2018年05月07日
口腔ケアの時はあくびに注意! 〜医療・介護スタッフ向け〜
皆さんこんにちは。
言語聴覚士の桃の助です
本日は口腔ケアのあくびについてお話ししたいと思います。
このページは医療・介護の現場で働いている方向けとなります。
それでは本題ですが、皆さんは寝たきりの方の口腔ケアの介助をする時に気をつけている事などありますか?
多くの方が、嘔吐を防ぐために奥まで入れないように気をつける、疲労感が出ないように出来るだけスピーディーなケアを心がけているのではないでしょうか?
そういったケアはもちろん大切です!
でも、本日はもう一つ注意点を知って欲しいのです。
それは、
あくびの最中、またはあくびの後には口腔ケアの手を止める事です!
では、なぜ口腔ケアを中断する必要があるのかお話ししていきたいと思います。
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患者さんがあくびをすると口の中が大きく見えるので、歯磨きをしたくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。
人はあくびの後には必ず、「唾液を飲み込む」のです。
唾液を飲み込むという事は、口を閉じなくてはいけません。
その時に歯ブラシを口の中に入れていると、患者さんは口を開けたままの状態をキープする必要があります。
そうすると、口を開けたまま唾液を飲み込む。
または、不自然な状態で唾液を飲み込むことになります。
こういった状態は嚥下に対してあまりいい状態とは言えません。
なので、あくびをした時と、後には口腔ケアの手を休める必要があります。
せっかく誤嚥性肺炎予防で口腔ケアを行っているのに、口腔ケア中に誤嚥してしまう可能性があります。
なので、ごっくん(嚥下反射)を確認してから口腔ケアを再開してみてください。
上で説明した通り、口を開けたまま飲み込む事は嚥下に対していい状態とは言えません。
話を聞くより、実際に皆さんが自分で試してみると実感しやすいと思います。
(体験例)近くにある食べ物でもいいですし、水でもいいですので、口を開けたまま飲み込んでみてください。
どうですか?やっていただけたでしょうか?
かなり飲み込みにくさがあると思います。
なかにはむせてしまう方もいるのではないでしょうか?
実際に体感して頂くと分かるのですが、口を開けたまま飲み込む事は嚥下しにくい状態になっています。
元気な私たちがやってみても難しい開口嚥下です。
これを嚥下機能が落ちた老人の方が行うと、かなりの確率でむせ込んでしまいます。
なので、絶対に口を開けた状態で嚥下しないように配慮する必要があるのです。
次に、歯ブラシが口の中にある状態で飲み込む事がなぜ難しいのか説明したいと思います。
これも実際に皆さんに体験してもらうのが一番分かりやすいのですが、これについては若干抵抗があると思うので、想像してみてください。
(体験例)飴をなめた状態でクッキーを食べたとします。その状態でクッキーだけを食べてみてください。
想像しただけでも食べにくさが分かると思います。
間違って飴の方も噛んでしまう可能性がありますよね?
人は食べ物や唾をのむ前に、飲み込む前準備があります。
その前準備の中で、舌や歯を使って飲み込みやすい形に整えているのです。
つまり、歯ブラシが口の中にある状態は、飲み込む前準備がしにくい状態となってしまいます。
なので、嚥下機能が低下している老人の方は、歯磨きをしながら唾を飲み込む事はやや苦手です。
いかがだったでしょうか?
意外と知られていないあくび後の嚥下。
あくびをした時と、後にはケアはしないという事は知っているという方もいたかもしれません。
しかし、なぜしてはいけないのか知らない方は非常に多いと思います。
以前、私が看護師の方々に講義をさせて頂いた際には、ほとんどの方が知らないという結果でした。
ぜひこれを機に、あくびの後は口腔ケアを中断して嚥下反射が起きるのを待ってみてください。
(注:なかには嚥下機能が重度に障害されていて、あくび後の嚥下反射が起きない方もいます)
その他にもいろいろな記事を書いています。読んで頂けると嬉しいです。
興味がある方は下のリンクよりどうぞ↓↓↓↓
・ムセの無い誤嚥(不顕性誤嚥、silent aspiration)について
・誤嚥性肺炎について
・嚥下障害ってどんな病気?
