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2017年01月25日

【富士山さんは思春期】マンガ 感想&あらすじ 思春期の1ページを切り抜いた青春恋愛ストーリー

漫画アクション。2012年12月18日号から2016年1号まで連載。全8巻
作者:オジロマコト
他作品:猫のお寺の知恩さん



あらすじ

同年代の中では少し小柄な身長160cmの中学2年生、上場優一。ひょんなことから身長181cmの幼馴染、富士山牧央のことを異性として気になりはじめ、気持ちが昂ぶった勢いで思わず、

「俺たち、付き合わね?」と告白し、――「いいよ」という返事を貰った。

晴れて恋人同士になった富士山さんとカンバは、なぜか周囲にはバレないように振る舞いながら、連絡を取り合い2人だけの時間を過ごす。
神社でまったりデートしたり、夏祭りの屋台で遊んだり、花火を見ながらこっそり手を繋いだり、中学生らしい初々しい付き合いでゆっくり関係を育んでいく。

主要登場人物

・富士山 牧央
ヒロイン。三里第三中学校2年生。女子バレー部所属。身長181cm。家族や友人からは「牧」「牧ちゃん」と呼ばれています。身長に関して指摘されることぐらいは大して気にしませんが、男子生徒から執拗にからかわれた場合は厳しい鉄拳制裁をおみまいします。見た目に反して内面は子供っぽく無邪気なところもありますが、困ってる子を気遣う優しい性格の持ち主でもあります。小さい頃はいつもカンバと2人で遊んでいましたが、カンパが男友達とつるむようになってから距離が空き、そのことに少し寂しさを感じていたようです。


・上場 優一
主人公。三里第三中学校2年生。弱小男子バレー部所属。開始時の身長160cm。中学2年生の平均身長と比べると少し小柄。富士山さんからは「カンバ」という愛称で呼ばれています。富士山さんとは幼稚園の頃からの幼馴染という関係であり、着替えを偶然覗いてしまったことで異性として意識するようになり、カンバから交際を申し込みました。年相応に子供っぽいところもあり、いたずらをすることもありますが、からかわれたり、少し無防備なところもある恋人の富士山さんを気遣い守ろうとする男らしい一面もあります。交際を申し込んでokを貰っておきながら、周囲には秘密で付き合っていました。



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感想・見所

恋人になった幼馴染の身長181cmの少女と身長160cmの少年、思春期の可愛らしい距離感を保った日常と共に、交際を始めた中学生の初々しい清らかな恋愛を描いた物語。
中学生の身長差カップルの甘酸っぱい日常を描いている青春ラブコメディ漫画です。読み始めたきっかけは、確か1巻発売した頃にカワイイ富士山さんの表紙に惹かれて思わず手に取ったんだと思います。読んでるとちょっとこそばゆくなることもあるけどとても爽やかな作品です。

背のおっきい女の子、嫌いじゃない。むしろ結構好きかもしれません。今まで読んだ作品を思い返してみると、背の高いお気に入りキャラは多いですね。
例えば、「『エアマスター』の主人公・相川摩季」、「『ウィッチクラフトワークス』のヒロイン・火々里綾火」、「『ハル×キヨ』のヒロイン・宮本小春」、あと、「『魔法戦士リウイ』のジーニ」なんかも好きです。
アニメや漫画に出てくるヒロインは比較的小柄な子が多いように思えますが、大きい女の子もまた違った魅力がありますね。見た目はたくましそうに見えるんですけど、意外な弱い一面や乙女な一面を見つけると、個人的にはむしろ普通よりも守ってあげたい保護欲が増してしまいます。普段は目線が同じか少し高い女性が膝を屈めて少し上目づかいになってるときの姿、頭をちょっとぶつけてテレてる姿とか、すごいカワイイのではないかと強く主張したい。
ちょっと話が脱線しそうなので、そろそろ本編内容の感想書きます。

