2017年05月01日
アスペルガー症候群は矯正困難で解雇!京都地裁の判決はいかに?!
数々の問題行動はアスペルガー症候群に由来し矯正困難として、大学が女性准教授を解雇した。京都地裁は、合理的配慮義務を定めた障雇法の理念や趣旨から一定の配慮が求められ、ジョブコーチの支援等を検討した形跡すらなく雇用継続の努力が限界を超えていたとはいえないとした。
引用元:労働新聞社
O公立大学が大学の女性准教授を解雇した問題。
一般的な内容と異なるのはこの女性准教授がアスペルガー症候群だったということ。
いわゆる不当解雇についての訴訟になるでしょう。
【大学側の解雇の主張】
Yは、本件解雇の事由について、概要、生協職員への土下座の強要等に関する件、男子学生の告訴等に関する件、リストカット及び現行犯逮捕に関する件を中心とした・・・
引用元:MEMORANDUM
O公立大学からするともう手が付けられないので解雇↓印象が強いですね。
部分的にみると過激かつヒステリックな内容ですね…
しかし裁判長はO公立大学が適切にアスペルガー症候群の女性准教授を
特性を理解しフォローしたとは言えないから解雇は無効という判決です。
一連のXの行為や態度については、Xが一定のルールを厳格に守ることを極めて高い水準で他者にも要求するところがあり、これが守られない場合には自己に対する攻撃であると被害的に受け止め、その感情をコントロールできず、反撃的な言動をとるというものであり、アスベルガー症候群の特徴としてのこだわり、組織という文脈での状況理解の困難さなどに由来するものとみるべきである。そうすると、仮にこれらの行為や態度が客観的には当然に問題のあるものであったとしても、Xとしては、的確な指摘を受けない限り、容易にその問題意識が理解できない可能性が高かったといえる。
引用元:MEMORANDUM
大学側は雇用時には女性准教授がアスペルガー症候群ということを知らなかったという
主張もしたようです。知らなかった点は一考の余地があるが、
しかし判決では雇用した以上事業主としてできうる対策や配慮などが
足りなかったという感じの内容になったようです。
障害者基本法19条2項においては、事業主は、障害者の雇用に際し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない
引用元:MEMORANDUM
障害者を雇用する事業主としては今まで以上に理解や対策、
その他ジョブコーチなどの支援の検討などをしっかりとしていかないと
不当な解雇となってしまうようです。
アスペルガー症候群に対する理解は広がってきてはいるものの、
大学の教育の現場でこのレベルの理解と対応が現状の日本です。
公立大学ですからね…この女性准教授がやったことが良いとはいいがたい
面はありますが、教育機関として適切なジョブコーチやSSTなど支援する
ことを検討しなかったことは現代社会の縮図とも言えるでしょう。
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コメントありがとうございます!
そうですね。この判例の先生は准教授として勤務できている事実がありますが、
障害者枠というものは理想だけではどうにもならない面はあるのでしょう。
発達障害者でも障害年金を受けられない場合もあるでしょうし、労働で自立できなければ、
結果的に生活保護を併用するということも当然考えられますね。
この裁判のアスペルガーの准教授は自分で訴訟を起こすこともできるぐらい行動力が
あるタイプなのでしょうが、すべての障害者がこのように訴えられないのが現実だと思います。
生活保護のセットを受ける方もいるでしょう。
そもそも、働ける障害者自体が少ないですし、発達障害者になると、さらに雇用枠の少ない精神障害者での雇用になります。
今、働ける障害者がいるのは親の援助や支援サービスなとがあって成立しているのであって、支援のない障害者がどうなっているのか誰も知らないと思います。