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2023年05月30日

401番:ココット嬢(1)


ココット嬢(1)
Mademoselle Cocotte


−−−−−−−−−−【1】−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Nous allions sortir de l'Asile quand j' aperçus dans
un coin de la cour un grand homme maigre qui
faisait obstinément le simulacre d' appeler un chien
imaginaire. Il criat, d' une voix douce, d' une voix
tendre: ≪ Cocotte, ma petite Cocotte, viens ici,
Cocotte, viens ici, ma belle ≫ en tapant sur sa
cuisse comme on fait pour attirer les bêtes.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

私たちは精神病院から出ようとしていました.そのとき
私は中庭の片隅で一人の痩せた男が、根気よく想像上の
犬を呼ぶ真似事をしているのに気がつきました.男は甘
い優しい声で、:「ココット、私のココットや、こっちに
おいで、ココットや、こっちにおいで、ココットちゃん」
ペットの動物を呼ぶときのように、男は膝を叩きながら
叫んでいたのだった.



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

asile:(m) ❶保護所、収容所、精神病院 (asile d'aliénés)
asile de nuit / 簡易宿泊所、
asile de vieillards [古] 老人ホーム
A避難場所、隠れ家
obstinément:[オプスティネマン](副) 頑固に、執拗に、
   粘り強く、たゆみなく
simulacre:[スィミュラークル](m) 幻影、見せかけ、模擬
imaginaire:(形) 想像上の、架空の、空想上の
criait:(半過去3単) < crier
Cocotte:(固有名詞) ココット(犬の名前)
en tapant:(ジェロンディフ) < taper (他/自) 打つ、たたく
cuisse:(f) 腿、大腿、股、尻
attirer:(他) 引き寄せる、引き付ける
bête:(f) 動物

400番:アルト・ハイデルベルク(116)


アルト・ハイデルベルク(116)
𝓐𝓵𝓽 𝓗𝓮𝓲𝓭𝓮𝓵𝓫𝓮𝓻𝓰 CXVI
    


−−−−−−−−−−−−【116】−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Lutz : Die Zimmer,*o Ew. Durchlaucht, sind uralt*1, die Treppe*2
............stockfinster*3, das ganze Haus von einem derart*⁴desspektirlichen*⁵
............Exterieur*⁶−

Doktor: Das ist ja lächerlich*⁷.

.Lutz : Wie ?

Doktor: Das ist ja alles dummes*⁸ Zeug*⁹. Paläste*1⁰ giebt's*11 hier nicht.
..............Gott sei Danke, nicht.

Käthie: (ängstlich*12, halblaut*13). Er will net*1⁴ bleiben−?

.Lutz : (in starrer*1⁵ Beherrschung*1⁶). Wollen*1⁷ Ew. Durchlaucht vor
.............allem*1⁸ bemerken*1⁹, daß sich unten*2o im Hause eine Wirtschaft*21
.............befindet.*22 Ein Lokal*23, in dem*2⁴ Studenten und sonst allerhand*2⁵
.............Leute sich umhertreiben*2⁶. Wollen Ew. Durchlaucht befehlen*2⁷,
.............daß für die ersten Tage im Hotel Wohnung genommen*2⁸ wird.
.............Ich lasse die Koffer*2⁹ sofort hinüberschaffen*3⁰.

Karl Heinrich:(unsicher.) Wenn Sie meinen−

Käthie :(tritt*31 schüchtern*32, bittend*33 einen Schritt*3⁴ vor.) Nein−!

.Doktor:(lächelnd*3⁵). Se. Durchlaucht wird dieses schreckliche*3⁶ Haus
..............selbst besichtigen*3⁷ und selbst entscheiden.*3⁸

Karl Heinrich:(rasch*3⁹.) Ja. Rüder. Bitte*⁴⁰ schön−−


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

ルッツ  : 殿下、部屋といえば、たいそう古く、階段は真っ暗闇、
       屋敷の外観はご覧の通り、見るに堪えませんし−−−

博士   : 実につまらん.

ルッツ  : 何ですって?

博士   : 全くばかばかしいことだと言っているのだ.宮殿なんぞは
       ここにありはしない.ありがたいことに、ないんだよ.

.ケティー : (不安そうに小声で) 殿下ははご滞在なさらなのかしら−−?

ルッツ  : (しっかり自分を抑えて) 殿下、とりわけ申し上げたいこと
       ですが、家の下にはレストランがあります.学生とか他の
       人たちがうろつく酒場なのです.もしも殿下がはじめの数日
       間、ホテルの部屋を取ることをお命じ下されば、ただちに
       荷物をそちらへ運ばせますが.

カール・ハインリヒ: (おぼつかない様子で) そういうことなら−−

.ケティー : (懇願しながらおどおどと前へ一歩出る) いけませんわ−!

博士   : (微笑みながら)このおそろしい家を殿下がご自身で見分なさ
       ってから決められることでしょう.