交際のきっかけは主人公ガンバが人気の女子の着替えを覗くために無茶をするという、思春期男子特有のバカ丸出しな行動から始まります。結局ガンバは目的を達成できなかったわけですが、その折に偶然目にしてしまった幼馴染の女の子・富士山さんの着替えが頭から離れなくなり、異性として強く意識するようになりました。
そして、身長をからかう相手には鉄拳での粛正を行っていた彼女に、通りすがりの子供が禁句の「大きい」を言ってしまい、マズイと思ったカンバは慌てて止めに入ろうとします。ですが、その子供に対して富士山さんは・・・、
「うん、大きいよ!」と優しい笑顔
普段とは違う天使のような彼女の笑顔を見たカンバは、「富士山、最高だぜ」と恋に堕ち、前のめりになった気持ちのまま告白し、あっさり「いいよ」という返事を貰えたことで中学生カップル誕生。交際がスタートしました。
気になり始めた理由はしょうもないのかもしれませんが、むしろ思春期の男子っぽくて現実的ではないかと思います。

思春期真っ只中の性に興味津々なお年頃である主人公・カンバの目線で物語は進行するため、若干のエロ描写はありますが、過度にはなっていないので作風はとても爽やかです。
メインの2人意外の登場人物も常識離れした突飛な設定をしたキャラは存在せず、とんでもない大事件が起こるわけでもなく、どこにでもいそうな中学生たちの等身大の青春を淡々と描いています。
恋人になった2人のやりとりを淡々と描いているだけなんですが、キラキラ輝いて眩しいです。テレながら手をこっそり握り合ったり、添い寝してドキドキしたり、机をくっつけて教科書を見せ合うだけで楽しくなったりと、見てるとこそばゆくなる描写も多いんですが、そんな純粋な恋愛はとても心地よい気分にもなるので心惹かれますね。ささいなことでドキドキ胸を高鳴らせていた時期、私にも確かにありました。

とにもかくにも富士山さんが可愛過ぎます。身長をからかう男子生徒には暴力も辞さない彼女ですが、実際はとても大らかで優しく、見た目に反して中身はとっても無邪気。無邪気ゆえにスキンシップが過剰になることもありますが、距離が近づきすぎてテレる表情もまた可愛い。
恋愛漫画なのにヒロイン富士山さんの「心の声」を使った心理描写がないのもこの作品の特徴。読者は富士山さんが今何を思っているのかは、心のセリフからではなく仕草と表情や様々な描写から読み取るしかありません。ですが、富士山さんはとても表情豊かな子として描かれており、さらに作者の見せ方も上手いので、想像でしかないことに変わりなくても手に取るように感情が伝わってきます。その1つ1つの仕草が本当に可愛い。

最終巻も素晴らしく、まさに青春の1ページを切り取った作品になりましたね。卒業まで見たかったという気持ちも全くないとは言いませんが、純粋に物事を捉えられていた一瞬のみに焦点を当てていたのはむしろこの作品らしいです。
初々しい2人の気恥ずかしさを伺える恋愛とともに、身長差から見せるドキドキなシチュエーションも良かったです。橋の上でカンバが段差を利用して目線を合わせながらの抱擁、雨の日に背の低いカンバの方が傘を差し出すなど、セリフを少なく、あるいは全く無言で絵を中心に見せるそれらの描写は見事な表現でした。
青春時代に戻ったかのような雰囲気を味わえ、思春期の独特な空気感に包んでくれる作品。読後感も心地よい気分にさせてもらえるので、よけらば読んでみてください。おすすめします。



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2017年01月24日

漫画『約束のネバーランド』1巻の感想とあらすじ

『約束のネバーランド』1巻の感想。


約束のネバーランド
著者:出水 ぽすか
掲載:週刊少年ジャンプ
1巻発売日:2016年12月2日

年齢も性格も異なる様々な子供たちが暮らしている孤児院・グレイス=フィールドハウス。外とは切り離されたこの孤児院で、血の繋がりはなくても優しい院のママと子供たちは家族のように仲良く暮らしていた。
この院には、ある決して破ってはいけない規則がある。それは、院にいる限り“外へ出てはならない”ということ。誰も理由は知らないが、自分たちは何かから守られている、そう子供たちは思っていた。
ここでの生活は永遠ではなく、いつか皆里親の元へ旅立っていくことが決まっている。仲良しのエマ、ノーマン、レイの年長者3人組も、その未来が訪れることに疑いを持っていなかった。しかし、院を巣立つことになった6歳のコニーが大切にしていたぬいぐるみを忘れたため、ママには内緒で後を追ったエマとノーマンは、そこで衝撃の光景を目撃してしまい、この院の、そしてこの世界の残酷過ぎる秘密を知ることになる。

