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2019年05月23日

寒冷化の再来と世界史の変貌 



 


 


 実は「温暖化の産物」だったモンゴル巨大帝国の続編


 寒冷化の再来と世界史の変貌




 〜前回で見た様に、モンゴル帝国の建設と繁栄の前提に温暖化があった。では、その前提が崩れた時、歴史はどう動いたのか〜


 14世紀と17世紀に訪れた2度の世界史的な危機の影響に付いて『教養としての世界史の学び方』(共編著)を上梓した岡本隆司氏が解説する。


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          岡本 隆司氏 京都府立大学文学部教授


 




 寒冷化の再来と世界史の変貌


 14世紀以降、地球は寒冷化に向かいます。そこで起こった数々の混乱は、ヨーロッパの歴史学において「14世紀の危機」と呼ばれて居る現象で特に「黒死病(ペスト)」が有名です。
 ヨーロッパばかりではありません。モンゴルが被った影響も大きく、これで帝国は解体し消滅しました。ユーラシアの統合は愚か、西アジア・中央アジア・東アジア夫々の政権による地域内部の統治さえ、維持出来無く為るのです。


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               ペストの蔓延


 




 寒冷化で痛め着けられた世界の中でも、中央アジアの立ち直りは早かった様で、ティムール朝が興起します。ティムール朝はモンゴル帝国の統治システムを殆どそのまま援用し、遊牧民と商業民が分業しながらタイアップし繁栄を誇りました。
 処がこの政権も短命で、15世紀に北方の遊牧勢力に滅ぼされると、中央アジアを包含する巨大なユーラシア統合の時代は終焉を迎えます。人類の歴史上でもこれがホボ最後と為りました。

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                 ティムール朝

 遊牧民・商業民・農耕民の分業と提携で広域統合を果たすのがモンゴル帝国やティムール朝のシステムだとすると、16世紀以降、その後継政権に相当するのはオスマン帝国・イランのサファヴィー朝・インドのムガール朝等です。ヤヤ遅れて17世紀の東アジアの清朝を含める事も可能でしょう。


 




 何れも遊牧起源の人々を中心に勃興した政権ですが、複数の集団を支配する君主は多数派を占めるには至って居ません。オスマン帝国はトルコ系の君主を中心にギリシア人・アラブ人を統治しましたし、サファヴィー朝もトルコ系遊牧民が大多数のイラン人を支配し、ムガール朝はペルシア=トルコ系のムスリムがヒンドゥーの人々を治める形でした。成程モンゴル帝国の遺制に間違いありません。
 しかし大きく違うのは、それ迄ユーラシア史を牛耳って来たシルクロード上の境界地域との関係が何れも希薄に為って居る事です。シルクロードの幹線を占めて居た中央アジアが地盤沈下したと言い換える事も出来ます。


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               オスマン帝国の領地の拡大


 




 16世紀以後は最早中央アジアにヘゲモニーは無く、オスマン帝国サファヴィー朝もムガール朝も、そして東アジアの明や清海の方にベクトルが向いて居ました。政権の出自は遊牧世界でも、興隆のエネルギーを得て居たのは海からに他なら無かったのです。


 地中海とシルクロードの凋落


 それでは、そんな16世紀以降の世界を持たらす転機に為ったのは一体何か。所謂大航海時代です。寒冷化は「黒死病」を初めとして、地中海・ヨーロッパを痛め着けました。そこからルネサンス・近代が出発します。以上は世界史の常識ですが、以下は少し非常識な事かも知れません。
 都市国家と商業資本を中心としたイタリア・ルネサンスは、シルクロードの文明と近似するアジア史の継承形態です。地中海世界がそもそもローマ・イスラームを受けたオリエントの一部でした。ローマがギリシアの分派であり、ギリシアがシルクロードの最西端に位置するシリアの分派だったからです。 

 草原のシルクロードは、馬を使えば速く往来出来ます。地中海は船を使う事で効率的な航行が可能です。詰まり、シルクロードと地中海上は点と点を結んでホボ同じ役割を果たして居た訳で、両者はシリアを中継点に1本のハイウェイで繋がって居ました。
 ルネサンスの成果に、地球球体説の提唱航海技術の向上があります。その知識・技術を前提として、15世紀末にコロンブスが西回りの航海に出てアメリカ大陸を「発見」しました。こうして大航海時代が始まります。


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 この大航海時代は、地中海の位置付けを決定的に変えました。世界のハイウェイとしての意味を失って、ローカル線と化したのです。イタリアが凋落したのもその為です。丁度同じ時期、中央アジアでティムール朝が滅びシルクロードが地盤沈下して居ます。恐らく偶然ではありません。
 交通の幹線と世界史の舞台が海洋に変わったと云う事です。こうしてアジア史も海によって規制される時代に突入したのです。所謂「新大陸」のアメリカを手に入れた以降の西欧は、只管(ひたすら)近代化・強大化のプロセスを辿りました。これは2段階に分けて考えると判り易いでしょうか。

