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2009年02月14日
血液検査の注意点
血液検査
白血球(WBC)、赤血球(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(HCT)、
血小板数(PLT)、赤血球恒数(MCV,MCH,MCHC)、網状赤血球
白血球分類
出血時間、PT、APTT、フィブリノーゲン(Fib)、トロンボテスト、
ヘパプラスチンテスト、FDP
血液型(ABO式、Rh式)、骨髄検査(有核細胞数、巨核球数)
@血液一般
・ 血液一般(WBC・RBC・Hb・HCT・Plt)、白血球分類(血液像)、網状赤血球、血液型は抗凝固剤(EDTA-2K)入り採血管(紫キャップ)に採血し、速やかに静かに転倒混和して下さい。
・ 採血量は2ml必要です。
・ 血液形態検査(目視)はメイ・ギムザ染色を用いています。
・ 血液型に関しては口頭での問い合わせには応じかねますので必ず、検査伝票の提出をお願い致します。
@凝固検査(PT,APTT,Fib,FDP,ヘパプラスチンテスト,トロンボテスト)
・ 3.8%クエン酸Na入り採血管(黒シールキャップ)に採血する。採血量は目盛までを厳守し、速やかに静かに転倒混和して下さい。採血量が守られない場合は検査できない場合があります。(特にトロンボテスト)
・ 検体は速やかに検査室に提出して下さい。やむをえず保管する場合は冷蔵庫に保存して下さい。
・ 3.8%クエン酸Na入り採血管は検査室にあります。
@骨髄穿刺液検査(マルク)
・ マルクがある場合は事前に検査科にご連絡下さい。
・ 外注検査集配の関係上、午前中の検査が望ましいです。
・ マルクのときは、抹消血の血液像も必要なため、当日血液一般検査がない場合は、患者さんから血液一般用の採血をお願いします。
・ 必要な依頼書は、血液一般用伝票(有核細胞数、巨核球数にチェックしてください)
・ さらに、細胞表面マーカー検査がある場合は細胞性免疫検査依頼書を、染色体検査がある場合は染色体検査依頼書を提出して下さい。
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2004年01月26日
AAかMMか
近医からの紹介患者。10日前より鼻血が止まらないという。血算のデータは、WBC1100、RBC190万、PLT3.4万と汎血球減少。末梢血液像では、リンパ球が99%。マルクを施行し、骨髄像を観察。骨髄は低形成で、巨核球も標本上みられなかった。カウントをはじめて、すぐに形質細胞が多いのに気づいた。結局のところ、赤芽球系、顆粒球系とも極端に少なく、リンパが66.5%、形質細胞は30.5%もあった。この形質細胞は、一部細胞質が大型で辺縁が不整なもの、いわゆるflame cellも見られた。Golgi野がかなり発達しているとみられ、多量の免疫グロブリンを産生しているものと推測。化学の担当者に、蛋白分画をみせてもらったが、M蛋白は認められなかった。表面マーカーはMMセットを出した。染色体とクロットの病理も依頼。続きを読む...
2003年07月10日
Fonio法
いまや血小板計数は自動血球計数器での測定が一般的だけど、偽性血小板減少症の時や血小板の大小不同がある時などは、用手法であるFonio法で算定するのが有効である。実際に、血小板の形態も確認できる利点もある。まあ、見る箇所によっては誤差も大きくなるだろうが。成書では、14%硫酸マグネシウムで塗抹標本を作るとあるが、日常的に行っているメイ・ギムザ染色でいい。
実際の算定法は、赤血球1000個当たりの血小板数を数え、
赤血球数×血小板数/1000
経験上、顕微鏡の1視野で赤血球が1000個ぐらいのところを10視野数えて割合で計算すると、個人間のバラツキも少なくなっていいようだ。1視野1000個というのは、600倍で赤血球の重なりがないところが、大体そうである。
2003年07月08日
多発性骨髄腫
一般にMM:multiple myelomaという、形質細胞由来の悪性腫瘍。
骨痛などが代表される症状で、そのために、整形外科にかかってからの患者さんでよく見つかるようである。これは、腫瘍化した形質細胞が骨髄内で集塊を形成しやすいため。形質細胞(plasma cell)は、Bリンパ球が分化したもので、免疫グロブリンを産生する。
骨髄腫の約30%で高Ca血症が起きるが、これは、骨髄腫細胞によって分泌されるOAF(破骨細胞に対する活性化因子)が関与している。OAFにより破骨細胞が活性化され、骨を脱灰するために、高Ca血症となるのである。
余談だが、多発性骨髄腫では、蛋白電気泳動でM蛋白が見られるのだから、蛋白電気泳動は整形外科のルーチン項目としてもいいと思うのだが、せっかく検査をしても査定されるようである。
2002年03月14日
多発性骨髄腫のマルク
S26年生まれの男性
抹消血では、中等度の正球性正色素性貧血がみられ、WBCは3,600とわずかに減少。血液像は、M蛋白(総蛋白9.7g/dl中45.6%)による赤血球連銭形成が著しく、形質細胞様異型リンパは3%であったが、
骨髄像のカウント(500)では、形質細胞が40%もあった。