2016年05月19日
鉄楽レトラ 漫画 感想
ゲッサン。2011年5月号から2015年1月号まで連載。全6巻
作者:佐原ミズ
他作品:マイガール
まずは簡単なあらすじから。
嫉妬心から人を傷つけてしまった過去を持つ主人公のノ瀬鉄宇は、その出来事が原因となり中学の半分を登校拒否して引きこもっていました。当時を思い起こす物事から逃げるため、家から遠く離れた高校への進学を決めた鉄宇。しかし、逃げ出したはずのその場所で、振り返りたくもなかったあの頃の自分との出会いを、支えとして努力する少女がいることを知ることになります。
挫折など辛い出来事を経験した主人公達が、新たな夢を持ち、支え合える仲間を見つけ、歩幅は小さくとも少しずつ前に進んでいく物語。
胸にズシンときました。
主人公の鉄宇(きみたか)は高校に進学するまでは引きこもりがちな少年だったんですが、その原因は鉄宇自身にあります。相手への嫉妬心と自らへの思い上がりによって、当時入っていたバスケットボールのチームメイトを傷つけてしまいました。擁護できないことをしでかしてしまったわけですから自業自得ですね。
ただ、彼のやりきれない気持ち、嫉妬してしまう気持ちは痛いほど分かってしまいました。長く励みそれなりに自信を持って取り組んでいた物事を、後から来た人に簡単に抜かれてしまうという辛さ、似た経験あります。
鉄宇は過去の出来事や自己嫌悪から、高校では何もせずに学校生活を送ろうとしていました。
そんな主人公が再び歩き出すきっかけとなったのは、藤本宝という別の高校に通う同学年の少女です。
高い身長と大きく長い手足をしていたことから、「カッパ」と呼ばれていじめを受けていました。続けたいと思っていたスペイン舞踊も周囲から拒絶されたことで諦めてしまいます。
しかし、元気をなくしていた藤本さんは、ある出会いから笑顔を取り戻し、バスケットボールという新たな目標を持って励みだします。その出会いというのが鉄宇のことであり、鉄宇はそのことをたまたま出会ったおばあさんから聞かされました。この時点ではまだそれが自分のことだとは気づいていません。そのことを聞かされた鉄宇は、
「人の人生を変えてしまうほどの人間て、どんな奴だ?」
と思ったんです。人を傷つけてしまった自分とは違うと悩み、また落ち込んでしまいます。他でもない自分のことなのに・・・。
過去に、鉄宇は自身の赤いバッシュ、藤本さんは赤いスペイン舞踊の靴、それを投げ捨てようとしたときに出会いました。お互いに欲しかった体格を持っていたことから、羨ましいと笑い合っていました。このときに、鉄宇が藤本さんにバスケットを薦めたんです。そして、持っていた靴を交換し、それが今お互い新たな夢として励んでいるものになっています。
藤本さんに影響を与えた人物が自分のことだと知ることになるんですが、なにせずっと自分は無価値な存在だと思ったいた鉄宇なので強い衝撃を受けていました。藤本さんは自分が諦めた道をがんばって歩んでいることを知り、それならばと自分は藤本さんの諦めた道を進もうと決意します。
それがスペイン舞踊フラメンコです。お互いがお互いの諦めた道の続きを歩き出すという演出は素晴らしいですね。
鉄宇の救いになっているのは藤本さんだけではありません。何よりも家族です。母は強くて優しやもあり、妹にいたってはまさに天使ですね。私は完全に心を射抜かれてしまいました。妹の話はすごく印象に残るものなのでぜひ読んでもらいたいです。
もちろん家族だけではなく、これから高校などで出会う人たちによって、鉄宇と藤本さんは歩みを進めていくことになります。
人の人生を変えるというのは大きなことのように思いますが、本人からすればささいなことでしかなかったりします。ですが、そのきっかけを貰った本人や、その人の周囲にいる人たちからすると、感謝しきれないほど大きなことなんですよね。
とても心に響く作品でした。グサグサと突き刺さってくることもあり、読んでいて痛く苦しくなることもありました。それでも、この作品に出会えたことはとても嬉しく思っています。
よければ読んでみてください。
【在庫あり/即出荷可】【漫画】鉄楽レトラ 全巻セット (1-6巻 最新刊) / 漫画全巻ドットコム価格:3,610円(税込)
作者:佐原ミズ
