2016年10月08日
漫画『群青にサイレン』1巻の感想とあらすじ
『群青にサイレン』1巻の感想。
群青にサイレン
著者:桃栗 みかん
掲載:マーガレットコミックス
1巻発売日:2015年11月25日
小学生時代、野球クラブのピッチャーを目指して日々練習に励んでいた吉沢修二。しかし、ある事件を起こしてしまったことによって、中学ではあれほど情熱を燃やしていた野球から遠ざかっていた。
当時、東京から越してきたイトコの吉沢空を野球に誘うも、いつしか自分より上達していた彼にエースの立場を奪われてしまった。これまで自分が居た場所を次々失っていくことは、修二の中に焦りと嫉妬を生み出すことになり、それが元で野球をやめる原因になったある事件を引き起こすことになる。
その後、空はイギリスへ引っ越して行き、事件から3年も経過していたことで落ち着きを取り戻していた修二。だが、高校入学式の日、修二の前にイギリスにいるはずの空が現れる。野球部に誘われた修二は、昔とあまり体格が変わっていない今の空になら勝てると考え、再び野球を始めることになったのだが・・・。
過去に起こしたある出来事によって打ち込んでいた野球から離れていた主人公が、その原因となったいとこの少年と高校の入学式で再会し、歪んだ思いを抱きながら共に野球部に入部するのだが・・・といった話です。
なんか見覚えある絵だなと思ったら、『いちご100%』『初恋限定。』の著者・河下水希さんが別の名義で描いてる作品だったんですね。
画力に関しては抜群なのですが、この作者さん特有のエロさは皆無でした。そもそも女性キャラがほとんど登場しませんので。
女性誌でここまでガチな野球漫画というのも珍しいですね。少年誌や青年誌に掲載されていてもおかしくない内容だと思います。
最初は野球に恋愛を交えた青春漫画になるのかなと予想していましたが、1巻では男女の甘酸っぱい展開は全く発生しませんでした。亜子という修二の妹は出てくので女性キャラ皆無というわけではないようですが、ヒロイン的なキャラは不在です。あえてヒロインらしいキャラをあげるとするなら、空(男)かな?見た目は小柄で可憐な少女にしか見えない美少年ですからね。
吉沢修二はダークな思考と豆腐のようなメンタルの持ち主という、スポーツ漫画ではあまりお目にかかることのない主人公。表紙の彼は精悍な顔立ちで一見爽やかな少年にも見えるのですが、1巻でそういった主人公っぽさは一切感じられませんでした。空に負けた悔しさをバネに猛特訓することもなく、あっさりハートブレイクして野球から去っていたようで、再会した小柄なままだった彼を見て、体格の優位性から今なら勝てるかもなんて理由で復帰する主人公ですから。
嫉妬心などの負の感情が少し強すぎるきらいはあります。ですが、その辺はむしろ人間クサさを強く感じさせる一面とも言え、現状好感は持たれ辛くても多少共感は得られるかもしれませんね。
空は男キャラとしてはあまりに可愛すぎる容姿を持ち、勉強・スポーツどちらも得意、さらに性格も明るく、修二とは逆に好感は持たれるけど共感はされ辛いキャラだと思います。修二の空に対する負の感情から生じた執着とはまた別の執着を修二へ向けています。小さい頃に仲良くしてくれたこと、野球に誘ってくれたことなどから慕う気持ちも当然あると思いますが、それとは別の何かを腹にかかえてそうな気もしなくはないです。
1巻ラストでは無精ヒゲ監督によってまさかの展開を見せ、見てると痛すぎる修二が今後どう成長していくのかは非常に気になります。爽やかさは今のところあまり感じられませんが、青臭すぎるほどの青春モノになる可能性は十分あると思います。
多くの人が多かれ少なかれ味わった敗北、挫折、嫉妬などの経験、そこから芽生えた負の感情を剥き出しにしたような人物を主人公に置き、今後の展開で野球や空、仲間たちを通じてどのような成長と変化を見せてくれるのか、とても楽しみにさせてくれる1巻でした。
【eBookJapan】 群青にサイレン
