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2020年05月02日

【ネタバレあり】『DEATH NOTE』を語る・夜神月の台詞編1

夜分遅くに今晩は。
コロナウイルス騒ぎの終息を日々願ってやまない、「暇人の独り言」管理人です。





管理人は昔から、「自分が当たり前だと思っているものも本当は全て奇跡」と考えていたつもりでした。
しかし、コロナウイルスのせいで軽々しく外出できなくなると予想できなかったことから、やはり自分も毎日を当たり前だと思っていたのだと突き付けられております。


人間の認識なんぞ、甘いものだ。















ところで、そんなコロナウイルス騒ぎで迂闊に外出できないせいなのか、最近は本ブログへのアクセスが少し増えたようです。
少しは退屈しのぎになれていると嬉しいことこの上ないですが、果たしてどうなのやら?











…ともあれ、重い話はここまでとして、今回の記事では『DEATH NOTE』の主人公である夜神月(やがみ ライト)の台詞について、勝手気ままに喋ってみることにします。





もちろん本編のネタバレを含んでいるので、閲覧の際は御注意を。















「ったく病んでるな 何で皆 こういうくだらないのが好きかな 不幸の手紙から全然進歩しちゃいない…」



このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」とある、デスノートを拾った際の台詞。
こんな感想を抱いていながら、その「くだらないの」を放置せず、あまつさえ効力の確認までしたせいで、彼の人生は大きく変わることになりました。















「こうなるとどいつもこいつも 殺した方が世の中のためになる奴ばかりに見えてくる」


デスノートの効力を確かめるため、実験台となる人間を求めていた際の台詞。
確かに人生というものをやっていると、「こんな奴は死んだ方が…」と思う人間も掃いて捨てる程見えてくるものですが、その犯罪行為を実行してしまうか否かは人それぞれであることは、言うまでもありません。



デスノートを試してみたい好奇心や興味本位のためにこんな考えを真顔で抱いている時点で、既にイカれぶりが見て取れます。















「デスノートで 世の中を変えてやる」


デスノートを武器として世の中の悪を一掃すると決めた際の言葉。
人間を2人殺めただけでその重さに震えていたものの、「世の中腐ってる 腐ってる奴は死んだ方がいい」「精神や命を犠牲にしてでも誰かがやらなくてはいけない」「僕にしかできない」との衝動に突き動かされてこのような結論を弾き出し、やがて犯罪者を裁く神「キラ」の名を得るに至りました。





「世を正す」という考えは何時の時代にも重要であり、我々が生きる現実の世界においても、2020年4月の今なお必要なものだと思います(もっと言えば最近こそ『DEATH NOTE』連載当時よりずっと強く深刻に「世の中腐ってる」と憂うべきだと心底から感じる)。



しかし、どんな崇高な目的を成す為であろうと、道を踏み外した手段が正当化されるはずはありません。
目を瞠るまでに頭脳明晰なライトがかくも単純な話を見落とした(または度外視した)とは、何とも皮肉なものでした…















「新世界の神となる」


ライトの口癖と言っても良い一言で、解説本にも彼の語録として収録された台詞です。
同書では「倫理観が欠如した思い上がり甚だしい台詞」と評されました。



なお、この台詞に至るまでには他にも、「どんな馬鹿でも 『悪人が誰かに消されている』ってことに気付く」「それすらもいつか愚民は気づくだろう」「僕が認めた 真面目で心の優しい人間だけの世界を作る」といった、傲慢な物言いがありました。



これについて、デスノートの提供者である死神のリュークからは、「そんなことしたら性格悪いのお前だけになるぞ」と後の展開を完璧に予言されますが、ライトはそれをも「僕は日本一と言っても良いくらいの真面目な優等生だよ」と笑顔で一蹴。








…解説本でも「弱点を挙げるなら自分の能力を過信して疑わない点だろう」と評されていますが、こうした自己陶酔の強さが最後はその身を滅ぼしたことを思うと、文句なく頷ける見解です。