カール・ハインリヒ: (すばやく) そうだとも、リューダーさん、お願いしますよ.



−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−

* 0) die Zimmer:(複) <das Zimmer (同尾タイプ) 部屋
* 1) uralt:[ウーアアルト] (形) 非常に古い、大昔からの、太古の
* 2) die Treppe:(Nタイプ) 階段
* 3) stockfinster:(形) [口語] 真っ暗闇の
* 4) derart:[デーアアルト(der + art)] (副) このように
* 5) desspektirlichen:(辞書不掲載語) des + spektirlich + 語尾
    des も辞書不掲載なので、desarmieren (非武装化する)などから
    類推して打消しの接頭辞として「spektirlich でない」と考えます.
    spektirlich も辞書不掲載:形容詞語尾を外してspektir に最も近い
    語を見たところSpektakel (見もの、壮観) で、ir はこれを動詞
    化したものと推測.よって「見るに堪えない」と仮訳出をして
    おきます.(後日、分かった時点で訂正に戻ってきます.)  
* 6) Exterieur:[エクステリユール](中性名詞_s/_s){雅語} 外観 
    (発音から見て、フランス語からの外来語か?
     気取り屋のルッツが使うには相応しい語彙かもしれません)
* 7) lächerlich:(形) ❶こっけいな、おかしい、ばかばかしい;
        ❷取るにたらない、話にならない、ささいな
* 8) dumm:(形) ばかな、おろかな
     (語尾es は中性N格強変化.本来alles が定冠詞類なので弱変化
      語尾のe になるはずですが、強調する余りes になったのか?
      それともalles を定冠詞類と見ずに、強調の間投詞として見る
      べきか? いずれにしても私の学力不足です.すみません.)
   
* 9) das Zeug:(単ノミ) ❶(つまらない)もの、がらくた;
      ❷くだらないこと、くだらない話  
*10) Paläste:(複数形) <der Palast 宮殿、王宮;御殿
*11) giebt's: gibt es ~ 「〜がある」  
*12) ängstlich:(形、副) 不安そうな、不安そうに、心配そうな(に)
*13) halblaut:(形) 小声の
*14) net:(南部訛り) nicht
*15) starr:(形) ❶(身体が) 硬直した、❷(表情が) こわばった
❸(性格が)頑固な、強情な /語尾er は強変化女性D格語尾
㊟ 語尾er は強変化女性D格語尾であって、比較級ではない.
*16) die Beherrschung:(en タイプ) 自制、沈着
      die Beherrschung verlieren / 自制心を失う 
*17) wollen:ルッツが述べているので、本来主語はich なのでwoolwn はwill
なのですが、高位の人に対してich を用いるのを避けて、wir とし
     そのwir も避けたため、wollen となったのかと思います.
     (間違っていたらすみません)
*18) vor allem:とりわけ、特に
*19) bemerken:(他) (Aに) 気づく、(Aを)述べる
*20) unten:(副) 下に、下のほうに
*21) die Wirtschaft:❶経済、❷家事、家政、❸飲食店、食堂
*22) sich⁴ befindet:(3単現)<sich⁴ befinden + 場所 〜にある、いる
     es gibt Akk. も「ある、いる」ですが、
     こちらは「場所」よりも「存在」に主眼を置く.
*23) das Lokal:[ロカール] (Eタイプ) 飲食店、レストラン、居酒屋
*24) in dem:(前置詞+関係代名詞) worin のことですが、緊張したルッツが
     伺えます.尚、もちろん dem は Lokal のこと.
*25) allerhand:(形) さまざまな、いろいろな
*26) sich⁴ umher/treiben:あてもなく歩き回る
*27) befehlen:(他) 命令する.尚、こちらのwollen は主語は「殿下」で
     文頭の wenn が脱落し、倒置形になったもの.「もし殿下がお命
     じ下さるなら、...」
*28) genommen:(過去分詞) <nehmen (他) 取る、
*29) der Koffer:(同尾タイプ) スーツケース
*30) hinüberschaffen:(辞書不掲載) → hinüber + schaffen
hinüber (越えて) 向こう側へ + schaffen (Aを) 運ぶ
*31) tritt...vor:(3単現) <vor/treten (自/s) 前の方へ歩み出る 
*32) schüchtern:(形)[シュヒターン] 内気な、おどおどとした 
*33) bittend:(現在分詞) <bitten 頼む、請う 
*34) der Schritt:(Eタイプ) 歩み、一歩 ;ここではA格で副詞扱いに解釈.
      Sie tritt einen Schritt vor. / 彼女は一歩前に出る.
*35) lächelnd:(現在分詞) <lächeln (自) ほほえむ、微笑する
*36) schrecklich:(形) 恐ろしい、ぞっとする;
(副) [口語] ものすごく、たいそう
      *語尾のeは中性弱変化A格 
*37) besichtigen:(他) (Aを) 見学する、視察する、見物する
*38) entscheiden:(他) 決める、決定する
*39) rasch:(形) すばやい
*40) bitte schön: お願いします.
     bitte schön は習い始めのころの「どういたしまして」と
     学習したことと思います.bitte には「どうぞ」の他に
     「どうか」の意味もあり、「どうか」をていねいにする
     ため schönを添えると、「お願いします」という意味にも
     なります. 

