神経伝達物質の種類
まず、神経の情報伝達を説明すると、神経と神経の間には1/1000ミリ程度の隙間があり、
その隙間に神経伝達物質という物質が放出されることによって、
情報伝達が行われ、その神経伝達物質は数十種類存在するといわれております。
作用機構も多種多様である。
以下に、その主なものを列記します。ただし、脳科学はまだ未解明の部分が多いですから
あくまで参考にということで
ド-パミン:A7からA16神経で分泌され、快感、覚醒、興奮に関係する。
特にA10神経は快感に大きく関係するといわれている。
A9神経の不活性はパ−キンソン氏病に、前頭葉および即頭葉投射の神経
の異常は、攻撃性性格、精神分裂病や多動症に関係するといわれている。
ノルアドレナリン:A4からA6神経で分泌され、A6神経の異常興奮は、
不安症や恐怖症に関係するといわれている。
セロトニン:B1からB9神経で分泌され、心自体の安定に関係する。不活性は衝動的、
攻撃的、気分障害、を引き起こすといわれている。
また、うつ病、強迫神経症に大きく関係する。
アセチルコリン(副交感神経の伝達物質)
心臓の収縮を抑制する。消化管と骨格筋では逆に収縮をおこさせ、
消化管の活動を高める。
コリンエステラ−ゼ
アセチルコリンを分解する酵素で、サリンはコリンエステラ−ゼの働きを阻害する。
よって、副交感神経が過剰に刺激され、心臓が停止し、骨格筋は緊張状態となり死に至る。
アトロピン.スコポラミン
アセチルコリンの受容体結合を阻害する。その結果、副交感神経と拮抗状態がくずれ、
交感神経の伝達物質であるノルアドレナリンが優勢に機能する。
メスカリン
ノリアドレナリンの受容体に結合し、刺激増強作用し、幻覚を生じさせる。
ノリアドレナリン
交感神経の伝達物質心臓の拍動を増加させ、呼吸数増加、消化、排泄、発汗抑制作用を有する。
ニコチン
アセチルコリンの受容体への結合を阻害
ムスカリン
アセチルコリン受容体に結合し、作用が増強され、副交感神経過剰興奮により、
死に至る場合がある。(サリンと同じ作用)
カテコ−ルアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)の総称
インドールアミン(セロトニン)
アセチルコリンの受容体にはニコチン受容体とムスカリン受容体があり、全部で4種類ある。
そのうち、ニコチン受容体は1種類、ムスカリン受容体はM1,M2,M3と3種類ある。
ここで、心臓に存在するのはM2受容体であり、腸管に存在するのはM3である。
アセチルコリンがM2と結合すれば、細胞機能が抑制され、M3と結合すれば促進される。
ニコチンはGABA神経を刺激し、神経興奮の抑制
機能を増強させるため、一時的に不安と恐怖感を取り去る。
また、快感神経と側坐核(能動衝動脳)を一時的に賦活する。
コカイン
モノアミンすべての再取り込み阻害の結果、快感神経の過剰興奮を生じさせる。
エフェドリン
ノルアドレナリンの過剰から交感神経が興奮し、気管支拡張により喘息に効果あり。
アンフエタミン:エフェドリンの改良により登場神経末端からドーパミンとノルアドレナリン、
セロトニンを過剰放出、これによって多幸感、ナルコレプシー、風邪や喘息に効果がある。
しかし、中毒が強く覚せい剤精神病(統合失調症)、偏執狂、パラノイアとなる。
アルコール、ニコチン、マリファナ
側座核でのドーパミン増加作用
イプロニアジド
マオウを阻害して、モノアミンの濃度を保持する。
モルヒネ(アンタゴニストとしてナロキソンがある。)
エンケファリン、βリポトロピン、βエンドルフィン、ダイノルフィンに作用し苦痛を中和する。
線状体
ドーパミンによって、細やかな運動の調節を行っている。線状体で、
ドーパミンが不足するとパーキンソン氏病となる。
薬の耐性の原因
1.マオウの活性が高まり、すぐ分解される。
2.シナプス後膜における受容体の数が減少するため。
ノルアドレナリンの作用阻害剤はAMPT
ノルアドレナリンが脳内に少なくなると睡眠障害が生じる。また、
うつ病になるとレム睡眠が減少する。眠りについてすぐレム睡眠が起こる。
デシプラミン(鬱病治療薬)
