2018年11月01日
大腸CTアカデミア 大腸ステント挿入に伴う穿孔を把握しよう
PubMedから、今日のつぶやき − 356 −
Cha EY, et al. CT colonography after metallic stent placement for acute malignant colonic obstruction. Radiology 2010;254:774-82.
それでは
論文「閉塞性大腸がんに対するステント留置後の大腸CT検査」です。
【考察】
われわれ自身の経験から、送気をする前に
腹部骨盤の低線量CT撮影を実施することを推奨される。
システマチックレビューによれば、大腸ステント挿入に伴い
3.8%の穿孔があることが報告されている。
こうした穿孔は臨床的に気づかれないことが多く、
われわれの研究でも1例経験した。
ステント挿入後に大腸CT検査だけを実施すると
大腸CT検査に起因した偶発症だと間違ってカウントされてしまう。
そして重要なこととして、大腸ステントによる無症状の穿孔を
大腸CT検査を実施することにより悪化させるリスクがある。
大腸CT検査実施前に穿孔がないことを厳密に評価するために
大腸CT検査前の腹部骨盤の低線量CT撮影が必要なのであり、
穿孔はスカウト像では正しく評価できない。
同様の理由から、内視鏡挿入不能症例では、
事前に腹部骨盤の低線量CT撮影をしておく必要があろう。
(感想)
臨床的にも今回の考察部分は大切なことですね。
穿孔が何によって起こったかを曖昧にするだけでなく、
患者さんの臨床症状を悪化させるリスクがあるからです。
勉強になりました。
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20177092
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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