私が過去に携わった仕事は公共事業の計画や設計を行う仕事だ。
震災前まで長引く不況で、平成15年ごろからは大学院卒業者が採用の主流になった。
しかし、いくら有名大学の大学院卒でも戦力になるためには3年から5年くらいの実務が必要になる。
私ども技術職の場合、設計でも施工管理でも、仕事の手順、専門技術のノウハウ、実務で必要な
様々な書類作成や様々な設計図面の作成方法、多くの技術基準、共通仕様書、工事費算定に必要な材料計算などは大学で教えてくれない。
したがって、先輩社員に最初は手取り足取り仕事を教えてもらわないと仕事が覚えられないのだ。
それが理系の大変さであり、逆に優秀な人間なら5年程度下積みを積み、知らないことは先輩社員に時々
アドバイスを貰ったり、管理技術者の指導や照査技術者のチェックを重ねて、より難易度の高い業務をこなし
社会に役立つことができるようになってゆくのだ。
何度も言うが私の経験では大学では仕事の手順やノウハウ、トラブった際の対処方法は教えてくれない。
社会にでると自分の失敗は自分の痛い思いだけでなく会社にも多大な損害を与えることになりかねない。
特に設計となると国民の生命や財産に大きな影響が出ることが多い。
例えば、交差点の設計で交通事故がおきやすかったり、橋の強度不足で地震で倒壊することもある。
ダムでの強度計算や洪水時の氾濫の解析を間違えたら、多くの人の命や財産にかかわる。
大学で基本的な技術や専門技術や知識を身に着けた後に、数年の実務経験が必要なのは当たり前である。
世の中の仕事で学歴や多くの本を読んだ程度の知識で起業できるほうが、珍しいのではと思う。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image