 先ず16世紀の大航海時代です。スペイン・ポルトガルが先鞭(せんべん)を着け各地に植民地を設けて、アメリカ産の銀でアジア物産を買い捲(ま)くった時期です。インドからは綿織物、中国からは生糸や茶と云った具合で、ヨーロッパはその一方的な購買者・消費者でした。ヨーロッパは寒冷地なのでこうした産物が出来なかったのです。
 担い手はヤガテ、オランダ・イギリスに代わります。戦国から江戸の日本で、南蛮から紅毛に交替したのを思い浮かべて頂くと好いでしょう。

 更に転機に為ったのが「17世紀の危機」です。これは大航海時代の後に、火山の噴火等で訪れた世界的な寒冷・不況期を指します。世界中何処も等しくこの「危機」に直面したのですが、そこで突出した動きを見せたのがヨーロッパ、特にイギリスです。
 イギリスは所謂「危機」に対処する中で、銃火器の採用とそれに応じた軍隊の革新・軍事革命を達成し「財政軍事国家」を形成しました。新しい軍隊の維持運営に掛かる膨大な費用を賄う為、財政が巨大化した国家を形成したのです。
 それに留まりません「財政軍事国家」は民間の経済発展をも促し、加えて科学革命による技術革新を活用して産業革命が成就しました。


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 アメリカも単なる銀の供給地では無く為って来ます。アフリカから黒人奴隷を北米大陸や西インド諸島に運びそこで収穫した綿花や砂糖等をヨーロッパに運び、ヨーロッパから鉄砲や綿布等をアフリカに持ち込む三角貿易です。イギリスはこの貿易でアジア物産購入の費用を捻出した訳で、グローバルな世界経済は既に形成されて居ます。
 ヤガテ軍事革命による植民地征服と産業革命による工業製品輸出で、アジア貿易も黒字に転じました。19世紀は西洋の世界制覇の時代と為ります。


 近代西洋史観と現代


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               産業革命


 




 以後の近代史・世界史は、世界の西洋化であって現代の我々にも直結する歴史です。「17世紀の危機」を含む地球の寒冷化がその出発点に位置して居ました。産業革命以後、機械制工業と化石燃料の利用が普及し、それは今も続いて居るので、気候変動が及ぼした歴史的な影響は、我々には感知し難く為りました。

 季節・気温の変化に伴う生態環境の条件、それが持たらす生産・流通のサイクル、社会の在り様は何れもそうです。ソモソモ科学革命から産業革命に及ぶ近代化とは、ヨーロッパによる自然征服・寒冷化克服のプロセスでしたから当然かも知れません。
 近代の欧米が世界を制覇した事で、その制度・ルール・観念がグローバル・スタンダードに為り、今日に至って居ます。その為「世界史」と云えば近代西洋史観が中心に為り、アジアがヨーロッパの「ネガティブ形態」としてしか捉えられ無く為りました。気候変動と生態環境に応じてアジアが築いて来た多くの史実は、現代人が理解し難いものに為ってしまったのです。


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                イタリア・ルネサンス


 イタリア・ルネサンスが西洋近代の源流だとしますと、それはアジア史の分派ですので、西洋を見るに当たっても、アジア史に対する正確な理解が必要に為る筈です。しかし、現代の西洋中心史観では必ずしもそうは為って居ません。


 




 以上に見て来た通り、アジア史は軍事・経済・政治の各セクターを夫々異なる種族・集団が担うシステムを取って居ました。互いに異なる言語・習俗・技能でまとまった遊牧民・商業民・農耕民が互いに分業しつつ提携して居たのがアジアだったと言えます。
 気候変動に左右される生態環境から、多元的・複合的な制度を導入し、多種多様な集団が共存出来る体制を作り上げて来たのです。

 それに対して、近代の欧米は国民国家をスタンダードにして居るので、均質一体化の体制が前提です。アジア史で通例の多元性・複合性が欠如して居て、その欠如した構造を自明の前提として、現代の歴史学・社会科学が組み立てられて居ます。最新の「グローバル・ヒストリー」でも、アジア史・世界史が十全に理解出来無い所以(ゆえん)です。
 現代の新興国の台頭に対しても、こうした視点は重要だと思います。所謂新興国は、中国にせよインドにせよ、過つてアジア史を構成して来た国家です。西洋化・近代化を経たと言え、その基盤には歴史的な多元的・複合的な体制がある筈で、そこを見誤ら無い事が変転常無い現代世界に向き合うのに不可欠では無いでしょうか。


 岡本 隆司 :京都府立大学文学部教授

              以上


 





 【管理人のひとこと】


 中央アジアで勃興したモンゴルがユーラシアを席巻した切っ掛けは、寒冷期から温暖化への転換期でした。そして、彼等を衰退させたのが再びの寒冷化だったのです。黒死病・ペストがユーラシア大陸を蔓延します。今度は、寒冷化に伴うウイルスが原因です。
 モンゴル帝国⇒ティムール帝国と変遷し、やがてシルクロードは彼等の衰退と共に地盤沈下し趨勢の文化は西へと移動し、後継として、オスマン帝国・イランのサファヴィー朝・インドのムガール朝へと変遷します。更にシルクロードと地中海で結ばれたルートから更に西へと動き、海の時代の大航海時代へとバトンタッチされて行く・・・遠大なロマンを旅する様なお話でした。

