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2024年01月29日

985番:「湖畔」(25)(シュトルム作)


湖畔(25)
IMMENSEE(25)



−−−−−−−−−【25】−−−−−−−−−−−−−−−

„Nun war es Nacht,“ sagte er, „weißt du ? ganz
finsterer und die Löwen schliefen. Mitunter aber
gähnten sie im Schlaf und reckten die roten Zungen
aus;dann schauderte der Mann und meinte, daß der
Morgen komme.



−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 「さて、夜のことだ」、と彼が言った.「いいかい?真
っ暗な夜だったんだ.そしてライオンたちは眠っていた.
でもときどき眠りながら赤い舌を出して伸ばしていた;
男はぞっとしたが、朝が来るのだと思った.」



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−

finster:(形) 真っ暗な、やみの、暗い
eine finstere Nacht / やみ夜
ganz finstere:ganz finstere Nacht を略したもの.
mitunter:(副) [文] ときどき、ときおり
gähnten:(過去3複) < gähnen (自h) ❶あくびをする
   ❷[文語](谷、割れ目などが)ぽっかり口を開ける
reckten:(過去3複) < recken (他) (手足など⁴を) 伸ばす 
rot:(形) 赤い;[en は弱変化複数、どの格でもen]
die Zunge:[Zungen] 舌
aus;(分離前綴り) 外へ
aus/recken:(辞書不掲載)→外へ伸ばす、
テキスト本文では「(口から)ぎゅっと出す」
schauderte:(過去3単)
    < schaudern (自) (恐怖などで) ぞっとする
meinte:(3単過去) < meinen (他) ...⁴と思う



−−−−−−−−−−≪文法≫ −−−−−−−−−−−−−−−−

daß der Morgen komme.において、komme は接続法I式.
普通はkommt ですが主文の定動詞がmeinern で事実とは
無関係の心情を描く動詞ですので、叙述法は直説法から
この接続法に移行します.話し手の脳裏に浮かぶ「願望」
「要求」「想像」「仮定」などを述べるときはその内容で
あるdaß のなかは接続法(可能法とも呼ばれる)です.

984番:ロンドリ姉妹(20)


ロンドリ姉妹(20)


−−−−−−−−−−【20】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 Alors, devant le bock baveux apporté par un
garçon qui court, on se sent si abominablement
seul qu' une sorte de folie vous saisit, un besoin
de partir, d' aller autre part, n' importe où, pour
ne pas rester là, devant cette table de marbre et
sous ce lustre éclatant.


..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 さて、走るようにしてボーイが運んできたビールは
縁からあふれ出ている.それを目の前にすれば、あま
りにひどく孤独感を感じるため、狂気に憑りつかれて、
店を出ずにはおれなくなるのだ.そこにとどまらずに
すむために、どこか他のところにいかずにはいられな
くなるのだ.この大理石のテーブルの前と、この輝く
シャンデリアの下にもうじっとしてはいられなくなる
のだ.


.−−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

bock:(m) (カフェで) グラスビール;ビールのグラス
baveux(euse):(形) よだれを流す
apporté:(p.passé)(形) 運ばれた;<apporter (他) 運ぶ 
court:(直現3単) < courir (自) 走る 
se sentir:自分を〜だと感じる
abominablement:[アボミナーブルマン](形) えげつなく、
    ひどく、あきれるほど
folie:(f) 狂気、精神異常
seul(e):(形) 唯一の、ただひとつの、ただ一人の
saisit:< saisir (他)(第2群) つかむ、(人を)捕らえる
    握る、把握する
besoin:(m) 必要、欲求
marbre:[マルブル](m) 大理石  
lustre:[リュストル](m) シャンデリア 
éclatant:(p.pré) < éclater (自)❶ 爆発する、破裂する;
❷ 輝く;



−−−−−−−−−《悩んだフレーズ》−−−−−−−−−−−−−−

devant le bock baveux apporté par un garçon:
ボーイの持ってきたよだれを垂らした1杯の
グラスビール

これに30分ほど悩みました.最終的見解は
「ボーイの持ってきた山盛りでコップの縁からあふれ
出ている1杯のビールを前にして」

どのように悩んだかというと、ビールがよだれを垂らす?
あほか!で思考停止してしまったこと.
これにより覚ったことは、たとえ、相手がビールで
あろうとも、「あほか」と言って人(ビールも)を
見下してしまえば、それで終わり.ジ・エンド.
思考停止となり、学習放棄へとつながる.