血は繋がらなくても家族のように幸せな日々を送っていた少年少女たちが、守られていたと思っていた孤児院は自分たちを逃がさない檻であることを知り、待ちうける悲惨な旅立ちを回避するために水面下で脱出を企てる物語。
本格的なサスペンス要素を含んだ脱獄ダークファンタジー。ジャンプ作品ではあまり見かけないタイプの作品ですね。
最近この作品の話題を見聞きすることが増え、そのうえ『こち亀』の作者・秋本治先生が推薦されていたので試しに読んでみました。

表紙から受けた爽やかな印象や、冒頭での無邪気な子供たちの姿に少し油断してしまい、突然の衝撃展開に思わず「え?」と困惑してしまいました。ほのぼのした光景のなかにも若干の不穏な空気は感じていたんですが、さすがにアレは予想してなかったです。
あのような描写に拒否反応示す人も多い思うので言ってしまいますが、表紙に描かれている子供たちの内1人が無残にも殺されてしまいます。少し前まで無垢な笑顔で将来の夢を語っていたため、この描写は正直私もかなりきつかったです。グロ系などの類が苦手な人は避けた方がいいかもしれません。

物語の舞台となるのは森と塀に囲まれている孤児院・グレイス=フィールドハウスです。ママと慕われている園長と、年齢、性格、肌の色も違う多くの子供たちが共に暮らしています。
一見ほのぼのした平和な暮らしにも見えますが、子供たちの首筋につけられた5桁の認識番号、施設を出た子たちからは一切便りが届くことはない、決して敷地内から外へ出てはいけないという規則など、奇妙な点がちらほら見受けられ、1話の時点でここには何かあると予見できます。ただ、あまりにも子供たちが幸せそうに暮らしているため、私の場合はそれほど重い展開は予想しておらず、不自然な点の理由が判明したときはかなり驚かされましたね。
孤児院の子供たちは12歳までには必ず里親の元へ届けられるのですが、真実は孤児院からの「巣立ち」ではなく、「鬼の食料として出荷」だったということが判明。人ではない「鬼」の存在が明らかになりました。孤児院は楽園でもなんでもない、子供たちを食料として飼育するただの「農園」だったわけです。しかもこんな施設がいくつも存在してるとのこと。
幼い子供に突きつけられる真実としては残酷過ぎますね。自分たちが大事に育てられていたのは食料となるため、巣立った家族から便りが来ないのは既に命を落としているからと思われ、そして・・・優しくママと慕っていた女性は鬼の手先だったわけですから。

こんな真実を知ってしまったら、当然素直に食べられるまで大人しくしてられるわけありませんね。
もうじき12歳になってしまう少女のエマ、少年のノーマンとレイ。施設の子供たちの中でも特に秀でた能力を持ち、鬼から「フルスコア」「上物」と呼ばれている3人組です。彼らが中心となって他のまだ何も知らない幼い兄弟姉妹たちと共に、2ヶ月後の出荷というタイムリミットよりも早く、鬼やママに気取られないよう脱走するための計画を練り始めます。

現状最大の障害になるママとの頭脳戦が繰り広げられるわけですが、どうにも腑に落ちないことばかりでこんがらがってきそうです。
ママも元は施設の子だったようで、エマたち同様その中でも特別優秀な人材だったことは分かるのですが、なら彼女はどうして「上物」として出荷されず30を過ぎてなお生き延びられたのか。それに、彼女は出荷の現場を見られたことに気づいており、それが誰なのかも見当がついてるようですが、出荷を早めるわけでもなく、上層部へ報告するわけでもなく、まったく慌てるそぶりを見せません。
より質の高い子供に育てて出荷するため、あるいは鬼に対抗できる子供を育てるためなど予想はできますが、現状では確かなことは言えず、完全に敵とも実は味方だったとも言い難いですね。