399番:ハリエット嬢(136)


ハリエット嬢(136)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【136】−−−−−−−−−−−−−−−

 Toutes les réflexions que j' avais faites dans le
jour, l' étrange découverte de matin, cet amour
grotesque et passionné attaché à moi, des sou-
venirs charmants et troublants, peu- être aussi ce
regard de servante levé sur moi à l' annonce de
mon départ, tout cela mèlé, combiné, me mettait
maintenant une humeur gaillarde au corps, un
picotement de baisers sur les lèvres, et dans les
veines, ce je ne sais quoi qui pousse à faire
des bêtises.



−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 一日を振り返って見て、今朝あらわとなった奇妙な出
来事、つまり私に向けられた珍妙で熱情的な恋愛、それ
は可愛い思い出でもあり、困惑する思い出でもあったの
ですが、それとおそらく私が出発すると聞いて私を見上
げる女中の視線も含めて、これらすべては入りまじり組
み合わされ、今や私をして気分も溌剌として体も活気づ
いていました.キスをしたくて唇がうずき、静脈もうず
く、それがなぜだかわからないのですが私をばかなこと
を押し進めようとしていたのでした.
 


.−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−−

toutes les réflexions que ~:「 〜以下を何度も思い起こすこと」
   名詞句で、しかも同格主語が連続しています.その
   動詞は6行目終わりのme mettait .
   細切れに訳していきます.仏検受験学習のために
   文構造を言いますとme mettaitの手前までが
   主部、me mettait以下が述部です.主語は並列されて
   います.   
réflexion:(f) ❶熟慮、反省;A(plで) 考察、意見
      ❸、注意、意見、文句、小言、批判
étrange:(m) 奇妙なこと、
découverte:(過去分詞女性) < découvrir (他) 発見する
   覆いを取る、あらわにする、
amour:(m) 愛、恋愛
grotesque:[グロテスク](形) ❶珍妙な、奇妙な、
   グロテスクな、異様な
passionné:(過去分詞) < passionner (他) 熱中させる
   Ce film m'a passionné. /
   その映画は私を夢中にさせた.
attaché:(形、過去分詞)(àに)結び付いた
souvenir:(m) 記憶(力)、思い出、回想
charmant(e):(形) かわいい、感じがいい、
    すてきな、 
troublante:(形) 気がかりな
regard:(m) 視線、目つき、眼差し、注目
  jeter un regard sur qn/qc 〜に視線を投じる
de servante:女中の、メイドさんの、お手伝いさんの
levé:(過去分詞) <lever
lever les yeux sur ... :を熱望する、を渇望する、
lever le regard sur moi:私に視線を上げる、私を求める
le regard de servante levé sur moi:
   私に向けられた惚れた女の視線
annonce:(f) ❶告知、知らせ、発表; ❷予告、案内
   B広告; C前兆、前触れ
départ:(m) 出発、立ち去ること、発車
mêlé:(過去分詞) [単独で副詞的に] 入りまじって
   < mêler (他) 混ぜる
combiné:(過去分詞) [単独で副詞的に] 組み合わされて
   < combiner (他) 組み合わせる、配合する
mettait:(半過去3単)< mettre 〜を…にする
[主語は同格並列による言い換えであり単数]
humeur:[ユムール](f) 気分、機嫌
gaillard(e):[ガイヤール、ガイヤルド](形)(人が)元気な、
   (態度が)活発な、
corps:(m) からだ、身体、肉体
picotement:(m) ちくちくした感じ、ひりひりした感じ
baiser:(m) 口づけ
lèvre:(f) 唇(上下あるので通常複数で用いる) 
picotement de baisers sur les lèvres:
   唇へのキスのひりひりする感じ
   解釈は2通り.キスしたからひりひりするのか
   キスをしたくてうずうずするのか.
   読み進めばわかると思いますのでとりあえず、
   キスをしたくてうずうずする、それをしてしまおうと
   馬鹿な気もちに駆り立てられる.ということにし
   ておきましょう.訳本は2冊とも後者、「キスを
   したい」と言っています.
veine:(f) 静脈
pousse:(直現3単) <pousser (自/他) 押す、押し進める
bêtises:[ベティーズ](f) 愚かさ、軽率、ばかなこと、へま.