 そこかに始まる近代史は、今に続く現代史引き継がれるのですが、文化の主流はヨーロッパへと完全に流れ、アジアは影の歴史へと追いやられます・・・それは、地球の温暖と冷却化の影響を受けた大きな歴史のリズムなのでしょう・・・



 




 




 


何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その5



 

 


 何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その5


 これ迄の40年間で日本では核発電設備が次々と建設されて来ました。その結果、合計の発電量は毎年大きく為って来て、2010年現在はピークに為っています。(この様な直線的な伸びは、自由経済では考え難い現象で、核発電が官僚主導の計画経済として推進されて来たことを物語っています)


 5 原発の寿命


 核発電設備には寿命があります。世界的には30年と言われて居ます。何故寿命があるかと云うと、普通の火力発電設備は部品を取り替えて居る内に全部が新品に為ったりして寿命は無限です。ボイラーでもタービンでも半年も休止すれば交換出来ます。ですから、一度火力発電所が建設されたらズッと発電し続ける事が出来ます。

 しかし核発電の設備は部品交換が出来ません。圧力容器や格納容器等の主要部品を交換しようとすると、何年も冷やして放射能が落ちて来る迄作業が出来ません。その間ズッと発電せずにそこに立って居る訳ですから、新しい場所に新設し無ければ為ら無いのです。

 30年と言われて居た寿命を延ばして、日本では40年使うことにして来ました。更に福島では40年が過ぎても使って居て、地震の揺れで津波が来る前に配管がズタズタに為りました。
 核発電設備の寿命は40年。政府や電力会社が安全を言うなら、今後はこれは厳守されねば為りません。すると、今後の40年でこれ迄の40年間に作られて来た核発電設備が次々に寿命を迎えます。これまで40年間に新設して来たのと同じペースで廃炉に為りますから、今後新設が無ければ次の40年間で2050年に日本の核発電はゼロに為ります。


 




 もし2010年のピークを維持したいと思えば、今後40年間に廃炉に為る分をソックリ新設し無ければ為りません。詰まり、これ迄40年間に作って来たのと同じペースで核発電設備を新設し続ける事で、要約現状を維持出来るのです。
 ましてや政府の核発電政策は、更に核発電を増やして総発電量の40%〜50%にしようと云うものです。その為にはこれ迄の40年に倍する核発電をドンドン新設し続けねば為りません。

 このことは政治家や評論家を含めて多くの人々に取って盲点と為って居ます。何もしなければ現状が維持出来ると思って居る人が殆どですが、そうでは無くて、何もし無ければ核発電は消えて無く為ります。
 NHKテレビの報道ですが、核発電を増やすべきだと云う人は1%しか居ません。「減らすべき47%」と「全廃18%」で65%の人が核発電を減らす事を望んで居ます。しかし「現状維持27%」の中には、何もし無ければ維持出来ると思って居る人が居て、今迄と同じ様に作り続け無ければ現状維持は出来ないと云う事を知ら無い人が多いと思われます。
 そう云う人々も「減らす」に勘定すると、国民の80%以上の人が核発電を減らすべきだと考えて居る事に為ります。


 




 この様に、福島の惨状を見て国民の多くが核発電の縮小廃止を求めて居ますから、現状維持等出来ず、増してや増設等出来ません。即ち、2030年に電力需要の40%以上を核発電で賄(まかな)おうと云う政策は実現不能です。逆にこのままでは早晩、核発電の比率は20%を切り10%に落ちて行きます。
 そう為ると、事故の危険を冒(おか)して足ったの10%では一体何の為に遣っているのか、何の意味があるのかと云う事に為るでしょう。詰まり、既に政策は破綻して居ると云う事です。

 世界の核発電の発電設備容量と世界の太陽光や風力での発電設備容量ですが、地球温暖化防止の切り札の様に言われた割には核発電は全く増えて居ません。太陽光や風力は2000年頃までは横ばいでしたが、21世紀に為って急加速し、2010年に遂に核発電の発電設備容量を追い越しました。これが世界のトレンドです。日本では全くと言って好い程遣っていません。
 特に洋上での風力発電はヨーロッパで有力視されて居て、2010年以降、急速に拡大しようと云う意欲的な計画があります。


 




 核発電の歴史 増殖炉の失敗

 今から60年程前に核発電は人類の夢のエネルギーとして登場しました。しかしそれは結局は一時の夢でしかありませんでした。核発電には全く将来がありません。核エネルギーが夢のエネルギーと思われたのは、燃料がホボ無限だと云う話だったからです。
 核分裂するウラン235はウラン全体の1%しか無く、99%は核分裂し無いウラン238です。ウラン235しか使え無いならウラン資源は直ぐに枯渇してしまいますが、増殖炉では炉の中でウラン238がプルトニウム239に変化し、プルトニウムは核燃料に為るので核燃料が増殖して行きます。それを再処理すれば核燃料は幾らでもリサイクルされて増加すると思われて居ました。

 しかし増殖炉は技術的に難しく、世界中が既に撤退してしまいました。日本だけが「もんじゅ」を遣っていますが、一度再開した途端に炉内に金属部品を落として抜け無く為ってしまい、核反応炉の中は燃料が一杯で止めも出来ず只冷やし続けるだけで電気も出来無いと云う、全く危険でバカバカしい状況に為り、担当課長が自殺した程です。
 その金属部品は要約回収されましたが、稼働の見込みは建って居ません。増殖炉の冷却剤は10年前に爆発したナトリウムですから、何時又爆発大火災に為るかも知れません。今度爆発が起きれば、炉内にプルトニウム燃料が沢山充填されて居ますから大変な事に為ります。

