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posted by fanblog

2018年05月24日

大腸CTアカデミア データ安全性モニタリング委員会(DSMB)の判断によりサンプル数が減少したんですね

★★第13回GAIA予定!!━━━━━━━━━━━━━━━
第13回GAIAを2018年9月9日(日)に大阪で開催します。
大腸CT検査の実践的な講義に加え、
大腸CT検査の標準化に必要な知識を是非持ち帰ってください!

さらに、「画像診断におけるAI(人工知能)の現在と未来」
のテーマでオピニオンリーダーの先生方の講演もありますよ!!

皆様のご参加をお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★





PubMedから、今日のつぶやき − 242 −

Weinberg DS, et al. Computed Tomography Colonography vs Colonoscopy for Colorectal Cancer Surveillance After Surgery. Gastroenterology 2018; 154(4): 927-934.e4.



論文
「大腸がん術後サーベイランスに有用なのは?
大腸CT検査 vs. 大腸内視鏡検査」
ご紹介の続きです。

この研究での最終的な解析対象は
231症例になります。

印象として「n」が小さいと思いませんか?

両群間で有意差が出ているので、
サンプルサイズが小さいくてもそれはそれで
構わないのですが。

このあたり気になりますね。

本文で、方法の最後と結論の最初に
記載がありましたのでみてみましょう。

【方法の最後の部分】

1型エラー(差がないのに誤って"差がある"と言ってしまう)
の両側有意水準として、α=0.05
として妥当なところです。

本当に差があるときに正しく"差がある"と判断する確率
Powerは感度比較に対して82%以下、
特異度は87%以下と設定しています。

パワーは大きいほどよく、
慣習的に80−90%が使われていますので、
妥当ですね。

術後1年で6ミリ以上のポリープがある頻度は
先行研究から15%と見積もっています。


〜〜〜〜〜感想〜〜〜〜〜
つぶやき − 240 −でご紹介した一つ目の疑問

「大腸がん術後1年のサーベイランスにおいて、
6ミリ以上の腺腫あるいは鋸歯状病変(SSA/P)
を認めた症例が15.6%って
妥当なのだろうか?」

については、引用されている
先行文献からは妥当なようですね。

Cone MM, et al. Timing of colonoscopy after resection for colorectal cancer: are we looking too soon? Dis Colon Rectum 2013; 56: 1233-6.

私の不勉強で失礼致しました。

日本では術前に切除されてしまうような印象
がありましたが、根拠がありませんでした。
〜〜〜〜〜感想ここまで〜〜〜〜〜


上記の仮定の下で、設定した研究当初のサンプルサイズは
約1000名。

しかしながら、参加5施設のいずれでも
予定していた登録数に伸びなかった。

参加・不参加の対象者で統計的人口組成、臨床的特徴に差はなかった。

データ安全性モニタリング委員会(DSMB)による
ブラインド下での暫定解析の結果に基づく推奨から、
本研究のファンディング期間の最終まで継続することとなった。


〜〜〜〜〜感想〜〜〜〜〜
う〜ん、なるほど。

こう記載されると
反論できないですね。

逆に言えが、きちんした研究デザインのもと
研究進捗がきちんと第3者によって
モニタリングされていないと、
研究発表の段になって苦しくなるといえます。
〜〜〜〜〜感想ここまで〜〜〜〜〜



【結論の最初の部分】

合計で231名が大腸CT検査と大腸内視鏡検査を
受け、検査に参加した。

両群間で予期していた以上に精度の差があったために、
この小さなサンプルサイズでも本研究のアウトカムの
解析に適当となった。



(感想)
「両群間で予期していた以上に精度の差がでた」
その原因はどのように考察しているのでしょうね。

本論文を取り上げていただいた
H山先生と一緒に疑問を感じた箇所に
いよいよ差し掛かってきました。

気になるところですが、
続きます〜


それでは。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29174927


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。


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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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