「僕が悪だと… 僕は正義だ! 悪に怯える弱い者を救い 誰もが理想とする新世界の神となる男だ そして その神に逆らう者! それこそが悪だ!!」



テレビ番組にて自身を逮捕すると宣言した名探偵のL(エル)から、「お前のしている事は悪だ」と断じられての反応。



この独裁者丸出しの台詞と共に、テレビに映っていたL…










…ではなく、身代わりの死刑囚をデスノートで葬ったせいで、自分を追うヒントをLに数々与えてしまいました。




基本的には冷静でありながら、度々単純な挑発に乗せられてしまうのも、ライトの悪癖と言えましょう。















「こんなの持って歩く方がよっぽどおっかないや…」


デスノートに触れた人間には元持ち主の死神を知覚できるようになると聞いて以来、肌身離さずノートを持ち歩いてみての感想。





最初はこんな不慣れぶりでしたが、第2部にもなると、平気で身体に密着させるようになりました。
慣れって、怖いね。















「下手を打てば… キラは… 自分の家族を殺すことになる」


冷や汗を浮かべながらこぼした一言。
この場面から遥か後、「自分の家族を殺すことになる」は実現してしまいましたが…




身内を失う可能性に恐れを抱いていたらしきこの場面でのライトにとってはともかく、実際に家族を亡くした瞬間のライトにとっては下手を打った結果であったのか、それとも…?















「それどころか 粧裕(いもうと)がリュークの顔見たら それだけで心臓麻痺で死にそうだ」



自分の姿を見られたら「『友達』じゃ通らないだろうな」と話すリュークへの補足。
管理人がリュークだったらここでライトの名前デスノートに書いてた















「二日か… そいつには僕はただの受験生にしか見えてない… しかも めちゃくちゃ優等生にだ…」


FBI捜査官のレイ=ペンバーから尾行されていることに気付いた際の一言。
世間的には殺人犯を優等生と呼ぶことはないですが、本人的には道を踏み外した今もなお、優等生のつもりのようです。




自分で自分を称賛する奴には、ろくな人間がいやしない。















「リュークの様な死神が百年…いや千年に一度でも降りてきただけで 人間界は 大きく変わるんだ 恐ろしく意味ある存在だよ…死神界は… それが何時の時代でもね」



死神界について「何の為に存在してるのかすら もう誰にも分からない たぶん存在している意味なんてないだろう…」とこぼすリュークに語った言葉です。





さらに結びには、「今の死神界がそこまで腐ってると言うのなら リュークが帰った時 人間界に来た事を生かして変えてみたらどうだ?」とも付け加えました。





この発言でリュークから「おまえって本当は ものすごくプラス思考な人間なのかもしれないな…」と評されると「前向きじゃなきゃ 自ら世界を良くしようなんて思わないよ」と返します。





ネット上では「『デスノートで世の中を変える』と言い出したのも 好奇心でノートを使って犯した殺人の罪の意識から逃れるために 開き直った結果」と言われていることもあるようですが、「世の中腐ってる」という憂いはノートを手にする前から抱いていたので、世間を良くしようとした志は案外嘘ばかりでもないかもしれません。










もっとも、これを聴いたリュークは、本編から3年後を舞台とした特別読切でも相変わらず死神界を「腐っている」と切り捨てており、人間界に来た事を活かしている様子はありませんが。





とことん娯楽を享受しただけであった。
実は腐ってるのは死神界よりリュークなのでは















「目でなく翼だったら本気で取引を考えたかもしれない… 『翼を持って空を自由に飛ぶ』なんて神らしいじゃないか… そして人類が古代からずっと抱いてきた夢でもある」



残り寿命の半分をなげうてば他人の名前を知ることができるという「死神の目」の取引を一蹴した後の台詞。





これについてリュークから「翼が生えて空を飛んだら目立つだろ… それだけで警察に捕まりそうだが…」と非の打ちどころのないツッコミを喰らうと、ライトも「今のは冗談だ」との返事をしました。
管理人がリュークだったらここでライトの名前書いてた










