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2009年01月29日

国立循環器病センターでの検体取り違え

これが、どうやら、ラックを逆にしたためだそうだが、天下の国立循環器病センターで、って思ってしまった。 まず、検体をバーコード管理していれば、起こりえないことだ。 「血液を取り分ける作業をした際」とあったが、ここもポイントだ。要するに、サンプルカップか何かに取り分ける作業をしているのが、そもそもの間違いの元であって、採血管自体で検査できないシステムでないところが、だめなところ。 あとは、検査技師自体の問題で、なんで再検しなかったのか、ということ。陽性検体を再検していれば、その時点で、取り違いに気づいたのではと思う。 なんともお粗末な話だよ。 さて、実際、なんの検査だったのか気になったが、EBウイルスらしい。 EBウイルスは、臓器移植後などで問題になっているLPD(リンパ増殖性疾患)の原因ウイルスとして重要だ。 EBウイルス自体、ほとんどの人が、子供のころに感染し、無症状で過ぎるのだが、感染すれば生涯にわたりウイルスと共存し、唾液中に排泄しているのである。(そのため、青年期の初感染は、キスにより起こり、キッス病と呼ばれる所以もある。) これが、臓器移植後の免疫抑制剤の投与により、ウイルスの再活性化が起きるわけである。 さてさて、この間違えられた患者さん、抗ウイルス薬を投与され、実際、白血球減少の副作用が出たそうだから、やばかったですよね。 ちなみに、抗ウイルス剤があるのは インフルエンザウイルス サイトメガロウイルス ヘルペスウイルス B型肝炎ウイルス C型肝炎ウイルス HIV 患者12人の検体を取り違え 国立循環器病センターが不要な投薬 国立循環器病センター(大阪府吹田市)が心臓移植手術を受けた患者ら12人のウイルス検査の血液検体を取り違え、うち女性1人に誤ったデータを基に不要な投薬をしていたことが27日、分かった。女性は白血球が減り、リハビリなどに影響が出たという。
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