・加齢による摂食、嚥下障害について
・食べにくい、飲み込みにくい食材まとめ
それではまた。
桃の助でした
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言語聴覚士の桃の助です
本日は口腔ケアのあくびについてお話ししたいと思います。
このページは医療・介護の現場で働いている方向けとなります。
それでは本題ですが、皆さんは寝たきりの方の口腔ケアの介助をする時に気をつけている事などありますか?
多くの方が、嘔吐を防ぐために奥まで入れないように気をつける、疲労感が出ないように出来るだけスピーディーなケアを心がけているのではないでしょうか?
そういったケアはもちろん大切です!
でも、本日はもう一つ注意点を知って欲しいのです。
それは、
あくびの最中、またはあくびの後には口腔ケアの手を止める事です!
では、なぜ口腔ケアを中断する必要があるのかお話ししていきたいと思います。
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なぜあくびの後は注意が必要なのか?
患者さんがあくびをすると口の中が大きく見えるので、歯磨きをしたくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。
人はあくびの後には必ず、「唾液を飲み込む」のです。
唾液を飲み込むという事は、口を閉じなくてはいけません。
その時に歯ブラシを口の中に入れていると、患者さんは口を開けたままの状態をキープする必要があります。
そうすると、口を開けたまま唾液を飲み込む。
または、不自然な状態で唾液を飲み込むことになります。
こういった状態は嚥下に対してあまりいい状態とは言えません。
なので、あくびをした時と、後には口腔ケアの手を休める必要があります。
せっかく誤嚥性肺炎予防で口腔ケアを行っているのに、口腔ケア中に誤嚥してしまう可能性があります。
なので、ごっくん(嚥下反射)を確認してから口腔ケアを再開してみてください。
口を開けたまま飲み込みをするリスク
上で説明した通り、口を開けたまま飲み込む事は嚥下に対していい状態とは言えません。
話を聞くより、実際に皆さんが自分で試してみると実感しやすいと思います。
(体験例)近くにある食べ物でもいいですし、水でもいいですので、口を開けたまま飲み込んでみてください。
どうですか?やっていただけたでしょうか?
かなり飲み込みにくさがあると思います。
なかにはむせてしまう方もいるのではないでしょうか?
実際に体感して頂くと分かるのですが、口を開けたまま飲み込む事は嚥下しにくい状態になっています。
元気な私たちがやってみても難しい開口嚥下です。
これを嚥下機能が落ちた老人の方が行うと、かなりの確率でむせ込んでしまいます。
なので、絶対に口を開けた状態で嚥下しないように配慮する必要があるのです。
歯ブラシを口の中に入れたまま飲み込むリスク
次に、歯ブラシが口の中にある状態で飲み込む事がなぜ難しいのか説明したいと思います。
これも実際に皆さんに体験してもらうのが一番分かりやすいのですが、これについては若干抵抗があると思うので、想像してみてください。
(体験例)飴をなめた状態でクッキーを食べたとします。その状態でクッキーだけを食べてみてください。
想像しただけでも食べにくさが分かると思います。
間違って飴の方も噛んでしまう可能性がありますよね?
人は食べ物や唾をのむ前に、飲み込む前準備があります。
その前準備の中で、舌や歯を使って飲み込みやすい形に整えているのです。
つまり、歯ブラシが口の中にある状態は、飲み込む前準備がしにくい状態となってしまいます。
なので、嚥下機能が低下している老人の方は、歯磨きをしながら唾を飲み込む事はやや苦手です。
おわりに
いかがだったでしょうか?
意外と知られていないあくび後の嚥下。
あくびをした時と、後にはケアはしないという事は知っているという方もいたかもしれません。
しかし、なぜしてはいけないのか知らない方は非常に多いと思います。
以前、私が看護師の方々に講義をさせて頂いた際には、ほとんどの方が知らないという結果でした。
ぜひこれを機に、あくびの後は口腔ケアを中断して嚥下反射が起きるのを待ってみてください。
(注:なかには嚥下機能が重度に障害されていて、あくび後の嚥下反射が起きない方もいます)
その他にもいろいろな記事を書いています。読んで頂けると嬉しいです。
興味がある方は下のリンクよりどうぞ↓↓↓↓
・ムセの無い誤嚥(不顕性誤嚥、silent aspiration)について
・誤嚥性肺炎について
・嚥下障害ってどんな病気?
・加齢による摂食、嚥下障害について
・食べにくい、飲み込みにくい食材まとめ
それではまた。
桃の助でした
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