 「もんじゅ」が福島の様に為ると、プルトニウムが大量に入って居ますから、日本の殆どが疎開対象に為ります。こう為ったら日本は終わりです。


 




 夢のエネルギーである為には、核燃料をリサイクルして使う必要があります。その為の施設が青森県六カ所村の再処理工場です。しかし工事が遅れ金額が嵩(かさ)み、再処理は技術的にも未完です。そして、もんじゅが成功し無ければ核燃料サイクルは出来ませんから再処理する事に意味が無く為ります。
 残る意味は、使用済みの核燃料を廃棄する為の処理工場と云う事ですが、それも又、ハッキリとした方法が決まって居ません。その内日本中が使用済み核燃料で溢れ返ります。今福島でプールに入って居るだけでも相当の量に為ります。それが各地の核発電設備でドンドン溜まって行きます。

 野田政権は、核発電の新設はしない寿命が来たものは廃炉にする20年で核発電を無くす、と云う方針ですから、額面通りだとすれば「もんじゅ」も「再処理」も今や無用のものです。予算も削られ始めています。54基の核発電の敷地内に沢山の核廃棄物が山積みに為って居ます。ヤガテ、日本のアチコチで核廃棄物の山が出来るでしょう。


 



 〜平成のバカな先祖の置きみやげ これより先は立ち入るべからず〜


 そんな看板が立つ廃棄場が日本中に溢れます。これは子孫に対する犯罪です。フィンランドでも核発電の新設で、核廃棄物をどうするかが問題に為って居ます。開けるな、近寄るな、と云う警告の看板を立てるにしても、10万年後にこの地域に住む人々はフィンランド語が読めるだろうかと真剣に議論されて居ます。この「10万年後の安全」と云う映画は今全国で順番に上映されています。



 まとめ


 まとめるとこの様に為ります。核発電は「安くて、安全で、必要で、地球温暖化防止に為り、政策は着々で、将来性がある」、と云う事で推進されて来ましたが、ここ迄述べて来た様にその様な話は全て虚構でした。
 これ等は数値で比較出来る「ダメな理由」ですが、他にも、健康被害、労働搾取、危険な労働、データの捏造、事故隠し、やらせ、地元民の分断支配、不正選挙、買収工作、権力による冤罪捏造、倫理の欠如等、数値化出来ない反社会的な要素が多々あり、核発電は日本中に、アリトアラユル悪徳をばら撒いて来たと言っても過言ではありません。


 では、何で未だ核発電を遣っているのでしょう。本当に不思議ですね・・・


              完結


 

  


                           

何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その5




 




 何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その5 



 5 原発は熱効率が悪く地球をより温暖化する  


 アル・ゴア米国元副大統領の「不都合な真実」と云う映画で、CO2が地球温暖化の原因だと言われ、二酸化炭素の排出を減らすには化石燃料を燃やさ無い核発電が好いと云う説が、実(まこと)しやかに言われて居ます。
 しかし二酸化炭素説は科学的に確定した話ではありません。因果関係は逆で、太陽等の活動によって地球が温暖化した事で海中から二酸化炭素が放出されて増加したのだと云う説もあります。又、地球は寒冷化に向かって居ると云う説もあります。地球温暖化説や二酸化炭素説の真偽は別にして、実際は核発電は地球を加熱して居ます。


 




 熱効率の低い原発


 例えば、最新の火力発電は熱効率が50%近くあり、利用されたエネルギーと捨てられたエネルギーがホボ等しいので、割った値は1に為ります。そして、熱機関の効率が過去300年間直線的に上昇して来たことが分かります。
 処が核発電はその上昇ラインから外れて、効率が悪く人類のトレンドに乗って居ません。折角の核エネルギーで只お湯を沸かして居るだけでは利用方法としてセンスが無く、その上、核燃料棒のジルコニウムの被膜が高温に耐えられ無い事から、核発電は300度C以下で運転されて居ます。その為、熱効率は33%しか無く67%が捨てられて居ます。
 利用したエネルギー(33%)と捨てたエネルギー(67%)の比率は0.5に為ります。一方、新鋭火力発電所は500度C以上の高温で運転されて居ます。核発電は効率が悪いのです。

 二酸化炭素説を認めたとしても、核発電は地球温暖化を抑止しては居ません。効率が悪いからです。核発電で100万kwを発電する為には300万kw分の熱が必要で、200万kwが海に捨てられます。新鋭火力発電なら200万kwの熱で100万kwの発電が出来、捨てるエネルギーは100万kwと半分で済みます。
 又、核発電は消費地から遠い所に作られるので、送電ロスが大きく6%位に為りますから、都会で100万kwを得る為には発電所で106万kwを発電し無ければ為りません。しかも核発電は途中で止められず、電力需要が減る夜間でも夜通し運転し続け無ければ為らず夜通し排熱を出して居ます。
 又、海水温が上昇すると海水に溶けて居た二酸化炭素が放出されますから、余り二酸化炭素の削減にも為りません。


