2016年08月24日
【青い花】マンガ 感想&あらすじ 少女たちの繊細な心の動きを描いた百合作品
マンガ・エロティクス・エフ。2004年11月17日から2013年7月6日まで連載。既刊8巻
著者:志村貴子
他作品:放浪息子
鎌倉の町にある進学校「松岡女子高校」に入学した万城目ふみは、同じ鎌倉にあるお嬢様学校「藤が谷女学院」に入学した幼馴染の奥平あきらと、お互いの入学式の日に10年ぶりに再会する。通う学校は違うけど2人は同じ電車で一緒に登校するようになります。その頃ふみは同性の従姉・花城千津と付き合っていたものの、裏切られる形で結婚してしまったため気分は落ち込んでいたのだが、明るいあーちゃんと一緒に登校したり遊びに行く中で自然と笑えるようになっていく。そしてある日、同じ高校に通う先輩の杉本恭己と出会い一目惚れしてしまい、相手もふみのことが気になることから付き合い始めるのだが・・・。
・万城目ふみ(ふみちゃん)
主人公。高身長で眼がねをかけた黒髪ロングの美少女。内気で大人しい性格をしており、泣き虫です。何かと流されがちなではあるんですが、大切な事はきっちり意思を示しています。
・奥平あきら(あーちゃん)
もう1人の主人公。ふみの幼馴染で親友。ふみとは反対に小柄で、明るく元気ある素直な子です。ふみが女の子が好きだということを知っても変わらず友情を育んでいました。
・杉本恭己
ふみの2学年上の先輩。見た目が王子様のようにかっこよく、スポーツもできるため同性からの人気が高いです。物語の引っ掻き回し役。落ち着いた振る舞いをしてはいますが身勝手で好き放題し過ぎな人です。
・生汲京子
あーちゃんの同級生で友人。演劇部に所属しています。お嬢様っぽく許婚がいるんですが、恭己に恋をしています。自分の悩みや苦労を表に出さずに抱え込むタイプの人間です。
【eBookJapan】 青い花 無料で立ち読みできます
鎌倉の町にある2つの学園を舞台に、繊細な年頃の少女たちの一生懸命な恋愛を描いた物語です。群像戟ですね。主に女の子同士の恋愛を描いてはいますが、異性同士の恋愛も多少含まれてます。『放浪息子』でおなじみの、年頃の少年少女の繊細な心理描写の表現が秀逸な志村貴子さんの作品です。2009年にアニメ化されたようですが、私はまだ観てません。
同性愛をテーマにした作品だとどうしても世間の視線や社会での立場、その社会では己のアイデンティティは受け入れられないのではないかという苦悩する話がついてきますけど、この作品ではあまり見受けられませんでした。もちろん同性を恋愛対象として見てしまう自己への葛藤と対象相手に受け入れてもらえるのかという苦悩は強めですけど、社会的なという所は薄めだったと思います。だからといってリアリティが欠如してるなんてことはなく、むしろ女の子同士の恋愛描写や友情は結構生々しくリアルに描かれてました。そういった部分では結構ドロドロしてます。同性愛だけでなく異性愛を描いているところもいっそうリアリティを感じさせる要因になっていたと思います。
いろんな女の子たちの恋愛が見れます。まずふみですけど、まあこの娘はあっちこっちへフラフラして紆余曲折しまくってましたね。本命として初恋相手のふみちゃんがいたものの、従姉の誘いに流されて行っちゃったり、先輩に一目惚れしちゃったりと、惚れっぽく流されやすいです。でも仕方ないのかなとも思います。大切な存在だからこそ壊れてしまうことが怖かったんだと思いますし、好きでも相手と自分の好きは違うと悩んでましたから。それに、終盤でのふみはむしろ応援したくなるぐらいかっこいいです。これまでフラフラしてきた人に言うことじゃないかもしれませんけど、一途ですよこの子。個人的には結構好きです。
あーちゃんは同性愛がどうこうの前に恋愛自体疎い子でしたね。だから悩みます。ほんといい子なので真剣にすごい悩んでました。そんな姿には好感持てます。恋愛を知らないあーちゃんは元気いっぱいな子供って感じだったんですけど、そういうことに直面してからは色っぽさを感じることもありました。
忘れてはいけない杉本恭己。ミステリアスで落ち着いていて大人の雰囲気をかもし出してるんですけど、やっかいな人でしたね。姉の恋人にずっと片想いしてたんですけど、腹いせにちょっかい出されたふみが不憫です。不憫といえばそんな恭己に恋しちゃってる京子ですよ。京子にはどちらかというと冷たい態度をとってるんですけど、ばっさり切り伏せることをしないあたりは質悪いです。彼女の雰囲気とは逆に子供だなと思うこともあるんですけど、大事なところではしっかり一線を引いてるあたりは大人なのかなとも思ったり、子供にも大人にもなりきれない微妙な年頃の姿を表してるのかもしれません。まあこんなに引っかき回す人はそうそういませんけどね。迷惑でしたけど、嫌いにはなりきれませんでした。
特別百合な話が好きというわけではないですし、完全にすっきりすることもできませんでしたけど、それでも私の中では傑作です。何度読んでも心動かされますね。ラストの結末は自分の予想とは全然違うものでしたけど、それでも良い終わり方だったと思います。少女たちの微妙で繊細な心の動きをよく描いており、愛おしさ、切なさがよく伝わってきました。女性同士の恋愛が好きな人はもちろんのこと、そうでない人でも楽しめると思います。いろんな形の恋の話をよければ読んでみてください。
【漫画全巻ドットコム】青い花 (1-8巻 全巻) 紙版・電子版あり
著者:志村貴子
他作品:放浪息子
