2018年06月27日
大腸CTアカデミア 65歳以上の方の大腸CT検査による10ミリ以上の大腸腫瘍性病変の陽性率は!?
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PubMedから、今日のつぶやき − 266 −
Pickhardt PJ, et al. CT Colonography Performance for the Detection of Polyps and Cancer in Adults ? 65 Years Old: Systematic Review and Meta-Analysis. AJR Am J Roentgenol 2018 doi: 10.2214/AJR.18.19515. [Epub ahead of print]
それでは、論文
「65歳以上の対象者に対する大腸CT検査の大腸腫瘍性病変検出能
システマティックレビューによるメタアナリシス」
のご紹介です。
【背景】
大腸CT検査後に実施される大腸内視鏡検査で
アドバンスドアデノーマとがんの見つかる頻度が
増すことにより、大腸CT検査の費用対効果は高まる。
つまり、大腸CT検査後の内視鏡に紹介した症例の
アドバンスドアデノーマとがんの検出頻度が
大腸CT検査の有用性に影響する。
この有用性については、対象患者背景の
病変保有率に影響を受け、それは若年者に比べ
高齢者で高くなる。
大腸がん検診の主なターゲットは
アドバンスドアデノーマとがんであり、
10ミリ以上の病変や腫瘍の拾い上げとなる。
10ミリ未満の病変では高度異型性病変やがんは
ほとんどみられないため、
高齢者では10ミリ以上の病変が検出された場合に
大腸内視鏡検査に紹介するのが
臨床的にも費用対効果的にも正しいと考えられる。
10ミリ未満のアドバンスドアデノーマではない
腺腫を検出し治療することは、
高齢者においては価値が少ない。
高齢者の小さい病変を治療することで
大腸がんを予防する効果は少ない。
なぜなら、ほかの疾患、心血管性疾患や
ほかのがん、あるいは内視鏡自体の偶発症リスク
のほうが高いからである。
もちろん、アドバンスドアデノーマとがんの
治療については年齢にかかわらず重要である。
システマティックレビューによる
本メタアナリシス研究の目的は
65歳以上の高齢者を対象として、
大腸CT検査による10ミリ以上の
大腸腫瘍性病変の陽性率を評価することである。
(感想)
最近、日本でもようやく高齢者に対する検診の
あり方について議論がはじまりつつありますね。
臨床的に85歳でも90歳でも便潜血検査陽性で
内視鏡実施の依頼があれば、内視鏡医としては
内視鏡を実施するわけです。
そこで、6ミリの腺腫が見つかると悩むわけですよね。
6ミリ以上の腺腫は一般的に内視鏡切除が推奨されていますので、
実際には切除することが多いと思います。
ですが、その6ミリの腺腫を治療することが
その方の生命予後に貢献するのか・・・。
いかがお考えになりますか?
患者さんからは感謝されるでしょう。
病院も売り上げになるでしょう。
でも患者さんにとっては1割とはいえお支払いになりますし、
国の社会保障費にも影響しますね。
つらつらとこんなことを考えました。
続きます。
それでは。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29667892
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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それでは。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29667892
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