 




 世界は既に原発不要のトレンドを迎えている

 核発電を増設して、電力需要の大きな部分を原発で賄うと云う日本政府の長年の政策目標は実現不能に為って居ます。先ず、これは世界の核発電建設の歴史ですが、1980年代までは急増して来ましたが、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故でブレーキが掛かりそのまま急降下して来ました。
 そして最近、二酸化炭素排出を減らす為に原発を再度推進しようと云う動きがあった中で、今回の福島の事故です。核発電への期待は一気に冷えました。同時に、二酸化炭素が地球温暖化の主因だと云う説の怪しさも露呈されて来ました。世界的には、少なくとも先進国では核発電はもう終わって居ると云う事です。


 その6につづく


 





何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その4




 何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その4


 




 4 地震は勿論 万が一の津波にも対処不能



 菅元総理は2011/7月、九州電力の玄海核発電の再稼働に際して、国際基準のストレステストを実施してそれにパスすることと云う条件を着けました。このテストはコンピュータに数値を打ち込んでシミュレーションするテストだそうですが、玄海のガル耐久値は270でしかありませんから受かる訳がありません。これで受かったら何のテストだ?と云う事に為ります。

 地震での津波の高さは、明治三陸38.2M1896年、北海道南西沖30.0M1993年、昭和三陸28.7M1993年で、核発電設備の設計における津波想定高さは最高が中電島根の5.7Mです。
 日本の核発電設備が、この20年間に実際に起きた津波で全て水没する設計であることが分かります。玄海の津波想定高さは3.7mでしかありません。核発電設備が林立する若狭湾では、津波は全く想定されて居ないと言って好いでしょう。

 野田元総理は、定期点検の後に安全が確認された核発電設備は住民の承諾を得て再稼働する、と言って居ますがこんな津波の想定では安全は確認されませんし、政府が安全が確認されたと言っても住民は納得しません。詰まり核発電の再稼働は出来ません。
 浜岡核発電の危険性は、作る時から言われて居ました。地震学者は、アソコだけは核発電設備を作ってはいけ無いアソコに作るのは狂気の沙汰だと警告して居ました。福島で、地震によって核発電設備が脆(もろ)くも崩壊した以上、浜岡で運転を続けるのは自殺行為です。


 




 原発が無くとも電力は足りる


 2011年5月6日、菅元総理は突然記者会見をして浜岡の停止を要請したと発表しました。そして驚いたことに、政府が中部電力に浜岡の停止を要請すると、静岡県知事もトヨタ、スズキ、ヤマハ等の東海地域の有力な企業も挙(こぞ)って政府の決断を英断と称え、中部電力も要請を受けて粛々と浜岡を停止しました。詰まり核発電は止められると云う事です。

 そして浜岡の核発電が全て停止しても、この夏の間、電力不足は起きませんでした。経団連の米倉会長は、唐突だオレは聞いて無い産業をどうする気だと怒っていましたが、経団連に相談して居たら浜岡の停止等出来なかったでしょう。
 産業をどうする気だと怒鳴り散らしても、トヨタやスズキが歓迎して居ますし、浜岡が止まっても電力不足には為ら無かったのですから、米倉会長の発言が単なるコケ脅しであったことは明白です。それに、政府が決めることに、いちいち私企業の連合に過ぎ無い経団連にお伺いを立て無ければ為ら無い等と云うルールはありません。事前に相談されるのが当然だと思って居る米倉会長の心得違い傲慢振りが露呈しました。こう云う人々が核発電の推進派です。

 処で、浜岡を停止してみたら、最新鋭の炉内に海水が400トンも入って居た事が分かりました。何処かに穴が開いていて、それに気付かず運転して居た訳です。大事故に為りかね無い処でした。これをもってしても日本中の核発電で杜撰(ずさん)な管理と運転が為されて居る事が分かります。
 人々は、核発電は危険でも、必要だから仕方が無いと洗脳されて来ました。しかしそれは事実ではありません。核発電が無くても電力不足は起こりません。原発は必要が無いのです。


 




 日本の発電能力の中で稼働しているのは、水力は20%・核発電は63%・火力は50%で、残りは休止して居ます。休止して居るのは故障して居る為では無く、核発電を優先する政策によって核発電以外は止められて居ます。稼働中の核発電が全部止まっても、火力や水力で余裕を以てカバー出来ます。
 又、日本には企業の自家発電が6000万kwの核発電の合計よりも沢山あり、その4割近くが政府の規制の為に遊休して居ます。政策や規制を変える事でこれ等の遊休分も利用する事が出来ます。

 電力需要にはピークがあります。一番のピークは夏場の日中です。しかし今年の夏、核発電の多くが停止して居る中で日本中何処も停電に為りませんでした。国民が節電に努力しガスタービンや自家発電等を緊急に活用する事で夏場のピークを乗り切ることが出来たのです。


 