−−−−−−−−−《ひとこと》−−−−−−−−−−−−−−−−−

きょうの文は長文です.
Toutes les réflexions que j' avais faites dans le
jour, l' étrange découverte de matin, cet amour
grotesque et passionné attaché à moi, des sou-
venirs charmants et troublants, peu- être aussi ce
regard de servante levé sur moi à l' annonce de
mon départ, tout cela mèlé, combiné, これが主語で

me mettait これが動詞で以下すべて述部
maintenant une humeur gaillarde au corps, un
picotement de baisers sur les lèvres, et dans les
veines, ce je ne sais quoi qui pousse à faire
des bêtises.


これがリンゴの木の下でパイプを吹かしながら思ってい
たことのすべてです.

文構造(骨組み)は「思い返しが私を溌剌とさせた.
言いたいことはこの骨組みに、調子がいいから何か
ばかなことをしてしまうかも.

2023年05月28日

398番:アルト・ハイデルベルク(115)


𝓐𝓵𝓽 𝓗𝓮𝓲𝓭𝓮𝓵𝓫𝓮𝓻𝓰 CXV
   
アルト・ハイデルベルク(115)


−−−−−−−−−−−−【115】−−−−−−−−−−−−−−−−


Doktor:Bravo !*1  Das war ja*2 reizend*3 . Wie heißt denn das
     kleine Fräulein ?

Käthie:(Knixt.*⁴) Käthie !

Karl Heinrich:(immer noch befangen*⁵). Es war sehr liebenswürdig*⁶ !

Lutz :Ew. Durchlaucht verzeihen*⁷. aber ich glaube, bemerken*⁸
    zu müssen, ―

Doktor:(schiebt ihn wieder bei Seite). Und das der Her Wirth―?

Rüder :s'ischt die größte Ehre in Heidelberg ―i bin der Josef Rüder,
des ischt mei Frau, die Frau Rüder―wenn der Herr Prinz die
hohe Ehre*⁹ haben wollte und wollte die Schtube besehe――

Karl Heinrich:(nickt, will ihm folgen).

Lutz :Wollen*1⁰ Ew. Durchlaucht bemerken, daß dieses Haus für
Ew. Durchlaucht in jeder Beziehung ein unmögliches*12 Quartier*13
ist.

Karl Heinrich:(stutzt*1⁴). Wie―?

Doktor:(grob*1⁵). Was heißt*1⁶ das ?


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

博士   : いやお見事! まったくすばらしかった.一体この
       可愛いお嬢さんは、名前は何というのだ?

ケティー : (膝をかがめてお辞儀をする) ケティーですわ!

カール・ハインリヒ: (まだぎこちなさがとれない) どうもご親切ににありがとう.

ルッツ  : 殿下、失礼ながら是非とも申し上げるべきことが−−

博士   : (再び彼を脇へ押しやって) それでこちらはご主人かね?

リューダー: このハイデルベルクにお迎えができ、恐悦至極です.
      私はヨーゼフ・リューダー、こちらが私の家内です.
−−公子殿下様がおよろしければ、お部屋をご案内させて
       いただきます.

カール・ハインリヒ: (頷いてリューダーについて行こうとする)

ルッツ  : 殿下に申し上げたき事ですが、この館はあらゆる面で
       殿下には相応しくない宿でございます.

カール・ハインリヒ: (驚いて、はっとする) 何だって−−?

博士   : (荒々しく)どういうことだ?


−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−

*1) Bravo !: (間投詞) いいぞ!、ブラボー!
*2) ja: (副) (驚きを表わして) [文アクセントなしで]
…じゃないか、まさに…だ
*3) reizend: (形) 魅力的な、チャーミングな、素晴らしい
*4) Knixt→ knickst: (3単現) <knicksen (自)
膝をかがめてお辞儀をする
*5) befangen: (形) おずおずした、ぎこちない、内気な
Er wirkte befangen. / 彼は気おくれしているように見えた.
*6) liebenswürdig: (形) 好意的な、親切な
*7) verzeihen: (Aを) 許す
Verzeihen Sie die Störung ! / お邪魔してすみません.
*8) bemerken:(他) [特定のテーマについて] (Akkを) 述べる
     付言する    
*9) hohe Ehre:(辞書不掲載) → hohe + Ehre (閣下);
hohe も辞書不掲載 → Hoheit (f) の訛りではないかと推測します.
   この言葉は1919年まで用いられた「陛下」「殿下」を意味する尊称
   で、呼びかけには、Eure Hoheit 「陛下」「殿下」とします.
おそらくリューダーはEure Hoheitのつもりでhohe Ehre と南部訛り
   で言ったものと思います.
*10) Wollen: ”Wir wollen ” のwir が脱落したものと思われます. 
ich を用いると自分だけの意見になるので、wir に変えて「我々の身分」
   の意見だと言っているのではないかと思います.
*11) die Beziehung:(en タイプ)❶関係、関連;❷(複数で)交際、交わり、
❸観点(Hinsicht); in jeder Beziehung あらゆる面 <意味>で
どこから見ても
*12) unmöglich:(形) 不可能な;(語尾esは中性混合N格) 
*13) das Quartier:(eタイプ) 宿、宿泊所、 [軍事] 宿営
*14) stutzt:(3単現) <stutzen (自) (驚いて) はっとする
*15) grob: (形) ❶荒い、❷乱暴な、粗野な、がさつな ❸おおまかな
*16) heißen: (自/他) [述語と] (を) 意味する (=bedeuten)
Was soll das heißen ? / それはどういうことですか?

