2015年05月15日
世界一受けたい授業でも紹介された、1975年の食事が一番健康に良い理由とは?
先月のテレビ番組「世界一受けたい授業」でも取り上げられていたので、ご存知の方も多いかもしれませんが、実は1975(昭和50)年ごろの和食が、長寿や健康維持にもっとも効果的であることを、東北大学大学の都築毅准教授らがマウスで実証した結果、分かったのです。
いつの年代の食事がもっとも健康に良いのかを調べるため、研究チームは国民栄養調査などをもとに、1960年、1975年、1990年、2005年の和食の平均的メニューを作り、調理したものを凍結乾燥・粉末化、それを通常のえさに混合して、老化促進モデルのマウスに8ヵ月間食べさせましたた。その結果、もっとも老化が遅く、長寿だったのは、1975年ごろの食事を食べたマウスだったということです。
まず、1960年の朝昼夕3食の平均的なメニューの特徴ですが、炭水化物の割合が多く、おかずの種類・量が少なく、75年に比べると栄養バランスに劣ります。また塩分が多いという特徴もあります。
1990年は「乳製品や肉類が豊富ですが、食の欧米化の影響で脂質が増え、野菜類はもっとも少ない」傾向にあり、体重増加量は75年より多く、エネルギー消費も少ないものでした。
さらに、2005年になると、「炭水化物が少なく、肉類、油脂類が多く、魚介類が少ない。単身者が増え、おかずの少ない丼ものなどの単品メニューが目立ってきた」などの特色があります。
一方、1975年頃の食事は、簡単に言えば、「ちょっとだけ欧米化した和食」で、内臓脂肪が蓄積しにくく、脂肪肝の発症リスクも抑制されていて、血中のコレステロールの値が低いことが分かりました。また、肝臓での脂肪分解が活発に行われているのに加え、学習記憶能力の維持にも有効で、がんの発生率も低かったということです。
具体的な食事内容の特徴としては、果物や、魚介類、海藻類が豊富で、豆類、卵がよく使われていること、多くの食材が少しずつ入っていて、味噌や醤油、みりんなどの発酵調味料を適度に用いる、出汁を使って塩分を抑えているといった特徴がありました。
では、現代の私たちがどうすれば良いかですが、納豆やココアなど健康に良いとされる食品の流行を追ったり、ある1種類の成分のサプリメントに依存したりするより、食事の中で多様な食材を少しずつ取ることが、1975年の食事に近づける方法です。つまり、1つの食材を多く取るのではなく、ご飯やみそ汁の他に、お皿が3か4つあるような、多種多様の食材を取り入れた食事をするということです。
外食をする場合などは、どうでしょうか。例えば、今までコンビニのおにぎり2個を買っていたら、1個はサンドイッチにして、食材を増やす。また、牛丼の大盛りをやめてサラダや納豆、生卵などサイドメニューをプラスするなどの工夫ができます。
現代でも、大昔でもなく、1975年頃の食事がベストというのは、なかなか面白いなと思いました。なるべく色々な食材を取り入れるのがコツのようですね。
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