あらすじ・概要
鎌倉の町にある進学校「松岡女子高校」に入学した万城目ふみは、同じ鎌倉にあるお嬢様学校「藤が谷女学院」に入学した幼馴染の奥平あきらと、お互いの入学式の日に10年ぶりに再会する。通う学校は違うけど2人は同じ電車で一緒に登校するようになります。その頃ふみは同性の従姉・花城千津と付き合っていたものの、裏切られる形で結婚してしまったため気分は落ち込んでいたのだが、明るいあーちゃんと一緒に登校したり遊びに行く中で自然と笑えるようになっていく。そしてある日、同じ高校に通う先輩の杉本恭己と出会い一目惚れしてしまい、相手もふみのことが気になることから付き合い始めるのだが・・・。
主要登場人物
・万城目ふみ(ふみちゃん)
主人公。高身長で眼がねをかけた黒髪ロングの美少女。内気で大人しい性格をしており、泣き虫です。何かと流されがちなではあるんですが、大切な事はきっちり意思を示しています。
・奥平あきら(あーちゃん)
もう1人の主人公。ふみの幼馴染で親友。ふみとは反対に小柄で、明るく元気ある素直な子です。ふみが女の子が好きだということを知っても変わらず友情を育んでいました。
・杉本恭己
ふみの2学年上の先輩。見た目が王子様のようにかっこよく、スポーツもできるため同性からの人気が高いです。物語の引っ掻き回し役。落ち着いた振る舞いをしてはいますが身勝手で好き放題し過ぎな人です。
・生汲京子
あーちゃんの同級生で友人。演劇部に所属しています。お嬢様っぽく許婚がいるんですが、恭己に恋をしています。自分の悩みや苦労を表に出さずに抱え込むタイプの人間です。
【eBookJapan】 青い花 無料で立ち読みできます
感想
鎌倉の町にある2つの学園を舞台に、繊細な年頃の少女たちの一生懸命な恋愛を描いた物語です。群像戟ですね。主に女の子同士の恋愛を描いてはいますが、異性同士の恋愛も多少含まれてます。『放浪息子』でおなじみの、年頃の少年少女の繊細な心理描写の表現が秀逸な志村貴子さんの作品です。2009年にアニメ化されたようですが、私はまだ観てません。
同性愛をテーマにした作品だとどうしても世間の視線や社会での立場、その社会では己のアイデンティティは受け入れられないのではないかという苦悩する話がついてきますけど、この作品ではあまり見受けられませんでした。もちろん同性を恋愛対象として見てしまう自己への葛藤と対象相手に受け入れてもらえるのかという苦悩は強めですけど、社会的なという所は薄めだったと思います。だからといってリアリティが欠如してるなんてことはなく、むしろ女の子同士の恋愛描写や友情は結構生々しくリアルに描かれてました。そういった部分では結構ドロドロしてます。同性愛だけでなく異性愛を描いているところもいっそうリアリティを感じさせる要因になっていたと思います。
いろんな女の子たちの恋愛が見れます。まずふみですけど、まあこの娘はあっちこっちへフラフラして紆余曲折しまくってましたね。本命として初恋相手のふみちゃんがいたものの、従姉の誘いに流されて行っちゃったり、先輩に一目惚れしちゃったりと、惚れっぽく流されやすいです。でも仕方ないのかなとも思います。大切な存在だからこそ壊れてしまうことが怖かったんだと思いますし、好きでも相手と自分の好きは違うと悩んでましたから。それに、終盤でのふみはむしろ応援したくなるぐらいかっこいいです。これまでフラフラしてきた人に言うことじゃないかもしれませんけど、一途ですよこの子。個人的には結構好きです。
あーちゃんは同性愛がどうこうの前に恋愛自体疎い子でしたね。だから悩みます。ほんといい子なので真剣にすごい悩んでました。そんな姿には好感持てます。恋愛を知らないあーちゃんは元気いっぱいな子供って感じだったんですけど、そういうことに直面してからは色っぽさを感じることもありました。
忘れてはいけない杉本恭己。ミステリアスで落ち着いていて大人の雰囲気をかもし出してるんですけど、やっかいな人でしたね。姉の恋人にずっと片想いしてたんですけど、腹いせにちょっかい出されたふみが不憫です。不憫といえばそんな恭己に恋しちゃってる京子ですよ。京子にはどちらかというと冷たい態度をとってるんですけど、ばっさり切り伏せることをしないあたりは質悪いです。彼女の雰囲気とは逆に子供だなと思うこともあるんですけど、大事なところではしっかり一線を引いてるあたりは大人なのかなとも思ったり、子供にも大人にもなりきれない微妙な年頃の姿を表してるのかもしれません。まあこんなに引っかき回す人はそうそういませんけどね。迷惑でしたけど、嫌いにはなりきれませんでした。
特別百合な話が好きというわけではないですし、完全にすっきりすることもできませんでしたけど、それでも私の中では傑作です。何度読んでも心動かされますね。ラストの結末は自分の予想とは全然違うものでしたけど、それでも良い終わり方だったと思います。少女たちの微妙で繊細な心の動きをよく描いており、愛おしさ、切なさがよく伝わってきました。女性同士の恋愛が好きな人はもちろんのこと、そうでない人でも楽しめると思います。いろんな形の恋の話をよければ読んでみてください。
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【漫画全巻ドットコム】青い花 (1-8巻 全巻) 紙版・電子版あり
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