余談ですが、DSソフト『DEATH NOTE Lを継ぐ者』では、ヘリコプターを使って移動する際にも「フ…空を飛ぶのも悪くはない。これが神の目線なんだからな。」と、なかなか浮かれた台詞を口にしています。





何とかと煙は高い所がゲフンゴフン。















「こう見えても僕は結構モテるんだよ リューク」


朝早くから「何人かあたってみよう」と、女子に電話をかけ始めた際の余裕たっぷりな一言。
とりあえず腹立つ。















「ジャスト11時45分 デスノートに狂いなし」


デスノートで操った犯罪者の死と、それが起こった時刻を腕時計で確認しながらの台詞。
死神のノートの効力と精度には疑念を差し挟む余地などないという事を、ありありと見せつけられる1コマです。





その狂いのない力が、最後の最後に自分に向くとは、おそらく想像もしていなかったでしょうが…















「さよなら レイ=ペンバー」


FBI捜査官のレイ=ペンバーを始末したシーンで、絶命間際のレイにはっきりと顔を見せながらの一言。
黒一色で描かれた、光の入っていない瞳に、悪意の増していく様子を感じます。















「この女が僕より先に 警察にこのことを話していたら… どうやら死神じゃない方の神は僕の味方らしい」


自身が葬ったレイ=ペンバーの婚約者にして、元FBI捜査官でもある南空ナオミと出会った事についての感想。
私情混じりで裏付けがないとは言え、キラは心臓麻痺以外でも人を殺せると見破ったナオミが警察にその推理を話していれば、ライトは一巻の終わりでした。



その事態をも防げる余地ができたとは、実に幸運な話です。
「ストーリーの都合」とかそんな本当の事言うな










ちなみにこの回のサブタイトルは「神」となっています。
その由来について解説本では、「『運が良かった』なんて言い方じゃつまらない。『DEATH NOTE』なら『死神じゃない方の神は味方らしい』という言い方がふさわしいと思ったので」との原作者コメントがありました。



何度本編を見返してみても、その考え方には心底頷かせられるばかりです。















ちなみに万が一「つまらない」言い方をしていた場合、下記のような台詞になったでしょう。





この女が僕より先に 警察にこのことを話していたら… 運が良かった










…原作者が『DEATH NOTE』に相応しい台詞回しを選んだことを、「死神ではない方の神」に感謝する思いです。
とか言いつつ神様信じてませんけど















「この女が どんな死に方をするのか 観てみたいものだが この女の出現で 他にやっておくべき事ができて それどころではないな… さあ 1時15分だ 死に急げ!!」



ナオミが名乗った「間木照子(まき しょうこ)」という名前を、デスノートに書き込んだ際の胸中。
無辜の人間の殺戮を愉しむような物言いで、既にノートを拾ったばかりの頃とは別人と言える有様です。





しかし、死の設定に実現不可能な条件を含んでいないにもかかわらずノートの効力が発揮されないことと、自身にまとわりつくリュークが「間木照子」の名前に関わった時にやたらと笑っていたことから、ナオミが偽名を名乗ったのだと察知。
一度偽名を使った相手から本名を吐かせるのは至難の業であり、さしものライトも危うくされます。





それでもライトは、婚約者の仇を討ちたがるナオミの心情に付け込んだ話術で、彼女の本名を暴いてみせたのでした。





恐るべし口八丁である。
リューク「これならキャッチセールスの世界でも神になれる」















「キラだから」



「南空ナオミ」の名をデスノートに刻み終えたところで、「何故そんなに時計を気になさってるんですか?」と問うてきたナオミへの、簡潔ながら衝撃的な自白。



ナオミが「どういう意味…」と焦った直後、デスノートで設定された死が開始され、彼女はキラ事件解決後も発見されぬ犠牲者となりました。










ちなみに原作者は解説本にて、好きな台詞にこれを挙げています。
「いちいち言うな」と思いつつも、そこがまた好きなのだとか。















「もしかしてリューク モテないの?」



財布にデスノートを仕込んでいる最中、リュークからの「しかし手先も器用だな… 女にモテるだろ?」という声に「器用さなんて関係ないよ 器用より器量だ」と返し、とどめに付け加えた一言です。
管理人がリュークだったら以下略