397番:ハリエット嬢(135)


ハリエット嬢(135)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【135】−−−−−−−−−−−−−−−

 Je l' embrassais quelqefois dans les coins, par
habitude de coureur d' auberges, rien de plus.
Et le dîner s' acheva.
J' allai fumer ma pipe sous les pommiers, en
marchant de long en large, d' un bout à l' autre
de la cour.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 私はこの娘には幾度となく宿の片隅でキスをしたが
宿に連泊する遊び人の慣わしでのことであり、それ以
上のことではありませんでした.
 そして夕食が終わりました.
私はパイプを吹かしにリンゴの木の下に行こうとして
庭の端から端をあちこち歩き回っていました.


.−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−−

coureur(euse):(名) 遊び人、好色家、プレイボーイ
    尻軽女
de long en large:縦横に、行ったり来たりして
d'un bout à l'autre:端から端まで

.−−−−−−−−−−≪言い訳≫−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 なんだか今回も五里霧中の訳になってしまいました.
リンゴの木はうろうろしなくても見えているはずなので
うろうろしなくても、さっさと行けるはずです.何の
ために庭を縦横に歩き回る必要があったのでしょうか?
さっぱり分かりませんでした.リンゴの木はどこに立っ
ているのだ?どう考えても、この庭は、真っすぐ歩けな
い庭だという結論に達しました.少し歩くと池、少し
歩くと、椿の植え込み、ぐるりと回って盛り土、その先
に石塔、さらに石灯籠、ちょっと行くとバラ苑の柵等々.

396番:ロシア語(34)

ロシア語(34)

【第34回】 
 
  学習テーマ: 大学に行くところです.
         Я еду в университет.         
         ヤー イェドゥー ヴニヴェルシチェート.

(В автобусе) (バスの中で)
ヴァフトッブス

−−Здравствуй, Аня ! Кда ты едешь ?
ズドラーストヴィー アーニャ クダー トゥィ イェージェシュ?
こんにちは、アーニャ!どこ行くの?

−−Привет, Оля ! Я еду в университет. А ты ?
プリヴェット オーリャ ヤー イェドゥー ヴ ウニヴェルシチェーット ア トィ?
こんにちは、オーリャ! 大学に行くところよ.あなたは?

−−Я еду в музей. А куда ты едешь отдыхать летом ? 
ヤー イェドゥ フ ムジェーィ ア クダー トィ イェージェシュ アッディハーチ リェータム?
美術館に行くところ.

−−Летом я еду на Чёрное море.
リェータム ヤー イエドゥー ナ チェールナヤ モーリェ 
夏は 黒海に行く予定なの.


−−−−−−−−− 《語句》−−−−−−−−−−−−−−

автобусе [aftóbus'i][アフトーブシェ](男) バス (автобусの前置格)
едешь (2単) <ехать 乗り物に乗って行く
еду (1単) <ехать 乗り物に乗って行く
музей [muz'éj] 美術館
отдыхать [アッディハーチ] 休養する
летом [リェータム] 夏に
Чёрное (形、中性形) 黒い
море [モーリェ] 海

−−−−−−《きょうのポイント》−−−−−−−−−−−−−

1.定動詞 ехать (乗り物に乗って行く) 
 これも一定の方向に向かって進行中の動作をあらわす定動詞です.
電車でも飛行機でも馬でもいいのですが、とにかく乗り物に乗って
いる点だけがидтиと違います.

−−−−−−−−−(ехать)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
−−(я еду)−−−−−−−(мы едем) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−(ты едешь)−−−−− (вы едете)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−(он едет)−−−−−−(они едут)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
 目的地・行く先は、идти(歩いていく)と同じく、в または на + 名詞の対格で
表されます.
Я еду в Москву.    私はモスクワに行くところだ. 
Она едет на юг. * 彼女は南に行くところだ.
* ( юг 南)

идти (歩いていく) と ехать(乗り物に乗って行く) の現在形は、現在進行中の
動作だけでなく、近い未来のことを表すこともできます.本文の最後の2文がこれ
に当たります.


2. 目的を表す不定形
 運動の動詞に別の動詞の不定詞をつけると、その目的を表します.
 Он идёт гулять в парк. (гулять 散歩する)
彼は公園へ散歩に行くところだ.

 Маша едет обедать в ресторан.  (обедать 昼食を取る)
マーシャはお昼を食べにレストランに行くところだ.