先が気になって仕方ない内容でした。エマたちはママの目をかいくぐってどう脱出するのか、ママの思惑は何なのか、さらに脱獄して終わりというわけではないようなので、外の世界がどうなっているのかも気になるところです。
人の社会が存在してなかったらもう絶望的な気もしますが、個人的な意見ではないというのは考えづらいです。世界が完全に鬼によって支配されていた場合、いかに優秀でも子供たちだけでその状況を打破できるとは思えませんから。そうなるとストーリーを展開する上で色々厳しくなってしまう気がします。
読み返すたびに新たな発見があるので非常に読み応えがあり、衝撃展開の連続によってどんどん盛り上がりを見せ、今後の展開からも目が離せませんね。
書きたいことまだまだありすぎて上手く感想まとめられなかったので、脱獄編が終わったあたりでもう1度感想書いてみようと思います。


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2017年01月23日

【地球防衛企業 ダイ・ガード】アニメ 感想&あらすじ 社会と企業の現実を描きながら熱さを損なわない異色のロボットアニメ


地球防衛企業 ダイ・ガード
1999年10月放送
全26話
監督:水島精二
原作:XEBEC
脚本:志茂文彦、稲荷昭彦、石川学、他
赤木駿介の声:伊藤健太郎
桃井いぶきの声:平松晶子
青山圭一郎の声:三木眞一郎

あらすじ

西暦2018年、太平洋から謎の大怪獣「ヘテロダイン」が出現。軍は多大な被害を払うも何とか撃退に成功し、事態は一応の収束を果たす。

国連安全保障軍はこの惨劇を防ぐため、対ヘテロダイン用兵器として巨大ロボット「ダイ・ガード」を開発し、ヘテロダインが再び襲来する日へ向け備えを整えてきた。
しかし、最初に撃退したヘテロダイン以降、その後12年もの間敵が出現することはなかった為、ダイ・ガードが本来の役割で運用される機会は1度もなく、現在では民営会社の広報用マスコットロボットとしての扱いを受けていた。

2030年、人類がその脅威を忘れて平和に甘んじていた矢先、沈黙を破ったヘテロダインが突如として熱海に出現した。パイロットの赤木たちは市民を守るため、避難命令に背き、襲い来るヘテロダインへ立ち向かう。

『サラリーマンだって、平和を守れるんだ!!』

登場人物

・赤木 駿介
主人公。25歳。21世紀警備保障企画開発部広報2課に勤務するサラリーマンであると同時に、ダイ・ガード1号機のメインパイロット。正義感に溢れる思い立ったら一直線な熱血漢であり、面倒見が良く意外と気も利く青年。防衛大時代は座学は苦手でも実技は非常に優れ、教官からも一目置かれていました。直情的過ぎるきらいはあるが、人々の平和と幸せを守りたいという純粋な思いの持ち主。

・桃井 いぶき
ヒロイン。20歳。21世紀警備保障広報2課に勤務するOLであり、ダイ・ガード1号機の搭乗ナビゲーターでもあります。高卒で入社しているため、会社では年上の赤木よりも先輩。赤木同様正義感が強く、男勝りなしっかり者で明るい性格。実の父はヘテロダイン災害で亡くしており、現在は母が再婚しているものの、その家庭環境に思い悩んでいます。

・青山 圭一郎
ダイ・ガードの動力機関のコントロールを担当している搭乗エンジニア。赤木とは同期入社。25歳。熱血な赤木とふぶきに対し、比較的冷静。爽やかなイケメンで話術も巧み、女性の扱いも慣れてるうえに残業は一切せず退社するため、プレイボーイと勘違いされることもあります。実際は真面目な性格で入院している母親を毎日看病する好青年です。

・城田 志郎
安全保障軍幕僚本部から戦術アドバイザーとして派遣された監査官。常に冷静沈着で落ち着きがあり、合理的な思考をしているため、正反対の赤木とはしばしば衝突することもあります。ですが、本気でぶつかりあってきたことで徐々に感化され、突っ走り気味な彼等のサポート役にまわることになっていきます。

・大河内 伝次郎
21世紀警備保障社長。最初のヘテロダイン出現の際は安保軍の少佐として作戦に関わり、その戦いで右眼を失っています。当時の軍のやり方に疑問を持ち、軍を離れて21世紀警備保障を立ち上げ、ダイ・ガードの運用を始めます。赤木たちの行動に理解を示す頼れる存在。


