2008年10月28日
WBC監督 球界世代交代 原采配、猛者軍団に適任
![](http://joker.rgr.jp/g/200810/28-1.jpg)
原監督は「要請があった場合は球団オーナーの指示に従いたい」との談話を発表。巨人の滝鼻卓雄オーナーは「球団責任者としては前向きに考えている」と語った。
この日の会議にはプロ野球の加藤良三コミッショナーが任命した王貞治特別顧問らが出席。約1時間の議論を経て、今季13ゲーム差を逆転して巨人をセ・リーグ制覇に導いた原監督への要請を決めた。
加藤コミッショナーは「もろもろの要素で総合的に判断した」と話し、経験と実績への評価に加え、若手監督の起用を通じて世代交代が進められる点も理由に挙げた。王特別顧問は「現役の人がいいとなって原監督の名前が出た。わたしの経験を話したい」と支援を約束した。また、2013年の第3回以降の大会については、監督の人選を含めて大会の2年前から準備を進めることで一致した。
WBC監督に事実上、決まった原氏に対して不安を抱く人がいる。いわく、国際経験がない、若い…と。“上から目線”で見ればいささか物足りないだろうが、誰でも最初は初めてである。常にプレッシャーがかかり日の当たる場所で何年も戦ってきたことは大きな財産であろう。“若大将”も50歳を超えた。働き盛りでもある。
5年間で3度のリーグ優勝、日本一にも輝いた。監督資格は十分である。「あれだけの戦力だから…」と揶揄(やゆ)する声があるが、そうだろうか…。逆にプライドが高く、個性豊かな猛者をまとめた資質はむしろたたえられるべきではないか。WBCは、プロ中のプロが集結する集団である。かえって原氏の流儀が合う気がする。
褒める。楽天・野村監督の選手育成論に「無視・称賛・非難」がある。「褒められているうちは一人前じゃあない。怒られるのは期待の表れ」と説明したが、原流は「いまの選手は小さいころからしかられ慣れてない。萎縮(いしゅく)してしまう…」。だから徹底的に褒める。そして“スキンシップ”。選手をベンチ前で迎えるとき“ハグ”をする。満面の笑みを浮かべて、てらいなくするのがすごい。
一方、非情さもある。クライマックスシリーズ(CS)で見せた抑え・クルーンの降板劇。“ケア”も怠らない。潤んだ目でジッと見つめ訴えるように話して相互理解を図る。ヤル気を引き出す能力のひとつであろう。
長嶋、王、星野…。ビッグネームが続いた。確かに見劣り感はある。戦略・戦術面で不安視する人も多いだろうが、原氏には天性の明るさと何より選手たちを“リスペクト”する姿勢がいい。WBC監督として適任である。
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