↑無料で立ち読みできます
群青にサイレン
著者:桃栗 みかん
掲載:マーガレットコミックス
1巻発売日:2015年11月25日
小学生時代、野球クラブのピッチャーを目指して日々練習に励んでいた吉沢修二。しかし、ある事件を起こしてしまったことによって、中学ではあれほど情熱を燃やしていた野球から遠ざかっていた。
当時、東京から越してきたイトコの吉沢空を野球に誘うも、いつしか自分より上達していた彼にエースの立場を奪われてしまった。これまで自分が居た場所を次々失っていくことは、修二の中に焦りと嫉妬を生み出すことになり、それが元で野球をやめる原因になったある事件を引き起こすことになる。
その後、空はイギリスへ引っ越して行き、事件から3年も経過していたことで落ち着きを取り戻していた修二。だが、高校入学式の日、修二の前にイギリスにいるはずの空が現れる。野球部に誘われた修二は、昔とあまり体格が変わっていない今の空になら勝てると考え、再び野球を始めることになったのだが・・・。
過去に起こしたある出来事によって打ち込んでいた野球から離れていた主人公が、その原因となったいとこの少年と高校の入学式で再会し、歪んだ思いを抱きながら共に野球部に入部するのだが・・・といった話です。
なんか見覚えある絵だなと思ったら、『いちご100%』『初恋限定。』の著者・河下水希さんが別の名義で描いてる作品だったんですね。
画力に関しては抜群なのですが、この作者さん特有のエロさは皆無でした。そもそも女性キャラがほとんど登場しませんので。
女性誌でここまでガチな野球漫画というのも珍しいですね。少年誌や青年誌に掲載されていてもおかしくない内容だと思います。
最初は野球に恋愛を交えた青春漫画になるのかなと予想していましたが、1巻では男女の甘酸っぱい展開は全く発生しませんでした。亜子という修二の妹は出てくので女性キャラ皆無というわけではないようですが、ヒロイン的なキャラは不在です。あえてヒロインらしいキャラをあげるとするなら、空(男)かな?見た目は小柄で可憐な少女にしか見えない美少年ですからね。
吉沢修二はダークな思考と豆腐のようなメンタルの持ち主という、スポーツ漫画ではあまりお目にかかることのない主人公。表紙の彼は精悍な顔立ちで一見爽やかな少年にも見えるのですが、1巻でそういった主人公っぽさは一切感じられませんでした。空に負けた悔しさをバネに猛特訓することもなく、あっさりハートブレイクして野球から去っていたようで、再会した小柄なままだった彼を見て、体格の優位性から今なら勝てるかもなんて理由で復帰する主人公ですから。
嫉妬心などの負の感情が少し強すぎるきらいはあります。ですが、その辺はむしろ人間クサさを強く感じさせる一面とも言え、現状好感は持たれ辛くても多少共感は得られるかもしれませんね。
空は男キャラとしてはあまりに可愛すぎる容姿を持ち、勉強・スポーツどちらも得意、さらに性格も明るく、修二とは逆に好感は持たれるけど共感はされ辛いキャラだと思います。修二の空に対する負の感情から生じた執着とはまた別の執着を修二へ向けています。小さい頃に仲良くしてくれたこと、野球に誘ってくれたことなどから慕う気持ちも当然あると思いますが、それとは別の何かを腹にかかえてそうな気もしなくはないです。
1巻ラストでは無精ヒゲ監督によってまさかの展開を見せ、見てると痛すぎる修二が今後どう成長していくのかは非常に気になります。爽やかさは今のところあまり感じられませんが、青臭すぎるほどの青春モノになる可能性は十分あると思います。
多くの人が多かれ少なかれ味わった敗北、挫折、嫉妬などの経験、そこから芽生えた負の感情を剥き出しにしたような人物を主人公に置き、今後の展開で野球や空、仲間たちを通じてどのような成長と変化を見せてくれるのか、とても楽しみにさせてくれる1巻でした。
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