感想・見所

突如現れ人類の脅威となった大怪獣に対抗するため巨大ロボットが開発され、それを運用する民間警備会社で普段はサラリーマンやOLとして従事している人たちが、家族や親しい人のため、人々の平和と幸せのために戦う姿を描いた物語。
90年代後半に製作された少し風変わりなロボットアニメ。後に『鋼の錬金術師』や『機動戦士ガンダム00』を手がけている水島精二さんが監督を務めています。漫画版と小説版も刊行されています。

もう15年以上前の作品ということもあり、アニメ好きでも観たことある人はそれほど多くはないと思われるマイナー作品です。私もたまに利用している動画配信サービスのリストを漁ってるときに偶然見つけ、大した期待も抱かずなんとなく試しに観たら意外と面白かったというのが経緯です。
たまたま当たりを引いた喜びのせいで大袈裟になってるのかもしれませんが、個人的には隠れた名作なんじゃないかと思ってます。

リアルロボットアニメと言えば『ガンダムシリーズ』や『マクロスシリーズ』、あと『ボトムズ』当たりを思い浮かべますが、このダイ・ガードはそのどれと比べても一風変わっており、違う方向性でリアルを追求した設定を敷いています。私が知るなかで近い作品を挙げるなら『機動警察パトレイバー』、最近では『アクティヴレイド』が多少それらしさのある作品だと思います。
迫力ある戦闘描写を観たいのなら、はっきり言って上述で上げている別のロボットアニメの方が断然楽しめると思いますが、ロボットを運用している人たちの作業風景や人間模様に関してなら、ある意味随一と言っていいレベルの濃さを見せていますね。

簡単に言ってしまえば、これは人類の存続を脅かす脅威から世界を守るアニメ。そのあたりの設定はヒーローもの、ロボットものでは特に珍しくもない方向性ではありますが、特徴としては主人公たちダイ・ガードを運用している人たちが属しているのは軍ではなく、無用の長物となっていたロボットを買い取った民間の会社だというところですね。なので、赤木たちパイロットの3人もサラリーマン、OLとして普段は勤務しています。
もちろん軍は存在しますし、そちらはそちらでヘテロダインへ対抗するため様々な手段を講じ、この緊急時にダイ・ガードを民間に持たせていいものかという当然の展開もあることにありますが、メインはあくまで会社に勤めるサラリーマンたちの戦いです。

普通のロボットアニメの場合、なんといっても迫力ある戦闘シーンが最大の見所となるはずなんですが、この作品そこに至るまでが非常に面倒くさい。出撃までに時間が掛かり 出撃できても本格的に戦うまでにまた時間が掛かってしまいます。
軍なら緊急時の特例なんかでそれなりにスムーズに出撃できるところ、民間の会社ということもり、会議を開いてお偉方の各種手続きを整えなければいけないというなんとも言えないグダグダ感。民間なのでその運用予算については確かに深刻な問題であり、下手なことして会社の印象を悪化させるのも死活問題という、その辺妙に生々しいやりとりを繰り広げていましたね。それが顕著に現れるのは序盤くらいですが、実際に民間会社が巨大ロボットを運用していたらこうなるかもしれないというリアリティは感じられます。
出撃できたとしても市民の避難誘導にそれなりの時間を割き、完了してようやっと戦闘。戦闘終了後には破損についての大量の始末書という新たな敵も立ちはだかります。
普通なら省くかあっさりした描写で流すところに力を入れた作風は面白いですね。シビアな問題に頭を悩ませるリアル感は見事だと思います。

さて、いかに戦闘までに面倒くさいあれこれがあるとはいえ、ヒーローロボットアニメの完成度を高めるためにも戦闘シーンは当然重要なファクターとなります。ですが、序盤のダイ・ガードは弱すぎるため、あれを目の当たりにしていたらとてもじゃないけど命を預ける気にはなりません。
長年マスコット扱いされていたため装甲はハリボテ、武装はなく、組み立てはクレーン、はっきり言ってしょぼい。戦闘後はボッコボコに凹んでましたね。ロケットパンチというのは強力なジェット推進力で腕を撃ち出すものだと思うんですが、そんな武装は当然なく、赤木はダイ・ガードの腕をもいで振りかぶって投擲という滅茶苦茶のロケットパンチを生み出しています。
しかし、物語が進むにつれ段々と武装は強化され、クレーンでの作業もなくなり、かっこよく立ち回れるまでにダイ・ガードは成長を遂げていきます。まさか人の成長よりもロボットの成長に感慨深い思いをさせられるとは予想してませんでした。ただ、正直言いまして、最初のグダグダで泥臭い感じも嫌いではないというか、むしろあれこそがダイ・ガードなのではとさえ思ってしまっています。