他作品:マイガール
まずは簡単なあらすじから。
嫉妬心から人を傷つけてしまった過去を持つ主人公のノ瀬鉄宇は、その出来事が原因となり中学の半分を登校拒否して引きこもっていました。当時を思い起こす物事から逃げるため、家から遠く離れた高校への進学を決めた鉄宇。しかし、逃げ出したはずのその場所で、振り返りたくもなかったあの頃の自分との出会いを、支えとして努力する少女がいることを知ることになります。
挫折など辛い出来事を経験した主人公達が、新たな夢を持ち、支え合える仲間を見つけ、歩幅は小さくとも少しずつ前に進んでいく物語。
胸にズシンときました。
主人公の鉄宇(きみたか)は高校に進学するまでは引きこもりがちな少年だったんですが、その原因は鉄宇自身にあります。相手への嫉妬心と自らへの思い上がりによって、当時入っていたバスケットボールのチームメイトを傷つけてしまいました。擁護できないことをしでかしてしまったわけですから自業自得ですね。
ただ、彼のやりきれない気持ち、嫉妬してしまう気持ちは痛いほど分かってしまいました。長く励みそれなりに自信を持って取り組んでいた物事を、後から来た人に簡単に抜かれてしまうという辛さ、似た経験あります。
鉄宇は過去の出来事や自己嫌悪から、高校では何もせずに学校生活を送ろうとしていました。
そんな主人公が再び歩き出すきっかけとなったのは、藤本宝という別の高校に通う同学年の少女です。
高い身長と大きく長い手足をしていたことから、「カッパ」と呼ばれていじめを受けていました。続けたいと思っていたスペイン舞踊も周囲から拒絶されたことで諦めてしまいます。
しかし、元気をなくしていた藤本さんは、ある出会いから笑顔を取り戻し、バスケットボールという新たな目標を持って励みだします。その出会いというのが鉄宇のことであり、鉄宇はそのことをたまたま出会ったおばあさんから聞かされました。この時点ではまだそれが自分のことだとは気づいていません。そのことを聞かされた鉄宇は、
「人の人生を変えてしまうほどの人間て、どんな奴だ?」
と思ったんです。人を傷つけてしまった自分とは違うと悩み、また落ち込んでしまいます。他でもない自分のことなのに・・・。
過去に、鉄宇は自身の赤いバッシュ、藤本さんは赤いスペイン舞踊の靴、それを投げ捨てようとしたときに出会いました。お互いに欲しかった体格を持っていたことから、羨ましいと笑い合っていました。このときに、鉄宇が藤本さんにバスケットを薦めたんです。そして、持っていた靴を交換し、それが今お互い新たな夢として励んでいるものになっています。
藤本さんに影響を与えた人物が自分のことだと知ることになるんですが、なにせずっと自分は無価値な存在だと思ったいた鉄宇なので強い衝撃を受けていました。藤本さんは自分が諦めた道をがんばって歩んでいることを知り、それならばと自分は藤本さんの諦めた道を進もうと決意します。
それがスペイン舞踊フラメンコです。お互いがお互いの諦めた道の続きを歩き出すという演出は素晴らしいですね。
鉄宇の救いになっているのは藤本さんだけではありません。何よりも家族です。母は強くて優しやもあり、妹にいたってはまさに天使ですね。私は完全に心を射抜かれてしまいました。妹の話はすごく印象に残るものなのでぜひ読んでもらいたいです。
もちろん家族だけではなく、これから高校などで出会う人たちによって、鉄宇と藤本さんは歩みを進めていくことになります。
人の人生を変えるというのは大きなことのように思いますが、本人からすればささいなことでしかなかったりします。ですが、そのきっかけを貰った本人や、その人の周囲にいる人たちからすると、感謝しきれないほど大きなことなんですよね。
とても心に響く作品でした。グサグサと突き刺さってくることもあり、読んでいて痛く苦しくなることもありました。それでも、この作品に出会えたことはとても嬉しく思っています。
よければ読んでみてください。
鉄楽レトラ 1 [ 佐原ミズ ] |
【在庫あり/即出荷可】【漫画】鉄楽レトラ 全巻セット (1-6巻 最新刊) / 漫画全巻ドットコム価格:3,610円(税込)
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