平日に仕事でも私生活でも三陸自動車道を利用することが多い中で思う。
三陸道は所々で追い越し車線があるが、基本は上り下り1車線ずつの2車線道路であるためや
NEXCOでの建設ではなく国土交通省が建設した国道のため、通行料が無料のためか交通量が多い。
13年前に東日本大震災での大地震があったことで、石巻より少し北の東和ICより以北は
建設中止が決まっていたが岩手県を経由して青森県八戸市まで建設することになり、
3年前に仙台から八戸市までの360kmを9年かかって開通したのだった。
高速道路を建設する前に、事業主体である国土交通省は各路線ごとに建設投資を行うことで経済的な利益があるかを評価している。
一般的な評価手法の技術基準として「道路費用便益評価マニュアル」が15年以上前に国土交通省で作られて
それに基づいて試算する中で、建設費と交通便益を貨幣換算価値評価でプラスにならなければ、新規の道路建設は行わないことになっていた。
特に2009年の民主党政権時代にはダムや高速道路建設などは税金の無駄遣いとされ、無駄なインフラ投資は行わない方針であった。
当時の総理大臣が口にした「コンクリートから人へ」へという方針だ。
よって、国土交通省の費用便益評価で地域でも広域的にも経済的にプラスにならないと試算され、
仙台湊北から青森県の八戸までの残りの区間約300kmの区間は建設凍結中止となっていた。
ところが、東日本大震災をきっかけに、政権が元に戻ると、災害復興と将来の防災目的としての総合的な観点から
費用対効果は別として、沿岸部の津波被害の将来的な備えと復興道路建設での東北地方の経済活性化策として
凍結されていた三陸自動車道の建設を行うことに決定した。
災害復興と経済活性化策として、三陸自動車道だけでなく復興支援道路として
岩手県では盛岡から宮古へ横断する高速道路と北上から遠野を経て釜石へ横断する高速道路
宮城県では築館から三陸道の登米ICに接続する横断道路が建設された。
三陸自動車道が建設されると、従来では仙台から八戸まで移動に8時間半必要だったものが
3時間半も短縮され5時間で行くことが可能となった。
また、岩手県では太平洋側である釜石港や宮古港が外国と輸出入を行うことで
日本海側の秋田県などへの効率的な物流が可能になることで、経済の活性化が図れたと地元商工会が述べている。
結果的にみると、三陸自動車道や東北地方の太平洋側を横断する復興支援道路は予想した交通量よりも
はるかに多い自動車交通量があり、地域の活性化と経済に良い影響を与えていると宮城県に住んでいる私は感じる。
正月やお盆の時期など連休が重なる時期は、日本全国で高速道路をはじめ渋滞が発生するが
三陸自動車道も同様である。
ただ、従来の連休時期は東北自動車道に車が集中していたため、渋滞はかなりひどかったが、
三陸自動車道への分散のために渋滞が緩和されたことと、三陸沿岸沖でとれる新鮮な魚介類が
3500万人が居住する関東地方や人口が集中する仙台へスピーディーに送ることが可能になった。
高速道路はつながることで、物流の効率化が促進されて、物とお金のやりとりが活発化することで
地域の地場産品の提供、地方で必要な石油や遠方で生産された生活必需品などが地方に届くことで
物価を下げて、日本国民の生活を支える効果を発揮している。
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