「公園で散歩する」「レストランでお昼を食べる」なら、гулять в паркe.
обедать в ресторанe と名詞は前置格になるはずですが、上の例文で
в парк や в ресторан と対格になっているのは、行き先を表している
からです.


3. 季節
 春に: веснóй [ヴィスノーイ] <веснá [ヴェスナー](女)「春」
 夏に: лéтом [リェータム] < лéто [リェータ] (中) 「夏」
秋に: óсенью [オーシェヌユ] < óсень [オーシェニ] (女) 「秋」
冬に: зимой [ズィモーイ] <зимá [ズィマー] (女) 「冬」  

* 副詞的に用いるこれらの言葉は「造格」(ぞうかく)と呼ばれているもの
 で造格については後日、詳しく学びます.

395番:中国語会話(46)


中国語会話(46) 

【どこが具合悪いの? 】 (46/100)


你 哪儿 不 舒服? どこが具合悪いの?
Nǐ nǎr bù shūfu ?

我 头疼, 发烧, 咳嗽。 頭痛がして、熱があって、せきが出ます。
Wǒ tóuténg, fāshāo, késou.

我 给 你 看 一 下。 张开 嘴。 どれ診てあげよう。口を開けて。
Wǒ gěi nǐ kàn yí xià. Zhāngkāi zuǐ.

啊−−, 你 嗓子 疼 吗? あー、のどは痛みますか?
Ā −− , nǐ sǎngzi téng ma ?

疼. Téng. 痛みます。



 《語句など》
舒服 (shūfu) 快適である、のびやかである。
不舒服 (bù shūfu) 気持ちが悪い、調子がよくない。
发烧 (fāshāo)  熱が出る、熱がある
咳嗽 (késou) せきが出る
给你 (gěi nǐ) あなたに ...してあげる
看一下 (kàn yí xià) 一度見てみる、ちょっと見てみる。
看看 (kànkàn)、 看一看 (kànyíkàn) にほぼ同じ。
张开 (zhāngkāi) 開く、開ける。
嘴 (zuǐ) 口。
嗓子 (téng) のど。


⦿ ポイント

動詞 + 「一下」 (yí xià) : ちょっと ...する
動詞の後に「一下」 (yí xià) を置くことによって、
  「短時間内にある動作をすること」
 を表すことができる。

@ 请 等 一 下。 少々お待ちください。
  Qǐng děng yí xià.  

A 你 休息 一 下 吧。 少し休みなさい。
  Nǐ xiūxi yí xià ba.

B 可以 打搅 一 下 吗? ちょっとお邪魔してもいいですか?
Kěyǐ dǎjiǎo yí xià ma ?

C 给我看一下。 ちょっと見せてごらん。
Gěi wǒ kàn yí xià.

@の文では、一下(yí xià)の代わりに、等一等(děngyideng),
を使うこともできる。 A 「你休息一下吧。」では、一下の代わり、
 「休息休息」も可。(你休息休息吧。)

ただし(41)で学習した文、
  「看看 电视, 听听 音乐。
   Kànkan diànshì, tīntin yīnyuè.   .  
   テレビを見たり、音楽を聴いたりする。」

この文のように、気ままに軽い行動を繰り返すような場合には
  一下(yí xià)に代えることはできません。

394番:中国語文法(27)


中国語文法(27)


度量衡を表す数量詞も程度補語として用いられます。

这条河长五百公里。
Zhè tiáo hé cháng wǔbǎi gōnglǐ.
この川の長さは500キロメーロルだ。

东京的气温比北京高五度。
Dōngjīng de qì wēn bǐ Běijīng gāo wǔ dù.
東京の気温は北京より5度高い。


⦿ 中国語の形容詞は、時制による語尾変化がなく、過去・現在・未来の
  区別は主として、時間を表す名詞(時間詞)を使って表現します。
  否定表現も同様です。

過去: 昨天很冷. / 昨天不冷.
Zuótiān hěn lěng. / Zuótiān bù lěng.
昨日は寒かった。 / 昨日は寒くなかった。

現在: 今天很冷。 / 今天 不冷。
Jīntiān hěn lěng. / Jīntiān bù lěng.
今日は寒い。 / 今日は寒くない。

未来: 明天很冷。 / 明天不冷。
Míngtiān hěn lěng. / Míngtiān bù lěng.
明日は寒い。 / 明日は寒くない。


⦿  時間詞は、普通は述語形容詞の前、または主語の前に置かれます。


基本原則は 時間詞は述語形容詞の前に置きます。
   东京昨天很冷。
Dōngjīng zuótiān hěn lěng.
東京は昨日寒かった。

時間詞が話題の範囲に入っていれば、文頭に置いてもOkです。
昨天、东京很冷。
Zuótiān, Dōngjīng hěn lěng.
昨日、東京は寒かった。


⦿ 形容詞は時制による変化がないので、名詞判断文の場合と
  同じように「形容詞 + 了」 は「過去」ではなく、
  「変化」を表します。

  天气冷了。
Tiānqì lěng le.
天候は寒くなった。

  ※ 「了」は「寒かった」ではなく、
    「寒くなった」という意味を表します。

他已经老了。
Tā yǐjīng lǎo le.
彼はもう年を取っている。

 昨天不热, 今天有点儿热了。 
Zuótiān bú rè, jīntiān yǒudiǎnr r è le.  
昨日は暑くなかったが、今日は少し暑くなってきた。