本日学んだ教訓は、瞑想して欲を捨て、ひたすら、
「よだれを垂らしたビールとは何か?」を
思い描くこと.

ビールがグラスの中で、よだれを垂れるとどうなるか?
思い描いてみる.どうなる?気持ち悪くてもう飲めない
か?飲まなくてもいい.訳をつけるのが仕事だ.さあ
どうする?

ビールのよだれは、やっぱりビールですわ.
泡吹いている状態がよだれかしら?

いやいや、そうじゃないだろう.よだれをこけば
縁からこぼれるのさ.

ここまできて、これを訳文にしようと決意が固まった.


983番:ロックの娘(18)


ロックの娘(18)
La petite Roque



−−−−−−−−−−【18】−−−−−−−−−−−−−−

Et puis c'était chose si rare dans le pays, un
meurtre, et meurtre d'une enfant encore, qu'il
n'en pouvait croire ses yeux. Mais elle ne
portait aucune blessure, rien que ce sang figé
sur sa jambe. Comment donc l'avait-on tuée ?



.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

それから、この地方では殺人事件などはあまりにも稀な
ことで、しかも子供の殺人など、ほとんどなかったので
メデリックは自分の目を信じることができませんでした.
しかも彼女は脚に固まった血以外にはどこも傷を負って
いませんでした.一体どうやって殺害したというのか?



.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

meurtre:[ムルトル](m) 殺人
portait:(3単半過去) < porter
aucun(e)[オーカン、オーキュンヌ]:否定辞ne, sans などと共に
   いかなる〜もない
blessure:(f) 傷、怪我
   Elle ne portait aucune blessure.
彼女は何の怪我もしていなかった.
rien que ~:ただ〜だけ
sang:[sã, サン」血、血液
figé:(形) 凝結した、凝固した、
  < figer (他) 凝結させる、固まらせる
tuée:(p.passé / f) tuer (他) 殺す
laがtuéに先行しているので過去分詞は女性形 

2024年01月28日

982番:アルルの女(12)

 
アルルの女(12)
L'ARLÉSIENNE




−−−−−−−−−−−【12】−−−−−−−−−−−−−−−
 
Donc, un dimanche soir, dans la cour du
mas, la famille achevait de dîner. C'était presque
un repas de noces. La fiancée n' y assistait pas,
mais on avait bu en son honneur tout le temps...
Un homme se présente à la porte, et d' une voix
qui tremble, demande à parler à maître Estève,
à lui seul.
.

−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
さて、ある日曜日の夕方、農家の中庭では、一家が夕食
を終えようとしていました。それはもうほとんど披露宴
のような夕食でした.許嫁は不在でしたが、みんな彼女
への祝福のため始終飲み交わしていました。一人の男が
門扉の間に現れました.そして震える声で、エステーヴ
の旦那に、旦那だけに合わせてほしいと言います.


−−−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
           
donc: [ドンク] 節のはじめでは c を発音する.
       「さて」、「ところで」
on avait bu en son honneur:「彼女のために乾杯した」
   英語につられて、son を「彼の」と訳さないこと.
   フランス語では son は所有者ではなく係る名詞に
   性数が支配される形容詞の一種です.
   なのでフランス語では「所有代名詞」とはいわず
   「所有形容詞」と言ったりしています.
   ここでは honneur が男性名詞なので son.