「はーっ また表紙に騙された…」


Lから監視カメラと盗聴器を仕掛けられていると分かった上でグラビア雑誌をひとしきり眺めてからの、わざとらしい独り言。





実父にして警察局局長の総一郎は「あの真面目な息子があんな雑誌を…」と、この光景を思い切り真に受けていました。





しかし、ライトが最も欺きたかったLには「『部屋に誰か入っていないか確かめてたのはこういう本があるからです』と言い訳してる様に見えるんです…」と、容易く見破られています。










悲しく空しき偽装工作。















「だから これは大げさに報道してキラを動揺させようとしている警察の作戦さ でも これじゃ キラにもバレバレじゃないのかな?」



Lが作った「ICPOがキラ事件の捜査に1500人の捜査員を投入する」という虚偽のニュース速報を目にして、「こんな発表をしたら意味がない 送り込むなら こっそり入れ こっそり捜査させるべきだ 極秘で捜査していたFBIでさえあんな目に遭ったのに これじゃ その二の舞になる」と看破しながら。





監視カメラと盗聴器で監視されていることを自覚し、さらに「このニュースが本当であろうと嘘であろうとこれを見せて反応を観ようという事か? L… 最初の時と手口が同じだ」とまで考えたにもかかわらず、「僕はお前の策を見破ったぞ」と言わんばかりの反応を示しました。


頭が良いのに馬鹿な事しとる。










なお、解説本ではこの嘘ニュースについて、「さほど大きな効果は得られなかった」としてあります。



しかし、Lはキラについて「高い知性の持ち主」であり「捜査側の挑発には怯まず強気に挑発し返して来る負けず嫌い」との認識を持っていた身。



そのLにしてみれば、監視対象の中でただ1人即座に嘘ニュースだと見抜いた上、警察を小馬鹿にするような物言いまでしたライトは、疑うに十分過ぎる存在感を放っていたことでしょう。





すぐ隣でこの嘘ニュースを素直に信じた妹の粧裕を見習って、せめて騙されたフリくらいしておけば、まだ少しはLからの疑いを避けられた…かもしれません。
Lならそれはそれで演技と察した気がしてならんが





相手より上を行ったとアピールしたがる、幼稚で負けず嫌いな性分が墓穴を掘った。















「ま… まさか… 何を言ってるんだ こいつ!? LがLだと言うはずがない 変な奴だとは思っていたが マジで おかしいのか?」


大学の入学式にて、流河旱樹(りゅうが ひでき)と名乗る新入生と2人での挨拶を終えた後、彼から「私はLです」と名乗られた瞬間の傍白。



Lが自ら「私はLだ」と名乗り出て来る可能性はライトも全く予想しておらず、流石に動揺を抑えるのに必死でした。





最も黙らせたい敵が自ら目の前に現れたわけですが、自分に対してLだと名乗った人物を殺せば盛大に疑われるため、ライトも全く手を出せずに終わります。



そのことが業腹だったらしく、帰宅すると自室にて「くそっ やられた」「こんな屈辱は生まれて初めてだ」とこぼし、「死神の目の取引して殺せば良いじゃないか」というリュークの軽々しい提言を半ば当たり散らすような勢いで却下するなど、普段の冷静さが吹き飛んだ姿を見せました。





リュークも驚いた顔をしているように、普段落ち着き払った人種が感情を剥き出しにする様は、なかなか衝撃的なものです。















「まあ どっちにしろキラに迫れる文章ではないね 死神なんて いるわけないし」


自身が犯罪者を操って書かせた「えるしっているか 死神は りんごしかたべない」という全く意味の無いダイイングメッセージを、Lから見せられての一言。
デスノートに触れていないLには知る由もありませんでしたが、ライトのすぐ隣にその死神であるリュークがいる状況のため、読者が聞くと白々しいことこの上ない台詞でした。