事務作業や各種手続き、保障など、ジビアな現実を描いてはいても、やはり熱いロボットアニメでした。ダイ・ガードの成長もさることながら、ぶつかり合っていた者同士が互いを認め合い共に敵へ立ち向かったり、戦う理由に思い悩みながらも家族への想いを胸に再び乗ることを選んだりと、登場人物たちの人間ドラマもこの作品を熱くさる大きな役割を果たしていたと思います。
また、OPとEDも素晴らしく、特にEDテーマの『走れ、走れ』は哀愁ある曲調と遠藤響子さんの歌声がほんと素晴らしかったですね。
パイロットだけが戦っているわけではなく、動かすだけでも様々な人たちが関わっており、敵を倒した後にもまた別の形で奮闘している人たちもいる。ロボットだけでも、パイロットだけでも、整備する人たちだけでもロボットを動かすことはできず、どれか1つだけではなく様々なパーツが揃って初めて真の力は発揮されるということに改めて気づかせてもらえました。
他にはない魅力があるロボットアニメ、面白いのでよければ観てください。




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posted by ハネ吉 at 18:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2017年01月22日

【紹介した作品の新刊発売情報】宇宙兄弟 第30巻 他4作品

2017年1月23日〜1月29日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



宇宙兄弟 第30巻 2017年1月23日発売

宇宙兄弟の過去記事はこちら 



スミカスミレ 第8巻 2017年1月25日発売

スミカスミレの過去記事はこちら



群青にサイレン 第4巻 2017年1月25日発売

群青にサイレンの過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。



とんがり帽子のアトリエ 第01巻
著者:白浜 鴎
掲載:モーニングKC
2017年1月23日発売


仕立て屋を営んでいる母と城から離れた小さな村で暮らしているココは、魔法使いに憧れを抱いている女の子。魔法使いには生まれつき素質を持つ者しかなれず、普通の人はその恩恵を受けるのみだと教えられていたのだが、ココはどうしても諦めきれずにいた。
ある日のこと、村に魔法使いのキーフリーという男が訪れ、ひょんなことから決して見てはいけないと言われていた魔法をかける瞬間を目撃してしまったココ。そのことで魔法使いの秘密を知ったココは、自分でも魔法を試してみることにしたのだが・・・。

魔法使いに憧れを抱き、その秘密を知ってしまった少女に訪れる絶望と希望の物語。純粋な王道ファンタジー作品ですね。

とても良い雰囲気の世界観。この世界には魔法が溢れており、それは人々の生活を助け、魔法はなくてはならない便利なものになっていますが、その仕組みは解明されていない・・・と、一般の人々には伝えられているようです。しかし、実際は特別な道具と魔方陣の形さえ知っていれば誰にでも使えてしまうものであり、それは魔法使いにとって「絶対の秘密」とされているため、知ってしまった者の記憶は消されてしまいます。
子供の頃に夢みた絵本の中の世界みたいでした。洗濯で汚れた泉もかけられている魔法によって一瞬で澄んだ水に浄化され、空を飛ぶ馬車も存在するなど、魔法が生活のなかに溶け込んでいる夢のような世界です。

主人公のココは金髪の可憐な明るい少女です。黒髪の母親とはあまり似てないですね。父親は不明。
幼い頃にいかにも怪しい謎の人物から、魔法を使うための道具と魔法陣が描かれていた絵本を手に入れています。本人はそれがどういう用途のものかは知らずに持っていましたが、キーフリーの魔法を使う瞬間を目撃したことで仕組みを知ることになり、念願の魔法を使うことができて大喜びです。
喜びのあまり何の魔法かも分からずに魔法陣をいくつも描いてしまうんですが、案の定危険な魔法を発動させてしまい、ココを絶望させることが起きてしまいます。

しかし、訪れたのは絶望だけではなく、キーフリーの申し出から憧れの魔法使いになることを薦められ、起こしてしまった問題を解決するためにこれから魔法を学んでいくことになります。