   
−−−−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−−−−−

La fiancée n'y assistait pas, mais on avait bu en son honneur :
なぜon avait bu en son honneur が大過去なのでしょうか?
ふつうに考えると「許嫁がそこに居合わせなかったのだが
みんなは彼女を祝福して乾杯していた.」
というわけだから
La fiancée n'y assistait pas, mais on buvait en son honneur.
でいいはずですが...

La fiancée n'y assistait pas と発生時間とは時間比較はできません.
もとよりこの許嫁はその場にいなかったのですから.,

こちらのテキストの註釈によりますと、
この大過去は「過去における継続」と説明されていますが
さっぱりわかりません.過去における継続って半過去を使う
でしょ.
そのあと「男が門のことろに現れる」わけで、この時点
より過去なので「大過去」となったと考えます.
ただ、「男が門のことろに現れる」という文が現在形で
描かれているので「大過去」にしてもいいの?という
気持ちにはなりますが、過去の時間順序を時制で描けば
こうなるということでしょう. 

981番:ボヴァリー夫人(9)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人


ボヴァリー夫人(9)


       
−−−−−−−−−−−【9】−−−−−−−−−−−−−−−−−
       
C'était une de ces coiffures d'ordre composite, où
l'on retrouve les éléments du bonnet poil, du chap-
ska, du chapeau rond, de la casquette de loutre
et du bonnet de coton, une de ces pauvres choses,
enfin, dont la laideur muette a des profondeurs
d'expression comme le visage d'un imbécile.



−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

それは様々な種類の帽子を寄せ集めたような帽子で、動
物の毛を基調にした縁なし帽であり、ポーランド槍騎兵
帽であり、丸型帽であり、カワウソ皮を使った制帽であ
り、木綿製のようでもあった.要するに、それらの寄せ
集めのような帽子であり、その押し黙った醜さに、馬鹿
丸出しの奥ゆかしさがあった.




−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

coiffure:(f) ❶髪型、ヘアースタイル;
   ❷理髪、整髪、❸帽子、かぶり物
   sortir sans coifure / 何もかぶらずに外出する
ordre:(m) ❶順序、❷種類
composite:(形) 混成の、混淆の、寄せ集めの
bonnet poil:獣の毛を素材にした縁なし帽
chapska:[シャプスカ](mまたはf) 槍騎兵帽
[シャプースカ]はポ−ランド語でczapuski で
本来pのあとに母音があったため
音節の切れ目はchap-skaだと思います 
(分綴法では3つの連続する子音字は2つ目で
   切る: chaps-ka)
loutre:(f) カワウソ
coton:(m) 棉、木綿、綿花、
laideur:[レドゥール](f) みにくさ、いやらしさ、
muet, muette:(形) 口の利けない、唖の
profondeur:(f) 深さ、奥行、深遠さ


980番:「アリス」(45)(フィリップ短篇集より)


「アリス」(45)(フィリップ短篇集より)
  
ALICE

  
.−−−−−−−−−−【45】−−−−−−−−−−−−−−−−

 Elle se vengeait. Sa mère pleurait. Elle se
vengeait de toute l'affection que sa mère accordait
au petit frère en lui retirant la sienne.



.−−−−−−−−−−− (訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

アリスは復讐したのです.母は実に泣きました.アリ
スは母親が、自分の分から取っておとうとに注いだ愛情
に対して復讐をしたのです.



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

se vengeait:(3単半過去) < se venger (pr) 復讐する
(de に対して) 復讐する
pleurait:(3単半過去) < pleurer (自) 泣く
affection:(f) 愛情、情
accordait:(3単半過去) < accorder (他) 与える
   認める、許す
retirant:(p.pré) < retirer (他) 取上げる、奪う
la sienne:母親から与えられるはずだったアリスへの愛

979番:「湖畔」(24)(シュトルム作)

湖畔(24)
IMMENSEE(24)


−−−−−−−−−【24】−−−−−−−−−−−−−−−

„Ach,“ sagte Elisabeth, „das weiß ich ja aus-
wendig; du mußt auch nicht immer dasselbe
erzählen.“
Da mußte Reinhard die Geschichte von den
drei Spinnfrauen stecken lassen, und statt dessen
erzählte er die Geschichte von dem armen Mann,
der in die Löwengrube geworfen war.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 「あら」、エリーザベットは言いました.「その話はも
う覚えてしまったわよ;いつも同じ話じゃだめよ.」
 そこでラインハルトは「3人の糸つむぎ女」の話をや
 めて、その代わりに「ライオンの洞窟に投げ入れられ
た貧しい男の話」を語って聞かせました.



