの茜雫本人だとしても一護と全く絡まないため、残念ながら価値は微妙ですが。
一護をチラ見でもしていたなら、一護×茜雫ファンにとって嬉しいシーンになったかも?
また原作最終章「千年血戦篇」では、一護が「俺は一度叫谷に入ったことがある」と発言している場面もありました。
茜雫の救出を賭して戦った舞台を覚えているという事で、ネット上では「少なくとも一護は茜雫の事を覚えている」との見方が出ているようです。
もっとも、肝心の茜雫については匂わせる程度の言及もないので、一護が彼女を覚えているかどうかは読み取れませんが。
ちなみにゲーム作品には、紛れもない茜雫本人が登場している物も幾らかあります。
管理人の所有物で該当するのは、PSPソフトの『ヒートザソウル6』。
卍解状態の一護とタッグを組むと、茜雫が弥勒丸で敵を打ち上げ、一護が連続斬りで追撃する特別な奥義を発動できます。
短い演出ながら「行くよ 一護!」「任せろ!」という仲の良さげなやり取りから連繋攻撃を決める様は、一護×茜雫ファン必見です。
余談その2 茜雫と結び付けたくなる物あれこれ
テレビシリーズで使われた主題歌や他のBLEACH映画から、本来茜雫と関わりはないけれど結び付けて考えたくなる物を幾つか記してみました。
・『千の夜をこえて』
『MEMORIES OF NOBODY』の主題歌という意味では公式に茜雫と関係しまくっていますが、ここで触れます。
歌い手のAqua Timezファンの方には申し訳ない話、「コテコテのラブソングでBLEACHに似合っていない」「格好良くない」と思っていたのですが…
「もしもこの歌詞が、一護に対する茜雫の気持ちだとしたら…」
…そんな想像をしただけで、好感度が少々変わりました。
正誤はどうあれ、「千の夜をこえて 今あなたに会いに行こう」と歌われる通り、茜雫が何時の日か一護に再会する世界があってくれれば感動物だなと、とうに原作が終わった今でも切に考えています。
ちなみに、BLEACHの声優陣が主題歌をカバーしたアルバム「ブリコン〜BLEACH CONCEPT COVERS〜」では、朽木白哉(くちき びゃくや)役の置鮎龍太郎さんと、阿散井恋次(あばらい れんじ)役の伊藤健太郎さんが、この曲を担当されていました。
…上述の解釈が浮かんだ今頃になって、茜雫役の斎藤千和さんに歌って貰いたかったと思ったり。
・『一輪の花』
テレビシリーズのソウルソサエティ編の時期に使われた歌です。
歌詞の「枯れないで 一輪の花」は、自分の消滅と引き換えにしても一護の命を救った茜雫に、「たとえ君以外の全ての人を敵に回す時が来ても 君のこと守り抜くから」は、茜雫を引き渡さないためなら護廷十三隊とも激突しそうだった一護に重ねたくなります。
管理人自身、本来ならルキアの処刑阻止のため戦う一護を思い浮かべるところだろうと考えてはいますが…
・『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』
名前を持たない姉弟の手によってルキアの存在が死神達の記憶から消し飛ばされ、そのルキアとの関わりで死神代行となった一護も忘れ去られてしまったという筋書きの、劇場版BLEACH第3弾です。
この映画内で一護が「一度繋がった絆は消えねえんじゃねえかって… それなら全て忘れたとしても またきっとどこかで繋がる」と語った場面は、『MEMORIES OF NOBODY』の後に見ると最高に救われる心地がします。
その考えが正解なら、一護と茜雫も、またきっと…
・『Save The One, Save The All』
『劇場版BLEACH 地獄篇』の主題歌です。
「護る想いは一人じゃない」という歌詞があるのですが、この「護る想い」が、一護と茜雫にも似合っていると感じます。
恋愛というやつ的にどうかはともかく、「護る想い」は文句なく両想いな2人なので。
余談その3 二次創作の茜雫
映画本編では切なさを残すキャラクターだった茜雫も、ファンの二次創作では散り際に少し手が加えられたり、何がしかで復活したりと、幅広いifストーリーを与えられています。
そしてそれらの中では稀に、一護以外に対して当たりがキツい人物となった茜雫も。
しかしそれも、なかなかしっくり来てしまったりします。
映画でも一護には割と懐いた一方、彼の家族に対しては一晩厄介になるにも拘わらず無愛想な描写があったせいか?
余談の中の余談ですが、もし管理人が茜雫で二次創作をやるとしたら、一護を騙した野朗共に激怒してぶちのめしにかかる彼女を描きたいと思っています。
命を懸けるほど一護を大切に想っている茜雫なら、彼を酷い目に遭わせる奴等を許さないだろうから。
茜雫語り これにて完結
気合いを入れてお送りした茜雫を語る記事も、これにて終了です。
書いた管理人自身が驚くやらドン引くやらの長さと暑苦しさになりましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました!
茜雫のイラストを描いてみるのは今の所あっさり挫折していますが、やる気と機会を得れば、再び挑もうと思います。
それでは、また。
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