後々、同様にリュークがすぐ隣にいる状態で、「死神が存在するなんてありえない」と大嘘を吐いた場面があります。



いずれのシーンでも、一切コメントしないリュークが、何とも言えない味わいを醸し出す。















「とにかく今は父を心配する夜神月だ…」


過労で入院した総一郎の見舞いに赴いた際、同席したキャンパスメイトの流河旱樹がキラを捕まえると宣言した探偵のLその人だと、父から証言された場面での傍白。



この証言を聞いたライトは「こいつと本部の人間を全て消せば… いや…そんな単純ではないだろう」「焦る事はない ここからは じっくり探れば…」と、キラとして次に起こす行動を考えようとしていましたが、とりあえずは総一郎へと意識を向けました。





しかし、家族を心配するその姿が、あくまで演技でしかないのが悲しい。















「この能力(ちから)を得た僕は最高に幸せだよ」




自身がキラだとは知らない総一郎が語った見解を耳に入れた後、父の病室を離れてから呟いた一言です。





これについて「普通は死神に憑かれた人間は不幸になるらしい」とリュークに言われますが、ライトはそれすら気にも留めずに「じゃあリュークは 普通じゃない方のパターンを見れるよ」と返すのみでした。










しかしこんな発言をしたライトも、最後の最後は幸福と程遠い目に遭います。
解説本ではこのシーンについて「結局、惨めな最期をとげてしまう月。この言葉も彼の思い上がりだった。」との記載がされました。



…この男は思い上がってばっかりやのう。





まあ、本当に才覚があるゆえ、ある程度驕ってしまうのも仕方ないことなのかもしれませんが。










ところで、見やすいようにと後回しにしましたが、総一郎の見解というのは「キラは悪だ… それは事実だ………… しかし 最近 私は こう思う様にもなっている…」と前置きしながら語った、下記の台詞のことです。










悪いのは人を殺せる能力(ちから)だ そんな能力(ちから)を持ってしまった人間は不幸だ どんな使い方をしても 人を殺した上での幸せなど 真の幸せであるはずがない









この台詞は、最終盤における「デスノートは史上最悪・最強の殺人兵器」という結論と見事に一致するものでした。





デスノートの存在を欠片も知らない段階でかくもキラ事件の本質を突いた事を見ると、知略の面ではライトやLに劣るにせよ、総一郎も十分な慧眼の持ち主だと感じます。






解説本では語録を作られなかった総一郎ですが、『DEATH NOTE』のキャラクターの中では彼も結構な名言製造機かもしれません。















「駄目だ こいつ… 早く何とかしないと…」


世間に流れるビデオの中に『目を持っていない』『死神』などと、怪しさ満点の言葉を盛り込んだ『第二のキラ』への感想。





インパクトがあるようで、『DEATH NOTE』と全く関係の無い作品等でも同じ台詞を聞くことがあります。
汎用性が高い。














「君は 罪のない警察官達を殺した… それは君の両親を殺した人間と同じじゃないのか?」



第二のキラこと弥海砂(あまね ミサ)から、「両親を殺した強盗を裁いてくれたキラは私にとって絶対的な存在」という趣旨の話を聞いての返答。





その話をするならライトには、「君は 罪のないFBI捜査官達を殺した… それは君の言う『腐った人間』と同じじゃないのか?」とでも言いたくなるところです。





事実ミサからも、「そんな事 あなたに言われたくない…」と言い返されました。
そりゃそうだ。










ちなみにミサは、自分の目の前で両親を殺した強盗について「絶対に許せなかった… 殺したいとも考えた… でも それはいけない事」と発言しています。



ネット上ではこの台詞から、両親を殺した強盗がキラに始末されるまでの道徳観は良識人の部類だったと評されているようです。





デスノートを手に入れてから、ライトよりも好きこのんで道を踏み外した感があるミサですが、もしもキラに救われていなければ、キラ否定派でいられたのかもしれません。





…もっとも、キラがいなかったらいなかったで、ミサの両親を殺した強盗が大した報いを受けずに済んでしまう可能性大でしたが(ミサによると裁判が長引いた上に冤罪の見方まで出始めていたらしい)。