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−

auswendig:(副) 暗記して、そらんじて 
dasselbe:[指示代] 同じ〜、同じこと
stecken lassen:中止する; (実は辞書は不掲載でした
   が、テキストに出ておりましたので、そのまま書
   き写しました)(辞書ではstecken は「差し込む」)
Löwengrube:ライオンの棲む洞窟
Die Grube:(Gruben) 穴、巣穴
die Geschichte von dem armen Mann:貧しい男の話
der in die Löwengrube geworfen war:ライオンの洞窟に投
    げ入れられた男


978番:ロンドリ姉妹(19)


このくだり何だか日記風に書かれているようなので、
親しい友だちに話している感じで訳してみました.


ロンドリ姉妹(19)


−−−−−−−−−−【19】−−−−−−−−−−−−−−−−−

On éprouve la sensation atroce de l' être perdu. On
marche comme si on fuyait, on marche pour ne
pas rentrer dans l' hôtel où on se trouverait plus
perdu encore parcequ' on y est chez soi, dans le
chez soi payé de tout le monde, et on finit par
tomber sur la chaise d' un café illuminé, dont les
dorures et les lumières vous accablent mille fois
plus que les ombres de la rue..



.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

独りぼっちだということを、いやというほど感じさせら
れる.その思いから逃れようとしてか、ただ歩くのだ.
ホテルに戻ることなく歩く.戻ってもなおさら見捨てら
れた自分が浮き彫りになるだけだ.だってそこは、お金
を支払って、そこにいるというだけのことじゃないか.
それだから結局は明るい照明のある喫茶店で座り込むこ
とになってしまう.そこではきらびやかさと輝かしさで
あなたは打ちのめされる.薄暗い街路にいたときよりも
1000倍は打ちのめされる.



...−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

éprouver:(他) 感じる、抱く、覚える
éprouver de la joie / 喜びを覚える
sensation:(f) 感覚、感じ、
atroce:(形) 残虐な、残忍な、ひどい、たまらない、
    ひどく不愉快な、耐え難い、いやな
l'être perdu:失われた存在→独りぼっちであること
marcher:(自) 歩く
fuyait:(3単半過去) <fuir (自) 逃げる
rentrer:(自) 帰る、帰宅する、(元の場所に)戻る
perdu:(形) 見捨てられた
on y est: 自分がそこにいる
chez soi:ホテルの自分の部屋で
on finit par + 不定詞:結局は〜することで終わる
      〜するはめになってしまう
tomber:<tomber + 属詞:〜の状態になる、陥る>
「〜の状態になる」というのは基本的に
   そういう状態に陥る、という意味が加わる.
sur la chaise:椅子の上に
tomber sur la chaise:座ってしまうことになる
d'un café illuminé:照明の明るい喫茶店
dorure:(f) ❶金箔塗り;❷dorures:(f/pl) 金色の飾り;
      ❸外観のきらびやかさ
lumière:(f) 光、光線、日光、電気、明り
accablent:(3複直現) < accabler (他) 打ちのめす
plus que les ombres de la rue:街路の薄暗さよりも
...mille fois plus que 〜:〜よりも千倍....


977番:ロックの娘(17)


ロックの娘(17)
La petite Roque



−−−−−−−−−−【17】−−−−−−−−−−−−−−

 Alors elle était morte; et il se trouvait en
présence d'un crime. À cette idée, un frisson
froid lui courut dans les reins, bien qu'il fût
un ancien soldat.