 将来の需要はどうか

 電力需要は増えません。人口が減って居るからです。2010年をピークに人口は減って行きますから、電力消費はこれからドンドン減少して行きます。又、各分野で省エネルギーが進みます。福島の事故によって国民の節電意識が高まり、省エネ製品が広く使用される様に為ります。
 又、福島の事故を見て子供を作ろうと云う人々が減る事が予想され、人口は予想以上に減る可能性があります。ですから電力需要は伸びず減少して行き、現在の設備能力の3分の1位で済む様に為るでしょう。


 その5につづく


 






何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その3




 




 何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その3



 3 日本独自の原発の危険性が存在する




 3-1 日本は地震が頻発する火山国



 日本の原発には日本独自の危険性があります。先ず地震国であることです。欧米人は日本で地震に会うとビックリ仰天します。欧米から見れば日本中何処でも地震の巣窟です。地震をチェックを入れると、足った1ヶ月で日本列島が隠れる程に地震が起きて居る事が判ります。
 そして既に、日本の核発電は大きな揺れ加速度には対応出来無い事がアチコチで実例が出て居ます。福島第一原発も津波で遣られたと公式には発表されて居ますが、その後に出て来る情報では、地震の一撃で配管が遣られて冷却水が降り注いだこと、津波が来るまでの30分の間に、既に1号基と3号基の緊急冷却装置が作動し無く為って居た事、地震で送電鉄塔が倒れて外部電源を失って居たこと等が言われて居ます。


 




 3-2 日本は人口密集地 
 

 次に日本は人口密集地です。一度事故が起きたら人々が疎開するのに巨額の費用が掛かります。スリーマイルやチェルノブイリは人口が希薄ですから半径200キロ位疎開出来ましたが、日本ではそれは出来ません。
 又、もし福島で大規模な疎開を実行すると為ると、それは新幹線や高速道路も通れ無いと云う事ですから、福島以北の経済が壊滅してしまいます。特に大津波からの復興が絶望的に為ります。地震直後の政府の対応に批判が多くありますが、ドンナ政府でも容易に対応出来る状況ではありませんでした。

 地震多発国で人口密集と産業密集の国に、大した備えも心構えも無しに54基もの核発電設備を作って来たことが間違って居たのです。


 


 

 最近の地震の加速度(ガル)で最高値が4022ガロ(宮城県沖地震)、核発電設備の設計上のガル耐久値の最大値が600ガロ(浜岡3・4号機)です。自動車で追突されたりすると急に突き動かされてガーンと云う衝撃がありますが在れが加速度です。因みに地球が引っ張る加速度(重力加速度)は980ガルです。日本の原発の設備が、この20年間に実際に起きた地震に全く耐えられ無い設計であることが分かります。


 その4につづく


 





何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その2



 何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか? その2



 2 何重にも防護があって決して「絶対に安全」で無い


 




 原発は何重にも防護があって絶対に安全だと関係者は言い続けて来ました。しかし、それは彼等の勝手な「想定」に基づいての話で「想定の外」では全く安全で無い事は見る人が見れば歴然として居ました。
 多くの人が再三警告を発して居ました。しかし経産省も保安院も安全委員会も東電も、そう云う警告を全て無視しました。今頃に為って想定外だったと言って居ますが何の弁明にも為って居ません。

 福島第一原発の3号炉の核爆発ですが、先ず火を吹いて、それから黒い巨大な噴煙が立ち上りました。1号炉の水素爆発と比べれば3号炉の爆発の様子は明らかに違います。1号炉は建屋内に溜まった水素が酸素と化合して爆発したもので、核反応は無関係と考えられて居ます。水素と酸素の化合と云う化学反応のレベルなのでエネルギーの放出もそれ程多くは無く、白い雲が横に這う様に膨張して居ます。
 しかし3号炉では黒い煙が垂直に数百メートル急上昇して居ます。(建屋高さが50メートル)これは原爆のキノコ雲に似て居ます。

 原爆のキノコ雲は、核の内部から放出される強烈な核反応エネルギーによって周囲の空気が強烈に熱せられて火の玉と為り、周辺の空気を吸い込みながら急上昇する為に発生します。それと似た現象が3号炉で起きて居ます。又周辺の可燃物が発火した為に黒い雲と為って居ます。大きな重量物が二つ、吹き上げられて落下して来ています。    

 アメリカの原子力技術者で70基以上の原発を建設して来たグンダーセン氏の見解では、3号炉では先ず水蒸気爆発が起きて、その衝撃で原子炉建屋の上部にあるプールに並べてあった使用済み核燃料の一部が圧縮されて密度が高まり、臨界に達して連鎖反応が急激に起きたのだろうと云う事です。
 3号炉では昨年10月からプルサーマル運転が始まって居ますが、プルトニウムが多いことも連鎖反応が起き易い原因に為ったのかも知れません。


 




 東京の杉並でも年間に換算すると56ミリシーベルトの放射能が検出


 2011年4月7日に東京の杉並区のビルの屋上で、フロアーの上に白い粉が積もって居て、そこに検出器を置くとカカ・・・・と強い連続音と共にメーターは6.39マイクロシーベルトを示しました。そのまま年間に換算すると56ミリシーベルトです。東日本では、放射線障害の前駆症状である下痢や鼻血が多発して居るそうです。

 その3につづく


 







何故 原発はダメ 廃止しよう云うのか?


 

 




 何故 原発はダメ 廃止しよう云うの?



