2016年07月25日
【乙嫁語り】マンガ 感想&あらすじ 美しい絵と魅力に溢れた乙嫁たちの魅せる作品
Fellows!→ハルタ。2008年10月14日から連載中。既刊9巻
著者:森薫
他作品:エマ
19世紀後半の中央アジア。カスピ海周辺の小さな街に定住するエイホン家の末子・カルルクのもとに、8歳年上の女性・アミルがハルガル家から花嫁としてやってきた。
見目麗しく少し天然なところもあるアミルは、弓を携え巧みに馬を駆り、自身で狩りまでこなす野性味もある花嫁。年が離れていてもとても仲睦まじい2人は、少しずつ夫婦としての絆を深めていたが、とある事情でハルガル家はアミルを一族に連れ戻そうとする。エイホン家は断固として拒否するのだが、この一連の出来事が大きな騒動にまで発展する事態に・・・。
エイホン家に居候しているイギリス人のスミスは、各地を旅する中で様々な乙嫁たちと出会う。アミルたちの物語と共に、スミスが出会う乙嫁たちの物語も語られていく。
・アミル・ハルガル
カルルクの8歳年上の嫁。若干天然気味の美しい女性。弓や馬の扱いが上手く、捕えた獲物を自分でさばくこともできる逞しさもあります。開始時はまだ20歳でしたが、この時代と土地の慣習ではかなり行き遅れていたようです。年齢差はありますけど夫婦仲はとても良好。最初は嫁というより姉のように見えましたが、カルルクが成長するにつれ、男性として彼に惹かれ出していきます。
・カルルク・エイホン
アミルの夫。12歳。まだ12歳とは思えないほど落ち着いた雰囲気で、他人を思いやる心も強い優しい子。アミルとは8つの年齢差もあり、何かと世話を焼かれがちであることから、彼女にはもっと男として頼られたいと思っています。幼いながらも敵からアミルを守ろうとする男気も見せています。
・ヘンリー・スミス
エイホン家に居候しているイギリス人の学者で、中央アジアの風俗を取材するため旅をしています。彼が旅先で出会う乙嫁たちの物語も、アミルたちの物語と並行して語られていきます。
・乙嫁たち
5人の夫に先立たれ、姑と一緒に暮らしている第2の乙嫁・タラス。
元気いっぱいな双子の姉妹で、幼馴染の兄弟と結婚する第3の乙嫁・ライラとレイリ。
ペルシャの富豪の妻で、シーリーンという女性と姉妹妻の契約を交わした第4の乙嫁・アニス。
アミルの友人で、気丈だけど同年代の少年には人見知りしてしまう第5の乙嫁・パリヤ。
まずタイトルの「乙嫁」とは、「若い嫁」「美しい嫁」という意味を持つ古語だそうです。
舞台は19世紀の中央アジアなので日本人には少し馴染みの薄い地域と時代ですね。作中ではこの地域で暮らす各地の嫁達の物語が語られています。メインは上でも紹介しているアミルとカルルクの話ですが、他にもスミスが行く先々で出会う女性たちについても語られています。乙嫁とはアミル個人を指した言葉ではなく、この作品に登場するお嫁さん達を指したものです。
作者は『エマ』を代表作に持つ森薫さん。エマも19世紀のイギリスが舞台なので、時代的には同じぐらいですね。
まず、何より目を奪われたのは高い画力で描かれた絵。山々や雄大な草原などの自然風景や、文化を感じさせる建物やテント、家具などの背景絵が丁寧に描かれ、作品の世界観をよく表現されています。
中でも私が特に素晴らしいと思ったのは、民族衣装や小物、絨毯などに編まれている刺繍ですね。とても細やかで丁寧に縫い込まれた刺繍をしっかり描いているので、とにかく美しい。結婚式で着る特別な衣装の豪華さはもちろんなんですが、普段着ている服や装飾からして細かい刺繍が施されています。よくよく観察してみると器などの陶器類にも似たような絵が描かれていましたね。
1ページどころか1コマ描くのにも相当な労力が掛かっていそうです。様々デザインで刺繍されたうっとりするほどの美しい衣装や絨毯などが多く出てくるので、それだけでも見る価値があると思います。