このファンタジーな世界を描く作者の高い画力が素晴らしいですね。しっかりした線で描かれた精緻な絵は美しく、自然の風景は幻想的で静謐な空気を醸し出し、コマごとの背景も丁寧にしっかり描き込まれているので絵だけでも楽しめます。キャラクターの表情も豊かなので特にココは見ていて楽しいです。流麗な絵が物語の魅力を何倍にも引き上げており、世界観にも引き込む大きな役割を果たしていると思います。

続きを読みたくなる良くできたストーリーと、もっと見たいと思わせてくれる素晴らしい絵、とても良かったです。生まれや才能だけではなく、諦めずに抱き続けてきた強く純粋な思い、そして努力によって道を切り開いていくココの姿を見せてくれそうですね。

試し読みはモーニングさんの公式サイトで1話を配信しています。(こちら)



学園塔に魔女はオドる 第01巻
著者:シバ ユウスケ
掲載:ビッグガンガンコミックス
2017年1月25日発売


多くの魔法使いを輩出してきた伝統ある名門魔法学園・ネムリスピカ。魂が宿る学園の意志により選ばれた新入生のルッカ=トドリは、良いことが起きた後には悪いことも起こるというネガティブな考えの持ち主だが、どんなときも明るい前向きな性格でもあった。
選ばれた時点で入学できると思っていたルッカだったが、学園では基礎能力不足により淘汰される事例が増えたため、「狂騒の森」と呼ばれる危険地帯を抜けた者だけが入学を認められる最終試験に挑むことになった。しかし、ルッカはある大きな問題を抱えていた。それは、魔法学園に選ばれたにも関わらず、魔法が使いえないということ・・・。

感情が魔力になる世界を舞台に、前向きだけどネガティブな主人公をはじめ、愉快な魔法使いたちが送るちょっとおかしなマジカルファンタジー。
ギャグ要素強めのかわいいファンタジー漫画です。

魔法使いが普通に存在する世界の物語です。魔法を使うにはNP(ネガティブパワー)と呼ばれる魔力の源を必要とし、NPは「感情」の高ぶりによって生まれるとのことです。
1人に1つ魔法発動に必要なNPは決まっており、「喜」「怒」「哀」「楽」や「羞恥心」「寒い」など、NPを生む感情はそれぞれ異なります。
ちょっと面白い設定ですね。羞恥心がNPの娘は魔力を貯めるためにあえて恥ずかしい行動をとったり、母性がNPの場合は動物なんかを可愛がったり、怒りの場合は常に何かに怒るなどして魔力を補充してるようです。

主人公のルッカは1話終盤まではNPが判明しておらず、魔法を使うことができなかった少女。この辺もある意味お約束の設定と言えますね。彼女のNPとなる感情は「自信」だったわけですが、前向きだけどネガティブな性格が見事に災いしてます。

カワイイ登場人物たちはみんなノリが良く、ギャグもなかなか面白くてクスっと笑え、テンポも良いので安心して読めます。シリアス展開はほとんどありませんでした。
ほのぼのしたファンタジー作品を楽しみたい人には良い漫画だと思います。私は結構好きですね。

試し読みはニコニコ静画さんのサイトで1話と他数話配信しています(こちら)

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2017年01月21日

漫画『スローモーションをもう一度』1巻の感想とあらすじ

『スローモーションをもう一度』1巻の感想。


スローモーションをもう一度
著者:加納 梨衣
掲載:ビッグコミックス
1巻発売日:2016年10月28日

高校では「ダサいやつ」になってはいけないと理解した1年生の大滝くんは、クラスのイケてるグループに属して学校生活を送っていた。一見充実した日々を満喫してるようにも見える大滝くんだが、実は誰にも話せない秘密の趣味の持ち主。
彼が愛してやまないモノ、それは「80年代文化」。80年代に活躍したアイドルや歌、当時発売されていた雑誌やおもちゃなどをこよなく愛し、周囲には悟られなよう注意して1人で密かに楽しんでいた。
ある日、机に入っていた1枚のプロマイド写真をきっかけに、大滝くんは隣の席の地味な少女・薬師丸さんの秘密を知ることになる。忘れ物を届けるために彼女の家を訪れると、そこには80年代アイドルの衣装を身に纏った薬師丸さんがいた。
はじめて同じ趣味を持つ同世代に出会い、はじめて誰かと過ごす時間を楽しいと感じた2人の高校生。趣味を通じて距離を縮めていく大滝くんと薬師丸さんは、次第にお互いを異性として意識するようになっていく。