ノルアドレナリンのみを選択的に再取り込み阻害
イプロニアシド(マオウ阻害剤)
プロザック(2,3週間は効果なし)セロトニンのみを
選択的に再取り込み阻害
イミプラミン(2,3週間は効果なし)
モノアミンとアセチルコリン、ヒスタミンの再取り込み阻害
セロトニンの減少は心配性で敏感で拒絶恐怖を伴う。
セロトニンは血管壁を収縮させて、血圧を上げる。
抗ヒスタミン剤は眠気と気分安定とショック症状の緩和、
不安や恐れの緩和
クロールプロマジン:抗ヒスタミン剤を改良
精神分裂病の鎮静、幻覚、妄想に効果ある。
LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)
血管の収縮で血行障害、幻覚が生じる。これは、セロトニン
受容体を刺激するため。
レゼルピン
モノアミンを減少させ欝と自殺に関係する。また、血圧も降下する
セロトニンの受容体は1〜7まである。
S-1Aにセロトニンが結合すると忍耐力や活力が増す。
S-2Aでは鬱病となる。
S-2Cでは満腹感が得られる。
抗ウツ剤でセロトニンに作用するものは、2Aと2Cのセロトニン量
を減らすため、ウツは改善されるが、いくら食べても満腹感が得られぜず、過食傾向となり肥満で太ってしまう。
1Aでセロトニンが減少すると衝動的で暴力的でまた、憂鬱となる。つまり、自制心がなくなる
エストロゲン(女性ホルモン)が減少すると、セロトニン1A受容体の数が
減少して、衝動的で攻撃的になる。
女性が減量などを行うと、エストロゲン生成に必要な体脂肪が減少し、
セロトニン1A受容体が減少し、攻撃的で衝動的になる。
セロトニン合成阻害剤(パラクロロフエニルアラニン:PCA)を与えると眠らなくなる。
眠りについてすぐレム睡眠が起こる。
2受容体を阻害するリタンセリンを用いると、ノンレム睡眠が増える。
1A刺激またはプロザックにより、脳内のセロトニンを増やすと元気が良くなり覚醒する。
また、ノンレム睡眠が増えレム睡眠が減少する。
うつ病では、1Aの刺激が少なく、2Cの刺激が多い。よって、2Aが優勢となり憂鬱で2Cにより、食欲が減少する。
メラトニンはセロトニンから作られ、睡眠に関係する。
プロスタグランジンは痛みを引き起こす物質である。また、
トロンボキサンとなり、血栓や心筋梗塞の原因となる。
アスピリン(アセチルサルチル酸)は鎮痛作用がある。その原因は、
アスピリンがプロスタグランジンを作るための酵素を阻害するからである。
また、トロンボキサンの生成を抑え、血栓の生成も阻害する。
クロザピン
セロトニンの2A受容体の阻害剤である。
うつ病の人は常にコルチゾルのレベルが高い。つまり、コルチゾルは2A受容体
のセロトニン量を増やし、鬱状態を造る。
アルツハイマは前脳基底部ののノマイネルト神経核が死滅する。
この神経核からアセチルコリンがでる。
アデノシン(窒素化合物を伝達物質としている神経)
アデノシンはドーパミンやノルアドレナリン等の興奮性の伝伝達物質の放出を抑える。
カフェインはアデノシンの作用を抑えるため、不安障害が生じることがある。
グルタミン酸の受容体は4種類存在する。
NMDA(Nメチル−Dアスパラギン酸)1種類と非NMDA3種類
グルタミン酸は海馬での記憶形成に重要である。しかし、グルタミン酸濃度が高いと、
神経細胞が死滅する。つまり、海馬の神経も死滅する。
この現象はNMDAを投与しても同様である。毒キノコなどによる痙攣はNMDA受容体の過剰刺激による。
また、活性酸素は神経末端からグルタミン酸を放出させ、神経の興奮を生じさせ痙攣を起こさせる。
クロールプロマジン
ドーパミンD1,D2受容体に結合する。次に開発されたハロペリドールはD2受容体
に結合する。D2受容体は運動に関係するため、大脳基底核を阻害するため、
運動障害が生じる。次に開発されたクロザピンはD4受容体に結合するが、
D4受容体は大脳基底核には少ないが、前頭葉、扁桃核等の情動に関する部位に
多いため、これらが障害される。
以上、一般的な神経伝達物質について簡単に述べた。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image