衣装や小物の美しさだけではなく、これほど女性の美しさを描いている作品はなかなかお目にかかれませんね。豪華に着飾っているときの美しさはもちろん、ひとつひとつの所作や表情だけでもドキッとさせられる魅力がありました。主人公のアミルにいたっては狩りをする勇ましい姿まで美しく、ほんとにどの女性も魅力的な方ばかりでうっとりさせられっぱなしでしたね。
19世紀中央アジアの風俗や習慣、文化を知ることができるのも見所のひとつです。私は全然馴染みがなかったこともあり、この作品を通して非常に興味をかき立てられまた。
衣装の豪華さだけではなく、建築物や風習、イスラム圏に暮らす人々の考え方など、知れば知るほど私たちとは異なる文化に興味が湧いてきますね。ただ、説明不足なところも若干ありまして、説明過多なのは御免被りますが、もう少し解説は増やしてもいいのではないかと思ってます。
読み応えも見応えもある素敵な作品でした。丁寧に描き込まれている芸術的な絵、美しい乙嫁たちや彼女たちを飾る衣装、雄大な自然に美味しそうな料理の数々など、見所は多くあります。
私は馴染みが薄かったこともあって、日本とはかけ離れた価値観や文化を見ていると、まるで異世界ファンタジーでも読んでる気分になりましたね。幻想的な絵の美しさもファンタジーを感じさせてくれるひとつの要因です。
キャラクターの魅力だけではなく、異なる乙嫁たちを通して見る様々な風習を見ることができるところも面白い。私はどのエピソードも楽しませてもらっていますが、なかでもメイン以外では特にアニスとシーリーンの話が好きですね。
性別問わず楽しめる作品になってますけど、どちらかというと女性寄りかな。自信を持っておすすめできるので、よければ読んでみてください。
【漫画全巻ドットコム】乙嫁語り (1-8巻 最新刊) 紙版
著者:森薫
他作品:エマ
あらすじ・概要
19世紀後半の中央アジア。カスピ海周辺の小さな街に定住するエイホン家の末子・カルルクのもとに、8歳年上の女性・アミルがハルガル家から花嫁としてやってきた。
見目麗しく少し天然なところもあるアミルは、弓を携え巧みに馬を駆り、自身で狩りまでこなす野性味もある花嫁。年が離れていてもとても仲睦まじい2人は、少しずつ夫婦としての絆を深めていたが、とある事情でハルガル家はアミルを一族に連れ戻そうとする。エイホン家は断固として拒否するのだが、この一連の出来事が大きな騒動にまで発展する事態に・・・。
エイホン家に居候しているイギリス人のスミスは、各地を旅する中で様々な乙嫁たちと出会う。アミルたちの物語と共に、スミスが出会う乙嫁たちの物語も語られていく。
主要登場人物
・アミル・ハルガル
カルルクの8歳年上の嫁。若干天然気味の美しい女性。弓や馬の扱いが上手く、捕えた獲物を自分でさばくこともできる逞しさもあります。開始時はまだ20歳でしたが、この時代と土地の慣習ではかなり行き遅れていたようです。年齢差はありますけど夫婦仲はとても良好。最初は嫁というより姉のように見えましたが、カルルクが成長するにつれ、男性として彼に惹かれ出していきます。
・カルルク・エイホン
アミルの夫。12歳。まだ12歳とは思えないほど落ち着いた雰囲気で、他人を思いやる心も強い優しい子。アミルとは8つの年齢差もあり、何かと世話を焼かれがちであることから、彼女にはもっと男として頼られたいと思っています。幼いながらも敵からアミルを守ろうとする男気も見せています。
・ヘンリー・スミス
エイホン家に居候しているイギリス人の学者で、中央アジアの風俗を取材するため旅をしています。彼が旅先で出会う乙嫁たちの物語も、アミルたちの物語と並行して語られていきます。
・乙嫁たち
5人の夫に先立たれ、姑と一緒に暮らしている第2の乙嫁・タラス。