 【管理人】

 
 何故に多くの人達が「原発を即時停止しよう・将来は廃止しよう」と云うのか? 子供達やお孫さんに問われたことは有りませんか? 

 果たして何と答えたかは判りませんが、殆どの人は東日本震災の東電福島第一原発の爆発事故を頭に描き、原発事故の恐ろしさをお話しした事でしょう。そこで、一体何故原発がダメなのかを、誰にでも判り易く基礎的なことより解説する文章をご紹介します。誰もが納得するその理由を取り上げます。



 





 原発は何故ダメなのか



 1 経済的にペイし無い


 原発がダメな第一の理由は、安全性ウンヌンの前に、経済的にペイして居なからです。詰まり採算が合って居ません。ですから原発は、普通の資本主義・自由主義の経済の枠組みの中には存在出来無い筈のもの。
 政府発表のエネルギー白書で、原発(核発電)の発電コストは1kwh当たり5〜6円で他の方法より可なり安く為って居る。しかしこれがウソなのです。経産省がどうしてこんなウソを着くのでしょう。原発行政が根本から歪んで居る証拠です。

 電力会社が原発の建設を申請する時、経産省に提出した申請書の中に記載した発電コストの集計では、1980年頃の申請に7円位と云うデータがありますが、後は全部10円以上で平均して15円位に為って居る。詰まり電力会社自身が15円位だと言って居る。
 それなのに経産省は、核発電の発電コストは5円から6円だとエネルギー白書に書いて居る。本当にどうしてそんなウソを着くのでしょう。正しく書くと、既に他の方法に負けて居る。しかしそれだけではありません。原発にはもっとコストが掛かって居るのです。

 先ず、通常の経済活動では万一の為に保険に入ります。しかし原発は事故が起きた時の保険に加入して居ません。一旦事故が起きると賠償金が余りに莫大に為るので、保険会社が保険を引き受けられ無いからです。
 政府が国策で核発電を推し進めた時、電力会社は事故が起きたら大変で保険会社も引き受け無いからと嫌がりました。そこで政府が、事故が起きたら政府が払うから保険に入ら無くて良いと云う法律を作ったのです。

 しかしそれはペテンです。原発事故で損害を被るのは国民で、政府の金は国民の税金です。国民が国民に補償しても何の意味もありません。福島の事故では、メリルリンチ日本証券の資産では48兆円位の賠償額に為ると云う事です。これ迄の40年間の原発で作った電力の総量が6兆kwh位ですから、1kwh当たり8円の負担に為ります。

 次に、核燃料の残渣(ざんさ)の廃棄処理のコストが未だ計上出来ていません。どの位の費用が掛かるか「分から無い」と云うのが本当の処で、技術的に可能かどうかさえ未だハッキリして居ません。出来たとして7円/kwh位掛かると云う説もあります。それ等を合計すると原発の発電コストは30円/kwh位に為ります。

 するとこう為ります・・・これでは火力や水力と全く競争出来ません。火力や水力を増やした方が経済的です。この様に核発電は全く経済的にペイして居ないのです。


 次につづく


 




朗報!山本太郎「れいわ新選組」への寄付金が1億円突破!




 朗報!山本太郎「れいわ新選組」への寄付金が1億円突破!


 https://85280384.at.webry.info/201905/article_181.html



 2019/05/19 00:16 半歩前へ より引用します




 朗報! 山本太郎「れいわ新選組」への寄付金が1億円突破!



 山本太郎の「れいわ新選組」への寄付金総額が1億円を突破し1億200万円に為った! 太郎がこの動画で明らかにした。山本太郎は言った。

 「今の段階でここまで来たら3億から5億は見通せると思っている。3億円集まれば参院選で10人の候補者を擁立出来る。5億円なら2人区以上の選挙区に25人擁立出来る。
 これで頭打ち?トンでも無い。ここまで来たら勢いが着くので3億〜5億が見通せると思って居る。でも、私に寄付して下さった人達は決してお金持ちでは無い。昼ご飯今日は外で食べようと思って居たのを1回止め様とか、本当は靴を買おうと思ったが諦めて延期・・・そんな、ナケナシの1000円・500円・1万円、夫々出来る事で皆さんのお力を借りて1億200万円を超えた状況だ。

 続きはここをクリック・・・https://www.youtube.com/watch?v=mW9CPaQzxr0


                以上




 【管理人のひとこと】


 好く頑張ってます、好かった! この元気で全国を廻ってください・・・陰ながら応援します。山本氏の文章を次に紹介します。是非とも読んで頂きたい。お願いします!