.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 何と、この子は死んでいました;つまり彼は殺人犯罪
に直面したのです.こう思ったとき、元兵士だというの
に、ぞっとする戦慄がメデリックの背筋に走りました.


 

.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

alors:❶さて、ところで、❷そのとき、そのころ、当時
❸[驚き] 何と!
se trouver en presence de ~ :〜に直面する
crime:(m) 犯罪、殺人、
frisson:(m) 震え、身震い、戦慄、悪寒;
  Un frisson me parcourut le dos.
戦慄が私の背筋を走った.背筋が寒くなった.
rein:[ラン](m) 腎臓、複数形[reins]で「腰」
  un frisson froid lui courut dans les reins.
寒い戦慄が彼の腰に走った.

日本語では「腰」ではなく背筋ですので

ぞっと戦慄が彼の背筋に走った.
★試験では「腰を走った」で大丈夫です.
bien que + 接続法:〜にもかかわらず、〜ではあるが'
ancien soldat:元兵士、「元軍人」と訳しても丸はもらえ
ますが、厳密に言うと、日本語の軍人は将校以上
(准尉以上)の階級で軍籍に名を置いた者.ただ
し仏和辞典にはsoldat:「兵士」、「軍人」、と訳出さ
れています.ご安心を!



2024年01月27日

976番:アルルの女(11)

 
アルルの女(11)
L'ARLÉSIENNE


−−−−−−−−−−−【11】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
           
La fille passait pour*1 coquette*2, et ses parents
n' étaient pas du*3 pays. Mais Jan voulait son
Arlésienne à toute force*⁴. il disait:
−−Je mourrai*⁵ si on ne me la donner pas.
Il fallut*⁶ en *⁷passer par là. On décida de les
marier après la moisson*⁸.


 
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
その女は男たらしとの評判でした。そして彼女の両親
は土地の者ではなく、よそ者でした.それでもジャン
はそのアルルの女を是非とも(嫁に)のぞみました.
ジャンがいうには:
−−あの女をもらえなければ、死んでやる.
そうする以外にありませんでした。取り入れ時期がす
んだらふたりを結婚させることに決めたのです.



−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       
*1) La fille passait pour coquette: 
[passait pour ~] は「〜と考えられている」、
     「〜という評判だ」.
      la fille とcoquette は主語と属詞の関係.
      つまり、On disait qu'elle était coquette. だといっています.
      passer やêtre のように
「主語と属詞の関係」を作る動詞は
     「繋合動詞(けいごうどうし)」と呼ばれます.
      乱暴な言い方ですが、
[主語=属詞] の関係
を作る動詞はこの繋合動詞に当たります.
*2) coquette: 辞書によって日本語に幅があります.
現代フランス語は「おしゃれな」
      という意味ですが、この作品の時代背景では、「浮気娘」
     「男を渡り歩く女」などのようです。
*3) ses parents n'étaient pas du pays.:
両親はその土地の出身ではなかった.
      du における de は <起源・出身>を表す.
Ex. Il est de Tokyo. 「彼は東京出身だ」.
*4) à toute force:「是が非でも」
*5) mourrai: 1人称単数の単純未来は、しばしば、「意志、意向」
      を表わします。
*6) il fallut:  falloirの単純過去、非人称構文
      < il faut + 不定詞 〜しなければならない
*7) en passer par ~: 「(あきらめて)それに従う」、
「(あきらめて)それをがまんする」
     「〜に甘んじる」se résigner とか céder àと同じ意味.
      尚、en passer par における(en) は
虚辞 (gallicisme, ガリシズム).意味はあまりなく飾り.
全然ないわけではなく、de cela という気持ちが
      こもります.第9回の学習で出てきたen savoir long
     「よく知っている」のen も、この虚辞(ガリシズム)です. 
*8) moisson: (f)(穀物、特に小麦の)取り入れ、収穫期 
 



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