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エドワード、ジョセフとウィルの息子

 英Jasmineから、Falconsの新しい編集盤CDがリリースされました。
 英Jasmineは、米国のノスタルジック音楽全般を精力的にリイシューしている再発専門レーベルです。

 本社はロンドンではないかと思いますが、パッケージにメイド・イン・チェコと記されているのが興味深いです。


You're So Fine 1956-1961
The Falcons

1. Baby That's It (Floyd,Floyd)
2. This Day (Hamilton)
3. Can This Be Christmas (Schofield)
4. Sent Up (Finnie, Rice)
5. I Wonder (unknown)(not originally Issued)
6. Something Hit Me (Kan) (not originally Issued)
7. Love At First Sight (Laired, Mosey)(not originally Issued)
8. This Heart Of Mine (Hamilton, Woods)
9. Romanita (unkown)
10. (When) You're In Love (schofield, West)
11. No Time For Fun (schofield, West)
12. Please Don't Leave Me Dear (schofield, West)
13. Juke Hop (Green) (not originally Issued)
14. Anytime, Anyplace, Anywhere (Morris, Tate)
15. Girl Of My Dreams (unknown)(not originally Issued)
16. Let It Be Me (Finnie, Stubbs, Stubbs)(not originally Issued)
17. I'll Never Find Another Girl Like You (Schofield)
18. Whose Little Girl Are You ? (unknown) (not originally Issued)
19. Just For You Love (Davis, Gordy, Gordy)
20. You're So Fine (Finney, Schofield, West))
21. Goddess Of Angels (Schofield, West)
22. You're Mine (unknown)
23. That's What I Aim To Do (Schofield, West)
24. You Must Know I Love You (Schofield, West)
25. Feels Good (unknown)
26. Billy The Kid (Kan)
27. You're On My Mind (unknown)
28. Anna (unknown)
29. (I Don't Want No) Part Time Love (Pickett, Schofield, West)(not originally Issued)
30. What To Do (unknown)(not originally Issued)

 Falconsは、ブラック・ボーカル・グループ、アーリー・ソウル、双方のファンともに大好きなグループだと思います。
 よく知られているように、Wilson Pickett、Eddie Floyd、(Sir)Mack Riceら、後にソロとして有名になったシンガーが多数在籍していた、デトロイトの名門グループです。

 Falconsは、ニューヨークの名門、Driftersと似たところがあります。
 クライド・マクファターのオリジナル・ドリフターズと、ベンE・キングのドリフターズ(クラウンズ)が、元々は別のグループだったように、ファルコンズも60年代半ばにグループの一新が行われます。
 ソニー・モンローをメインとするファルコンズです。

 本盤は、オリジナル・ファルコンズのレコード・デビューから、ピケット時代までをカバーしています。
 Falconsは、アナログ時代にDoo Wopに特化した(?)リイシュー・レーベル、Relic Recordsから、3枚の編集盤が作られていました。
 1枚目はジョー・スタッブズ時代、2枚目はピケット時代、3枚目は1,2枚目からもれた音源を集めた内容(だと思う)でした。

 Relicは、アナログ時代は隆盛でしたが、CD時代になって、膨大なカタログのCD化を進める中、米Rhinoや英Aceのような波に乗りきれず、フェードアウトしていきました。
 (アナログ時代に無双状態だった英Charlyも、生き残りはしましたが、衰退したという印象はいなめません。)

 RelicのCDは、私はアナログ盤を持っていないものを優先的に入手していました。
 CD棚をさっと探したところ、「モーリス・ウイリアムズ&ゾディアックス」と「チャネルズ(シャネルズ?)」が見つかりました。
 あるはずなのに、例によって行方不明なのが、コンピの"Soul Of Detroit"、Robert Ward & Ohio Untouhablesの"Hot Stuff"です。
 (後者は確認したいことがあったのですが…。)
 とりあえず、ジャケ画像のみ載せます。





 Falconsについては、ソニー・モンロー時代をまとめた編集盤CDを除けば、これまでCDを持っていませんでした。



 というわけで、今回の発売のインフォを見て楽しみにしていたのでした。

 本盤は、オリジナル・ファルコンズの以下の時期の音源を主に収録しています。

創設期
Eddie Floyd : lead tenor
Bob Manardo : tenor 
Tom Shetler : baritone 
Arnett Robinson : tenor 
Willie Schofield : bass

第二期
Eddie Floyd : lead tenor 
Joe Stubbs : lead tenor 
Mack Rice : baritone 
Willie Schofield : bass  
Lance Finnie : guitar 

第三期
Eddie Floyd : lead tenor
Wilson Pickett : lead tenor
Mack Rice : baritone
Willie Schofield : bass
Lance Finnie : guitar

 創設期は5人編成のボーカル・グループでしたが、ギターのランス・フィニーが加入してからは、4人のボーカル・プラス・ギタリストになっています。
 伴奏隊のうち、ランス・フィニーだけが正式メンバーとなったのは、何か理由があるのでしょうか。
 実は、Falconsは、フィニーの正式加入以前から、かっこいいギターが聴こえます。

 第三期のあと、一時期的に、Gene "Earl" Martinという人物がSchofieldと変わったりしましたが、Pickettの離脱後には、再度第二期の編成になったりしています。
 その後、オリジナル・ファルコンズからセカンド・ファルコンズへと移行していくのでした。