元気いっぱいな双子の姉妹で、幼馴染の兄弟と結婚する第3の乙嫁・ライラとレイリ。
ペルシャの富豪の妻で、シーリーンという女性と姉妹妻の契約を交わした第4の乙嫁・アニス。
アミルの友人で、気丈だけど同年代の少年には人見知りしてしまう第5の乙嫁・パリヤ。
感想
まずタイトルの「乙嫁」とは、「若い嫁」「美しい嫁」という意味を持つ古語だそうです。
舞台は19世紀の中央アジアなので日本人には少し馴染みの薄い地域と時代ですね。作中ではこの地域で暮らす各地の嫁達の物語が語られています。メインは上でも紹介しているアミルとカルルクの話ですが、他にもスミスが行く先々で出会う女性たちについても語られています。乙嫁とはアミル個人を指した言葉ではなく、この作品に登場するお嫁さん達を指したものです。
作者は『エマ』を代表作に持つ森薫さん。エマも19世紀のイギリスが舞台なので、時代的には同じぐらいですね。
まず、何より目を奪われたのは高い画力で描かれた絵。山々や雄大な草原などの自然風景や、文化を感じさせる建物やテント、家具などの背景絵が丁寧に描かれ、作品の世界観をよく表現されています。
中でも私が特に素晴らしいと思ったのは、民族衣装や小物、絨毯などに編まれている刺繍ですね。とても細やかで丁寧に縫い込まれた刺繍をしっかり描いているので、とにかく美しい。結婚式で着る特別な衣装の豪華さはもちろんなんですが、普段着ている服や装飾からして細かい刺繍が施されています。よくよく観察してみると器などの陶器類にも似たような絵が描かれていましたね。
1ページどころか1コマ描くのにも相当な労力が掛かっていそうです。様々デザインで刺繍されたうっとりするほどの美しい衣装や絨毯などが多く出てくるので、それだけでも見る価値があると思います。
衣装や小物の美しさだけではなく、これほど女性の美しさを描いている作品はなかなかお目にかかれませんね。豪華に着飾っているときの美しさはもちろん、ひとつひとつの所作や表情だけでもドキッとさせられる魅力がありました。主人公のアミルにいたっては狩りをする勇ましい姿まで美しく、ほんとにどの女性も魅力的な方ばかりでうっとりさせられっぱなしでしたね。
19世紀中央アジアの風俗や習慣、文化を知ることができるのも見所のひとつです。私は全然馴染みがなかったこともあり、この作品を通して非常に興味をかき立てられまた。
衣装の豪華さだけではなく、建築物や風習、イスラム圏に暮らす人々の考え方など、知れば知るほど私たちとは異なる文化に興味が湧いてきますね。ただ、説明不足なところも若干ありまして、説明過多なのは御免被りますが、もう少し解説は増やしてもいいのではないかと思ってます。
読み応えも見応えもある素敵な作品でした。丁寧に描き込まれている芸術的な絵、美しい乙嫁たちや彼女たちを飾る衣装、雄大な自然に美味しそうな料理の数々など、見所は多くあります。
私は馴染みが薄かったこともあって、日本とはかけ離れた価値観や文化を見ていると、まるで異世界ファンタジーでも読んでる気分になりましたね。幻想的な絵の美しさもファンタジーを感じさせてくれるひとつの要因です。
キャラクターの魅力だけではなく、異なる乙嫁たちを通して見る様々な風習を見ることができるところも面白い。私はどのエピソードも楽しませてもらっていますが、なかでもメイン以外では特にアニスとシーリーンの話が好きですね。
性別問わず楽しめる作品になってますけど、どちらかというと女性寄りかな。自信を持っておすすめできるので、よければ読んでみてください。
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【漫画全巻ドットコム】乙嫁語り (1-8巻 最新刊) 紙版
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