※ 「昨日」には ”了 ”を使わず、
「今日の変化」に ”了 ”を使う。

2023年05月27日

393番:アルト・ハイデルベルク(114)


アルト・ハイデルベルク(114)
𝓐𝓵𝓽 𝓗𝓮𝓲𝓭𝓮𝓵𝓫𝓮𝓻𝓰 CXIV


−−−−−−−−−−−【114】−−−−−−−−−−−−−−−−−

           9. Szene

    Karl Heinrich. Der Doktor.

............Doktor: Da ist Lutz.

............Lutz : Ew. Durchlaucht ―――

Karl Heinrich:(zieht den Hut, grüßt leicht alle.
......................Er ist etwas befangen).

.........Doktor: Da der Neckar. Drüben, Durchlaucht,
.......................das Schloß. Das ist eine famose Aussicht.

Karl Heinrich: Sehr schön.

...........Lutz : Ew. Durchlaucht verzeihen, aber dieses Haus―

..........Doktor:(schiebt Lutz bei Seite). Und das kleine Fräulein ?
.......................(Lacht.) Ein Blumenstrauß―?

.........Käthie: Dem Prinzen, der aus fernem Land,
.......................Zu unserm lieben Neckarstrand
.......................Gezogen kommt, dem bring'ich hier
.......................Des Frühlings allerschönste Zier.

.......................Zieh fröhlich ein in unser Haus,
.......................Und gehst Du wieder einst hinaus,
.......................Dann denke immer treu zurück,
.......................An Heidelbergs Studentenglück.―

.......................Bitte schön (knix, giebt ihm den DStrauß).

Karl Heinrich:(befangen, etwas steif). Ich danke.
......................(Nimmt den Strauß.)

.........Käthie: Bitte schön


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

   −−第9場−−
   
    カール・ハインリヒ、ユットナー博士.

博士   :あそこにルッツがいますぞ.

ルッツ  :殿下―――

カール・ハインリヒ:(帽子を脱ぎ、全員に軽い会釈.幾分ぎこちない).

博士   :あそこがネッカル川です.殿下、向こう側には
...................お城があります.これは素晴らしい眺めですぞ..

カール・ハインリヒ:実に美しい.

ルッツ  :殿下、 失礼ながら、この家は、しかし―

博士   :(ルッツをわきへ押しやる).それで、
....................このかわいいお嬢さんは?
................... (笑って.) おや、花束を―?

ケティー :
...................遠い国からはるばる私たちの愛するネッカル川の
...................岸辺に遠路はるばるやって来られた王子様に
...................私はここに春のいとも麗しき花束を捧げます.

...................さあ、心楽しく我らが家にお入り下さい.
...................そしていつかまたここを去られるときも、
...................いつまでも変わらずにハイデルベルクでの
...................学生時代の喜びを忘れずにいてください.

...................どうぞ、これを(御辞儀をして花束を彼に手渡す)

カール・ハインリヒ:(いくぶんぎこちなくうろたえて) ありがとう.
..................(花束を受け取る)

ケティー : どうぞ.


−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−

zieht :(3単) <ziehen (他) 引く、引いて動かす
   [et⁴ von et 3] はずす、脱ぐ、引き離す、
   den Hut [vom Kopf] ziehen (あいさつのため) 帽子をとる 
befangen:(形) 物おじした、はにかんだ、当惑した、とまどった、
  気おくれした、おずおずした、内気な
drüben:(副) 向こう側には
famose:(形女N) <famos [口語、やや古] すばらしい、すてきな
   ein famoses Mädchen / すてきな女の子 
die Aussicht:(単ノミ) 眺望、見晴らし、ながめ 
verzeihen:(他)[jm et⁴](D人に対しAを) 許す、容赦する、  
Verzeihen Sie bitte ! すみません、ちょっと失礼します.
aus fernem Land:遠い国から   
  aus (前D格支配)〜から + fern (形) 遠い + Land (中性/Länder) 国
fern の語尾は中性強変化D格: -em → fernem
zu unserm lieben Neckarstrand:我らが愛するネッカル川の岸辺に
zu (前D格支配)〜へ + unserm lieben 我らが愛する + Neckarstrand
   lieb (形) 愛する、好きな、親愛なる(語尾en は男性混合D)  
gezogen:(過去分詞) <ziehen (他/自) 引く; ここでは「移動する」
   自動詞の過去分詞 + kommen は「〜しながらやって来る」
   gezogen kommen は
   「移動しながらやって来る」→「はるばるやって来る」  
die Zier (雅)[_/_] <die Zierde [_/_n] 飾り.ここでは、春の飾り=「花束」
   北国ドイツでは、5月が花咲く春のようです.
Des Frühlings: (G格倒置) 
allerschönst:(形) この上なく美しい 語尾e は女性名詞のZier のため.
   ただし前にあるDes Frühlings が定冠詞を冠していてもG格のため
   allerschönst には影響しないと思います.つまり強変化女性A格で、
   定動詞bringen の目的語です.  .
Zieh ~ ein:(命令形) お入りあれ <ein/ziehen (自) 入る、入居する
fröhlich:(形) @楽しげな、A喜ばしい
einst:(副) @いつか、将来、いずれ、Aかつて、以前、昔
treu:(形) 誠実な、裏切らない、変わらない
knix:(3単現) <knicksen (自) ひざをかがめておじぎする
der Strauß (変E式) 花束; Rosenstrauß (バラの花束)
etwas:いくぶん
steif:(形) 堅い、ぎこちない