 さて、本盤は、創設期から第三期までの主な録音のうち、ピケットのアトランティックでの1stソロに収録された数曲をオミットした内容になっています。
 英Jasmineのこれまでの編集盤の例からいくと、これらを含む音源を多数加えて2枚組にするところでしょうが、今回はなぜか1枚ものにまとめています。

 アマゾン掲載のジャケ写真の右下には、「2CD SET」のロゴがありますが、これは実際に発売されたものにはありません。



 あるいは、当初は2枚組が企画され、プレス・リリースではアマゾン掲載の写真だったのかも知れません。
 (Jasmineのオフィシャル・サイトでは、正しい写真になっています。)

 さて、本盤は、主としてエディ・フロイド、ジョー・スタッブス、ウイルソン・ピケツトがリードをとった曲を中心に、ほぼ年代順に並べた編集となっています。
 
 2曲だけ、Little Beeという本名不明の女性シンガーがリードをとった曲があります。
 "Something Hit Me"と"Love At First Sight"がそうです。

 ところで、曲名の後に、(not originally Issued)と記されているものがありますが、これは発掘という意味での未発表曲ではなく、各レーベルで録音当時に発売しなかった音源という意味で、RelicでLPに収録されたものがほとんどです。(全く意味のない補記ですね。)

 本盤の収録曲で、私の知る範囲では、以下の4曲が初CD化(初ソフト化?)ではないかと思います。

2. This Day
3. Can This Be Christmas
8. This Heart Of Mine
9. Romanita

 最初の3曲が、Eddie Floydのリード、最後の1曲は、Mack Riceのリード・ボーカル曲で、"This Heart Of Mine"以外は、シングルのB面曲です。 
 この中では、古いスタイルで展開する曲に、新しさを感じさせるコーラスを付けた"This Heart Of Mine"が特に好きです。

 これだけでなく、本盤のEddie Floydのリード曲を聴くと、彼はFalcons時代から味があると思いました。
 ただ、本盤の後半に出てくるJoe Stubbsと比べてしまうと、やはり普通にうまいだけかな、とも感じます。
 これは、Joe Stubbsの個性の強さが比類のないものだからです。

 Joe Stubbsのリード曲、"You're So Fine"は、初期Falconsを代表するヒット曲で、アーリー・ソウルの名作です。
 私は、この曲を日本盤のコンピ「アメリカを聴こう」シリーズの1枚で初めて聴きました。

 この曲は、後期Falconsの代表曲、Pickettの"I Found a Love"の影に隠れがちです。
 (私の思うところ、楽曲としてのデュープ・ソウル・バラードのベスト3は、"I Found a Love"に、ガーネット・ミムズの"Cry Baby"とインプレッションズの"For Your Precious Love"だと考えています。)

 "You're So Fine"は、これらとは別の種類の魅力があり、やはり傑作だと思います。
 そして、私が昔から好きなのが、やっぱりStubbsのリード曲、トラック24の"You Must Know I Love You"です。
 これは、もっと評価していい曲じゃないでしょうか。

 他では、トラック11の"No Time For Fun"と、トラック12の"Please Don't Leave Me Dear"がいいです。
 この2曲のリードは誰でしょう?
 やはり、Eddie Floydかな。
 
 "No Time For Fun"からは、コースターズ風の楽しさを感じます。
 ロッキン・ギターも大活躍しています。

 そして、"Please Don't Leave Me Dear"の歌唱は、ジャッキー・ウイルソンを連想します。
 デトロイト周辺のシンガーは、どこかしらジャッキーへの憧憬を持っていそうですが、本盤収録曲に限れば、Eddie Floydと、Joe Stubbsの一部の歌唱に近い資質を感じました。
 Stubbsでは、トラック19の"Just For You Love"はいかがでしょう。

 一方で、聴きようによっては、Sam Cooke的なものもあります。
 例えば、トラック17の"I'll Never Find Another Girl Like You"とか…。
 これは、Floydのリードですね。

 "You're So Fine"は、今回繰り返し聴きました。
 そうすると、歌に入る前のイントロが、妙に気になってきたのです。
 このイントロの雰囲気って、何かに少し似てませんか?
 Sam Cookeの何か… かなり考えて、ようやく思いついたのが、Samではなく、Ovationsの"I'm Livin' Good"でした。
 どうでしょうか…あくまでイントロの印象です。

 さて、最後のあたり、Pickettのリード曲が続きます。
 トラック25の"Feels Good"からトラック29の"(I Don't Want No) Part Time Love"までです。
 さすが、バイタリティを感じる歌い方です。
 この時期のいくつかの曲は、Pickettのアトランティックの1ソロ、"In The Midnight Our"に収録されています。
 "Take This Love I've Got"と"Let's Kiss And Make Up"はそうだと思います。
 
 最後に入っている、トラック30の"What To Do"は、Ohio UntouchablesのBenny McCainがリードの曲で、Falcons名義で出されたようですが、Falconsの伴奏をOhio Untouchablesがやったというより、逆にOhio Untouchablesメインの曲のコーラスをFalconsがやったのかも知れません。

 "What To Do"は、Robert Ward & Ohio UntouchablesのCD(見つからないRelic盤)にも収録されています。
 これを聴き返して、同じ音源なのか確認したかったのですが、気持ちがあせるばかりで、現在のところまだ発見できていません。

 本盤は、Falconsの概要をさくっと知るには良いアルバムだと思います。



You Must Know I Love You by Falcons




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