 つづく


 





「憲法9条2項を削除すべき」と主張するハト派  田原氏が説明



 




 ジャーナリストの田原総一朗氏が語る


 「ハト派の論客が憲法9条2項を削除すべきと主張」

 その理由を解説する


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                田原総一朗氏


 2017年の憲法記念日から、安倍晋三首相は憲法改正を打ち出して居る。9条1項2項には手を着けず、自衛隊の存在を明記するのだと云う。私は、現状では憲法改正は難しいと思う。自民党議員達も憲法改正を唱えて居るが、本音では国民を説得するのは難しいと考えて居るのではないか。何人もの自民党議員に確かめたが、誰も自信は示さ無かった。
 国民の半数以上が、改憲に消極的だと捉えて居るからである。多くの国民が、現憲法があるから日本の平和が維持出来て居ると考えて居るのであろう。だからこそ、池田勇人以後の自民党の歴代首相は、誰一人憲法改正を打ち出さ無かった。

 処が、言わばハト派中のハト派である筈の、井上達夫氏(東京大学大学院教授)と伊勢崎賢治氏(東京外国語大学大学院教授)が、何と憲法を改正すべきだ、と強く訴えて居るのである。しかも両者共、憲法9条2項を削除すべきだと主張して居る。安倍首相も怖がって手をつけ無かった問題である。



 




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          井上達夫氏(東京大学大学院教授)


 井上氏は「9条2項がある為に、安全保障政策に付いての実質的議論が棚上げされ、9条解釈の〈神学論争〉に磨り替えられて来た。更に2項で『戦力を保持しない』と明記して居る為に、戦力統制規範、詰まり戦力が濫用され無い様に、戦力の編成方法や行使手続きを統制する規定が憲法に盛り込まれて居らず、現状のままでは自衛隊を戦場に送り出すのは危険極まり無い」と云う。


 




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          伊勢崎賢治氏(東京外国語大学大学院教授)


 又、伊勢崎氏は「自衛隊には『軍法』や『軍法会議』と言った、戦争犯罪や隊員の過失を裁く仕組みが無く、PKO等で隊員が誤って交通事故を起こした場合でも裁判に掛ける事が出来無い為、深刻な外交問題を引き起こす。だから戦場に出るのは愚か、PKO部隊としても〈使え無い〉のだ」と強調した。

 詰まり、改憲をしないと自衛隊は憲法違反であるばかりか、国際法にさえ違反する存在だと云う訳だ。では、9条2項を削除してどう変えるのか。井上氏は説明する。


 




 「戦力統制規範の中身としては、最低限中の最低限の規定として文民統制の規定が必要です。今の憲法には『文民条項』と呼ばれる66条2項がありますが、これは内閣総理大臣は文民で無ければ為ら無いと規定して居るだけ。
 文民である首相が軍隊の最高指揮命令権を持つ、とハッキリ書いて初めて文民統制規定に為るのですが、9条2項がある限り今の憲法では規定出来ません。
 それから、武力行使には国会承認が必要だと規定するべきです。但し事後承認では駄目です。事後と云う事は既に戦争に突入して居ると云う事。戦争を始めてから、国会の承認を得られ無いので撤退する等と云う事は不可能です。だから、武力行使の〈事前〉に国会が承認する必要があります。
 只、この場合の〈事前〉とは、何も他国の武力攻撃を待って、その後で悠長に国会で議論すると云う意味ではありません。もっと前の〈事前〉です。他国が日本を攻撃する意図を持ち、準備を始めて居ると云う明白な証拠を政府が国会に提出します。
 国会がそれを精査し、その通りだと判断すれば、他国が攻撃に着手したら間髪入れずに防衛出動を命令出来る様、決定して置くのです」

 こうした両氏の主張を、私がトコトン問うた『脱属国論』(毎日新聞出版)を刊行した。説得力のある主張である。是非読んで頂きたい。



 ※週刊朝日  2019年5月31日号


                  以上



  






 【管理人のひとこと】


 我が国は、憲法で「軍隊」を待た無いとハッキリと銘記して居る。故に自衛隊は軍隊で無く交戦権も持た無い存在である・・・と、それが憲法上の建前ではある。が現実には、我が国は実質的な軍隊を自衛隊と呼んで活動させて居る。
 詰まり、国際法で認められる、独立国として自らの国を守る自衛権は保持して居るので、その為の武力を持った組織を持って居る。それが、詰まり自衛隊だ。

 彼等は、その様な立場の状態で更に海外にも出動させられる。しかし、憲法解釈上色々と制約があるので、海外の軍隊と同じ立場で任務を全うすることは不可能。なので、後方支援に似た「給水部隊」「施設部隊」としての活動に限って活動せざるを得ない状況にある。
 詰まり、彼等には軍隊として持たなければ為らない色々な法律が不備の為、自らを守る法律が無い・作れ無い訳だ。

 例えば、駐屯地を攻撃され自らを守る為の戦闘行為が始まったとしよう。自分達が負傷したり亡く為ったり、守る為に相手を負傷させたり殺した場合、彼等は日本の刑事訴訟法で裁かれる。軍隊では無いので戦時法が無い。その為、交戦した場合の一切の法律が無く一般の刑事訴訟法が便宜上適用される。彼等は、国の命令で動いて居るのだが、一般の容疑者と同じ法律が適用される・・・これって有りだろうか。

 詰まり、両教授が言わんとすることは、憲法を改正して自衛隊をハッキリ軍隊と銘記し、それに関する法整備をして確りと自衛隊を法律で縛ら無ければ、戦争放棄処か単なる無法な武力集団に為ってしまうぞ・・・と云う事。昔の「軍法」の様な各種法律を作るには、憲法を改正し無くては出来ないのだ。文民統制・武力行使の国会承認・交戦規程・軍事法廷・裁判・・・色々な法律が必要なのだそうだ。



 






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