392番:ハリエット嬢(134)


ハリエット嬢(134)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【134】−−−−−−−−−−−−−−−

 Je regardais de coin miss Harriet; sa figure
n' avait point tressailli. Mais Céleste, la petite
bonne, venait de lever les yeux vers moi. C'était
une grosse fille de dix- huit ans, rougeaude,
fraîche, forte comme un cheval, et propre, chose
rare.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

私は横目でハリエットさんを見ていました:その表情は
少しも物怖じなどしていませんでした.しかし、例のお
手伝いさんのセレストは私のほうに上目使いをしていま
した.この子は18歳になる太った娘で、若々しく、ま
た強健なこと馬の如しで、またこうした娘には珍しく
清潔なのです.


.−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−−

de coin:横から、隅から、そっと
figure:(f) 表情、顔つき、顔
tressailli:(過去分詞)
   < tressaillir (自) 身震いする、おののく、
   びくっとする
grosse:(形) 太い、太った、厚い、大きな
rougeaud(e):[ルジョー、ルジョード](形) 赤ら顔の
   (名詞) 赤ら顔の人 
frais, fraîche:(形) 若々しい、みずみずしい
fort(e):(形) 頑強な、たくましい
comme un cheval:馬のように
propre:(形) 清潔な、きれいな
chose rare:(f) 珍しいこと:前置詞のない名詞句です
   が、このまま副詞的に用いられているようです.
   「珍しいことに」という訳がつくと思います.
et propre, chose rare / そして稀有なことに清潔だ.
英語表現でよくあるto her rarity (彼女には珍しく)
   とかto the rarity of girls like her などの表現かと
   思います.
   とせっかくここまで書いたのですから、ではその
   英語訳はどうなのか見てみましょう:
…and possessing the rare attribute of cleanliness
   (…そして清潔という稀な属性をもっていた)

−−全然ちゃうやん.
−−すみません.


−−−−−−−−−−《ひとこと》−−−−−−−−−−−−−−−−−

辞書を引きましたがregarder de coin qn という熟語はあ
りませんでした.意味見当は「横目で見る」だとすでに
ついています.しかし和仏辞典ではこの意味の場合、
regarder qn du coin de l'œil
となっています.これをさらに仏和で引き直すと
「横目で見る」のほかに「流し目で見る」という
意味もあるとなっています.おそらくこの意味に
取られないように敢えてregarder qn de coin としたの
でしょう.
 では訳本はどう処理しているのでしょうか.

「わたしは横目でミス・ハリエットの様子をうかがって
いました」(パロル舎)

「わたしはこっそろミス・ハリエットを盗み見しました」
(ちくま文庫)

「わたしは、横目でミス・ハリエットを見ていました」
(岩波文庫)

「わたしは、横目でミス・ハリエットを見ていましたが…」
(モーパッサン全集第5巻)(買っちゃったの、この本!)

「I glanced at Miss. Harriet out of the corner of my eye.」
(私は横目でそっとハリエット嬢を見た)(kindle 英語版)


...−−−−−−−−−−≪文法≫ −−−−−−−−−−−−−−−−−

語句欄を受けて、きょうの文法事項をまとめましょう.
これは文法というより語法の問題なので、もしも「語法
辞典」がフランス語にもあれば、是非確認してみたいと
ころです.

❶ regarder qn de coin: 横目で〜を見る
❷ regarder qn du coin de l'œil : 横目で〜を見る

意味は❶=❷なので
de coin = du coin de l'œil
です.
では de coin d'œil という言い回しはないのでしょうか?
少なくとも辞書には不掲載なので、私たち学習途上者は
辞書通りregarder qn du coin de l'œil を使いましょう.

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