ミサのように、キラを肯定する者が少なからず現れたのもやはり、法律という真っ当な手段では犯罪者への処罰が甘く、不条理に苦しめられたままで救われない人々がいるせいなのかもしれません。










…そうだとしても、キラとて否定されなければならない犯罪者であることに変わりはありませんが。















「ああ… 僕にとっても流河は気の合う友達だ」


Lから「月くんは 私の初めての友達ですから」と言われた際の返答。
「大学休学されて寂しいよ またテニスしたいね」とも付け加えています。





もちろんこれは、両者共に口から出まかせ大ボラを吹いているだけですが。










ただ、リュークが人間界にデスノートをもたらしていなかったなら、この会話も宿敵同士の騙し合いなどではなく、友人との心底からの触れ合いであったかもしれません。





つくづく、デスノートの業の深さを感じます…















「計画通り」


解説本にも語録として記載された、おそらく非常に有名な台詞。
Lからの疑いを逃れるため、一度デスノートを放棄してその記憶を飛ばしていたものの、再びノートと記憶を取り戻した瞬間の言葉です。





しかしそんな細かい事はどうでもよく、とにかく凄まじい悪人面が印象的。





ネタとして美味しいと見られ、ネット上でもよく見かけます。















「これだけ 好意を持たれ 尽されたら 情のある人間なら 心が動かされて当然だ」


デスノートと、それに関わる記憶を取り戻してから程なく、ミサについて語った一言。



この後、自身と同じくデスノートを取り戻し、さらに2度目の「死神の目」の取引で残り寿命を元の4分の1まで縮めたミサ本人と再会すると、「君に目の取引をしてもらってそれを利用するよりも 君と長く理想の世界で生きたい そういう気持ちなんだ」という台詞も放っています。



ただし、目の前で見ていたリュークには「うそくせー」と感じられていました。










…逐一述べるのも煩わしいですが、当然リュークの「うそくせー」が大正解です。





芝居がかった薄っぺらい台詞を信じ込むところが、ミサの間抜けぶりを物語る。















「今 考える事ではないが 今 言っておいて欲しい事だ…」


デスノートの存在を知ったLが、ノートの使用者への刑罰について「ノートによる殺人を認めれば極刑か終身刑 認めなければ自分の名前を書かせるといった所」と見立てた一方、「捕まえてからの話で 今考える事ではない」と発言した際の感想。





ミサに憑いていた、彼女に好意的な死神のレムはこの段階に来て、ライトが「Lもレムも死ぬのが最高の形」と思い描いていたのだと悟ります。





しかし、その策に抗えばいずれはミサが捕まり破滅する事を考えると、結局はライトの『計画通り』に動いて、Lを殺害。
さらに、好意を持った特定の人間をデスノートで助けたことで死神失格となり、自らも死することになりました。





消えゆくレムからも「死神をも殺すとは… 死神を超えている…」と評される通り、他人との関係性を利用しながら標的を葬るライトの手口はまさしく、死神でさえ実行しない悪辣ぶりでした。
「夜神月」でなしに「死神月」に改名してみては















「こんなに簡単に… やはり 竜崎がいないとぬるい…」


Lを葬った後、彼の代理の座をあっさりと得られたことについて。
邪魔者と認識していながら、卓越した知恵者としてはLを高く評価していたのだと感じさせる一言でした。





Lの後継者候補にしてキラを徹底的に否定するニアでさえ、連載終了後に発表された特別読切では「Lが命懸けで戦った相手」としてはキラを認めていたことと併せて考えると、『DEATH NOTE』のキャラクターには敵の主張は受容しない一方で相手の能力や手強さは率直に評価する人種が多い印象を抱きます。





知謀の応酬が絶えぬ者達ながら、武人然としたところもあるとは、興味深い味わいです。















続きはまた今度




1つの記事でまとめるつもりでしたが、思っていたより長くなったので、他の台詞は次の記事にて語ってみることにしました。





面白い事を言えるとは保証できませんが、御興味があれば次回も宜しくお願いします。










それでは、また。
posted by 暇人 at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ
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