サンケイビズの記事に国立国際医療研究センターが行った9万人の自殺率と食事との追跡調査で
野菜を多く食べる人は食べない人に比べ、自殺率が半分である調査結果が発表された。
その記事では野菜や豆類にはビタミンCが多く含まれているためであろうとの推測であった。
最近の研究ではブロコリーやケールの青汁などに含まれるスルホラファンという物質を
多く摂取しているとストレス耐性が高まり、うつ病などになりにくい研究結果もある。
そもそも、自殺する人の多くは精神的に追い詰められた心理状態になり心身ともに苦しく、
うつ状態に陥り、衝動的な行動として自殺してしまうのだろう。
うつ状態にない幸福感にあふれた人が自殺することはまずないだろう。
野菜の継続的摂取は人の心の安定に寄与していると考えられる。
その科学的根拠は記事ではビタミンCだと推測しているが、私はそれだけではないと思う。
なぜなら、ビタミンCは脳内物質のノルアドレナリンの体内生成に関与し、
悲壮感の減少に貢献するかもしれないが、ノルアドレナリンは青斑核を基軸とする不安や恐怖感を生み出す作用もあるからだ。
それにビタミンCはどちらかというと抗酸化作用や抗ガン作用、肌の美容などに寄与するビタミンという
ことが研究結果で言われていることだからだ。
私が科学的な根拠として考えるのは以下のようなものだ。
1、野菜に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが神経の興奮抑制作用を有し、
そのため、苦痛や不安感などを生み出す偏桃体や海馬などの神経の興奮が収まりやすいこと。
2、野菜(特に大豆や葉野菜)に含まれるトリプトファンは脳内物質のセロトニンの材料になり、脳内のセロトニン作動性神経の活性およびセロトニンの活性を高め、神経活動の興奮抑制により精神を安定閾に保つため。
3、野菜に含まれる食物繊維や植物性由来の何らかの物質が、うつ病またはストレス反応で血液中で高濃度となった副腎皮質ホルモンを体内から排出させることによって、体内のホルモン系が改善され、
うつ病の際に陥っているコルチゾール過剰分泌ーストレス過敏反応の負の神経連絡が軽減されること。
(うつ病患者では副腎からのコルチゾールの分泌が増強され異常に高いことは知られた事実である)
以上が考えられる。
青汁を朝晩飲んだことで、副腎皮質ホルモン過剰状態が改善されたことや食物繊維による有害物質排出作用、ケールに含まれるセロトニンの前駆物質であるトリプトファンの摂取、
青汁に含まれるカルシウムやマグネシウムの摂取、などなど体内のホルモン分泌系や神経伝達系の調整がなされた結果、心身ともに安定したことで症状が軽減したのではと思うのである。
その際、軽度のうつ病に用いられる抗うつ剤と抗不安剤も併用した。
また、最近の研究でうつ病になると脳内で快感を感じる側坐核の働きが悪くなり、痛みに敏感になり、
痛みや苦痛情報が直接脳内に伝達され、それがもとでストレス反応が更にうつ状態を悪化させるという悪循環に陥ることがわかってきている。
日本は長い不況から少しずつ脱しつつあるが、過剰な顧客満足度の追及は労働者の精神を蝕み、こころ病を増大させて、ストレスに起因する様々な疾患を生み出している。
そのような中で医療機関を罹患する人が増加傾向にあるわけだが、医療機関では薬を飲ませて対処する薬物療法が主体であり、
医師の仕事は薬を処方するだけということが多いのではないだろうか。
現代の医師に欠けていること、それは生活リズムをはじめとする生活習慣指導、栄養学や理学療法、温熱療法などからの病気を治す治療法の指導だと思う。
例えばうつ病や不安障害の患者には抗うつ剤や抗不安剤を処方するだけでなく、栄養学的に病気に良い食べ物を教えるまたは栄養士と共同して指導を行うなどが必要と考える。
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