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2021年07月12日

今後の民間の造成工事の有り方


静岡県の熱海市で大規模な土石流が発生し、多くの方が行方不明だ。

土木工事に携わる人間として、土石流の原因とされる盛土と近隣の造成工事を

県の指導をなおざりにして行った業者に対して怒りを感じる。

なぜなら、世間から見れば盛土も造成もひとくくりの土木建設工事として見られ悪い印象を持たれたと思うからだ。

私ども公共土木工事の設計を行う人間から見れば、当然に雨や湧水で水が集まる箇所には

有孔管などの地下に埋め込み地下排水工と地表の雨水を浸透させずに流す縦や横の排水工を設置することは常識である。

当然のことだが、地下排水工を設置しないと、浸透した雨水や湧水がどこにも行き場を失い

土は吸水して重くなるだけでなく、もともとの地盤と盛土した部分との境界に水がたまり

大規模な地滑りや今回のような大規模な土石流が発生することになる。

また、表土に雨水が多く染み込む前に側溝に水を集め排水する表面排水も重要であることは技術基準書に

明確に記載されているのだ。

したがって、公共工事の場合、監督官庁職員が工事の施工段階ごとに

設計図面のとおりの使用材料や強度や構築物がと設計図面とおりに作られてるか現場にチェックに赴き

臨場立ち合い検査をすることが一般的だ。

報道でも指摘された内容として、土石流発生の起点部分上流部に隣接して

造成工事がなされて太陽光発電のメガソーラーパネルが設置されており、

造成されれば森林の保水機能が大きく低下し、降った雨は一挙に下流側に浸透したり集まることが一般的だ。

大規模な太陽光パネルでのメガソーラ発電の造成工事なども、

計画や設計段階で大雨の際の流出解析や計算、水の排水工の設置の厳格化などが必要で、

そもそも、土石流が発生する可能性のある個所の上流や周辺部でむやみな造成も規制されているはずだ。

一般に土石流が発生している場所では、過去に何度か小規模な土石流が発生している履歴があることが多い。

公共工事に携わる土木技術者から見れば、造成など民間工事で手抜き工事を行う業者や不動産屋は

金儲けしか考えない悪徳業者の愚か者でしかない。

ちなみに国土交通省や県などはい10年に一度の頻度で、河川の流域ごとの流出解析を行い

河川が氾濫しないかのチェックをっている。

それらの仕事は競争入札で建設コンサルタントが受注して、専門技術を用いた解析を行っている。

公共土木技術者である発注者や建設コンサルタント技術者であれば、

河川上流の土地の利用状況や土地の形状や勾配が変化すれば、保水能力が低下したり、

一挙に雨水が河川に集まるなど流出特性が変化することを知っており、

その際に土石流や河川が氾濫することは常識的に知っているために

造成設計では造成盛土の場合の土の締固めを入念に行うように監督管理したり、

土石流や地滑り対策のために地下排水工を設置したり、防災調整池を設置するのだ。

今後、このような悲惨な災害が起きないように、民間工事でも土石流や擁壁倒壊、地滑りなどが

起きないように行政側も監督を厳しくすべきだし、開発業者への罰則規定を厳しくする必要があると思う。

行政の指導に従わない業者へは裁判所から工事差し止め命令や原状回復命令を迅速に出せるように

法律改正が必要だと思う。


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