2018年06月26日
大腸CTアカデミア 65歳以上の方に大腸CT検査は有用か!?
★★━━━━☆☆おすすめのテキスト☆☆━━━━★★
日本消化器内視鏡学会 (監修)の新刊がでました!
下部消化管内視鏡スクリーニング検査マニュアル最新のエビデンス、情報、テクニックなどが満載です。
内視鏡検査が困難な場合の
大腸がんスクリーニングとして
「大腸CT検査(CT colonography)」のご紹介
をさせていただきました。
★★━━━━☆☆━━━━━━━☆☆━━━━★★
PubMedから、今日のつぶやき − 265 −
Pickhardt PJ, et al. CT Colonography Performance for the Detection of Polyps and Cancer in Adults ? 65 Years Old: Systematic Review and Meta-Analysis. AJR Am J Roentgenol 2018 doi: 10.2214/AJR.18.19515. [Epub ahead of print]
論文
「65歳以上の対象者に対する大腸CT検査の大腸腫瘍性病変検出能
システマティックレビューによるメタアナリシス」
をご紹介します。
筆頭著者はおなじみのピッカード先生です。
2番目以降の著者はイタリアの有名どころの先生になっています。
システマティックレビューによるメタアナリシスは
以前、ご紹介したように
報告されている臨床試験を網羅的・系統的に調査して
同質の研究を集め、バイアスの危険性を加味しながら
分析・統合する方法でエビデンスレベルの高いものになります。
このメタアナリシスを行うにあたって、Pickhardt先生から
日本の二つの大規模試験であるJANCTとUMIN6665に対しても
調査票が送られてきました。
基準を満たしているとして、調査票に回答の上、
両試験とも今回の論文に掲載されていますよ。
それでは、アブストラクトを見ていきましょう。
【目的】
65歳以上の高齢者に対する大腸CT検査の大腸腫瘍性病変検出能
について、報告されている論文から
システマティックレビューによるメタアナリシス
を実施した。
【方法】
高齢者を対象に含んでいる大腸CT検査に関する研究で
1994年1月から2017年8月の間に報告された論文を
システマティックレビューした。
プライマリエンドポイントは大腸CT検査による
10ミリ以上の大腸腫瘍性病変の陽性率である。
セカンダリエンドポイントは大腸CT検査による
10ミリ以上の大腸腫瘍性病変の陽性率である。
【結果】
合計41,680名(このうち高齢者は18,798名)が対象となった
34研究を解析した。
大腸CT検査による高齢者における
10ミリ以上の大腸腫瘍性病変の陽性率は
無症状者で有意に低く(8.2%)
便潜血検査陽性者では32.8%
そのほかの有症状者では14.0%
であった。
内視鏡検査に基づく陽性適中立率(PPV)は
いずれの対象でも高く、10mm以上の病変では
84.3%であった。
大腸がんに対する感度は
高齢者で93.0%
若年者で92.0%
であった。
全体的に高齢者に対する大腸CT検査の検出能は
若年者に比べて高い結果であった。
【結論】
無症状高齢者の12人に1人が10ミリ以上の病変が
大腸CT検査で指摘され、内視鏡検査に回っており、
十分に高い精度で大腸腫瘍性病変が検出されている。
症状がある高齢者では大腸CT検査の陽性率が高かった。
今回の検討から大腸CT検査はメディケア・メディケイド
でカバーされるべきための有用な情報である。
(感想)
なるほど。
結論の最後をいうためのエビデンスつくりだったのですね。
いずれにしても、日本をはじめ先進国では
高齢者が増えていくわけですから、
早期発見と早期治療が有効な
大腸がんに対する十分な体制つくりは必要でしょう。
次回から本文を見ていきたいと思います。
それでは。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29667892
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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ありがとうございます
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Q&A方式で、一般の方の素朴な疑問に答えます!
ご質問もお待ちしています。
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メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
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【91名の仲間がいるよ!】
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、
自身の業務が膨大になってきたこともあり、
残念ながら永続的に続けることは困難となりました。
2017年の春から予告しておりましたように、
ボランティアによる読影トレーニングの実施は
2017年末で終了いたしました。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
●お願いとお断り●
本ブログの無断転用および複製を禁止いたします。
著者に無断で各種メディアに貼り付ける
などの行為は著作権違反となります。
読者の皆さまの大腸検査に対する知識のお役に立ちましたら幸いです。
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「65歳以上の対象者に対する大腸CT検査の大腸腫瘍性病変検出能
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10ミリ以上の大腸腫瘍性病変の陽性率は
無症状者で有意に低く(8.2%)
便潜血検査陽性者では32.8%
そのほかの有症状者では14.0%
であった。
内視鏡検査に基づく陽性適中立率(PPV)は
いずれの対象でも高く、10mm以上の病変では
84.3%であった。
大腸がんに対する感度は
高齢者で93.0%
若年者で92.0%
であった。
全体的に高齢者に対する大腸CT検査の検出能は
若年者に比べて高い結果であった。
【結論】
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十分に高い精度で大腸腫瘍性病変が検出されている。
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原文
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