2016年05月25日
【アルテ】マンガ 感想&あらすじ 女性に厳しい社会で一人前の画家を目指す少女の物語
月刊コミックゼノン。2013年12月号より連載中。既刊6巻
作者:大久保圭
まずは簡単なあらすじから。
貴族の令嬢であるアルテは絵を描くことが大好きな女の子。しかし、その趣味を快く思わない母親に結婚を勧められたことで、アルテは反発する形で家を飛び出してしまった。
画家になるために工房を周って弟子入りを頼み込むも、女だからという理由だけで相手にさえしてもらえません。そんな最中、やっと話を聞いてもらえたレオという画家に、弟子入り条件として難題を出されることに。それを見事乗り越えたアルテは晴れて彼の弟子となり、画家としての道を歩み出すことになるのだった。
女性は強く、そして美しいですね。
舞台となるのは16世紀初頭ルネサンス期のフィレンツェです。当時のヨーロッパは完全な男性社会だったことから、画家志望の女の弟子をとる工房はどこにもありませんでした。そもそも、女性が画家を目指すなんてこと自体ありえない時代です。
この物語は、そんな時代に女の身でありながら画家を志したアルテの奮闘を描いた作品です。
主人公は絵を描くことが大好きな貴族の令嬢アルテです。結婚を勧める母親に反発し、画家になるため家を飛び出しました。このアルテというエネルギッシュなキャラクターが本作1番の魅力であることは間違いないでしょう。明るく元気で前向きな性格をしていて、どんな困難が立ち塞がってもぶち当たっていく強い意志を持っています。
アルテが画家を目指している理由は単に絵が好きだからというだけではなく、自分の力で社会を生きていきたいという思いが強くあります。容易なことではない道を選び、努力を惜しまず突き進む姿、前向きで強い意志が宿るアルテの瞳を見てると応援したくなりますね。
強く魅力的な女性はアルテだけではありません。
1人は高級娼婦のヴェロニカですね。まるで美の化身かのような美貌を持つ女性で、アルテとはまた違った魅力を醸し出しているキャラ。彼女もまたアルテと同じように自分の力で生きている女性です。邸を構え、男に頼らず家族を養っています。アルテのことをいたく気に入っており、彼女の良き理解者、そして友人でもあります。豊富な人生経験と共に深い教養を身に付けていることから、悩むアルテに度々助言を与えてくれる存在。
それから、アルテは反発していますが、彼女の母親もまた素晴らしい女性です。決して娘のことより家のことを考える女性ではありません。彼女の生き方・考え方はこの時代ではむしろ正しい部類に入り、結婚を強く推したのもアルテの幸せを思っての行動です。強く逞しい女性であり、良き母でもあると思います。
もちろん魅力的なキャラは女性だけでもありません。変わり者ですけどレオ親方はクールでかっこいいですね。表情の変化には乏しく少々とっつき辛いところはありますが、女とか関係なくアルテを1人の弟子として見守ってくれる良き師匠です。そんなレオも明るく真面目なアルテの影響を受け、少しずつですけど心境の変化も見られました。
他にも、アルテと同じ徒弟として別の工房で励んでいるアンジェロや、依頼人の頑固なおじいさんウベルティーノさんなども面白いキャラでしたね。
この作品は土台となる世界観がしっかりしているため、キャラクターが活き活きとう動いており、その魅力が一層栄えて見えました。人物のバックボーンや人となりなど、1人1人丁寧に作られていたので、それぞれの発言や行動には説得力があります。
街並みなどの背景の描き込みも素晴らしく、美しい絵には作品世界に引き込ませる力があったと思います。人や仕事に対しての向き合い方など、アルテや周囲の人達から多くのことを学ばせてもらえる作品でもありました。
多くの魅力や見所のある作品ではありますが、やはり他の何よりも輝いて見えたのは主人公のアルテ。厳しい社会でも真っ直ぐに生きるアルテという少女を是非見てほしいですね。
【eBookJapan】 アルテ
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作者:大久保圭
まずは簡単なあらすじから。
貴族の令嬢であるアルテは絵を描くことが大好きな女の子。しかし、その趣味を快く思わない母親に結婚を勧められたことで、アルテは反発する形で家を飛び出してしまった。
画家になるために工房を周って弟子入りを頼み込むも、女だからという理由だけで相手にさえしてもらえません。そんな最中、やっと話を聞いてもらえたレオという画家に、弟子入り条件として難題を出されることに。それを見事乗り越えたアルテは晴れて彼の弟子となり、画家としての道を歩み出すことになるのだった。
女性は強く、そして美しいですね。
舞台となるのは16世紀初頭ルネサンス期のフィレンツェです。当時のヨーロッパは完全な男性社会だったことから、画家志望の女の弟子をとる工房はどこにもありませんでした。そもそも、女性が画家を目指すなんてこと自体ありえない時代です。
この物語は、そんな時代に女の身でありながら画家を志したアルテの奮闘を描いた作品です。
主人公は絵を描くことが大好きな貴族の令嬢アルテです。結婚を勧める母親に反発し、画家になるため家を飛び出しました。このアルテというエネルギッシュなキャラクターが本作1番の魅力であることは間違いないでしょう。明るく元気で前向きな性格をしていて、どんな困難が立ち塞がってもぶち当たっていく強い意志を持っています。
アルテが画家を目指している理由は単に絵が好きだからというだけではなく、自分の力で社会を生きていきたいという思いが強くあります。容易なことではない道を選び、努力を惜しまず突き進む姿、前向きで強い意志が宿るアルテの瞳を見てると応援したくなりますね。
強く魅力的な女性はアルテだけではありません。
1人は高級娼婦のヴェロニカですね。まるで美の化身かのような美貌を持つ女性で、アルテとはまた違った魅力を醸し出しているキャラ。彼女もまたアルテと同じように自分の力で生きている女性です。邸を構え、男に頼らず家族を養っています。アルテのことをいたく気に入っており、彼女の良き理解者、そして友人でもあります。豊富な人生経験と共に深い教養を身に付けていることから、悩むアルテに度々助言を与えてくれる存在。
それから、アルテは反発していますが、彼女の母親もまた素晴らしい女性です。決して娘のことより家のことを考える女性ではありません。彼女の生き方・考え方はこの時代ではむしろ正しい部類に入り、結婚を強く推したのもアルテの幸せを思っての行動です。強く逞しい女性であり、良き母でもあると思います。
もちろん魅力的なキャラは女性だけでもありません。変わり者ですけどレオ親方はクールでかっこいいですね。表情の変化には乏しく少々とっつき辛いところはありますが、女とか関係なくアルテを1人の弟子として見守ってくれる良き師匠です。そんなレオも明るく真面目なアルテの影響を受け、少しずつですけど心境の変化も見られました。
他にも、アルテと同じ徒弟として別の工房で励んでいるアンジェロや、依頼人の頑固なおじいさんウベルティーノさんなども面白いキャラでしたね。
この作品は土台となる世界観がしっかりしているため、キャラクターが活き活きとう動いており、その魅力が一層栄えて見えました。人物のバックボーンや人となりなど、1人1人丁寧に作られていたので、それぞれの発言や行動には説得力があります。
街並みなどの背景の描き込みも素晴らしく、美しい絵には作品世界に引き込ませる力があったと思います。人や仕事に対しての向き合い方など、アルテや周囲の人達から多くのことを学ばせてもらえる作品でもありました。
多くの魅力や見所のある作品ではありますが、やはり他の何よりも輝いて見えたのは主人公のアルテ。厳しい社会でも真っ直ぐに生きるアルテという少女を是非見てほしいですね。
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