2015年08月12日
続「自分の周りでも孤独死」
葬儀ではなく除霊だった
昨年の4月8日付ブログに、20数年来の付き合いのあった会社の先輩の話を「自分の周りでも孤独死」(https://fanblogs.jp/bukki/archive/53/0?1439330394)として掲載した。今回、この経緯と不思議な葬儀の模様を掲載することにした。亡くなられてから今年で12年、丁度13回忌にあたるのも何かの縁か。
先輩は会社を67歳で定年退職。それから僅か二カ月後に、誰にも見取られずに自宅マンションで亡くなった。遺体が発見されたのは、亡くなってから4ヵ月後の8月。幼い頃に父親の事業の失敗で一家が離散、兄弟とも離れ離れになったというは後で聞いた話。
私生活では67歳まで独り身で生きてきて、身寄りはなかった。亡くなられてから、警察の調査で弟と妹の住まいが明らかになり、釧路に住んでいた弟が葬儀を取り仕切った。
簡単に記したが、ここまでに至る経過はそれほど簡単ではなかった。話の取っ掛かりは、4月半ばに会社に寄せられた先輩の住むマンションの管理人から。「郵便受けに新聞が溜まっていて留守のようだ。何処にいったのか分からないか」という内容のもの。後から考えると、この時点で自宅で亡くなっていたことになる。それから4ヵ月後の8月に警察の立会いでドアを開錠、ベットに横たわった姿で先輩が見つかった。
今回の話の主題はここから。葬儀は、その週の日曜日に先輩の部屋で行われた。葬儀というよりも、死んだことを故人が自覚して、この部屋に留まらないためのお祓い、除霊なのだろう。マンションなどの賃貸物件では心理的瑕疵物件という言葉がある。賃貸物件で借りる直前に起きた事件や自殺などは、斡旋する不動産管理会社が、新しい借主にその旨を伝えなければならない。
先輩の部屋は個人所有だったが、売却や賃貸にする場合は同じように瑕疵物件ということを説明しなければならない。それ以前に行わなければならないのが、故人の除霊。特に孤独死の場合、マンション管理組合が住民のためにこうしたお祓いを行うことは、珍しいことではないのかもしれない。
弟さんを始め、故人の関係者が6人ほどが集まった葬儀では、線香をあげる訳でもなく、巫女さん姿の年配の女性とその付き人のような男性が祭壇を拵えて、一心に祈祷。榊を一人ひとりに渡して呪文を唱える。ここで、これは葬儀ではなく除霊なのだということに気づいた。これで、故人の霊が部屋に留まることなく昇天するということなのだろう。
それから1年間は、自分の周りに先輩の気配を感じたり、悩んでいる時に助けてもらった気がしたことが何度かあった。輪廻転生、あるいは仏様となったのか、今はその感覚はない。お盆に故人の話をするのも供養になるという。13回忌を迎えて、あらためて生前の先輩の姿を思い浮かべた。
そして、今年亡くなった兄への思いを馳せているところだ。無事、父母のもとにたどり着いただろうか。
合掌
写真:会社の先輩が住んでいた豊平区のマンション
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/4048786
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
宗教についてもかなり博学とお見受けします。
新興宗教についてのブログも検討中で、お知恵を拝借できればありがたいです。
これからも気のついたことがあればコメントをお寄せください。
ありがとうございました!!
お久しぶりです。
記事を読ませていただいた限りでは、この除霊と思しき儀式は、神社の神主が先達となって取り仕切る、正式な神道式の葬儀だと思います。
私も過去に一度だけ神道式葬儀に参列したことがあるので、多分間違いないと思います。
ただ、いろんな神道があります。
神社神道、教派神道、学派神道、氏神神道などあります。
その中では、確かに除霊めいた儀式があります。
それは、修祓(しゅばつ)と云われるもので、神様を降ろして(降神)亡くなられた方や周辺の邪気邪霊を祓う儀式です。
特に「ほおーっ」と叫ぶケイヒツが、結構怖かったりします。(笑