誰にも言えない趣味を1人で楽しんでいた少年と少女が、お互い共通の趣味を持っていたことから一緒にその楽しさを共有するようになり、打ち解けていくうちに2人は次第に異性としても意識し合うようになっていく恋物語。
純度が非常に高い恋愛漫画。1話の試し読みが面白かったので1巻を読んでみました。表紙からも滲み出る昭和臭そのままに、ちょっと古臭さも感じるけどそれがまた新鮮な味わいを感じさせてくれるラブストーリーです。

80年代文化に精通している人や当時青春を送っていた人にとっては、ノスタルジックな気分に浸かれる描写が随所に散りばめられている作品。
ならそうでない人には楽しめない内容なのかと言うと、決してそんなことはありません。私は最近80年代、90年代のアニメにはハマっていますが、それ以外のことについては世代がズレているためあまり詳しくありません。懐かしのアイドルや当時の文化について紹介している番組から得た一般的な知識ぐらいしか持っていませんが、それでも身悶えしてしまうほどの甘々なラブコメ展開を楽しませてもらえました。
馴染みのない人にとっては新鮮であることはもちろんのこと、なぜか世代ではないのに懐かしさを感じてしまう不思議な魅力がありますね。

主人公・大滝くんの学校での姿は、イケメン、運動神経抜群、イケてるグループに属して女子人気も高いという、いわゆるリア充と言われる男子。
対してヒロイン・薬師丸さんは、学校のクラスでは地味で大人しいことから存在感が薄く、リア充大滝くんとは真逆な位置にいる女子高生です。
クラスのヒエラルキー上位と下位という一見あまり接点を持ちそうにない2人の共通点、それが80年代文化を趣味に持っているという点です。2人とも特定のジャンルに傾倒しているわけではなく、アイドル、歌、玩具、ファッションなど、80年代文化ならあますことなくといった感じに見えました。

とにかくニヤニヤが治まらないシチューエーションの数々に悶えそうになりますね。展開は王道というより古典的と言った方が正しいように思えます。80年代文化をただ楽しむ2人の姿を描いているだけではなく、イチャイチャする2人のラブコメ展開も80年代風のやりとりを見せてくれます。『きまぐれ☆オレンジロード』や『めぞん一刻』あたりの作品を読んだことある人なら分かると思います。
他の誰も知らない2人だけの秘密を2人だけの時間の中で共有し、少しずつ距離が近づいていったことで・・・。当人以上に見てる私の方が恥ずかしくなってくるレベルですね。少女マンガでもここまで甘酸っぱいイチャイチャはなかなか見れません。

2人ともかわいいけど特に薬師丸さんの可愛さは強烈。学校では大人しく影を潜めている薬師丸さんですが、誰にも邪魔されない趣味の時間になると普段の彼女はどこへやら、とてもイキイキした表情で喋りも饒舌になります。仕草もいちいち可愛いから大滝くんにとっては困りものですね。
2人は大滝くんに渡された「ポケベル」を連絡手段にしてます。この誰かとのやりとりが手早く簡略化している時代の中で、鳴らないポケベルにもどかしさを感じる少女の姿を見ることになるとは思いもしませんでした。さらに、ポニテの前髪いじられて「やっ・・・!」とか、ほんとなんなんでしょうね・・・。

純粋なラブコメを堪能させてもらえたので大満足。終始甘酸っぱく、そしてもどかしい2人のやりとりが展開されています。こんなピュアな高校生を私は見たことありません。
舞台は現代でありながら全体的に80年代風を徹底した内容で、タイトル通りスローモーションのように流れる2人の時間に頬がゆるみっぱなしになる作品でした。
思春期の恋愛に80年代文化というスパイスを加えた赤面必至のボーイミーツガールです。古典的で古臭さを感じる内容ですが、もしかしたら1週廻って現代の最先端なのかもしれませんね。とても面白かったのでこれからにも期待してます。


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プロフィール
ハネ吉さんの画像
ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
プロフィール
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