2008年09月16日
巨人・ラミレス、プロ野球タイ記録の7年連続150安打
![](/gianst/file/57/MjAwODA5MTUtNDM1MzEzNC0xLUwItA.jpg)
確信はなかった。ラミレスは半信半疑で走り出した。両手に感触は残っていたが、体勢は崩れた。「正直、ホームランになるとは夢にも思っていなかったよ」節目となる千金弾が右翼席で弾むと、胸を突き出して、右手を天に掲げた。
派手なことが大好きな、R砲らしい区切りだ。同点の4回先頭。吉見の外角、ボール気味のチェンジアップにバットを上からぶつけた。打球は失速せずに右翼席に飛び込む38号ソロ。これで7年連続150安打となり、セ・リーグ新、プロ野球タイ記録を樹立した。打点も109で、06年の李承ヨプを超え、巨人移籍1年目の最多打点をマークした。「とてもうれしいし、驚いている。日本人でも難しい記録だと思うし、しかも勝利に貢献できて良かった。本塁打で決められて、思い出に残る」と珍しく自らをたたえた。
前日(14日)のヤクルト戦後、珍しい光景があった。右ひじに湿布を張り、その上をサポーターで巻いてロッカー室を出た。患部に死球を受けたためだったが、普段はどんなに痛くても、誰にも弱みを見せるのが嫌だ、とサポーターなどは絶対にしない。それだけ右ひじの痛みは激しかった。
だが、一歩グラウンドに足を踏み入れれば、弱気は捨てた。この日の試合前フリー打撃では、相変わらずの豪快な当たりを連発。ある打撃投手は練習中の助っ人に恐怖すら感じるという。「ラミちゃんの視線の鋭さは試合中みたいにすごい。投げるのが怖くなることもあるよ」と言う。来日してから8年間、練習中から闘志をみなぎらせ、数々の記録を塗り替えてきた。原監督も「いつもいいコンディションで4番を全うしてくれている」とどんなことがあっても責任を果たす4番の存在感の大きさに脱帽した。
主砲の決勝アーチで今季初の5連勝を飾り、対横浜戦も5連勝。貯金は今季最多の18になった。指揮官は「5連勝? そうですか。1戦1戦、戦ってこの位置にいるだけ。まだまだです」と首を横に振った。
この日の一発で通算249本。新たな区切りも間近だ。キング争いもトップの横浜・村田に2本差と射程圏内にいる。「誰かを意識するのではなく、勝つために頑張るだけ」この無欲が、新たな記録を作り、チームを逆転Vに導く。
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